弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由について。
 論旨は、原判決が当裁判所昭和二七年二月二〇日言渡の大法廷判決(民集六巻二
号一二二頁)を引用し、憲法七九条二項所定の国民審査は最高裁判所裁判官の解職
の制度と解すべく、従つて現行の最高裁判所裁判官国民審査法がこれを解職投票と
してその手続を規定したのは、なんら右憲法の条項に違反するものではなく、右法
律によつて執行された審査投票を無効とすべき理由のない旨を判示したのをもつて、
右国民審査の本質を誤解した違憲の裁判であるというにある。
 しかし、最高裁判所裁判官についても、その罷免の事由は憲法七八条所定のもの
に限定され、従つて同法七九条二項はその解職についての定めではなくして、右裁
判官の任命行為の審査を規定したものでなければならないとし、同条三項にいう罷
免を、任命を否とする審査の結果を解除条件の成就とする任命行為の失効とみる所
論は首肯しがたく、前示大法廷判決を変更する要は認められない。論旨は理由がな
い。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官奥野健一の補足意見あ
るほか、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 裁判官奥野健一の補足意見は次のとおりである。
 憲法七九条二項は「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆
議院議院総選挙の際国民の審査に付し……」と規定しているのであるから、国民の
審査の対象は、任命自体であると解するのが最も素直な解釈であると思う。また、
その後十年を経過した後行われる国民審査の対象も、当該裁判官の任命後の裁判に
おいて示した意見、職務遂行の実績その他の事項を考慮して、更にその任命の適否
を審査するものと考える。かくの如くにして憲法は、司法の最高の地位にある最高
裁判所の裁判官の任命について、広く国民の審査に付して、民意を反映せしめ、も
つて、司法裁判が国民の信託に由来するものであるとの民主主義の原理に即応せし
めんとするものであると解する。
 そして、裁判官の任命を審査するとは、当然その裁判官が果して最高裁判所の裁
判官として適任であるか否かを審査することであつて、審査人である国民が審査の
結果、その裁判官を不適任と判断したときは、当該裁判官について罷免を可とする
投票を行い、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は罷免さ
れるのである。(同法同条三項。)
 すなわち、憲法は罷免を可とする投票が有効投票の多数(過半数)を占めるに至
つたときに限り、当該裁判官は罷面されるものとしているのであるから、積極的に
罷免を可とする旨の投票以外の投票は、これを罷免投票の数に算入しない趣旨であ
ること明らかであり、従つて、必ずしも罷免投票と積極的な信任投票を要求してい
るものと解さなければならないものではない。最高裁判所裁判官国民審査法は、右
憲法の趣旨に反するものではないから、違憲ではない。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   件 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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