弁護士法人ITJ法律事務所

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主文
1被告は,平成23年8月29日までの間,ホームページ及びブログ等を
作成してウェブ上に公開することによって,被告が運営するヴォイストレ
ーニング教室の宣伝,勧誘等の営業行為をしてはならない。
2訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
主文と同旨
第2当事者の主張
1請求原因
(1)原告は,Fアカデミー(以下「アカデミー」という。)を運営する会社で
あり,アカデミーにおいて,話すためのヴォイストレーニングを専門的に行
う教室を開いている。株式会社G(以下「G」という。)は,アカデミーの
講師を雇用している会社である。
(2)被告は,平成18年5月にGに雇用され,以後アカデミーの講師として勤
務していた。
(3)被告は,平成20年6月ころ退職を申し出たところ,原告から誓約書等の
提出を求められ,同年6月28日に原告に対し誓約書(甲1。以下「本件誓
約書」という。)と秘密保持に関する誓約書(甲2。以下「本件秘密保持誓
約書」といい,本件誓約書と合わせて「本件誓約書等」という。)を提出し
た。本件誓約書には,「4.業務上の機密・個人情報は,在職中はもとより
退職後といえども,開示,漏洩もしくは使用しないこと」との記載があり,
本件秘密保持誓約書には,「第1条(秘密保持の誓約)…次に示される貴
社の技術上または営業上の情報…について,貴社の許可なく,いかなる方法
をもってしても,開示,漏洩もしくは使用しないことを約束致します。」「④
授業のノウハウ」,「第4条(競業避止義務の確認)私は,前条を遵守す
るため,貴社退職後3年間にわたり,次の行為をしないことを約束致します。」
「②貴社と競合関係に立つ事業を自ら開業又は設立すること」との記載があ
った。
被告は原告に対し本件誓約書等を提出し,もって,原告退職後3年間にわ
たり原告と競合関係に立つ事業を自ら開業又は設立することをしないことを
約束した(以下「本件競業避止合意」という。)。
(4)被告は,平成20年8月30日Gを退職してアカデミーの講師を辞めた
が,同年8月には東京都中野区において,「A教室」を開校し,話すための
ヴォイストレーニングを行う事業を始めた。
(5)被告の上記行為は,本件競業避止合意に基づく競業避止義務に違反する。
(6)よって,原告は被告に対し,本件競業避止合意に基づき,平成23年8
月29日までの間,ホームページ及びブログ等を作成してウェブ上に公開す
ることによって,被告が運営するヴォイストレーニング教室の宣伝,勧誘等
の営業行為を行うことの差止めを求める。
2請求原因に対する認否
(1)請求原因(1)ないし(3)の事実を認める。
(2)同(4)の事実は,開校時期を除き,認める。被告がレンタルスタジオを使
用して実際に生徒に教えたのは平成20年11月以降のことであった。
(3)同(5)を争う。
3被告の反論
(1)ア原告が被告にアカデミーの講師として話すためのヴォイストレーニン
グを行わせる際に提供したノウハウは,格別の独自性・価値を有しないも
のであった。
イ被告は,週1回(実働7時間)のアルバイト従業員にすぎない。給与は
時給制で,研修受講時は時給800円,それ以後は時給900円ないし1
200円であった。
ウしたがって,本件競業避止合意は合理性を欠き,公序良俗に反し無効で
ある。
(2)本件誓約書等は,退職間際の時期に心理的に強制されて誓約させられたも
のであり,対等な当事者としての合意とはいえない。したがって,その誓約
の効果も制限され,被告に対し法的に強制することはできない。
(3)差止め請求が認められるためには,当該行為を放置しておくと回復し難い
損害が生ずるという事情を原告において主張・立証しなければならない。被
告は原告に損害を与えるような競業はしていないから,差止めの利益がない。
(4)本件訴訟の提起は,次の事情があるから権利の濫用に当たる。
ア原告が本件訴訟を提起したのは,退職から2年後に被告のホームページ
を見つけてからのことであり,時期が遅い。
イ原告に損害が発生しておらず,競業関係にない。
ウ競業避止義務が退職後3年間というのは長期に過ぎる。
エ被告の教室は個人事業で,原告の経営規模とは比較にならないほど小さ
いこともあり,原告にとって経済的な意味はなく,本件請求は形式的な書
面を奇貨とするものである。
4抗弁に対する認否
(1)被告の反論(1)のうちイを認めるが,アを否認し,ウを争う。
被告は話すためのヴォイストレーニングの経験のない状態で入社し,独自
性・有用性のあるノウハウを原告から伝授されてアカデミーの講師をした。
(2)被告の反論(2)を否認ないし争う。
(3)被告の反論(3)を争う。
(4)被告の反論(4)を争う。
原告は,話すためのヴォイストレーニングを行うための指導方法及び指導
内容という原告独自のノウハウが,原告と競合関係に立つ者に不当に利用さ
れることを防止するため,原告の運営するヴォイストレーニング教室に勤務
する講師に対して,退職後3年間の競業避止義務を課している。本訴の請求
は,正当な権利行使であり,権利濫用には当たらない。
第3当裁判所の判断
1事実関係
請求原因(1)ないし(3)の事実及び同(4)の事実(ただし,開校の時期を除く。)
は当事者間に争いがない。これらに,証拠(甲1ないし11,乙1ないし4)
及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(1)原告は,各種カルチャー教室の経営,歌手・タレント・作詞家・作曲家の
育成等を目的とする会社であり,アカデミーを運営している。アカデミーは,
話すためのヴォイストレーニングを専門的に行う教室であり,1750名余
の生徒を擁している。Gはアカデミーの講師を雇用している会社である。B
は両会社の代表取締役を務めている。
(2)Bは,ヴォイストレーニングに関する著書やDVDを多数発売しており,
アマゾンの書籍紹介には,「これまでになかった『話すための専門のヴォイ
ストレーニング&ティーチングを行う』Fアカデミーを立ち上げ」と記載さ
れ,また,アカデミーのホームページには,「今までになかった!『話す』
ため専門のヴォイストレーニング」と記載されている(甲10,11)。ア
カデミーにおける生徒に対する接し方や話すためのヴォイストレーニングの
指導方法及び指導内容,集客方法・生徒管理体制等のノウハウは,Bにより
長期間にわたって確立されたもので,独自かつ有用性の高いものである。
(3)被告は,大学在学中の平成9年から2年間,C声優養成所二部一期生に所
属して声優の基礎を学び,卒塾後は,株式会社Dの研究生としてラジオドラ
マや再現ドラマの出演等の活動をし,同社の研究生終了後は朗読公演,演奏
会影アナウンス等の活動をした。
(4)被告は,平成18年5月にGに雇用され,以後原告が運営するアカデミー
に講師として週1日のアルバイトとして働いてきた。被告のアカデミーにお
ける仕事の内容は,ヴォイストレーニングの講師とそれに関する事務作業で
あった。
Bは,入社面接の際に被告がヴォイストレーニングの講師として勤務した
経験がないと聞いていたことから,平成18年5月ころ被告に対し,生徒に
対する接し方や話すためのヴォイストレーニングの指導方法及び指導内容,
集客方法・生徒管理体制等,講師として働く上で必要な事項を指導した。
そして,原告は被告に対し「受付事務マニュアル」(甲8)を交付し,こ
れに基づいて,受付の対応に関するアカデミー独自の具体的な方法を伝え
た。このマニュアルには,受付事務に関し,その心構え,受講生に対する応
対の手順の詳細,通常レッスンと体験レッスンに関する事務手続など,集客
方法・生徒管理に有用な情報が含まれていた。また,原告は被告に対し,「F
アカデミー体験レッスンの手順」(甲9)を交付し,これに基づいて授業
のノウハウを伝えた。ここには,「受講生の出迎え」「自己紹介」「体験レ
ッスン開始(体験レッスンの意味,指導内容の伝達)」「腹式呼吸のデモン
ストレーション」「発声のデモンストレーション」「滑舌のデモンストレー
ション」「実践編」等の体験レッスンの実施についての独自の有用な情報が
含まれていた。さらに,原告は被告を含む各講師に対し,授業ごとに授業し
た内容や生徒の問題点,改善点などを記載したカルテを作成するように指示
した。
(5)Bは,平成20年3月,被告に正社員への登用を打診した。しかし,被告
は,週1回の勤務のまま在籍することをためらって退社を決意し,Bに対し,
親戚からお見合いの話があり同年5月末に退職させてほしいと伝え,後に名
古屋で結婚が決まったと話した。
原告は,話すためのヴォイストレーニングを行うための指導方法及び指導
内容という原告独自のノウハウが,原告と競合関係に立つ者に不当に利用さ
れることを防止するため,原告の運営するヴォイストレーニング教室に勤務
する講師に対して誓約書等を提出してもらい,退職後3年間,競業避止義務
を課すこととしており,被告に対してもこれを求めた。
被告は,平成20年6月28日,原告の上記求めに応じ,本件誓約書(甲
1)と本件秘密保持誓約書(甲2)を提出した。本件誓約書には,「4業
務上の機密・個人情報は,在職中はもとより退職後といえども,開示,漏洩
もしくは使用しないこと。」が含まれており,本件秘密保持誓約書には,次
の約定が含まれていた。
「(秘密保持の誓約)
第1条社内規定を遵守し,次に示される貴社の技術上または営業上の情
報(以下「秘密情報」という)について,貴社の許可なく,いかなる方
法をもってしても,開示,漏洩もしくは使用しないことを約束致します。
①財務,人事に関する情報
②顧客に関する情報
③学校運営上のノウハウ
④授業のノウハウ
⑤貴社が特に秘密情報として指定した情報
(退職後の秘密保持の誓約)
第3条秘密情報については,貴社を退職した後においても,私自身のた
め,あるいは他の事業者その他の第三者のために開示,漏洩もしくは使
用しないことを約束致します。
(競業避止義務の確認)
第4条私は,前条を遵守するため,貴社退職後3年間にわたり,次の行
為をしないことを約束致します。
①貴社と競合関係に立つ事業者に自ら就職したり,役員に就任するこ

②貴社と競合関係に立つ事業を自ら開業又は設立すること」
被告は,平成20年7月12日に退職覚書(甲3)を提出した。上記覚書
には,「私は,貴社を退職するにあたり,以下の事項を遵守することを誓約
致します。」,「平成20年6月28日に提出致しました貴社との秘密保持
に関する誓約書,及び誓約書を守り,また退職によって生徒を困惑,退会さ
せ,貴社に損失,迷惑がかからないよう,生徒の保持に努めると共に,誠実
に引継ぎ業務を行ないます。なお,秘密保持に関する誓約書第4条の競業避
止義務を遵守するにあたり,従業員及び生徒の引き抜き行為は一切行ないま
せん。」との記載があった。
(6)被告は,退職後の準備として,ホームページ制作会社に平成20年9月以
降にホームページを開設したいと伝えたところ,「インターネットは,開設
後2週間はほとんど反応が出てこないと考えていいので,9月から活動する
のであれば,9月に出すのでは遅すぎます。」と言われ,同年8月後半から
ヴォイストレーニング教室を宣伝するためのホームページを開設した。被告
は,平成20年8月30日にGを退職し,そのころ東京都中野区に「A教室」
を開校し,今日に至るまで同教室を運営している。
(7)被告が開設したホームページは,次の内容を含んでいる。(甲4ないし6)
アA教室
東京都中野区にある話す声のボイストレーニング・朗読教室
話す声のボイストレーニング(個人レッスン)
レギュラートレーニングコース
レッスン受付時間
平日・土曜日10:00~20:55(最終受付20:00)
日祝15:00~20:55(最終受付20:00)
2010/6/156月の1DAYレッスン日程UPしました。
レッスンを担当する講師
Eボイスアドバイザー
イレギュラートレーニングコースの紹介
(ア)ストレッチ・腹式呼吸のトレーニング
(イ)表情筋のトレーニング
(ウ)発声のトレーニング
(エ)滑舌のトレーニング
(オ)チャレンジトレーニング,実践トレーニング
(カ)録音トレーニング
2被告の反論(1)(本件競業避止合意は公序良俗に反するか)について
(1)被告は,本件競業避止合意は合理性を欠き,公序良俗に反し無効であると
主張する。
しかし,本件競業避止合意は,その規定全体からみて,原告が顧客に関す
る情報,学校運営上のノウハウ,授業のノウハウ等の秘密情報を保有してい
ることから,従業員に退職後も秘密情報の保持を誓約させ,秘密情報を保持
することを目的とするものと解される。そして,アカデミーにおける話すた
めのヴォイストレーニングを行うための指導方法・指導内容及び集客方法・
生徒管理体制についてのノウハウは,原告代表者であるBにより長期間にわ
たって確立されたもので独自かつ有用性が高いことは前記1認定のとおりで
あるから,本件競業避止合意は原告の上記ノウハウ等の秘密情報を守るため
のものということができ,目的において正当である。また,本件競業避止合
意が被告に対し原告退職後3年間の競業行為を禁止するのも,上記目的を達
成するための必要かつ合理的な制限であると認められる。このように,本件
競業避止合意は目的が正当であり,その手段も合理性があるから,公序良俗
に反しない。
(2)被告は,本件競業避止合意が公序良俗に反すると主張し,その根拠とし
て,①Bの確立した指導方法・指導内容及び集客方法・生徒管理体制につい
てのノウハウは独自性がなく価値が低いこと,②被告は週1回(実働7時間)
のアルバイト従業員にすぎず,給与は時給制で研修受講時は時給800円そ
れ以後は時給900円ないし1200円であったこと,③競業避止期間が3
年間と長期間であり,そのうち既に2年間は経過していること等を挙げる。
しかし,上記①については,原告のノウハウに独自の有用性があることは前
示のとおりであり,また,乙1ないし3(他のヴォイストレーニング教室の
ホームページ)はこれらの教室の存在がうかがえるだけであって,原告のノ
ウハウに独自の有用性があるとの判断を左右するものではない。上記②につ
いては,被告はヴォイストレーニングの講師の経験がなかったところ,Bか
ら話すためのヴォイストレーニングに行うための指導方法及び指導内容等
についてノウハウを伝授されたのであるから,本件競業避止合意を適用して
原告の上記ノウハウを守る必要があることは明らかであり,被告が週1回の
アルバイト従業員であったことは上記判断を左右するものではない。上記③
の競業避止期間3年についても,原告のノウハウ保護という本件競業避止合
意の目的との関係において長きに過ぎるとはいえない。したがって,被告の
上記主張は採用することができない。
3被告の反論(2)(本件誓約書等は心理的強制によるものか)について
被告は,本件誓約書等は退職間際の時期に心理的に強制されて誓約させられ
たもので,対等な当事者としての合意とはいえないから,その誓約の効果も制
限され,被告に対しその遵守を法的に強制することはできないと主張する。被
告の上記主張は,その趣旨が必ずしも明らかでないが,心理的に強制されて誓
約された本件誓約書等は法的拘束力を有しないというものと解される。しかし,
仮にある合意が心理的に強制されたとしても,これによって直ちに法的拘束力
がなくなるとはいえず,被告の上記主張は採用することができない。
この点をおき,被告が心理的に強制されたかどうかについて検討すると,被
告の陳述書(乙4)には,「Bから今度誓約書を作るようになりましたと決め
つけるような表現で言われ,Bのいうことは絶対だという雰囲気が教室にあっ
たため週1回のアルバイトの被告が反発することは考え及ばなかったこと,他
の退職した講師が独立して活動していることが判明したときに,連絡ノートに
「このままではすましません」というBの一文が書かれているのを見て,Bに
逆らうと自分が教室の中でどんな状況に追い込まれるのか不安にかき立てら
れ,誓約書の署名を拒否してそのせいでレッスンの質が下がってしまうといっ
た事態を避けるためには誓約書に署名しないといけなかった」との陳述記載部
分がある。しかし,被告は,退職の意向を表明した後に原告から誓約書等への
署名を求められ,1か月後に本件誓約書等に署名しており,署名した2か月後
に退職したことは前記1認定のとおりであるから,これらの事情に照らせば,
上記陳述記載部分はたやすく信用することができない。他に被告が心理的に強
制されたことを基礎付ける具体的な事実の主張及び立証はない。
4被告の反論(3)(差止めの要件)について
原告と被告間で本件競業避止合意が成立していること,被告は退職後東京都
中野区に「A教室」を開校し,今日まで同教室を運営していること,被告の開
設するホームページには上記ヴォイストレーニング教室を宣伝しており,同教
室で「話す声のボイストレーニング」を行う等旨の記載があることは前記1認
定のとおりである。これらの事情を総合すると,被告が話すためのヴォイスト
レーニング等を行う教室を開業する行為は,原告と競合関係に立つものであっ
て,本件競業避止合意に反する。これらの事情に,被告は今後も同教室を運営
する意思を有していることを併せ考慮すると,話すためのヴォイストレーニン
グを行うための授業方法,授業内容等についての原告のノウハウを保護するた
めには,被告がホームページ及びブログ等を作成してウェブ上に公開すること
によって同教室の宣伝,勧誘等の営業行為をすることを差し止める必要性が高
いというべきである。
被告は,差止め請求が認められるためには,当該行為を放置しておくと回復
し難い損害が生ずるという事情をも原告において主張立証することを要する
と主張する。しかし,本件競業避止合意に反する競業行為が行われている以上,
競業行為に当たる営業行為を差し止める必要性があることは前示のとおりで
あり,それ以上に原告において当該行為を放置しておくと回復し難い損害が生
ずるという事情まで主張立証する必要はない。
5被告の反論(4)(本件訴訟の提起は権利の濫用か)について
被告は,本件訴訟の提起が権利の濫用に当たると主張し,その事情として,
①原告が本件訴訟を提起したのは,退職から2年後に被告のホームページを見
つけてからのことであり,時期が遅いこと,②原告に損害が発生しておらず,
競業関係にないこと,③競業避止義務が退職後3年間というのは長期に過ぎる
こと,④被告の教室は個人事業で,原告の経営規模とは比較にならないほど小
さいこともあり,原告にとって経済的な意味はなく,本件請求は形式的な書面
を奇貨とするものであること等を挙げる。
しかし,上記①については,原告は,被告から退職して名古屋で結婚すると
聞かされていたことから,被告が退職後に都内でヴォイストレーニングの教室
を開設することは想定できなかったと考えられ,このような原告が被告のホー
ムページを発見するのが遅くなったことを被告自身に非難されるというのは本
末転倒である。上記②については,被告が退職後に競業行為を行っており,こ
れにより授業方法,授業内容等についての原告のノウハウが侵害される現実的
な可能性がある以上,これを守るために本件訴訟を提起するのは正当な権利の
行使であって,他に具体的な損害の発生まで立証する必要はない。上記③につ
いては,競業避止期間が3年であることは原告のノウハウを守るために長きに
過ぎるとはいえない。上記④の被告の経営規模が小さいことは,原告のノウハ
ウを守るという目的を否定する事情にならない。他に本件訴訟の提起が権利の
濫用に当たることを基礎付ける事情の主張及び立証はない。
6結論
以上によれば,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,主文
のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第5部
裁判長裁判官畠山稔
裁判官熊谷光喜
裁判官瀬戸信吉

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