弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
     本件各控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は被告人Aの弁護人木田州又、被告人Bの弁護人柴崎四郎、同増
田彦一共同、弁護人中野博義、被告人Cの弁護人遠山丙市、被告人Dの弁護人河田
広、同有賀正明共同各作成名義の控訴趣意書記載のとおりであるから、これらをこ
こに引用し、これらに対し次のとおり判断する。
 木田弁護人の論旨第一点及び中野弁護人の論旨第一点
 原判決が被告人A、同Bの原判示第二の別紙一覧表(二)の3の事実認定に引用
した被告人Bの検察官に対する昭和三一年四月一六日附供述調書は所論の如く九四
六丁と九四七丁間、九四七丁と九四八丁間、九四八丁と九四九丁間、九四九丁と九
五〇丁間、九五〇丁と九五一丁間、九五一丁と九五二丁間に夫々右調書の作成者で
ある検察事務官Eの契印を欠いていることは明白である。
 しからば、右調書は刑事訴訟規則第五八条第二項の規定に違反していることは謂
う迄もない。
 <要旨第一>しかし右調書にはその作成者である検察事務官Eの署名押印の外取調
検察官大槻一男の署名押印も存在し、作成年月日も所属官署の表示も為
されているのみならず右調書の筆跡は終始同一人のものと認められ、契印の存在し
ない部分の前の丁と後の丁との文章の脈絡も続いていて、首尾一貫している点から
見れば、この調書は全体として昭和三一年四月一六日検察官大槻一男によつて為さ
れた被告人Bの取調につき、同被告人の供述を検察事務官Eが録取作成した被告人
Bの供述調書と認めるに十分である。
 そして原審第一一回公判調書(昭和三二年一二月一三日附)によれば、被告人A
も被告人Bも共に右被告人Bの供述調書を証拠とすることに何等異議なく同意をし
ているのである。右供述調書は証拠能力の存するものであつて、原判決がこれを証
拠に引用したのは正当である。原判決は何等訴訟手続の法令違背の存するものとは
認められない。論旨は何れも理由がない。
 遠山弁護人の論旨第一、河田、有賀両弁護人の論旨
 原判決引用の関係証拠殊に、被告人Cの検察官に対する昭和三〇年一二月一三日
附供述調書、被告人Dの検察官に対する同年一一月一〇日附供述調書によれば、右
被告人両名は外国人登録証明書の作成権限を有する者が、内容虚偽の外国人登録証
明書を作成するものと認識して、本件外国人登録証明書偽造に参加したものである
ことが認められるのであつて、右被告人両名は本来刑法第一五五条の所謂公文書の
有形偽造の認識は有せず、ただ同法第一五六条の所謂公文書の無形偽造の認識しか
有しなかつたのであるが、被告人Aの手により現実に作成された外国人登録証明書
は公文書の有形偽造に係るものであつたことが認められるのである。
 <要旨第二>ところで、公文書を偽造することを順次共謀した数人の者のうちに公
文書の無形偽造の認識しか有しなかつた者が存在するのに、現実には公
文書の有形偽造が行われた場合には、その実行者の作成権限の有無につき認識の相
違があるのみで、被告人Cの場合は自己の妻の弟Fの、被告人Dの場合は自己の夫
々外国人登録証明書を不正に作成するものであつて公文書偽造の目的には何等違い
はないのみならず、公文書の無形偽造と有形偽造とは犯罪の構成要件を異にする
も、両者はその罪質を同じくし且法定刑も同一であるから、無形偽造の認識しかな
い者でも有形偽造の故意の責任を負わなければならないものと解するのを相当とす
るので、結局原判決引用の関係証拠によれば、被告人C同Dの各原判示事実を認め
うるのである。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 山本謹吾 判事 渡辺好人 判事 石井文治)

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