弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
       本件上告を棄却する。
       当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人谷直樹の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引
用するものであって,本件に適切でなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,実
質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告
理由に当たらない。
 以下,所論にかんがみ,本件無免許運転罪の成否につき,職権をもって判断する。
 1 原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。
 (1) 本件運転に係る自動車(以下「本件車両」という。)は,長さ502㎝,
幅169㎝,高さ219㎝で,もともとは運転席及び座席が合計15人分設けられ
ていたが,被告人が勤務する建設会社において,かなり以前から,後方の6人分の
座席を取り外して使用していた。しかし,本件車両の自動車検査証には,本件運転
当時においても,乗車定員が15人と記載されていた。
 (2) 被告人は,普通自動車と大型自動車とが区別され,自己が有する普通自動
車免許で大型自動車を運転することが許されないことは知っていたものの,その区
別を大型自動車は大きいという程度にしか考えていなかったため,上記(1)のよう
な本件車両の席の状況を認識しながら,その点や本件車両の乗車定員について格別
の関心を抱くことがないまま,同社の上司から,人を乗せなければ普通自動車免許
で本件車両を運転しても大丈夫である旨を聞いたことや,本件車両に備え付けられ
た自動車検査証の自動車の種別欄に「普通」と記載されているのを見たこと等から
,本件車両を普通自動車免許で運転することが許されると思い込み,本件運転に及
んだものであった。
 2 道路交通法3条は,自動車の種類を,内閣府令で定める車体の大きさ及び構
造並びに原動機の大きさを基準として,大型自動車,普通自動車,大型特殊自動車
,大型自動二輪車,普通自動二輪車及び小型特殊自動車に区分し,これを受けて,
同法施行規則2条は,大型特殊自動車,大型自動二輪車,普通自動二輪車及び小型
特殊自動車以外の自動車で,車両総重量が8000㎏以上のもの,最大積載量が5
000㎏以上のもの又は乗車定員が11人以上のものを大型自動車と,それ以外の
ものを普通自動車と定めているところ,【要旨1】乗車定員が11人以上である大
型自動車の座席の一部が取り外されて現実に存する席が10人分以下となった場合
においても,乗車定員の変更につき国土交通大臣が行う自動車検査証の記入を受け
ていないときは,当該自動車はなお道路交通法上の大型自動車に当たるから,本件
車両は同法上の大型自動車に該当するというべきである。そして,【要旨2】前記
1の事実関係の下においては,本件車両の席の状況を認識しながらこれを普通自動
車免許で運転した被告人には,無免許運転の故意を認めることができるというべき
である。そうすると,被告人に無免許運転罪の成立を認めた原判断は,結論におい
て正当である。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文により,裁判官
全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 堀籠幸男 裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田豊三 裁判官 藤田
宙靖)

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