弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中上告人に対し石川県鳳至郡a町字bcのd番田五畝一〇歩の所
有権侵害に基づく損害賠償
     を命じた部分を破棄する。
     右部分につき本件を名古屋高等裁判所金沢支部に差し戻す。
     原判決中その余の上告人敗訴部分に関する上告を棄却する。
     前項に関する上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人木梨与松の上告理由一(イ)について。
 原判決は、上告人が昭和二七年六月一三日被上告人に主文第一項掲記の田一筆を
その他の本件不動産とともに贈与する旨の契約を締結しながら、その後、さらに、
右田を原審共同被控訴人Dに売り渡して所有権移転登記を経由した事実を確定し、
上告人の右行為は故意に本件田に対する被上告人の所有権を侵害したものであると
し、上告人に右田の時価五万円相当の損害賠償義務があると判示した。しかし、右
贈与契約当時施行されている農地調整法四条の規定によれば、農地の所有権の移転
は命令の定めるところにより、都道府県知事の許可または市町村農業委員会の承認
を受けることを要し、これなくしてなした行為はその効力を生じないのであるから、
単に本件田を目的とする贈与契約が締結されたというだけで、直ちに被上告人が本
件田の所有権を取得したものとは断じ難く、前示許可または承認を受けた事実を判
示していない原判決は、審理不尽、理由不備の違法があるといわなければばならず、
この部分において、原判決は破棄を免れない。
 同一(ロ)前段について。
 原判決挙示の証人Eの証言によれば、本件不動産の時価につき原判示のような認
定をしえられなくはない。右認定につき必らず鑑定によるべきものとする法則はな
く、また、右証言が本件予備的請求の提起前に顕出されたものであるからといつて、
該請求の証拠としての適格を欠くとはいえない。所論は採用できない。
 同一(ロ)後段について。
 裁判所が訴の変更を適法と認めた判断を中間裁判の形式によつて示すか、あるい
は、終局判決の理由中で示すかは、訴訟の具体的状況に応じ自由な裁量をもつて決
しうるところであるから、原審が本件訴の変更につき判決の理由中において、はじ
めて、その適法なゆえんを説示したからといつて、なんら違法な点はないというべ
きである。所論は採用できない。
 同二について。
 所論は、原審が適法にした証拠の取捨判断ならびに事実の認定を非難するもので
あり、上告適法の理由とし難い。
 よつて、民訴四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全
員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

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