弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人等の連帯負担とする。
         理    由
 各被告人の弁護人藤野稔の上告趣意第一点について。
 所論は明らかに刑訴四〇五条に定める上告理由に該当しないしまた同四一一条を
適用すべきものとも認められない。
 同第二点について。
 しかし、原審第二回公判調書の記載によれば原審判決の言渡は公開の法廷におい
て行われたこと明白であるから、所論は採用できない。
 同第三点について。
 所論は、刑訴四〇五条に定める上告理由ではないし、また、所論公判調書の被告
人等が出頭して公判廷において身体の拘束を受けなかつたとの記載文字が不明瞭で
あるというだけでは法令違反であるともいえない。
 同第四点について。
 新刑訴においては判決書に契印がないということだけでは判決を破棄すべき法令
違反ではない。(刑訴三七八条、三七九条参照)。また、判決書に裁判官全員又は
裁判長が契印しなければ判決書の各葉が連続しないともいえない。されば、原判決
書の各葉に陪席裁判官一人の契印がある以上その連続に欠くところは認められない。
 よつて刑訴四〇八条、一八一条、一八二条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
  昭和二五年六月一五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅

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