弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人室木彌次郎の上告理由第一点前段について。
 原審は、原審共同被控訴人Dは原判示(一)ないし(五)の不動産を上告人に譲
渡したが、いまだその所有権移転登記手続をしないうち、(一)の田、(二)の山
林を被上告人B1に、(三)ないし(五)の山林を被上告人B2に売り渡し、被上
告人B2はさらに右(五)の山林を被上告人B3に売り渡し、それぞれ所有権移転
登記手続をした(右(五)の山林については中間を省略しDから直接被上告人B3
に名議を移転した)事実を確定したうえ、所論引用のごとく判示し、被上告人らに
対する本訴第一次請求(所有権確認・所有権移転登記抹消請求)を棄却すべきもの
と判断した。右判断は是認できる。所論は、Dが本件不動産を上告人に贈与しなが
ら、これを自己の所有として被上告人らに売り渡すことはできないといつて原判決
を非難するが、独自の見解に立つものであり、採用に値しない。また、Dと被上告
人らの売買は他人の権利を目的とするものであるところ、Dが上告人から権利を取
得していない以上、右売買を原因とする所有権移転登記は事実に吻合しない無效な
ものであるとの所論は、原審の認定と相容れない事実を前提とするものであつて、
これまた採用できない。
 同第一点後段について。
 前示のとおりDが上告人に本件不動産を譲渡した後、二重に、被上告人らにこれ
を譲渡し、後の譲受人である被上告人らがそれぞれ所有権移転登記を了したときは、
右登記名義の取得につき被上告人らに背信的な害意が認められるならば格別、そう
でない以上、被上告人らが先の譲渡の事実を知悉していたか否、知らないことに過
失があつたか否にかかわらず、被上告人らは該不動産につき完全な所有権を取得し、
先の譲受人である上告人の右不動産に対する所有権は消滅すべきものであり、これ
と同趣旨に出た原審の判断は正当といわなければならない。被上告人らが先の譲渡
を知つており、または過失によりこれを知らなかつたから自己の所有権取得を上告
人に対抗しえないとする所論は、独自の見解に帰し、かつ、一部原審の認定と相容
れない事実を前提とするもの(原審は被上告人らの悪意は認められないと明示して
いる)であり、採用できない。
 同第二点について。
 原判決は、被上告人らの所有権取得登証を無效とする上告人の主張を排斥したう
え、被上告人らは右有效な登記をもつて上告人に対し本件不動産の所有権取得を対
抗できるのであるから、本件不動産の所有権侵害を理由として被上告人らに対し損
害賠償を求める上告人の本訴請求は失当であると判断したものであり、本件の場合、
さらに進んで所論登記の適否ないし効力の有無のごときを審究する必要あるものと
は認められない。また、所論第一点後段に対し説示したところに徴すれば、被上告
人らの過失の有無についても、もはや審理の要をみないものといわなければならな
い。されば、原判決には所論審理不尽の違法はなく、所論は採用できない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

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