弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人伊藤幹一、同岡部勇二の上告理由第一点について。
 論旨は、贈与税賦課権の消滅時効の起算日は贈与による財産取得の日であると主
張し、そのことを前提として、原判決には法令の解釈を誤つた違法がある、という。
 しかし、租税債権の消滅時効も、「権利ヲ行使スルコトヲ得ル時ヨリ進行ス」る
ことはいうまでもない(民法一六六条第一項、昭和三一年法律第一一三号による改
正前の会計法三一条参照)ところ、相続税法(昭和三〇年法律第三九号による改正
前のもの。以下同じ。)は、一暦年中に贈与により取得した財産の価額の合計額を
もつて贈与税の課税価格となし(二一条の二第一項)、この課税価格から一定の基
礎控除をした金額に累進税率を適用して贈与税額を算出すべきものと定めている(
二一条の四、二一条の五)ので、当該暦年の終了をまたなければ、贈与税額の算出
は不可能である。しかも、同法は、贈与税につき申告納税制度を採用し、原則とし
て、納税義務者が贈与により財産を取得した年の翌年二月末日までに課税価格、贈
与税額等を記載した申告書を税務官庁に提出することにより(二八条一項参照)、
若し申告期限までに納税義務者の申告がない場合には、税務官庁がその調査に基づ
き課税価格及び贈与税額を決定することにより(三五条二項参照)、その納付すべ
き税額が確定されるものとしている。したがつて、税務官庁による贈与税課税権の
発動たる決定は、右期限が経過してはじめてこれを行使し得る状態になるものとい
わなければならない。
 されば、贈与税課税権の消滅時効の起算日は、贈与によつて財産を取得した年の
翌年の三月一日であると解するのが相当であり、これと同趣旨に出た原判決(その
引用に係る第一審判決)には所論の違法はなく、論旨は、その前提を欠き、採用す
ることができない。
 同第二点について。
 論旨は、本件家屋の建築費が上告人の夫Dの贈与に係るものであると認めた原判
決の判断に審理不尽、理由不備の違法がある、という。
 しかし、原判決(その引用する第一審判決)の右判断は、その挙示の証拠に照ら
して是認し得るに十分であつて、その過程に所論の違法があるを見い出し難く、論
旨は、所詮、原審の裁量に属する証拠の取捨選択、事実の認定を非難するに過ぎな
いものであつて、採用の限りでない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外
            裁判官    色   川   幸 太 郎

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