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平成25年12月19日判決言渡
平成24年(行ウ)第49号運転免許取消処分取消請求事件
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
愛知県公安委員会が原告に対して平成23年10月7日付けでした運転免許取消
処分を取り消す。
第2事案の概要
1本件は,中型貨物自動車の運転中に人身事故を起こした原告が,愛知県公安
委員会から,横断歩行者等妨害等違反の基本点数2点と交通事故が専ら当該違反行
為をした者の不注意によって発生した場合における重傷事故(治療期間3月以上)
の付加点数13点を付加した15点の累積点数に該当することを理由として,平成
23年10月7日付けで,運転免許を受けることができない期間を同日から1年間
とする運転免許取消処分を受けたため,本件事故は横断歩道外の事故であり,専ら
原告の責任によって発生したものではない旨主張して,その取消しを求めた事案で
ある。
2関係法令等の定め
別紙1「関係法令の定め」に記載したとおりである(同別紙で定める略称は,以
下においても用いることとする。)。
3前提事実(掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。書証
番号は特記しない限り枝番を含む。以下同じ。)
(1)当事者等
原告は,昭和45年▲月▲日生まれの女性であり,愛知県公安委員会から,平
成22年10月17日に第一種運転免許(中型自動車運転免許。以下「本件運転免
許」という。)の交付を受けていた。(甲1)
(2)原告を加害者とする交通事故の発生等
ア原告は,平成23年4月6日(以下「本件事故当日」という。)午後1時1
0分頃,中型貨物自動車(α○○○○。以下「原告車両」という。)を運転して,
愛知県β郡(住所以下省略)先道路(以下「本件道路」という。)をδ方面から同町
ε方面に向かって西方直進するに当たり,原告車両の進行方向から見て,本件道路
を左方から右方に向けて横断していた被害者A(本件事故当時9歳。)に原告車両
左前部を衝突させ,もって,被害者Aに23日間の入院加療及び約4か月の通院加
療を要する脳挫傷,頭蓋骨骨折等の傷害を負わせる交通事故(以下「本件事故」と
いう。)を起こした。(甲2,乙7,10,弁論の全趣旨)
イ本件事故の発生した現場(以下「本件事故現場」という。)周辺の状況は,
別紙2(以下「本件現場見取図」という。)記載のとおりである。本件事故現場周
辺には,北方向から本件道路に交わるT字交差点(以下「本件東側交差点」という。)
と,南方向から本件道路に交わるT字交差点(以下「本件西側交差点」という。)
があり,本件東側交差点の東側には幅員4mの横断歩道(以下「本件横断歩道」と
いう。)が設置されていた。(甲4,5,13,乙6)
(3)本件免許取消処分等
ア愛知県公安委員会は,原告に対して意見聴取を実施した上で,平成23年1
0月7日,本件事故の違反点数が15点(横断歩行者等妨害等違反の基礎点数2点
と,交通事故が専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生した場合における
重傷事故《治療期間3月以上》]の13点を付加したもの。)であり,原告には本
件事故日を起算日とする過去3年以内に行政処分の前歴はなく,その他の違反行為
もないことから,道交法103条1項5号及び7項,道交法施行令38条5項1号
イ及び6項2号ホの規定に該当することになったとして,本件運転免許を取り消し,
運転免許を受けることができない期間を同日から平成24年10月6日までの1年
間と指定する旨の免許取消処分(以下「本件免許取消処分」という。)をした。(甲
1,2,乙11)
イ原告は,平成23年12月5日付けで,本件免許取消処分について異議申立
てをした。(甲2,乙12)
ウ愛知県公安委員会は,平成24年1月6日付けで,前記イの異議申立てを棄
却する旨の決定をした。(甲2)
エ原告は,平成24年▲月▲日,λ簡易裁判所において,自動車運転過失
傷害の罪で罰金20万円に処する旨の略式命令(以下「本件略式命令」という。)
を受けた。(甲3)
(4)本件訴えの提起
原告は,平成24年4月16日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)
4争点及び当事者の主張
本件の主たる争点は,本件事故が本件横断歩道上で発生したものであるか否かで
ある。
(1)被告の主張
ア後記イないしカによれば,本件事故が本件横断歩道上で発生したものである
ことは明らかである。
イ本件事故を目撃したBと被害者Aは,いずれも本件事故が本件横断歩道上で
発生した旨を明確に供述している。他方,原告は,本件事故直後に実施された実況
見分の際には,警察官に対し,本件事故の発生状況を明確に説明することができず,
本件事故当日以降に行われた実況見分や警察官による取調べの中では,本件事故が
本件横断歩道上で発生したものであることを認める旨の供述をしている。
ウ原告は,ウインカーレンズの破片が発見された地点を根拠に本件事故は本件
横断歩道上で発生したものではない旨主張するけれども,衝突事故で破損した車両
の部品は,必ずしも衝突場所の真下に落下するものではない。したがって,本件事
故の際に原告車両から脱落したものと考えられるウインカーレンズの破片が本件横
断歩道上では散乱していなかったからといって,原告が主張するように,本件事故
が本件横断歩道外で発生したことを示す証左であるということはできない。
エ本件事故直後に被害者Aが倒れていた場所は,本件横断歩道から西方に約2
8.8m離れた地点であるところ,車両と歩行者が衝突した地点と歩行者が転倒し
た地点から自動車の衝突速度を推定する方法によれば,本件事故の際の原告車両の
速度は時速約53kmとなり,時速約50kmで走行していたとする原告の供述と
合致する。他方,原告が主張する衝突地点を前提とすると,本件事故当時の原告車
両の速度は時速約36kmとなり,時速約50kmで本件道路を進行していたとい
う原告の供述と矛盾する。
オBは,本件事故後,原告車両がそのまま走り去ったように見えた旨証言して
おり,本件道路上にブレーキ痕は認められなかったことに照らすと,原告は,本件
事故後も,ブレーキを踏まずに原告車両を走行させたと考えられる。したがって,
原告車両の停車位置から,本件事故の発生地点を正確に推定することはできない。
カ運転免許に係る行政処分は,将来における道路交通上の危険を防止するとい
う行政目的を達成するため,行政庁である公安委員会が自らの事実認定と認定事実
に対して法令を適用することによって行うものであるのに対し,刑事処分は,検察
官によって訴追された被告人による公訴事実の有無について裁判所が事実認定及び
法令解釈を行って判断を下し,それに基づいて過去の犯罪行為に対する制裁として
国家刑罰権を行使することによってなされるものであるから,両者は,相互に影響
を受けるものではない。したがって,原告に対してされた本件略式命令の内容が本
件訴訟の帰趨に何ら影響を及ぼすものではないことは明らかである。
(2)原告の主張
ア後記イないしクによれば,本件事故が本件横断歩道上で発生したものではな
いことは明らかである。
イ本件横断歩道から西方に18.2m離れた地点において,原告車両の破損物
品であるウインカーレンズの破片が複数,散乱した状態で発見されたが,これより
東側では破片は見つかっていない。このことは,原告車両と被害者Aが衝突した地
点が,これらの破片が落下していた位置から3m以内の地点であることを示してい
る。
ウ被害者Aは,本件事故直後,本件横断歩道から約28.8m西方の路上に倒
れていたところ,人が時速50kmで走行する自動車に跳ね飛ばされた場合の到達
距離は,衝突地点から18.1mであるから,被害者Aが原告車両との衝突によっ
て28.8mも飛ぶとは到底考えられない。Bも原告も,衝突後,被害者Aが空中
を飛ぶところを見ていないし,被害者Aの身体には擦過傷は見られなかったのであ
るから,被害者Aが衝突後に原告車両に引きずられたということもない。
エ原告車両は,本件事故後,本件横断歩道から43.4m西側の道路上に停車
している。自動車を運転する者が歩行者等に衝突した場合には,反射的にブレーキ
を踏むのが通常であり,原告も,被害者Aと衝突後,反射的にブレーキを踏んでい
る。そして,時速50kmの車両の制動距離は23.4mであるから,仮に,原告
車両が本件横断歩道上で被害者Aと衝突していたとすれば,原告車両は,本件横断
歩道から23.4m程度離れた場所に停車していたはずであり,本件事故後の原告
車両の停車位置は,本件事故が本件横断歩道上で発生していないことを示している。
オ本件事故は,当初,本件横断歩道上の事故であるとして検察官に送致された
が,その後の検察官による取調べを経た結果,最終的には横断歩道上の事故として
は公訴提起されていない。このことは,本件事故が本件横断歩道上の事故であると
は認定できないという検察官の認識が示されたものであって,本件事故が本件横断
歩道上の事故ではなかったことの証左にほかならない。
カ本件事故の目撃者であるBは,対向車線を走行していた車両の運転手であり,
被害者Aや原告車両の動静を注視していたものではない。また,Bは,本件事故現
場の周囲の状況についても曖昧な説明に終始している上,距離感覚や時間感覚につ
いても不正確である。Bの供述は,本件事故後に明らかになったウインカーレンズ
の破片の遺留地点や,被害者Aの転倒場所などの客観的証拠とも矛盾しており,そ
の信用性は乏しい。
キ被害者Aは,警察官による取調べを受けた時点で10歳という年少の女児で
あり,容易に迎合したり,誘導に乗せられたりしやすいから,その供述の信用性は
乏しい。
ク原告は,本件事故直後に行われた実況見分の時から今日に至るまで,本件事
故が本件横断歩道上で発生した旨を述べたこともこれを認めたこともない。それに
もかかわらず,平成23年4月12日に行われた実況見分とその後の取調べの中で,
本件事故が本件横断歩道上の事故であることを認める旨の供述記載部分があるの
は,本件事故の捜査に当たったC巡査部長(以下「C」という。)が原告の供述を
聞こうとしなかったためにすぎない。
第3当裁判所の判断
1認定事実
前記前提事実に括弧内掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の各事実が
認められる。
(1)本件事故現場の状況等
ア本件道路は,東西に伸びる県道小倉岩倉線上の一部を構成する片側1車線の
直線道路であり,アスファルト舗装され,西側に向かってなだらかな下り勾配とな
っており,その中央には黄色実線の中央線がひかれている。本件道路の両側には歩
道が設置されており,南側の歩道(以下「本件南側歩道」という。)は,幅員4.
2mで,本件道路とは幅0.6mの縁石で仕切られている。また,本件事故現場周
辺には,北方向から本件道路に交わるT字交差点である本件東側交差点と,南方向
から本件道路に交わるT字交差点である本件西側交差点があり,本件西側交差点で
は,幅員5.0mの道路(以下「本件南側脇道」という。)が本件道路と交差し,
本件東側交差点では,幅員5.0mの道路(以下「本件北側脇道」という。)が本
件道路と交差している。本件事故当時,いずれの交差点についても,信号機による
交通整理は行われていなかった。(甲4,乙6,25,弁論の全趣旨)
イ本件横断歩道は,本件東側交差点の東側に位置し,歩行者用信号機による交
通整理が行われていない幅員4mの横断歩道である。本件横断歩道の北には,幅員
4.8mの歩道(以下「本件北側歩道」という。)を挟んでγ児童遊園(以下「本
件児童遊園」という。)があり,さらに,本件児童遊園の北には,γ学習等共同利
用施設(以下「本件施設」という。)がある。本件事故当時,本件横断歩道の両端
には横断歩道標識が設置されており,標識の視認状況に問題はなかった。(甲4,
5,乙3,4,25,27,証人C,弁論の全趣旨)
ウ本件事故当時の本件事故現場付近の天候は晴天であり,本件道路の路面は乾
燥しており,顕著な凹凸や亀裂は見られなかった。また,本件事故当時,本件道路
には見通しを妨げるような障害物はなかった。(甲4,乙10,25,26,証人
C,証人B,原告本人,弁論の全趣旨)
(2)本件事故の態様等
ア被害者Aは,本件事故当時9歳の女児であり,身長は127㎝,体格は中肉
であった。被害者Aは,本件事故当日の午後1時30分から本件施設で開催される
予定であった新入生の歓迎会(以下「本件歓迎会」という。)に出席するため,午
後1時過ぎにδ所在の自宅(以下「被害者宅」という。)を出て,本件南側歩道を
δ方面からε方面に向けて西方向(原告車両の進行方向と同一)に進行していた。
被害者宅から本件南側歩道を通って本件施設に向かうには,横断歩道のない場所を
横断しない限り,本件横断歩道を利用するのが最短の経路である。(乙8,9,2
1,25,31,証人C,弁論の全趣旨)
イ原告は,本件事故当時,トラックの運転手として約10年の稼働経験があり,
当時勤務していた有限会社D(以下「本件勤務先」という。)において,ちらしや
印刷物の配送業務に従事していた。本件事故当時,原告が運転していた原告車両は,
本件勤務先が所有する平成16年式中型貨物自動車(車長8.55m,車幅2.5
0m,車高3.51m。右ハンドル車。白色)であり,操行装置や制動装置に異状
はなかった。(甲4,12,乙10,19,25,原告本人,弁論の全趣旨)
ウ原告は,本件事故当日,配送する荷物の積込みを行うため,原告車両を運転
して岐阜県 μ 市から愛知県 τ 市に向かう途中,午後1時10分前に,本件
道路に差し掛かった。当時,原告は,特に急いでいたわけではなかったが,制限速
度(時速40km)を超える時速約50kmで原告車両を運転していた。なお,原
告は,本件事故当日までに何度か本件道路を通ったことがあり,本件横断歩道の存
在を認識していた。(甲4,9,12,乙9,10,19,原告本人,弁論の全趣
旨)
エ本件事故前,本件道路の交通量は少なく,原告車両の前方を走る車両はなか
った。原告は,本件横断歩道の手前約40mないし50mの地点で,進路方向前方
にある本件横断歩道を確認し,その後も本件道路の進行を続けたが,進行方向の右
側にあった本件児童遊園に多数の人が集まっていることに気を取られ,本件児童遊
園の方に脇見をした。原告が脇見をしたのは短い時間であったが,進行方向に視線
を戻した直後に,ブレーキを掛ける間もなく,被害者Aと衝突した。衝突の際の状
況について,原告は,原告本人尋問の中で,「左側に白い何かが見えて,それと同
時に鈍い音がしました。なので,とっさにブレーキを踏みました」と供述し,原告
作成の陳述書(甲12)や,平成23年7月2日付け警察官面前調書の中にも,同
趣旨の供述記載部分がある。(甲4,9,12,乙5,6,9,10,証人C,証
人B,原告本人,弁論の全趣旨)
オ本件事故後,原告車両は,本件横断歩道から約43.4m西方の地点に停車
した。原告は,原告車両から降車して原告車両が通った路上を確認したところ,本
件横断歩道から約28.8m西方の地点に被害者Aが倒れているのを発見した。そ
のため,原告は,人身事故を起こしたと考え,直ちに自らの携帯電話で110番通
報した。(甲12,乙6,10,原告本人,弁論の全趣旨)
カ被害者Aは,本件事故により,23日間の入院加療及び約4か月の通院加療
を要する脳挫傷,頭蓋骨骨折,外傷性気胸,外傷性右顔面神経麻痺,外傷性両外転
神経麻痺の傷害を受けた。他方,被害者Aの身体に擦過傷は認められなかった。(乙
7,弁論の全趣旨)
(3)警察官到着後の事情聴取の状況等
ア愛知県警察本部通信司令室は,本件事故当日午後1時14分頃,原告がした
前記(2)オの110番通報を受信し,本件事故現場を管轄する愛知県警察φ警察署
(以下「φ署」という。)に対し,警察官を現場に出向させるように指示した。
φ署地域課は,同課所属の警察官に現場出向指令をし,併せて,同署交通課の事
故捜査係員にも出向の依頼をした。当日,交通課において事故捜査の当直勤務に従
事していたCとE巡査長(以下「E」といい,Cと併せて,以下「Cら」という。)
は,上記出向依頼を受け,直ちに本件事故現場に到着し,本件事故現場に先着して
いた地域課の警察官から,①被害者は救急車で既に搬送されており,被害者から本
件事故の状況を直接聴取することはできなかったこと,②本件事故の加害者は原告
であることなどの報告を受け,その後,本件事故現場において,本件事故の捜査を
開始した。(甲4,乙25,31,証人C,弁論の全趣旨)
イCらは,本件事故当日の午後1時43分から午後3時05分までの間,原告
立会いの下,本件事故の実況見分(以下「第1回原告立会実況見分」という。)を
実施した。実況見分開始当初,Cは,原告に対し,本件事故の状況の説明を求めた
が,原告は,人身事故を起こしたことに対するショックのため,満足に質問に答え
られない状態であった。そこで,Cは,本件事故現場に遅れて到着したφ署指導
課の警察官と共に,本件事故現場の路上と原告車両の捜査を先行させることとし,
Cが本件事故現場の路上を確認したところ,本件横断歩道から18.2m西方(本
件西側交差点の東方約1m)の地点で,オレンジ色のウインカーレンズの破片1個
(約4㎝四方のもの。以下「本件ウインカーレンズ片」という。)とレンズ様の複
数の散乱物(本件ウインカーレンズ片と併せて,以下「本件散乱物」という。)を
発見し,さらに,本件横断歩道から約28.8m西方の地点で,乾いていない状態
の血痕(以下「本件血痕」という。)を発見した。なお,本件散乱物以外に,原告
車両からの遺留品とみられるものは発見されておらず,本件血痕のほかに被害者A
のものとみられる血痕は発見されていない。また,本件道路上には,本件事故の際
に原告車両が印象したブレーキ痕(スリップ痕)は見当たらなかった。(甲4,5,
13,乙1,2,25,27,28,証人C,原告本人,弁論の全趣旨)
ウ本件散乱物が発見された場所は,本件現場見取図の「ウインカーレンズ破片」
と記載された地点であり,本件において原告が主張する衝突地点(以下「原告主張
衝突地点」という。)とは3.3m,被告が主張する衝突地点(以下「被告主張衝
突地点」という。)とは18.2m離れている(本件散乱物の発見場所と両地点と
の位置関係は,本件現場見取図記載のとおりである。)。また,本件血痕が発見さ
れた場所は,原告主張衝突地点とは13.8m,被告主張衝突地点とは28.8m
離れている。(甲5,13,証人C)
エ本件事故現場付近の路上の捜査を終了したCらは,次いで,原告車両の損壊
状況の捜査を実施した。原告車両は,左側前照灯が車体内部に食い込む形で破損し
ていたほか,左前ウインカー(地上高54cmから60cmの位置にあるもの)が
割れ,同ウインカーのあるバンパー部分にもへこみが見られた。原告の立会いの下,
Cが,本件ウインカーレンズ片と左前ウインカーの破損部分とを照合したところ,
両者の形状が一致したため,Cは,本件ウインカーレンズ片が原告車両の遺留物で
あると判断した。(甲4,5,13,15,乙2,25,27,28,証人C)
オCらが原告車両を確認していた際,本件事故の一報を受けて,原告の上司が
本件事故現場に到着した。上司の励ましを受けて,原告が徐々に落ち着きをみせ始
めたことから,Cは,原告に対し,本件事故の状況の説明を求めた。これに対し,
原告は,本件横断歩道を過ぎた辺りで被害者Aと衝突した気がする旨の説明をした
ものの,具体的な衝突地点を明らかにすることはできなかった。(甲4,乙25,
証人C,原告本人,弁論の全趣旨)
カ第1回原告立会実況見分に係る実況見分調書(甲4。以下「第1回原告立会
実況見分調書」という。)には,原告が指示説明した内容として,①本件横断歩道
を通過した先で左方から横断する人を認めて危険を感じたこと,②本件西側交差点
の手前約4.3mの地点で衝突し,衝突した地点から33m西方で停車した旨が記
載されている。(甲4)
(4)本件事故当日以降の捜査の状況等
ア本件事故当日の捜査では,本件事故の状況が明らかにならなかったため,
φ警察署は,本件事故の目撃情報の提供を求めることとし,平成23年4月8日午
前10時20分から同年5月8日午前10時20分までの1か月間,本件事故の目
撃情報の提供を求める内容の立て看板(以下「本件立て看板」という。)を本件事
故現場周辺に設置した。(乙3,25,27,証人C)
イ本件立て看板による目撃情報の提供依頼に対しては,電話による通報2件と
事故の目撃の申出1件の反応があった。このうち,平成23年4月12日午後4時
30分頃の電話の通報者は,原告車両の二,三台後に追従して走行していたという
者であり,本件事故自体は見ていないが,原告車両が子供を跳ねた後に倒れていた
子供の横を通り抜けて接骨院の手前で停車したという趣旨の供述をした。また,同
月15日午後0時頃の電話の通報者は,原告車両の数台後方を追従して走行してい
たという者であり,本件事故自体は見ておらず,本件横断歩道の西側路上に女の子
が倒れていたという趣旨の供述をした。(乙3,25,証人C)
ウBは,愛知県λ市内にある友人宅に向かう途中,原告車両の対向車線を先
頭車両として走行していた際,本件事故を約24.4mの距離で目撃した者である。
Bは,友人との約束があったため,本件事故を目撃した後,警察に通報することな
く本件事故現場を立ち去ったが,本件立て看板を見て,平成23年4月9日午後4
時20分頃,φ署に出頭し,本件事故を目撃した旨を申し出た。Bは,同人に対
する事情聴取に当たった警察官のEに対し,①本件道路をε方面からδ方面に向け
て走行していた際,対向車線で発生した本件事故を目撃したこと,②本件南側歩道
を原告車両と同じ方向に走ってきた女の子が,本件横断歩道を渡ろうとして原告車
両と衝突したこと,③女の子は,事故現場の西側の車道脇まで跳ね飛ばされたこと,
④原告車両は,女の子が倒れていた場所より遠くに走り過ぎて,それから止まった
ようであるが,運転しながらサイドミラーで確認したため,停車した場所はよく覚
えていないことなどを供述した。Bの供述を受けて,Cは,同日午後4時55分か
ら午後5時15分までの間,B立会いの下,本件事故現場で実況見分を実施したと
ころ,Bは,その際にも,原告車両と被害者Aが衝突した地点は本件横断歩道上で
ある旨説明し,本件事故を目撃したときには自らの運転車両は本件西側交差点内に
差し掛かっていた旨指示説明をした。なお,Bは,本件事故現場の近くに住んでお
り,幼少の頃には本件児童遊園でよく遊び,長じてからも本件道路を頻繁に利用し
ているため,本件事故現場周辺の地理や状況に明るい。また,Bは,本件事故当時
から現在まで,被害者Aと原告のいずれとも面識はない。(乙3ないし5,25な
いし27,証人C,証人B,弁論の全趣旨)
エBが供述する衝突地点と,第1回原告立会実況見分で原告が指示した衝突地
点とが異なっていたことから,Cは,本件事故の具体的な状況について更に捜査を
尽くすため,原告の立会いの下,再度,実況見分を行うこととし,平成23年4月
12日午後3時00分から午後3時50分までの間,本件事故に関する実況見分(以
下「第2回原告立会実況見分」という。)が実施された。第2回原告立会実況見分
に係る実況見分調書(乙6。以下「第2回原告立会実況見分調書」という。)には,
原告が指示説明した内容として,本件横断歩道の手前9mの地点で被害者Aを発見
し,本件横断歩道上で被害者Aと衝突後,衝突した地点から約43.4m西方の場
所で原告車両を停車させた旨が記載されている。(乙6,25,27,証人C,原
告本人)
オBは,平成23年5月28日,警察官Eによる取調べを受けた。その際,B
は,Eに対し,①本件道路をε付近からδ方面に向かって時速約40kmで進行し
ていたところ,本件児童遊園付近において,対向車線を走行する原告車両と本件南
側歩道を原告車両と同じ方向に走る女の子を認めたこと,②次の瞬間,女の子が突
然,本件横断歩道に飛び出し,その直後,原告車両に跳ねられたこと,③原告車両
は,倒れた女の子の位置よりも遠くに走りすぎてから止まったようであることなど
を供述した。なお,同人作成の陳述書及び同人の証人尋問の結果の中にも,これと
同趣旨の証言ないし供述記載部分がある。(乙5,25,26,証人B)
カ被害者Aは,平成23年4月28日に,本件事故直後から入院していたF病
院を退院し,同年6月18日,母親の立会いの下,φ署の警察官であるG巡査(以
下「G」という。)の事情聴取を受けた。その際,被害者Aは,Gに対し,①本件
事故当日は,午後1時30分から本件施設で開催される本件歓迎会に参加するため,
午後1時過ぎに自宅を出て,本件南側歩道を西方に向かって歩いていたこと,②本
件横断歩道を南方から北方に渡り始めたところ,進行方向右側から走ってきた車と
横断歩道上でぶつかり,その後のことは覚えていないことなどを供述した。(乙8,
証人C)
(5)本件事故に係る刑事事件の経緯
アφ署は,平成23年8月22日,原告を加害者とする自動車運転過失傷害
事件(以下「本件刑事事件」という。)について,書類や証拠物とともに,事件を
名古屋地方検察庁τ支部の検察官(以下「名古屋地検τ支部検察官」という。)
に送致した。(乙25,証人C)
イ原告は,平成23年10月14日,本件刑事事件について,小林智哉弁護士
を弁護人に選任した。(甲6,8)
ウ被害者Aは,平成24年1月5日,名古屋地検τ支部検察官に対し,本件
事故に遭う前,本件児童遊園の北側にある本件施設に向かって本件南側歩道を歩い
ており,本件横断歩道上を横断している際,右から来た車とぶつかった旨の供述を
した。(乙20)
エ原告は,平成24年2月3日に行われた名古屋地検τ支部検察官の取調べ
の際,①第2回原告立会実況見分調書では,本件事故が本件横断歩道上で発生した
旨の記載があるが,それは間違いであり,本件横断歩道を超えた西側の地点で被害
者Aと衝突したから,第1回原告立会実況見分調書に記載されている内容が正しい
こと,②時速約50kmで原告車両を運転中,進行方向前方に本件横断歩道がある
ことを認めたこと,③本件横断歩道に差し掛かる前,進路右側にある本件児童遊園
に人が集まっているのに気付き,何をやっているのかと思って1秒間前後そちらを
見たこと,④原告車両前方を左から右に出てくる人らしいものを発見したが,ブレ
ーキを掛ける暇もなく,原告車両の前部左側が相手と衝突したことなどを供述した。
(甲9)
オ原告は,平成24年▲月▲日,λ簡易裁判所において,自動車運転過失
傷害の罪で罰金20万円に処する旨の本件略式命令を受けた。本件略式命令に係る
公訴事実では,原告の過失の内容として「最高速度が40キロメートル毎時と指定
された場所であった上,同交差点入口には横断歩道が設けられていたのであるから,
同最高速度を遵守するはもとより,前方左右を注視し,同横断歩道上や同交差点内
を横断する歩行者の有無及びその安全を確認しながら進行すべき自動車運転上の注
意義務があるのにこれを怠り,進路右方の児童遊園に気を取られ,同横断歩道上や
同交差点を横断する歩行者等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約50
キロメートルで進行した」とされ,その結果として「同交差点内を左方から右方に
向かい横断中のA(当時9歳)を左前方約9.7メートルの地点に始めて認めたが,
急制動の措置をとる間もなく,自車前部左側を同人に衝突させて路上に転倒させ,
よって同人に加療約129日間を要する脳挫傷,頭蓋骨骨折等の傷害を負わせた」
と記載されていた。(甲3)
2前記1で認定した各事実,殊に,被害者Aが警察や検察庁の事情聴取に対し
て本件横断歩道を横断している最中に本件事故に遭ったと供述しており,対向車線
を走行中に本件事故を目撃したBも,原告車両が本件横断歩道を横断中の被害者A
を跳ね飛ばしたと証言していること等に照らすと,本件事故は,本件横断歩道上で
発生したと認めるのが相当である。
3以上の認定判断に対し,第1回原告立会実況見分調書,原告の陳述書(甲1
2)及び原告本人尋問の結果中には,本件事故は本件横断歩道上で発生したもので
はないとする原告の主張に沿う供述記載部分ないし供述部分が存在する。
しかしながら,原告は,本件児童遊園の方に脇見をし,視線を戻した直後に被害
者Aと衝突している上,本件事故直後には,衝突したのが人間であるのか,動物で
あるのかすら分からなかったというのであり(甲12),原告本人尋問の中では,
被害者Aが本件南側脇道から飛び出してきたことの明確な認識はない旨を自認して
いるのであるから(原告本人),本件事故が本件横断歩道上で発生したものではな
い旨の原告の供述は,本件事故当時に体験した原告自身の記憶そのものに基づくと
いうよりは,本件事故後に明らかになった本件散乱物の遺留地点等の事実からの事
後的な推測によるものとみるのが相当である。反対趣旨の証人B及び被害者Aの供
述部分ないし供述記載部分をも併せ考慮すると,本件事故が本件横断歩道上で発生
したものではないとする原告の供述ないし供述記載部分をそのまま信用することは
できない。
4次に,原告は,(ⅰ)本件散乱物が散乱していたのは,本件横断歩道から約1
8.2m西側の地点であったこと,(ⅱ)被害者Aは,本件横断歩道から約28.8
m西側の地点に倒れていたことを指摘し,これらの事実からすると,本件事故は原
告主張衝突地点で発生したとみるのが相当であるとする私的鑑定意見書(甲16)
を援用する。
しかしながら,他方,これとは別の私的鑑定意見書(乙29)によると,一般に,
被害者との衝突によって加害車両に変形が生じたときは,加害車両と被害者の接触
が始まってから加害車両の変形が終わるまでの間,被害者の人体は,加害車両と密
着した状態で加害車両と共に移動し,その後,加害車両にブレーキ力が作用した時
点で,加害車両との密着から解放されるものとされている。そして,本件において
は,①原告車両は,本件事故直前,時速約50kmの速度で進行し,ブレーキを掛
ける暇もなく被害者Aと衝突していること(前記1(2)ウ及びエ),②原告車両には,
本件衝突の際の衝撃により,被害者Aと直接接触した箇所(原告車両左前部)に広
く凹損が生じており,本件散乱物は,原告車両の上記変形を生じた箇所にあるウイ
ンカーレンズから落下したものであること(前記1(3)エ)が認められる。上記私的
鑑定意見書(乙29)は,これらの事実を踏まえ,本件散乱物の落下地点や原告車
両の速度等から単純に衝突地点を割り出すことはできず,本件散乱物が本件横断歩
道から約18.2m西側の地点で散乱していたことは,本件事故が本件横断歩道上
で発生したことと何ら矛盾するものではないと結論付けており,その内容や検討過
程に疑問を差し挟むべきところは見当たらない。そうすると,原告車両が本件横断
歩道上で被害者Aと衝突した後,その約18.2m西側の地点で本件散乱物が散乱
していたとしても格別不合理なものということはできないから,原告の援用する私
的鑑定意見書(甲16)があるからといって,それのみで直ちに前記2の認定判断
を覆すことはできない。
また,証拠(甲7)によると,一般に,加害車両が衝突後も制動せずに進行した
場合には,被害者の飛翔距離の正確性が失われるとされていることが認められると
ころ,前記1で認定した事実によると,本件事故後,乾燥していた本件道路の路面
にブレーキ痕は見当たらなかった上,本件事故の目撃者であるBや通報者は,原告
車両が急ブレーキを掛けたとは供述しておらず,原告自身も,ブレーキを掛ける暇
もなく被害者Aと衝突した旨供述していたというのであるから,原告車両が急ブレ
ーキを掛けたことを前提にして,被害者Aの転倒地点から本件衝突地点を推測する
のは困難であるといわざるを得ない。この点を暫く措くとしても,被害者Aの身長
や体格,本件衝突時の原告車両の速度(時速約50km),原告車両の重量や衝突
箇所の形状に照らすと,本件衝突後,被害者Aが本件横断歩道から約28.8m西
側の地点に倒れていたことは,本件事故が本件横断歩道上で発生したことと整合性
を欠くものではない。
5また,原告は,本件事故後,原告車両が本件横断歩道から西側に約43.4
mも離れた地点で停車したことをもって,本件事故が本件横断歩道上で発生したも
のではないことを示す事実である旨主張する。
しかしながら,前記4で説示したとおり,本件全証拠によっても,原告が本件事
故後に急ブレーキを掛けて原告車両を停車させたと認めることはできないから,本
件横断歩道と原告車両の停車場所が約43.4m離れていることをもって,本件事
故が本件横断歩道上で発生したものではないことを示す事実であるということはで
きない。
6さらに,原告は,本件事故に関する刑事処分において,検察官が横断歩道上
の事故として公訴提起しなかったことは本件横断歩道上の事故ではなかったことの
証左である旨主張するけれども,公訴提起の有無や本件略式命令の内容によって本
件事故の態様が左右されるものではないことはいうまでもないから,横断歩道上の
事故として公訴提起されなかったからといって,それだけで,前記2の認定判断を
覆すものではない。
7なお,原告は,被害者A及びBの供述はいずれもその信用性に問題がある旨
主張する。
しかしながら,被害者Aは,警察官に対してだけでなく,本件略式命令の請求を
した名古屋地検τ支部検察官に対しても,本件横断歩道上で原告車両と衝突した
旨供述している上,取調べの際には母親が立ち会っていたのであるから,本件事故
当時9歳であったとはいえ,取調べをした警察官に迎合したり誘導される可能性は
低い。また,本件事故当時,被害者Aは,被害者宅を出て,本件施設に向かってい
たところ,被害者宅から本件施設に向かうには,本件横断歩道を利用するのが最短
の経路であるから,本件横断歩道を渡り始めたところで原告車両と衝突したとする
被害者Aの供述する進行経路は,合理的なものである。これに対し,原告主張衝突
地点で本件事故が発生したとすると,被害者Aは,本件横断歩道をやり過ごしてさ
らに18.2mも西方向に進んだ後に本件道路を横断しようとして本件事故に遭遇
したことになるけれども,その場合には,被害者Aの目的地である本件施設に向か
うには,横断歩道のない本件西側交差点付近で本件道路を横断して本件北側歩道に
達した後,元来た方向(東方向)に引き返すため,本件東側交差点周辺で幅員約5.
0mの本件北側脇道を横断しなければならなくなるのであって(甲4,5,13,
乙21,30,31),本件歓迎会が間もなく始まろうとしていた状況の下で,被
害者Aがわざわざそのような遠回りで危険な進路を選択するとは考え難い。
次に,Bは,原告と被害者Aのいずれとも面識がなく,友人宅に向かう途中,本
件事故を偶然目撃した全くの第三者であるから,あえて真実と異なることを述べる
理由は見当たらず,虚偽の供述をするおそれは低い。また,本件事故当時の天候は
晴天であったところ,Bは,原告車両の対向車線を先頭車両で走行しており,その
進行方向に視界を遮るものはなかった上,近距離(約24.4m)で本件事故を目
撃したのであるから,その視認状況に問題はない。さらに,Bは,本件事故現場近
くの住人で,周辺の地理や状況に明るい上,本件事故を目撃したときには,その運
転車両は本件西側交差点内に差し掛かっていたというのであるから,本件事故の発
生場所が本件西側交差点付近であるか,その先にある本件横断歩道であるかを見間
違えたとは考え難い。
したがって,被害者A及びBの供述が信用できないとする原告の主張は,採用す
ることができない。
8以上のとおり,本件事故は,本件横断歩道上で発生した事故であるところ,
車両等は,横断歩道に接近する場合には,その進路の前方を横断しようとする歩行
者等がないことが明らかな場合を除き,原則として,横断歩道の直前で停止できる
ような速度で進行しなければならず,横断歩道によりその進路の前方を横断し,又
は横断しようとする歩行者等があるときは,当該横断歩道等の直前で一時停止し,
かつ,その通行を妨げないようにしなければならないにもかかわらず,原告は,進
路右方の本件児童遊園に気を取られ,本件横断歩道上を横断する歩行者等の有無及
びその安全確認不十分のまま漫然時速約50kmで進行して原告車両を被害者Aに
衝突させたのであるから,本件事故は,専ら原告の不注意によって発生したものと
いうべきである。そうすると,本件事故に係る累積点数は,道交法施行令別表第二
の一所定の違反行為(横断歩行者等妨害等違反)による基礎点数2点に,同施行令
別表第二の三所定の付加点数13点(傷害事故のうち当該傷害事故に係る負傷者の
負傷の治療に要する期間が3月以上であり,当該事故が専ら違反行為をした者の不
注意によって発生した場合についてのもの)を加算した合計15点となり,原告に
は本件事故の日を起算日とする過去3年以内に行政処分の前歴はなく,その他の違
反行為もないから,道交法103条1項5号及び7項,道交法施行令38条5項1
号イ及び6項2号ホを適用して,本件運転免許を取り消し,免許を受けることがで
きない期間を平成23年10月7日から1年間と指定した本件免許取消処分は,適
法である。
第4結論
以上の次第で,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のと
おり判決する。
名古屋地方裁判所民事第9部
裁判長裁判官福井章代
裁判官富澤賢一郎
裁判官平野佑子
(別紙1)
関係法令の定め
第1道路交通法(以下「道交法」という。)
12条1項
この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定
めるところによる。
1号~3号(略)
4号横断歩道道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)によ
り歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の
部分をいう。
5号~23号(略)
238条1項
車両等は,横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」
という。)に接近する場合には,当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道
等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条に
おいて「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き,当該横断歩
道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは,その停止線の
直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行
しなければならない。この場合において,横断歩道等によりその進路の前方を
横断し,又は横断しようとする歩行者等があるときは,当該横断歩道等の直前
で一時停止し,かつ,その通行を妨げないようにしなければならない。
3103条1項
免許(括弧内省略)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつ
たときは,その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるそ
の者の住所地を管轄する公安委員会は,政令で定める基準に従い,その者の免
許を取り消し,又は6月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止す
ることができる。ただし,5号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者で
あるときは,当該処分は,その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期
間を経過した後でなければ,することができない。
1号~4号(略)
5号自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又
はこの法律の規定に基づく処分に違反したとき(次項1号から4号までの
いずれかに該当する場合を除く。)。
6号~8号(略)
4103条7項
公安委員会は,1項各号(4号を除く。)のいずれかに該当することを理由
として同項又は4項の規定により免許を取り消したときは,政令で定める基準
に従い,1年以上5年を超えない範囲内で当該処分を受けた者が免許を受ける
ことができない期間を指定するものとする。
5104条1項
公安委員会は,103条1項5号の規定により免許を取り消し,若しくは免
許の効力を90日(公安委員会が90日を超えない範囲内においてこれと異な
る期間を定めたときは,その期間。次条1項において同じ。)以上停止しよう
とするとき(中略)は,公開による意見の聴取を行わなければならない。この
場合において,公安委員会は,意見の聴取の期日の一週間前までに,当該処分
に係る者に対し,処分をしようとする理由並びに意見の聴取の期日及び場所を
通知し,かつ,意見の聴取の期日及び場所を公示しなければならない。
第2道路交通法施行令(以下「道交法施行令」という。)
138条5項
免許を受けた者が道交法103条1項5号から8号までのいずれかに該当す
ることとなつた場合についての同項の政令で定める基準は,次に掲げるとおり
とする。
1号次のいずれかに該当するときは,免許を取り消すものとする。
イ一般違反行為をした場合において,当該一般違反行為に係る累積点数が,
別表第三の一の表の第一欄に掲げる区分に応じそれぞれ同表の第二欄,第
三欄,第四欄,第五欄又は第六欄に掲げる点数に該当したとき。
ロ(略)
2号(略)
238条6項
道交法103条7項の政令で定める基準は,次に掲げるとおりとする。
1号(略)
2号一般違反行為をしたことを理由として免許を取り消したとき(次号に該
当する場合を除く。)は,次に掲げる区分に応じ,それぞれ次に定める期
間とする。
イ~ニ(略)
ホ当該一般違反行為に係る累積点数が別表第三の一の表の第一欄に掲げる
区分に応じそれぞれ同表の第六欄に掲げる点数に該当した場合1年
3号~5号(略)
別表第二(26条の7,33条の2,33条の2の3,36条,37条の3,37
条の8関係)
一違反行為に付する基礎点数
一般違反行為の種別横断歩行者等妨害等
点数2点
(その他の記載は省略)
三違反行為に対する付加点数(交通事故の場合)
交通事故の種別交通事故が専ら当該違反行
為をした者の不注意によっ
て発生したものである場合
における点数
中欄に規定する場合以
外の場合における点数
人の傷害に係る交通事故(
他人を傷つけたものに限る
。《中略》)のうち,当該
傷害事故に係る負傷者の負
傷の治療に要する期間《中
略》が3月以上であるもの
又は後遺障害(当該負傷者
の負傷が治ったとき(その
症状が固定したときを含む
。)における身体の障害で
国家公安委員会規則で定め
る程度のものをいう。以下
この表において同じ。)が
存するもの
13点9点
(その他の記載は省略)
備考
一違反行為に付する点数は,次に定めるところによる。
1一の表又は二の表の上欄に掲げる違反行為の種別に応じ,これらの表の下欄
に掲げる点数とする。(以下省略)
2当該違反行為をし,よつて交通事故を起こした場合(二の114から123
までに規定する行為をした場合を除く。)には,次に定めるところによる。
(イ)1による点数に,三の表の区分に応じ同表の中欄又は下欄に掲げる点数を加
えた点数とする。ただし,当該交通事故が建造物以外の物の損壊のみに係るも
のであるときは,1による点数とする。
二一の表及び二の表の上欄に掲げる用語の意味は,それぞれ次に定めるところ
による。
40「横断歩行者等妨害等」とは,道交法38条又は38条の2の規定の違反
となるような行為をいう。
(その他の記載は省略)
別表第三(33条の2,37条の8,38条,40条関係)
1一般違反行為をしたことを理由として処分を行おうとする場合における当該
一般違反行為に係る累積点数の区分
第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄第七欄
前歴がない者45点以

40点か
ら44点
まで
35点か
ら39点
まで
25点か
ら34点
まで
15点か
ら24点
まで
6点から
14点ま

(その他の記載は省略)

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