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裁判例


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       主   文
本件抗告を棄却する。
       理   由
本件抗告の趣旨及び理由は別紙記載のとおりである。しかし、当裁判所も抗告人の
本件執行停止の申立は、理由がなく棄却すべきものと思料するものであつて、その
理由は原決定と同一であるから、これを引用する。
 よつて原決定は正当であり、本件抗告は理由がないので、これを棄却することと
し、主文のとおり決定する。
(裁判官 田尾桃二 内田恒久 藤浦照生)
(別紙)
抗告の趣旨
一 原決定を取消す。
二 抗告人からなした東京地方裁判所昭和五七年(行ク)執行停止決定申請は理由
がある。
との決定を求めます。
抗告の理由
第一 事実に対する甚しい誤認について
① 本件申立に対する却下理由は、全面的に誤つている。その根本は、抗告人の分
限についての疎明を十分に審査することなく、「日々雇用」と、誤認したことにあ
る。
② 右、誤りの箇所は、却下決定理由書(以下、認定と云う。)3頁一行目「被申
立人が」から、3頁終りから、五行目「身分を喪失するものである」までにある。
③ 本意見書第三、に記述した如く、上記の決定は「あらかじめ当事者(抗告人)
の意見をきかなければならない。」のに、之を怠り、疎明全部の提出を待たずして
行つたものである。
④ 右「認定」は「むしろ却つて本件疎明によ」る、としているが、抗告人提出の
疎明(以下、単に疎明と云う)は、その凡てに於て抗告人の分限を、「期限の定め
なく継続して任用され、永年勤続の正規の従事員(以下、登録者と云う。)であ
る」ことの熱心な主張で貫かれて居る。疎明を誤認することによつて、前記の「認
定」を生じたものと考へられる。
⑤ 本件、却下決定の理由の全部にその「認定」の根拠とした疎明の内容を特定せ
ず、莫然と「疎明によれば云々」と表示されているので、抗告人は理解に苦しみ、
反論するのに困難を重ねた。
二① 上記一ノ①の「認定」にも根拠が具体的示されていない。しかし、その内容
が疎明(甲2号証)「東京都十一市競輪事業組合従事員関係程規」(以下、従規と
云う。)5頁(採用の手続)第七条の内容とよく似ている。
② 若し、之を根拠とした「認定」であるなら、抗告人ら登録者の雇用の実体の検
討を怠つた為めに生じた甚しい誤認である。「従規」7条、8条は新規雇用の「採
用の手続き」であつて、既に採用され、永年勤続している者え適用される手続きで
はない。
 上記、「認定」が極めて現実的でなく実行出来ないことを、次に説明する。
三① 上記「認定」の前半は登録者を被申立人が採用する場合は、開催の都度、
「準備日」及び「開催日」毎に、出勤票の交付又は採用通知の送付を行つてい
る。」としている。
② 「開催日」に採用通知を送付して、どうして開催が出来ると云うのか。京王閣
競輪の始業は十時半であるが、一部は「早出」出勤で十時前から出勤している。之
に間に合わないのみではない。登録者の中には千葉、埼玉、等の近県居住者もい
る。この人達は翌日の開催にも出勤は出来ない。
③ 「準備日」は開催日の直前の一日だけで、通常十時半から始業、十四時半頃に
業務を終了する。この日に採用通知を出しても、翌日の開催には就労することは出
来ない。
④ 右のことだけでも上記1の「認定」の誤りであることは、明白である。
四① 上記一ノ①の「認定」後半の要旨は次の如くである。
「出勤票又は採用通知書に基く就労の終了により当然従事員としての身分を喪失す
る。」
② ここに云う、「出勤票又は採用通知に基く就労」の意味は不鮮明だが、之を日
々雇用だから「就労の終了」により「身分を喪失する。」の意とするならば、「出
勤票」「採用通知」に日々雇用の表示がないのに、何を以つて、日雇とするので、
あるか。その理由を示さなくてはならない。
③ 「出勤票」は被申立人が従事員(登録者と応援者)の出勤を確認する事務の為
の伝票的なものであり、「採用通知」も、雇用契約書としては、不完全すぎ、共
に、雇用契約書ではあり得ない。
④ 「忘票届」と云う制度があつて、通常、「出勤票」がなくても、就労出来る。
⑤ 疎明(甲一号証)は被申立人が抗告人の勤続20年を表彰したものである。之
は「従規」の規定により行われたものである。日雇に永年勤続の表彰制度が、ある
筈はない。この一事を見ても、上記一ノ①の「認定」の後半も、事実を誤認したも
のであることは明白と云える。
五① 抗告人ら登録者が日雇でないことは、右四、の説明で明らかであるが、更に
期限の定めなく継続して任用され、就労している事実について説明をする。
② 「従規」28頁に登録者の「定員」が示されている。登録者の定員総数は一、
六三八名。
(「従規」は登録者に限り適用され、応援者には就業規則も設けられていない。)
③ 一、六〇〇余名の尨大な数の登録者が所定の開催に出勤するのは、登録者とし
ての身分があり、雇用条件が確定しているからである。日雇であつて雇用が確定せ
ず、登録者の身分も喪失しているなら、誰れが高額の交通費を支払つて集合するで
あろう。
④ 「従規」44頁に「職務分類表」がある。「職種」約62が示されている。
一、六三八名もの人員を職種・職場に「開催日毎に」編成していたのでは到底、業
務の開始が出来ない、ことは何人にも容易に判断出来るであろう。
⑤ 「準備日毎に」も出来る筈がないこと次の如くである。「従規」21頁7条は
開催に必要な「基本計画」を「開催前に」「所属長」が「定めなければならない」
と規定している。
⑥ 右、の「基本計画」は単に人員配置だけでなく「人員配置に要する所要額」も
算出するものである。日々雇用で出・欠の定まらない就労者を対象に行い得る作業
ではない。
⑦ 上記の「所属長」とは、登録者は一定期間、「職場」(所属の云いでもあ
る。)を固定されている、その「職場」の長を云う。抗告人の場合について云へ
ば、昭和54年4月1日から昭和57年6月21日まで、約3年間、略称「四千」
に所属し、職種は守衛である。(疎明、甲第四号証)
⑧ 職種は滅多に変らず、守衛職を任命される以前は28年間警備員であつた。
(前、施行者東京都営からの通算)
六① 上記、「認定」(3頁終りから六行目)は「就労の終了により当然従事員と
しての身分を喪失する」としているが、之が誤認であること、次の如くである。
② 登録者は「就労の終了により身分を喪う」ことはない。登録者が、その身分を
喪う場合等についての「従規」の規定は左記の通りである。
③ 「従規」5頁10条には登録者が自から退職するときについて、「登録取願」
を退職の「日前14日までに」提出すること。10頁31条には遅刻・早退には
「あらかじめその旨を届け出なければならない」とし、5頁9条の欠勤届の規定
は、既に採用され永年勤続している登録者にも、適用されている。更に「従規」2
1頁8条は欠勤に対し、登録者にとつては極刑に当る首切りの制裁を加へることを
定め、8条の(1)(2)(3)は全部、欠勤防止の規定である。
④ 登録者が、その身分を保持する為めには、欠勤の自由は厳しく制限されてい
る。
⑤ 「従規」6頁10条3に被申立人が登録者を解雇する場合には、被解雇者に対
し、一ケ月以上前に理由を付して予告しなければならない、と定めている。
⑥ 以上、どの規定を取つて見ても既に、身分を喪つている者えの規定ではない。
登録者が「就労を終了」すれば身分を喪うとした「認定」の誤りを示すものばかり
である。
七① 右、六の説明は「従規」から見たものであるので、更に登録者の雇用関係の
実体から、賃金の支払われ方、共済会(「従規」16頁64条)に強制加入させら
れていることについて陳述して、登録者の身分が日々雇用でないことを一層明らか
にする。
② 賃金は毎日支払われたことは過去には全くない。将来にも、一、六〇〇人以上
の従事員に毎日支払い得るものではない。
③ 賃金の支払は、六日間通し開催の場合は、その最終日に、前・後節にわかれて
の開催には、節毎の終りの日に行われる。
④ 右の事実も、「認定」の云う「就労の終了」、即く、「身分の喪失」があり得
ないことを示すものである。
⑤ 共済会は、登録者のみ、対象とする共済制度であつて、応援者の加入は認めら
れていない。登録者は強制加入で、全員が共済会の会員である。
⑥ 会費は賃金(一時金を含む)の千分の十。毎開催、天引控除されて支払う。
⑦ 共済会は登録者相互間の親睦・病気・災害見舞、慶・弔に対するお祝い、見舞
い等の他金融もし、離職慰労金の支給機関でもある。
⑧ 右、共済会は設立以来、新・旧通算すれば30年にも及んで存在し、存立して
いる。このことは、登録者が期限の定めなく継続し雇用されていることを明らかに
示している。登録者が常用でないならば、共済会の設立もあり得ない。
⑨ 離職慰労金制度の存在も、日々雇用でないことを示している。
八① 「認定」3頁終りから二行目「登録者を」から、4頁二行目「疎明はない」
までに、ついて。
② 「認定」は、ここで被申立人が抗告人を「開催の都度」採用する義務がないこ
とを「一応認められ、」るとしている。しかし、全疎明のどこにも、このような
「認定」の根拠となるものはない。
③ 右の「認定」に対する反論は、「認定」の根拠を特定した開示を待つて行う。
④ 前、七までに見て来たように、抗告人を含めて、登録者は常用であるから被申
立人は、数十年の永きに亘つて行つて来たように、「開催の都度」抗告人を雇用す
る義務がある。義務なしとする理由は全くない。
九① 右、八ノ①の「認定」に対する反論の意味を含めて、之迄とは違つた角度か
ら、抗告人ら登録者の身分が常用者であることを、陳述する。
② 抗告人ら登録者は、被申立人との間で日々雇用の契約をした事実はない。抗告
人は本年6月21日まで31年間余に亘つて一ケ月の空白もなく継続して任用さ
れ、就労して来た。
③ 「従規」4頁5条にも「引き続き従事員として採用するものを」登録する、と
定めている。
④ 「従規」によつて次記の諸制度、取扱いが明確に定められている。
登録。登録の取消及び保留。制裁。欠勤・早退・遅刻の取扱。
公民権行使。年功序列の賃金体系。表彰(主に永年勤続の)。
職階・昇格。夏・冬の一時金支給。苦情調整会議。共済制度。
離職慰労金の支給。健康診断。伝染病届出の義務。等々。
⑤ 「従規」所定外には離職勧奨の制度も設けられている。
⑥ 以上、どの制度、どの取扱いを見ても、登録者の身分が常用者であることを示
すものである。
十① 「認定」4頁二行目「申立人は同年六月」から、四行目「身分を喪失してい
る。」までについて。
② 右の「認定」も日雇を前提とした誤認に基くものである。誤つた「認定」であ
る。
③ 以下、念の為、抗告人が登録者としての身分を喪う場合を雇用関係の実体に即
して説明する。次の如くである。
④ 登録者自から退職する場合は、前述した如く、退職希望の「日前14日に」登
録取消願いを被申立人に提出する義務がある。
之に、伴つて離職慰労金、共済会から給付金等の交付申請と退職所得申告書などの
提出も、しなくてはならない。
抗告人は右の一切を提出せず離職慰労金等の受領もしていない。
⑤ 被申立人は右の交付金の供託をしていない。
⑥ 被申立人が一方的に登録者を解雇(登録取消)をする場合は、前述の如く、理
由を付して、解雇予告をしなければならない。
⑦ 抗告人は右の予告を受領していない。又、予告がないばかりでなく、被申立人
からの解雇の意志表示は全くない。
⑧ 「従規」14頁52条に「ユニホームの着用及び記章等のはい用」についての
定めがある。抗告人も、之等を被申立人から貸与されて居り、現在も保持してい
る。被申立人から返還の請求は、無い。
⑨ 以上のことから見ても抗告人は、登録者の身分を喪失していない。
十一
① 「認定」4頁四行目「申立人に対する」から、六行目「停止すべき処分がな
い」までについて。
② 右の「認定」は抗告人の身分を日々雇用としたことを、明示してなされてい
る。従つて、この「認定」が誤りであることは抗告人の之までの陳述によつて明ら
かである。
③ 出勤停止処分のあつたことは厳然たる事実である。抗告人は本年七月開催以
降、今日に至つても、被申立人の拒否により、出勤・就労が出来ないでいる。
④ 被申立人の抗告人に対する出勤停止処分が不法行為であることは、本案訴状に
詳述した如くで、無効な処分である。よつて、抗告人と被申立人との間には出勤停
止処分以前の労働契約が存続している。
⑤ 抗告人が「被申立人の従事員たる身分を喪失している」とする「認定」は誤つ
たものである。
右出勤停止処分が不法行為であることについては前述の如く、本案訴状に詳述した
が、次に、ここでも簡単に陳述をする。
十二
① 抗告人に対する被申立人の出勤停止処分の不法行為であることについて。
② 抗告人に対し、右処分の根拠として、被申立人が示したことは、唯一つ、離職
勧奨制度(疎乙七号証)に基く、本年5月6日付の離職期日の指定(疎明、甲五号
証)による、と云うことのみである。
③ 抗告人の身分を日々雇用としたものでないことは、本案訴状4頁、終りから4
行目、一に明らかにされている。
④ 右の事実は被申立人も、その意見書4頁、終りから五行目で認めている。
⑤ 「従規」8頁にある制裁の規定に20条(2)「採用停止」の定めがあるが、
その内容は次の如くである。
「(2)採用停止」始末書をとり、7日以内の採用を停止する。」又、同条2項に
は、右の制裁は「その旨を記載した書面を当該従事員に交付して之を行なう。」と
定められている。
⑥ 抗告人は既に28日以上、出勤を停止されている。始末書はとられていない。
「その旨を記載した書面」の交付も受けていない。
⑦ 従つて、抗告人に対する出勤停止処分は「従規」による処分ではなく、抗告人
の勤務成績に問題がないことを示すものである。
⑧ 更に、被申立人が離職勧奨制度を、その適用によつて定年制とした地公法27
条2に違反する不法行為であることを示すものである。
第二 適用条文の誤りについて。
(一)① 「認定」4頁五行目「これがあることを」から八行目「却下を免れな
い」までについて。
② 「認定」は「効力を停止すべき処分がない」としているが、事実に対する誤認
に基いての判断であつて、誤りである。
③ 次に、「行政事件訴訟法二五条三項の「本案について理がないとみえるとき」
に該当する、としているが、本件申立に対する決定の根拠としての「認定」は「一
応認められ」たものにすぎない。
④ 「一応認められ」は、その「認定」が不確定、不確実なことの表示であつて、
上記、25条3の「みえるとき」に相当するものではない。
(二)① 本件申立に対し行政事件訴訟法(以下、行訴と云う)二五条の適用は誤
りである。
② 抗告人が提出した本案訴状による訴えは「出勤停止処分無効確認賃金支払い請
求事件」である。
③ 本件申立は右、訴状による訴えを前提とし、基礎としている。
④ 行訴36条及び38条が適用さるべきである。
(三)① 抗告人が行訴36条、38条を援用する理由は次の如くである。
② 出勤停止は行政処分である。之が行使は法規等に定められた手続によつて行わ
れるべきで、実力行使による出勤停止は、正しい行政処分ではなく無効である。
③ 被申立人が今、尚強行し続けている抗告人に対する出勤停止処分は右の実力行
使に当るものである。
④ 本件申立の疎明とした甲10号証、昭和57年7月16日付の催告状に於て抗
告人は被申立人に対し次のことを申し入れた。
私(抗告人)に対する出勤停止処分につき、雇用主の立場から、合理・合法性を開
示して欲しい。雇用の立場からの理由であつても、理解することが出来れば潔ぎよ
く離職する。私は争いに入ることを避けたいと熱望している。
⑤ 被申立人は右の催告に答えず、又、何の意志表示もせず抗告人に対する出勤停
止処分を強行しつづけている。
⑥ 抗告人の心情としては右の処分の仕方は極端すぎる暴力的なものと感じられ、
万人が不法行為であることを認めざるを得ないものと考へ、無効確認を訴え、38
条3による執行停止を求めたものである。
第三 違法な決定であることについて。
一① 本件申立に対する決定は行訴25条5の定めに違反した決定である。
② 抗告人に対しては「あらかじめ当事者の意見をきかなければならない」のに全
然意見をきくことなく行われ、その決定を送達した。
二① 本件申立に対する決定は、行訴25条4「第二項の決定は疎明に基づいてす
る」とあるのに、之を怠つてなされた。
② 抗告人は本件申立に関する疎明資料を昭和57年9月8日、東京地方裁判所民
事11部書記官室に提出するに際し、疎明(甲八号証)に「証拠目録・その説明書
は第一回公判期日迄に提出します。」と記した符箋をした。
(そのときの公判(口頭弁論)期日は本年10月12日と指定されていた。)
 又、本案訴状3頁終りから5行目以下に、疎明(甲2号・甲3号証)の説明に於
て、抗告人らの勤務条件・その実体等を詳述する、と記述してある。
 それにも拘らず、この二つの抗告人の意志表示を無視し、右の証拠説明の提出を
待たず、之を審査することなく、決定が行われた。
三 本件申立に対する決定は、以上二つの違法を犯している。従つて、この点だけ
からも、取消さるべきものである。
第四 その他について
一① 「認定」4頁終りから3行目「申立人は本案の」から5頁一行目「理由がな
い」までについて。
② 「認定」は抗告人が「本案の被告同様被申立人を誤つている。」と云うが、ど
のように誤つているのかを示していない。
③ 抗告人は関係弁護士に、右の「認定」について尋ねたが、右の表示だけでは、
正しい(「認定」が云う)「被告」・「被申立人」を知ることは出来ない、と答え
た。弁護士にも理解出来ない、右「認定」の表示は、無いに等しいものである。
④ 抗告人は被申立人の不法行為による出勤停止処分で生存権を脅かされ、必死に
之と斗つている抗告人に対し、弁護士にも理解出来ない「認定」を表示する、「認
定」者には、基本的人権を守り尊重する精神が欠除していると抗告人には考へられ
る。
⑤ 上記「認定」を抗告人は理解出来ない。従つて、受容しない。
二① 「認定」5頁一行目「以上の理由で申立の趣旨第一項は理由がない。」につ
いて。
② 抗告人は、これまでの陳述によつて、「以上の理由」が誤つていることを明ら
かにした。従つて、「理由」がない。とする、右判断も、誤つたものである。
三① 「認定」5頁二行目「また申立の」から「主文のとおり決定する。」までに
ついて。
② 右については、逐条的に反論する必要はないと思料する。全部を否認し、全部
について争う旨の意志表示に止める。
四 東京地方裁判所昭和五七年(行ク)第五七号執行停止申立事件に対する同所が
なした決定に対し、抗告人は上記の如く逐条的に反論を重ね次のことを明白にし
た。
一 甚しい事実の誤認を根拠としていること。
二 行訴25条を適用していることの誤り、同法36条を適用、同法38条を準用
すべきこと。
三 抗告人(申立人)の疎明全部の提出を待たづして決定されたこと(25条3に
違反)
四 行訴25条5に違反していること。
以上の理由により前記、本件申立に対する決定は取消されるべきものですから本
件、抗告状の抗告の趣旨の如くご決定を求めます。
 以上。

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