弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁理士三嶋浩世及び上告人の上告理由は別紙のとおりである。
 上告代理人の上告理由について。
 論旨は、上告人の出願にかかる考案と被上告人の引用例との相違点をるる述べる
のであるが、よつて、上告人の考案に新規性があるといえないことは、原判決が十
分に説明しているとおりである。旧実用新案法(大正一〇年法律九七号)三条二号
は「……刊行物ニ容易ニ実施スルコトヲ得ヘキ程度ニ於テ記載セラレタルモノ又ハ
之ニ類似スルモノ」は新規性がない旨を規定しており、考案が引用例と違つていて
も、引用例から容易に実施できる以上、新規性がないとすべきは当然である。論旨
が特に強調する「皺襞の構成」についても、上告人の考案と引用例との間に特段の
差異があるとし難いことは原判示のとおりであり、その他、論旨を精読しても、原
判決が上告人の考案に新規性を認めなかつた点について違法があるとは認められな
い。論旨は採用できない。
 上告人の上告理由第一点について。
 論旨は、上告人の考案は、皺襞の形成と同時に、熱接着を行うものであるのに対
し、原判決が皺襞を設けた後に熱処理により接着するものとして判断したのは、当
事者の主張しない事実を判断の基礎とした違法があるというのである。しかし、原
判決を精読すれば明かなように、原判決は、上告人の考案について、その主張のよ
うに、同時に熱接着を行うことを前提として判示し、念のため、爾後に熱処理する
ものとしても、実用新案に関する型の構成の差異ということはできない旨を附加判
示したに止まり、若し上告人の考案が所論のようなものであれば、この点に関する
原判示は不要の判示ということに帰するけれども、原判決の結論には関係がない。
論旨は理由がない。
 同第二点及び第三点について。
 原判決が「薄膜のしわの下部」と記載しているからといつて、その趣旨が、しわ
を下部に限定する趣旨でないことは明白である。原判決は、ただ、下部の方が襞が
大きく、より深く折り畳まれることを述べているに過ぎず、その他原判決は、上告
人の考案と引用例とを詳細に比較し、上告人の考案は、「折畳み」の点に特段の意
味を有するものと解することはできず、結論として、上告人の考案に新規性がない
としているのである。この点に関する原判示は、当審においても十分に首肯するこ
とができ、原判決に所論のような経験則違背の違法はない。論旨は理由がない。
 同第四点について。
 論旨は、独自の立場に立つて原判決を非難するのであつて、原判決に所論のよう
な理由そごはない。論旨は理由がない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に
従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛