弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し本件を高松高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人松川孟一の上告理由は、後記のとおりであつて、これに対する当裁判
所の判断は次のとおりである。
 旧民法による親族会の選定した家督相続人が相続人として不適任である場合には、
旧民法九五一条の親族会の決議に対する不服の訴によりその決議の取消を求めるこ
とができるのであるが、裁判所がこれを取消すには決議の内容が著しく不当である
場合でなければならない。
 本件において原判決の認定した、Dが亡Eの家督相続人として適当でないという
理由は、(一)DはF家と血縁関係がないこと(二)DはGと内縁関係を結んで一
子を挙げていること(三)Dの父Hは性怠惰で金銭を浪費し多額の負債を生じEの
印を盗み家出して行方不明となりEの死後帰郷したこと(四)Eの遺志はIを養子
とするにあつたこと等に尽きる。しかしながら、旧民法九八五条三項によれば、親
族会は正当の事由があれば裁判所の許可を得て他人を家督相続人に選定することを
得るのであるから、DがF家と血縁関係がないという(一)の理由は必ずしもDを
家督相続人に選定した親族会の決議を不当ならしめるものではない(二)の事由は、
本件親族会決議のあつた後に生じた事実であるばかりでなく、そのことだけでは必
ずしもDを相続人とすることを常に不当ならしめるものではない(三)の事由は、
Hが相続人として不適任だという資料とはなつても、その子のDを相続人の地位か
ら排除する断定的の理由となるものではない(四)の事由も、D本人の不適任を決
定するものとはいえない。そして、これら(一)乃至(四)の事由を綜合してもそ
の結論に変りはない。原判決は、Eの遺産はその亡夫Jのものであつたか、名実と
もにEのものであつたかの点に少しも触れていないのであるが、若しその遺産が実
質上Jのものであつたとすれば、DをEの家督相続人に選定した本件親族会の決議
は必ずしも不当であつたとはいえない筈である。これを要するに、原判決は、これ
らの点を明らかにしていないのでその説示する前記(一)乃至(四)の事由だけで
はDを亡Eの家督相続人に選定した本件親族会決議の内容が著しく不当であること
を首肯せしめるに足らないのである。従つて、原判決には理由不備若しくは審理不
尽の違法があるものといわざるを得ず本件上告は理由があり原判決は破棄を免れな
い。
 よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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