弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由について。
 記録によれば、本件は、原告ら(被上告人ら)の被相続人Dが昭和三元年一二月
二四日被告(上告人)から本件土地建物を代金二五万円で買い受けたとして、原告
らは被告に対し、本件土地建物につき所有権移転登記手続を請求するものであると
ころ、被告は抗弁として、 「Dは、本件土地建物売買契約による代金残金の支払
も緩漫であり、売買契約の際約した本件建物における瓦製造に関する約定などは一
つとして履行しないので、被告は昭和三八年八月一日及び同月三一日の二回に亘り
同人に対し本件土地建物の売買契約を解除する旨意思表示をした。」旨主張したも
のである。
 原判決およびその引用する第一審判決は、「被告はさきにDに対し、前記同一の
売買契約に基づく代金残金三万四〇〇〇円の支払等を請求する訴を提起し、右訴(
一審山口簡易裁判所昭和三六年(ハ)第七四号事件、二審山口地方裁判所昭和三八
年(し)第四号事件)は、昭和三八年九月三日控訴審の口頭弁論期日において弁論
を終結の上、二万四〇〇〇円の限度において被告の請求を認容する判決が言渡され、
右判決は確定した。被告の本件における抗弁は、右九月三日当時における売買残代
金債権の存在を否定するものであつて、既判力に抵触し許されない。」旨判示し、
被告主張事実の存否につき判断することなく被告の右抗弁を排斥した。しかしなが
ら、売買契約に基づく代金債権の存在に関する確定判決は、右判決の既判力の基準
時もしくはそれ以前の時期における契約の効力の有無についても既判力が生ずるも
のではないから、右契約に基づく売買目的物件の所有権移転登記手続を請求する別
訴において、右既判力の基準時もしくはそれ以前の時期における契約解除の主張を
許さないと解すべき根拠がなく、原判決の前記見解は失当であるが、被告の前記契
約解除の抗弁は、民法五四一条による契約解除をいうものと解すべきところ、被告
において解除の意思表示に先立ち、Dに対し相当の期間を定めて債務の履行を催告
した事実の主張がなく、被告の原審における前記主張事実のみをもつてしては被告
につき契約解除権が発生しないものといわなければならない。しからば、被告の原
審における前記主張は、主張自体理由がないものとして排斥を免れない筋合である
から、被告の右主張事実の存否につき判断することなく原告らの本訴請求を容認し
た原判決に所論の審理不尽の違法はない。
 なお、所論は、原判決に民法五四〇条および五四一の解釈を誤つた違法があると
いうが、原判決は、右法条を解釈適用しているものではないから、この点の所論は
その前提を欠く。
 論旨はいずれも採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎

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