弁護士法人ITJ法律事務所

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       主   文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
       事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 控訴人
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が平成11年7月2日付でした,平成9年10月1日から平成10年
9月30日までを欠損事業年度とし平成9年3月1日から同年9月30日までを還
付所得事業年度とする欠損金の繰戻しによる還付請求に理由がない旨の通知処分の
全部を取り消す。
3 訴訟費用は,第一,二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
 主文同旨
第二 事案の概要
 原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」のとおりであるからこれを
引用する。
第三 争点に対する判断
一 二に付加するほか原判決の「事実及び理由」中の「第3 争点に対する判断」
のとおりであるからこれを引用する。
二 控訴人は,①欠損金の繰戻し還付が,青色申告法人に認められた法律上の利益
でありしたがって権利である以上,商法103条に基づき合併の効果として合併会
社に当然承継されると解すべきであり,なお国税通則法6条が,合併の際の被合併
法人の納税義務の承継を規定しているが,その反対解釈からも欠損金額の繰戻しに
よる還付請求権は合併存続法人に承継されるべきである。②法人税法が合併の場合
の課税標準の計算について,引当金,準備金等に係る被合併法人の計算を引き継ぐ
旨のいくつかの規定を設けていることは,同法が合併につき人格承継説をとってい
ると解される根拠となり,同法71条2項が合併存続法人の合併後最初の事業年度
の中間申告の際の法人税額には,合併存続法人のもののみならず,被合併法人のも
のを含める旨を規定していることからも,同法81条1項に規定する還付所得事業
年度の法人税額には,合併存続法人のもののみならず,被合併法人のものをも含む
と解すべきである旨主張する。
 しかし,①については,欠損金の繰戻還付請求制度の趣旨及び欠損金の繰戻し還
付が青色申告法人に認められた立法政策上の特典的性格の強いものであること,並
びに商法103条の解釈は,引用にかかる原判決の判示(原判決5頁末行から6頁
23行目まで)のとおりであるから,欠損金の繰戻し還付が権利であるとは認めら
れず,したがって欠損金の繰戻し還付が同法103条に基づき合併の効果として被
合併会社に承継されるとすることはできず,なお国税通則法6条が合併法人が被合
併法人の所得について法人税を納める義務がある旨を規定しているのは,被合併法
人について具体的に確定されていた納税義務が合併法人に承継されるばかりでな
く,被合併法人の最終事業年度分のように合併により発生する納税義務などをも合
併法人に負担させる要があるので設けられたものにすぎないから,この規定から控
訴人主張のような解釈が導かれるとはいえない。
 ②については,法人税法が合併の効果が生じた場合に伴う税務経理の方法,所得
金額の計算方法,納税義務等の各事項について,引当金の引継ぎ等を認める規定
(52条ないし54条)をおいている一方,繰越欠損金(57条),減価償却超過
額(31条)等引継ぎを認めず,合併に際して評価益の計上を容認している(11
2条)などからすれば,同法が一元的に「人格承継説」をとるものと解することは
できず,同法は,前示のとおり(引用にかかる原判決7頁1行目から11行目の
「解される。」まで)各種数額のうち合併存続法人に引き継がせるべきものについ
ては,個別的に規定しているものと解され,同法71条2項が合併存続法人の合併
後最初の事業年度の中間申告の際の法人税額には,合併存続法人のもののみなら
ず,被合併法人のものを含める旨を規定しているのもその一つと解されるから,こ
れが控訴人の前記主張の根拠となりうるものではない。
 よって,控訴人の前記主張は理由がない。
三 また,控訴人は,合併存続法人と被合併法人との間に実質的な企業の同一性,
継続性があり,かつ合併行為が租税回避行為に当たらない場合には,同一法人が継
続事業を行っている場合と何ら異なるところがないのであるから,法人税法81条
を適用すべきである旨主張するが,この点については引用にかかる原判決の判示
(原判決8頁2行目から6行目まで)のとおりであり,合併法人に被合併法人の法
人税の額に対する繰戻しを認めることは特別の立法のない限りできないというほか
なく,したがって控訴人の前記主張は採用できない。
第四 結論
 以上によれば,控訴人の本件請求は理由がないからこれを棄却すべきであり,こ
れと同旨の原判決は相当である。よって本件控訴は理由がないからこれを棄却する
こととし,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第4民事部
裁判長裁判官 武田多喜子
裁判官 松本久
裁判官 小林秀和

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