弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人両名の弁護人藤原慶四郎、三文字正平の上告趣意第一点について、
 原判決が証拠として挙示する被告人Aに対する司法警察官警部補B作成の聴取書
中の同人の供述記載と他の挙示の証拠とを綜合すれば、所論原判示の事実を認める
ことができる。右供述が被告人の任意のものでないということは、本件において、
これをみとめるべき証拠もないから、論旨は採用することはできない。
 同第二点について。
 原判決は「被告人両名は、飲食店Cから仕入れた「ウイスキー」と称する液体に
は「メタノール」(メチルアルコール)を含有するかも判らないから、十分にこれ
を検査し、「メタノール」を含有しないことを確めた上で、客に販売すべきであつ
たに拘らず、不注意にも何等の検査をせず、被告人両名は、意思を連絡して」本件
液体を販売した事実を認定したのである。
 即ち、原判決は、被告人両名の共同経営にかかる飲食店で、右のごとき出所の不
確かな液体を客に販売するには「メタノール」を含有するか否かを十分に検査した
上で、販売しなければならない義務のあることを判示し、被告人等はいずれも不注
意にもこの義務を懈り、必要な検査もしないで、原判示液体は法定の除外量以上の
「メタノール」を含有しないものと軽信してこれを客に販売した点において有毒飲
食物等取締令四条一項後段にいわゆる過失ニ因リ違反シタル」ものと認めたもので
あることは原判文上明らかである。しかして、原判決の確定したところによれば、
右飲食店は、被告人両名の共同経営にかかるものであり、右の液体の販売について
も、被告人等は、その意思を連絡して販売をしたというのであるから、此点におい
て被告人両名の間に共犯関係の成立を認めるのを相当とするのであつて原判決がこ
れに対し刑法六〇条を適用したのは正当であつて、所論のような違法ありとするこ
とはできない。
 同第三点は、原判決の事実誤認の主張であり、同第四点は、量刑不当の主張であ
つて、いずれも適法な上告の理由とならない。
 被告人Dの上告趣意について。
 右論旨の理由ないことは、前段説明したところにより明らかである。
 よつて、刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 右は裁判官小谷勝重の少数意見(後記)を除き全裁判官一致の意見である。
 裁判官小谷勝重の少数意見は次のとおりである。
 結論だけを述べる。即ち私は過失犯には共同正犯を認むべきものではないと信ず
るから、本件に刑法六〇条を適用した原判決は失当であり、論旨第二点は結局理由
があるから原判決は破棄すべきものである。
 検察官 松本武裕関与
  昭和二八年一月二三日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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