弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人山中大吉の上告理由第一について。
しかし、事実及び争点の摘示は、弁論を経た係争事実で、判決をするのに必要なも
のを明らかにすれば足りるものと解すべきところ(大審院明治三四年九月二八日第一
民事部判決、民録七輯八巻五八頁参照、所論準備書面一の(七)の主張事実は、本)
件について判決をするに必ずしも必要なものとはいえず、また、裁判所が当事者の主
張事実を判決に摘示するに当つては、その要旨を摘録すれば足り、必ずしも主張にか
かるすべての事実を逐一記載するを要するものでないと解されるところ、所論準備書
面一の(九)の主張事実については、その要旨が原判決事実摘示の欄に摘録されてい
ることを看取し得るから、原判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。
同第二について。
しかし、所論代物弁済契約が成立しなかつた旨の原審の判断は、挙示の証拠関係に
照らし、首肯できなくはなく、従つて原判決には、所論違法は認められず、論旨は理
由がない。
同第三及び第四について。
しかし、所論原審の各事実認定は、挙示の証拠に照らし、首肯し得なくはなく、論
旨は、ひつきよう、原審が適法にした証拠の取捨判断及び事実認定の非難に帰するか
ら、採用し得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主
文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官高木常七
裁判官入江俊郎
裁判官下飯坂潤夫

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