弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を福岡高等裁判所に差戻す。
         理    由
 福岡高等検察庁検事長山井浩の上告趣意(受理の申立)について。被告人は昭和
六年三月十四日生れであることは原判決の確定するところであるから本件起訴(昭
和二五年一二月一五日)の当時においては被告人は、既に満十八才を超え、その当
時の少年法六八条一項の規定により少年法の適用から除外されていたものであつた
ことはあきらかである。とすれば、検察官が少年法に依拠することなく、本件公訴
事実につき直ちに長崎地方裁判所大村支部に公訴を提起したのは適法である。(昭
和二七年(あ)第二五〇八号同年六月四日第一小法廷判決参照)原判決が被告人の
出生年月日を前記のごとく確定しながら本件公訴を不適法なものとして棄却したの
は畢竟法令の解釈を誤つたものというの外なく本件上告受理の申立は理由あり原判
決は刑訴四一四条三九七条により破棄を免れない。よつて、全裁判官一致の意見に
より同法四一三条を適用し主文のとおり判決する。
 検察官 福原忠男出席
  昭和二八年一〇月一六日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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