弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人らの請求を棄却する。
3訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人らの負担とする。
第2事案の概要
1本件は,被控訴人らが控訴人に対し,被控訴人らは控訴人との間でそれぞれ
雇用契約を締結して控訴人において勤務していたが,控訴人から退職とする処理
がされ又は雇止めがされたものであるところこれらはいずれも無効であると,,
して,控訴人との間の各労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに
未払賃金並びに未払賞与及びこれらに対する各支払期日の翌日から各支払済みま
で民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
2原判決は,被控訴人らの請求を認容したため,控訴人がこれを不服として控
訴をした。
3争いのない事実弁論の全趣旨により認められる事実を含むは原判決の(。),
「事実及び理由」中の「第2事案の概要」の1に記載のとおりであるから,
これを引用する。ただし,次のとおり改める。
(1)原判決3頁1行目の末尾に改行の上,次のとおりを加える。
「被控訴人は,美術刀剣類及び刀装・刀装具を審査し,保存・特別保存刀
,。剣の鑑定及び重要・特別重要刀剣の指定を行いその台帳を作成している
また,重要・特別重要刀剣については図譜を作成し,資料として整備して
いる(乙1の1,2」)。
(2)同頁2行目から7行目までを次のとおり改める。
(2)ア被控訴人P1は控訴人と雇用契約を締結し68歳4か月であっ「,,
た平成16年5月11日から控訴人に勤務し,以後その事務局長を務
めてきた者である。
イ被控訴人P2は,従前勤務していた警視庁を退職した後,控訴人と
期間を1年間とする雇用契約を締結し,控訴人に嘱託職員として採用
され,平成12年4月1日から控訴人に勤務し,以後,その雇用契約
を1年ごとに更新し,会計課長を務めてきた者である。
ウ被控訴人P3は,従前勤務していた警視庁を59歳で早期退職した
後,平成12年3月1日,いったん控訴人の職員として採用され,庶
務部管理課長を務め,平成13年4月1日,控訴人との間で60歳達
齢後の職員として期間を1年間とする雇用契約を締結し,これを1年
ごとに更新し,管理課長兼庶務課長を務めてきた者である。
,「」(。,エ控訴人は財団法人日本美術刀剣保存協会就業規則乙2以下
「」。),,単に就業規則ということがあるを定めておりその26条は
1項において「職員の定年は,満60才とする。ただし,会長は満7
0才を限度として1年毎に雇用を継続することができると2項に。」,
おいて「定年に達した職員の退職の日は,定年に達した日の属する翌
月の末日とする」と規定している」。。
(3)同頁8行目の被告はから同頁10行目の整備しているまでを削「,」「。」
る。
(4)同頁11行目から14行目までを次のとおり改める。
「控訴人の所管官庁である文化庁は,平成13年,控訴人について実地検
査を実施した上,控訴人に対し,同年10月16日付け学芸課長文書「実地
()」。,検査の結果について通知と題する書面による通知をした同書面には
は刀剣及び刀装具の審査については今後は財団の役員職員ならびにそ,「,,
の親族は申請できないように改善していただきたい」との記載がある。
(5)同頁20行目のこの件につきを控訴人の行う刀剣審査に係る申請等「」「
についての調査及び改善方策等について」と改める。
(6)同頁25行目の「休暇中であった」を「,事務局長の立場において休暇。
をとっていた」と改める。。
4本件の争点は,次のとおりである。
(1)被控訴人P1の雇用契約につき就業規則26条の規定が適用されないこ,
ととなるべき事由(雇用期間に係る特約等)があったか(争点1。)
(2)被控訴人らの各雇用契約につき控訴人における雇用が継続されることに,
ついての期待を基礎づける事由があったか(争点2)
(3)控訴人による被控訴人らの雇止め等の合理性を基礎づける事由があったか
(争点3)
5控訴人の本案前の主張は原判決5頁13行目冒頭の(1)から20行目末,「」
尾までに記載のとおりであるから,これを引用する。
6前記の各争点に係る当事者の主張は,次のとおりである。
(1)争点1について
ア被控訴人P1
(ア)(就業規則26条の規定を適用しないこととする合意)
被控訴人P1と控訴人は,雇用契約を締結するに際し,就業規則26
条の規定にもかかわらず,雇用期間を定めないこととする旨の合意をし
た。
(イ)(事務局長に就業規則26条の規定が適用されないこと)
控訴人において,事務局長の雇用期限を70歳までとする規定は存在
しない事務局長は協会の事務を処理するため事務局を置き事務。,「,,
。」(。局長を置くと定める財団法人日本美術刀剣保存協会処務規程乙16
以下単に処務規程ということがある3条に基づき雇用されるも,「」。)
,「」,,のであり同規程2条の職員とは異なるから事務局長については
就業規則26条の規定を適用する前提を欠く。
,,(ウ)上記を裏付け又はこれに関連する事実及び事由についての主張は
原判決7頁11行目本文冒頭の被告においてから同8頁9行目末尾「,」
までに記載のとおりであるからこれを引用するただし原判決7頁2,。,
2行目冒頭の「イ」を削る。
イ控訴人
原判決5頁24行目冒頭の「ア」から同7頁9行目末尾までに記載のと
おりであるから,これを引用する。ただし,同引用部分中の符号(原判決
,,)5頁24行目同6頁5行目同13行目及び同18行目の各冒頭にある
「」,「」,「」「」「」,「」,「」「」アイウ及びエを(ア)(イ)(ウ)及び(エ)
とそれぞれ改める。
ウただし,上記の各引用部分を次のとおり改める。
(ア)原判決5頁25行目の「基づいて」の次に「1年間の」を加える。
(イ)同6頁9行目及び同頁14行目の各「同人」をいずれも「被控訴人
P1」と改める。
(ウ)同頁13行目の「処務規定」を「処務規程」と改める。
(エ)同頁14行目及び同頁17行目の「処務規定」並びに同頁14行目
及び同頁15行目の「同規定」をいずれも「処務規程」と改める。
(オ)同頁19行目の「事務局長」を「元事務局長」と,同頁23行目の
「事務局長は」を「職員としての事務局長は」とそれぞれ改める。
(カ)同7頁1行目の「就任した」を「務めた」と,同頁7行目の「のみ
であるをのみであり事務局長には就業規則が適用されないとする。」「,
慣行はなかった」とそれぞれ改める。。
(キ)同頁11行目の70歳定年を定めるを削り同頁12行目の7「」,「
0歳定年」を「被控訴人P1が70歳に達した翌月の末日に退職する」
,「」「」,「」と同頁15行目の70歳定年を同条と同頁18行目の月
を翌月とそれぞれ改め同頁21行目のであったの次にした「」,「。」「
がって,控訴人にあっては,事務局長には就業規則が適用されないとの
慣行があった」を加える。。
(2)争点2について
ア被控訴人P1関係
(ア)被控訴人P1
原判決9頁8行目冒頭から10行目末尾までに記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
(イ)控訴人
同8頁12行目及び13行目に記載のとおりであるから,これを引用す
るただし同頁12行目の上記からでありまでを平成18。,「」「,」「
年1月3日で」と改める。
イ被控訴人P2及び被控訴人P3関係
(ア)被控訴人P2及び被控訴人P3(その各雇用契約が期間の定めのな
いものと実質的に異ならず,又は被控訴人両人の雇用継続の期待に合理
性があることを基礎づける評価根拠事実関係)
原判決9頁11行目冒頭から同10頁2行目末尾までに記載のとおり
であるから,これを引用する。ただし,同引用部分中の符号(原判決9頁
,)「」,「」「」17行目19行目及び23行目の各冒頭にあるアイ及びウ
を「a「b」及び「c」とそれぞれ改める。」,
(イ)控訴人
原判決8頁14行目冒頭から同9頁6行目末尾までに記載のとおりであ
るから,これを引用する。
ウただし,上記の各引用部分を次のとおり改める。
(ア)原判決8頁15行目の「早期退職であったので」を「従前勤務して
,,いた警視庁を早期退職したためいったん控訴人の職員として採用され
定年年齢となった後と改め同頁26行目の契約なのでの次に勤」,「,」「
務内容等に」を加える。
(イ)同9頁20行目の「70歳の定年を迎える」を「70歳に達する」
と改める。
(3)争点3について
ア被控訴人ら(雇止めに合理的理由がなく,解雇の場合であれば解雇権の
濫用に当ることの評価根拠事実)
原判決14頁14行目冒頭から同19頁7行目末尾までに記載のとおり
であるから,これを引用する。ただし,同引用部分中の符号(原判決14
頁14行目,16頁7行目,17頁11行目,19行目及び18頁5行目
の各冒頭と各同行本文中にある「ア「イ「ウ「エ」及び「オ」を)」,」,」,
「(ア)「(イ)「(ウ)「(エ)」及び「(オ)」とそれぞれ改める。」,」,」,
イ控訴人
原判決10頁5行目冒頭から同14頁12行目末尾までに記載のとおり
であるから,これを引用する。ただし,同引用部分中の符号(原判決10
頁15行目,同12頁13行目,12頁24行目,同13頁4行目及び1
)「」,「」,「」,「」「」「」,「」,7行目の各冒頭にあるアイウエ及びオを(ア)(イ)
「(ウ)「(エ)」及び「(オ)」とそれぞれ改め,同じく符号(同10頁1」,
6行目11頁4行目の各冒頭にある(ア)及び(イ)をそれぞれ削,)「」「」
る。
ウただし,上記の各引用部分を次のとおり改める。
(ア)原判決10頁13行目の「規程によらずに」を「寄附行為その他
に定められた手続を履践せずに」と改める。
(イ)同頁20行目の文書であり被告に対しから同頁21行目の「,,」
「なかった」までを「文書である。控訴人にあっては,当時,P4が。
専務理事と事務局長を兼任しかつ刀剣等の審査の審査員も務めてい,,
たがP4自ら同審査の申請をしておりこれに対する外部からの誹謗,,
中傷があったため同文書は実質的にはP4に対し爾後自ら同審査の,,
申請をしないよう個人的に指導する趣旨で作成されたにすぎないもので
ある」と改める。。
(ウ)同頁21行目の「けだし」から同頁26行目末尾までを削る。,
(エ)同12頁17行目の「寄付行為」を「財団法人日本美術刀剣保存
協会寄附行為(乙1の2。以下「寄附行為」という)18条」と改め。,
る。
(オ)同13頁4行目及び17行目の「規程によらない」をいずれも「所
定の手続を履践せずに行った」と改める。
(カ)同13頁20行目の「職員の給与は」の次から21行目の「に反す
るまでを財団法人日本美術刀剣保存協会職員給与規程乙3以下。」「(。
給与規程ということがあるの定めるところによる同給与規程1「」。)(
条,寄附行為24条3項,就業規則33条)が,これに反するものであ
る」と改める。。
(キ)同頁25行目の「より」を「であるから」と,同頁26行目の「5
7才」を「57歳」とそれぞれ改める。
(ク)同14頁1行目の停止する6条2項との規程を停止する」「()」「
との規定6条2項と同頁3行目の規程を給与規程と同()」,「」「」,
頁9行目の「規程」を「規定」とそれぞれ改める。
(ケ)同頁18行目及び19行目の「これが」から同頁20行目の「虚偽
である」までを削る。。
(コ)同15頁2行目の『提出した』を『提出した』と改める。」
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,被控訴人らの請求はいずれも理由があるものと判断する。その
理由は,次のとおりである。
2争点1について
,(,,,,(1)前記争いのない事実証拠甲15から17乙10の2乙3738
被控訴人P1)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる。
ア被控訴人P1は,昭和▲年▲月▲日に生まれ,高等学校の教員等として
稼働するとともに,昭和45年に控訴人に入会し,三多摩支部長を務めた
後,平成10年から控訴人の評議員となった。
イ被控訴人P1は,他方で,平成11年から東京都銃砲刀剣類登録審査委
員を務め,同じく審査委員であった当時の控訴人の学芸部長P5と仕事を
共にするなどし,P5の評価を得ていた。
ウ控訴人にあっては,P4が専務理事と事務局長を兼任していたが,平成
▲年▲月にP6会長が逝去した後,P4が会長に就任し,その意向により
後任者が決まるまでの間の事務局長代行として当時の庶務部長のP7を当
てた。
エP4の会長就任に際し控訴人の専務理事に選任されたP8は,事務局長
候補者の検討を行い,P5の推薦を受けて被控訴人P1を事務局長とする
ことを考え,同年3月末日ころにP5及びP7とともに被控訴人P1の面
接を行った。被控訴人P1は,同年4月からの大学の講師の業務があるこ
,,と高齢であること等を理由にいったんは事務局長への就任を辞退したが
P8,P5らの要請に応じ,勤務日を金曜日を除く週4日とすることとし
て事務局長就任を承諾した。
なお,P4会長は,▲年▲月▲日に急逝したが,被控訴人P1は,事務
,,局長就任の承諾に先立ちP4会長から控訴人の理事への就任を依頼され
これを内諾していた。
オ被控訴人P1の同年5月11日付けの採用時の辞令(乙10の2の2枚
目には甲表第十一級五号俸を給する但し給与規程第六条第3項を適),「。
用するとの記載がある上記給与規程とは控訴人の財団法人日。」。「」,「
本美術刀剣保存協会職員給与規程」のことであり,上記「甲表」は,同規
程の別表である俸給表の一つである。
なお,上記辞令交付に先立ち,控訴人と被控訴人P1との間で給与額に
ついての具体的な取決め等はされていない。
また,上記辞令に係る控訴人における決裁の鑑には,被控訴人P1が同
年5月21日に理事職に就任しますので理事兼事務局長となりますと「。」
の記載がある。
カ被控訴人P1は同月21日控訴人の理事に選出されその理事会以,,,(
下「理事会」という)において,常務理事に選任された。。
(2)また被控訴人P1が控訴人との間で雇用契約を締結した平成16年当,,
時控訴人の役員及び職員について次のとおりの定めが置かれていた乙,,。(
1の1及び2,乙2,乙16)
ア寄附行為(財団法人日本美術刀剣保存協会寄附行為。乙1の1)
(ア)第15条理事及び監事は,評議員会で選出する。
専務理事及び常務理事は,理事の互選とする。
〈中略〉
常務理事は,会長及び専務理事を補佐し,会務を分掌する。
〈以下略〉
(イ)第18条(当時)理事,監事及び評議員の任期は3年とする。但
し重任を妨げない。
〈以下略〉
(ウ)第20条本会の事務処理をするために必要な職員を置く。
職員は,会長がこれを任免する。
職員に関する規程は別にこれを定める。
イ就業規則(財団法人日本美術刀剣保存協会就業規則。乙2)
(ア)第26条職員の定年は,満60才とする。ただし,会長は満70
才を限度として1年毎に雇用を継続することができる。
ウ処務規程(財団法人日本美術刀剣保存協会処務規程。乙16)
(ア)第3条協会の事務を処理するため,事務局を置き,事務局長を置
く。
2事務局に庶務部,学芸部の二部を置き,それぞれ部長を置く。
(イ)第4条事務局長は会長の命を受け,協会の事務を掌理し,所属職
員を指揮監督する。
,,(3)上記各認定事実からすると控訴人の事務局長もその職員の一人であり
就業規則の規定が適用されるが,事務局長は,控訴人の事務の掌理者である
と認められ,相当程度の執務能力,人事管理能力,実務経験等が必要とされ
ると推認されるとともに,名誉職や非常勤職ではなく頻繁な交代や随時の後
任者の補充等が一般的に想定されているとは認めがたいことに加え,被控訴
人P1については,控訴人の評議員ではあったものの内部職員の昇格人事で
はなく,種々の検討吟味を経た上での外部からの招聘人事としてこれを採用
したものとみるべきであること,被控訴人P1は,多忙等を理由に事務局長
への就任をいったんは辞退したが,控訴人関係者が要請をし,勤務日につい
て本人の希望を容れるなどしていることを指摘することができ,これらに更
に被控訴人P1は,任期3年(当時)の理事への就任含みで採用され,実際
にもその僅か10日後に理事への選出と同時に常務理事(会長及び専務理事
を補佐し会務を分掌することとされているに互選されていることを併せ,。)
勘案すると,被控訴人P1の事務局長としての採用が単に同被控訴人が70
歳に達するまでの2年弱の勤務にとどめることを前提としたものとは認めら
れず,かえって,常務理事を兼務し,控訴人の役員である理事ら及び理事会
等の機関と事務方である事務局及びその職員らとを架橋する役割を担うもの
として採用され,したがってまた,控訴人は,被控訴人P1との間で,期間
を定めないこととして(すなわち,勤務年齢の上限及び1年ごとの雇用契約
の更新について定める就業規則26条の規定を適用しないこととして)雇用
契約を締結したものと認めるのが相当であり,他にこの認定を左右すべき証
拠は見出しがたい。
(4)なおP8の陳述書乙37にはP8は当初控訴人の監査役であっ,(),,
たP9を事務局長としたい意向を持っていたが,同人はすでに73歳になって
おり控訴人の学芸員から事務局長は控訴人の職員であり勤務年齢の上限,,,
が70歳である旨言われてこれを断念した旨及びこの点を被控訴人P1に話し
ており,被控訴人P1は事務局長の勤務年齢の上限が70歳であることを知っ
ていた旨の各記載部分がある。
しかし前記認定事実からすれば控訴人において被用者としての被控訴,,,
人P1と控訴人の役員である常務理事としての同被控訴人とを別個に考えてい
たとみることは当を得ずまた前記認定のとおり被控訴人P1は事務局長,,,
への就任を辞する理由の一つとして高齢であることを挙げているところ,勤務
年齢の上限が70歳であったのであれば2年弱の勤務であることを説得材料に
用いるのが経験則の教えるところと解されるにもかかわらず,控訴人が雇用期
間を話題にしたことを認めるに足りる証拠はないのであって,これらの点を併
せ考えると控訴人は少なくとも被控訴人P1との雇用契約については就,,,
業規則26条の規定に係る勤務年限の定めをその要素としない意思があったも
のと認めるのが相当であるまた前記記載部分の後半については控訴人が。,,
被控訴人P1に対し事務局長への就任を要請説得しようとしながら,別に意中
の者がいたことを引合いに出しかつその者の年齢によって勤務年齢の上限,,
を確認したと主張するものであるが,論旨にはやや無理があり採用に由ないと
ころである。
(5)他方被控訴人P1においてもその雇用契約時すでにその年齢が68,,,
歳4か月であり,当然雇用期間が問題となり得たものと推認されるにもかかわ
らずこの点が話題に上ったことがうかがわれないことからすればむしろ雇,,
用期間を定めない雇用であることを予期していたものと認めるのが相当であ
る。
(6)したがって控訴人と被控訴人P1との間の雇用契約は就業規則26条,,
,,の規定を適用せず雇用期間を定めないこととするものであったと認められ
他にこの認定を左右するに足りる的確な証拠は見出されない。
(7)そうすると上記雇用契約について就業規則26条の規定の適用のある期,
間の定めのあるものであることを前提とする雇止めについての控訴人の主張
,,。,はその前提を欠くものであるから失当である被控訴人P1については
争点2につき判断するまでもなく,控訴人が雇止めの事由として主張する事実
は,被控訴人P1との間の期間の定めのない雇用契約における被控訴人P1の
解雇事由として主張するものとして検討するのが相当である。
3争点2について
(1)前記認定事実によれば被控訴人P2は雇止め時に67歳同P3は雇止,,
め時に66歳であったところ,その時点では年金を受給することができる年
齢に達しており弁論の全趣旨一般企業における若年労働者と同程度の雇(),
用継続の必要性が存していたとはいいがたい。しかし,弁論の全趣旨によれ
ば,公益法人等において,関係する機関・団体等の出身者がその定年後等に
再就職する例が少なくないこと,このような再就職の目的・理由は,即戦力
としての活用,人脈,出身機関・団体等に対する一般的信頼等多岐にわたる
,,ことが認められるところこのような関係機関・団体等の出身者の再就職は
その目的・理由からして,特段の事情のない限り,代替性の強いアルバイト
的事務や,一般募集により容易に人員を確保・補充することのできる事務を
担当させる場合とは異なるものであり,したがってまた,事務量の多寡等に
応じた短期的な雇用の一環に位置づけられるものでもないと解される。
もちろんこのような再就職によって雇用される者も同公益法人等の被用,,
者としてこれとの間で雇用契約を締結する以上,その就業規則が適用されるこ
ととなるが,もともと雇用される際に所定の定年年齢を超えている場合が少な
くないのであって,長年勤めた内部職員が定年後に再雇用される場合等と常に
同一に取り扱われるものとはいいがたく,就業規則のうち雇用期間を定める規
定の適用の在り方についても上記のような就職の目的・理由に照らし個々,,
の雇用契約における具体的事情に基づいて決せられることとなると解するのが
相当である。
(2)そこで検討するに前記争いのない事実証拠甲16及び17乙6の,,(,
3,乙7,乙9から11の各1,乙12,被控訴人P2,被控訴人P3)及
び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア控訴人の会計課長及び管理課長は,従前,警視庁を退職した者が務めて
きた。
イ被控訴人P2及び被控訴人P3は,勤務していた警視庁の警務部人事第
一課人材情報センターから控訴人の紹介を受け,控訴人の職員採用に応募
した。その際に被控訴人P2及び被控訴人P3が入手した控訴人の求人連
絡票(甲6,7)には「紹介者及び警察との関連」欄に「当庁OB)庶,(
務部長P7」との「定年等」欄に「定年70歳(甲6の求人票には更に,」
「」),「」「.。」1年毎に更新との備考欄に11年毎に雇用を更新継続する
との各記載がある。
ウ被控訴人P2は,控訴人との間で,平成12年4月1日,期間を1年間
とする雇用契約を締結し,控訴人から庶務部会計課長を命ずるとの辞令を
受け,以後,会計課長を務めてきたが,その間,平成13年から平成18
年まで毎年4月1日付けの辞令を受けてきた。それらには「就業規則26
条の規程により雇用を1年継続するとの記載又はこれと同趣旨の記載が。」
ある。
エ被控訴人P3は,平成12年3月1日,いったん控訴人の職員として採
用され,庶務部管理課長を命じられ,平成13年4月1日,控訴人との間
,,で60歳達齢後の職員として期間を1年間とする雇用契約を締結し以後
管理課長兼庶務課長を務めてきたが,その間,平成14年から平成18年
まで毎年4月1日付けの辞令を受けてきた。それらには,上記の被控訴人
P2におけるのと同じ記載がある。
オ被控訴人P2及び被控訴人P3の上記各辞令は,いずれも他の雇用契約
の更新対象者とともに1通の書面による決裁がされそれらの書面には就,「
業規則第26条の規程により下記の職員に対し別添(案)のとおり辞令を
発令してよろしいか伺いますとのみ記載がされ毎年分の書面で同じ文。」,
言が用いられている。
カこの間,被控訴人P2及び被控訴人P3は,他の職員と同様に,それぞ
れ週に5日間終日勤務をしてきた。
(3)上記認定事実からすれば被控訴人P2及び被控訴人P3はいずれもそ,,
の雇用契約を締結する際1年ごとに更新契約が締結されることを期待しま,,
た,それが可能であると認識していたものと認められる。
また控訴人にあっても前記認定のとおり警視庁の退職者を対象として,,,
職員募集をし,定年年齢に達した被控訴人P2及びそれに近い被控訴人P3を
採用したものであるところその後6回及び5回にわたり被控訴人P2及び,,
被控訴人P3との間で更新契約を締結したがその際更新契約の対象となる,,
複数の職員について1通の書面で決裁を行いかつこの書面において毎年,,,
,,同じ定型文言を用いた一方更新契約を締結する具体的理由への言及はなく
これらの点に被控訴人P2及び被控訴人P3についてこれら決裁に係るもの以
外に更新契約の是非等についての具体的な検討や被控訴人P2及び被控訴人P
3に対する勤務を継続することについての意向確認がされたことをうかがわせ
る証拠は存しないことを勘案すれば,被控訴人P2及び被控訴人P3との間の
更新契約の締結は,新年度を迎えるについての毎年の経常事務の一つであった
ものと認めるのが相当である。
そして被控訴人P2及び被控訴人P3は前記認定のとおりいわゆるフ,,,
ルタイム勤務を継続しており,その勤務の形態及び内容について定年年齢に達
しない他の職員と有意の差があったことをうかがわせる事由はない。
他方少なくとも会計課長及び管理課長について70歳に達する前に本人,,
の意向に関わりなく雇止めにより雇用契約の更新がされなかった例があること
を認めるに足りる的確な証拠は見出されない。
(4)ところで期間の定めのある雇用契約が契約期間の満了ごとに更新を重ね,
て実質上期間の定めのない契約と異ならない状態になっていた場合には,かか
る更新契約についての雇止めの効力を判断するに当たっては,解雇に関する法
理が類推され(最高裁昭和45年(オ)第1175号同49年7月22日第一小
法廷判決・民集28巻5号927頁参照期間の定めのある雇用契約が期間),
の定めのないものと実質的に同視されるとまではいえない場合においても,被
,,用者の雇用継続に対する期待・利益に合理性が認められる場合には同様に
同雇用契約について解雇に関する法理が類推されると解される(最高裁昭和5
6年(オ)第225号同61年12月4日第一小法廷判決・最高裁判所裁判集民
事149号209頁参照。)
そうすると前記認定の事実関係によれば被控訴人P2及び被控訴人P3,,
の控訴人との間の各雇用契約は,期間の定めのないものと実質的に異ならない
状態になっていたとまでは認められないとしても,被控訴人P2及び被控訴人
P3はその締結時の各年齢にもかかわらず70歳になるまでの間は1年ご,,
とに更新されてそれが継続することを一定程度期待したものと認められ,か
つかかる期待には合理性があったものと解するのが相当であり他にこの認,,
定を左右するに足りる的確な証拠は見出されない。
,,。したがって上記各雇用契約については解雇に関する法理が類推される
4争点3について(その1(本件指導に対する対応関係))
(1)本件指導及びその後の状況等
前記争いのない事実,証拠(甲8から10,15から17,21,32か
ら35乙17から19乙23の2から4乙25から303742の,,,,,
1及び2乙44の2及び3乙51の4乙52566061証人,,,,,,,
P8被控訴人P1被控訴人P3及び弁論の全趣旨によれば次の事実が,,),
認められる。
ア平成13年当時の状況等(甲8,9,乙25,60及び弁論の全趣旨)
(ア)P4は,平成13年当時,控訴人の事務局長であったところ,控訴
人は,文化庁から,同庁文化財部美術学芸課長P10名義の同年7月2
4日付け文書により,同年8月30日に控訴人について実地検査を実施
する旨の通知を受け,同日,実地検査が実施された。
(イ)控訴人は,同年10月16日付けP10課長名義のP4事務局長宛
て実地検査の結果について通知と題する書面により本件指導を受「()」
けた同書面には改善・注意を要する事項の一つとして刀剣及び。,「」「
刀装具の審査については今後は財団の役員職員ならびにその親族は申,,
請できないように改善して頂きたい」との記載がある。
(ウ)P4は,同年11月7日付けのP4事務局長名義の上記P10課長
宛ての業務の改善措置結果について報告と題する書面により本「()」,
件指導に関し講じた改善措置について報告をした同書面には今後は。,「
審査の透明性を確保するうえでご指摘のとおり,役員,職員並びにその
親族と審査員を含め,それぞれの立場を考え,内部規律として審査申請
できないようにするとともに,チェック機能として審査日前までに申請
書の点検を行うことといたしました」との記載がある。。
イ平成18年5月ころの状況等(甲32,乙17から19,23の2,3
7,44の2,被控訴人P1及び弁論の全趣旨)
(ア)被控訴人P2及び被控訴人P3は,平成18年5月17日,文化庁
文化財部美術学芸課P11室長から呼出しを受けた。同室長は,被控訴
人P2及び被控訴人P3に対し,控訴人の一部の役員と一部の業者との
癒着があるとの投書及び電話があり,文化庁としては公益法人として非
難されないようにしなければならない旨述べた上,第一段階としてP8
専務理事,被控訴人P1及び常務理事P5(当時)において上記投書の
内容について文書で回答するよう指示するとともに,控訴人の人事につ
いては,上記投書に係る案件の処理後にしてもらいたい旨要請した。
(イ)同月18日,控訴人の理事会が開催され,当時会長であったP12
以下P12会長というが議長を務め文化庁の上記の指導に対(「」。),
し,上記の3人がそれぞれ回答し,各回答についての文化庁の判定を待
ち,それが判明し次第臨時理事会を招集する方針を述べ,出席者の了解
を得た。
(ウ)P8専務理事は,文化庁に対し,控訴人における重要刀剣及び特別
重要刀剣の審査の具体的方法とともに,公明正大で厳正な審査を行って
いることを確信している旨記載した平成18年5月23日付け書面を提
出した。また,P5常務理事は,文化庁に対し,控訴人においては所定
の審査方式及び審査基準に基づき10人以上の審査員の合議制により厳
正かつ公平に行っている旨記載した同日付け「文化庁よりの問合せに対
する回答」と題する書面を提出した。
一方被控訴人P1は同月22日付け平成18年5月17日ご照会,,「
の件についてと題する書面乙44の2を作成した上これを控訴人」(),
関係者に見せることなく文化庁に提出した同書面には控訴人の重要刀。,
剣及び特別重要刀剣審査において,本件指導に違反する不正な申請をして
いる理事がいることなどが記載されている。
(エ)P8専務理事及び被控訴人P1は,文化庁から,同月31日,上記
の各回答書面の内容の相違について個別にヒアリングを受けた。
(オ)P8,被控訴人P1及び被控訴人P3は,同年6月5日,文化庁か
ら呼出しを受け,文化庁から,本件指導が守られていないことに対する
控訴人としての対処について回答するよう指示を受けた。
その際,同日付けのP8専務理事及び被控訴人P1の連名の美術館・歴
史博物館室のP11室長宛ての「文化庁ヒアリング結果に対する対応策に
ついてと題する書面乙23の2が提出された同書面は同年5月」()。,
31日の上記ヒアリングの際に指導を受けたことに対しての回答書とする
趣旨で作成されたものであり,重要刀剣及び特別重要刀剣等の審査受付に
関し理事とその親族および審査員・職員が申請できないことについ,「,
て更に徹底する及び違反関係者への対応につき会長と協議して早急に。」
処分する」との記載がある。。
(カ)P8,被控訴人P1及び被控訴人P3は,同月29日,文化庁から
呼出しを受けた。その席上,同日付けP8専務理事及び被控訴人P1の
連名の上記P11室長宛ての「文化庁よりの照会事項に対する対応策に
ついて」と題する書面(乙23の3)が提出された。同書面には,本件
指導に係る「文化庁指導(13財美学49の15号)の内容(1)につ
いてを条文化し,趣旨の周知徹底を図る」との「日本美術刀剣保存協。,
会美術刀剣等審査規程に第14条として,次の条文を設ける。第14条
審査に財団役員とその親族および職員ならびに審査員は申請すること
ができない」との各記載がある。。
ウ同年7月以降の状況等(乙23の4,37,証人P8,弁論の全趣旨)
(ア)▲月▲日にP12会長が逝去し,P8専務理事が控訴人の会長代行
となった。
(イ)被控訴人P3は,同月20日,同日付けP8及び被控訴人P1の連
名のP11室長宛ての「刀剣審査に係る申請等の調査結果及び改善方策に
ついて(報告)と題する書面乙23の4を文化庁に持参した同書面」()。
には,本件指導の内容及び前記の平成13年11月7日付けのP4事務局
長名義の業務の改善措置結果について(報告)と題する書面記載の改善「」
措置を掲記した上刀剣審査に係る調査結果として上記改善措置に係る,,
内部規律に違反し理事4人につき35点職員1人につき477点審,,,
査員3人につき4点の重要刀剣等について申請がされていること等が記載
されているとともに事後の改善措置再発防止及び関係者の処分につい,,
ても記載がある。
なお同書面には控訴人の公印の印影が存するが同公印を用いてこ,,,
れを顕出させたのは,被控訴人P3である。
(ウ)P8は,P11室長から,同月24日,同日付け同室長名義のP8
宛ての「貴協会の刀剣審査に係る報告書の提出について」と題する書面
(乙52)の送付を受け,控訴人が行う刀剣審査に係る申請等の調査結
果及び改善方策についての報告書の提出方を依頼していたがいまだ適式
な報告書の提出がないとして,控訴人において所定の手続を踏んだ上で
至急提出するよう指示を受けた。
(エ)同月25日,控訴人の理事会が開催され,まず第2号議案「文化庁
の指導についてが取り上げられ被控訴人P3において前記同月20」,,
「」日付け刀剣審査に係る申請等の調査結果及び改善方策について(報告)
と題する書面と同内容の「文化庁より指示による調査等の報告一部の理
事ならびに業者との癒着による信用失墜行為について」と題する書面を示
し,その説明をした上,出席者間で検討がされた。
同書面には,本件指導に違反した役員としてP8を含む4人の氏名が記
載され関係者の処分についてP8につき理事辞任P5常務理事当,,,(
時上席専門研究員を兼務していたにつき理事辞任及び停職20日等と。)
する記載がある。
上記理事会においてはP8が文化庁を訪ねることとされ上記書面に,,
ついては一部の理事の反対もあり,その採否についての議決はされなかっ
た。
エ同年8月以降の状況等(乙37)
(ア)P8,被控訴人P1及び被控訴人P3は,同月1日,文化庁におい
てP11室長と面会した。同室長は,P8のほかP13常務理事,P5
常務理事らの処分についての方針を問い質したのに対し,P8は,控訴
人としての回答を確定させる必要がある旨述べ,同室長が強く要望した
同月8日までの報告書の提出を約束した。
(イ)しかし,P8専務理事は,上記の期限までには報告書の作成が間に
合わないと判断し,被控訴人P1に対し,同月上旬ころ報告書の提出の
延期を伝え,同月10日にP8専務理事,被控訴人P1及び被控訴人P
,,3が文化庁に赴いて報告書を提出することとされたがP8専務理事は
同日に文化庁に行かず,報告書の提出もされなかった。
(2)判断
,,,ア前記認定事実によれば被控訴人P1は本件指導に従うことを是とし
控訴人の日本美術刀剣保存協会美術刀剣等審査規程を改め,控訴人の役員
及びその親族,職員並びに審査員が刀剣等の審査の申請をすることができ
ない条文を設けるとともに,上記指導を盛り込む形で改正しようと事柄を
進めたものと認められるのに対し,P8は,文化庁による本件指導を含む
一連の指示,要請等について,控訴人の実情等を解さない一方的なもので
あると感じ,次第にその認識を強めるとともに,被控訴人P1らが本件指
導に従った措置を講じ,関係者の処分を行うこととする報告書案を作成す
るなどしたため,被控訴人P1との対立が鮮明となっていったことが認め
られる。こうした状況の下で,P8は,被控訴人P1らに対し,その意に
適う対応は期待しがたいとの思いから,会長代行の立場からの事務局長へ
の指導はもとより事務局との対話自体が希薄化したものと認められる乙,(
37,証人P8,弁論の全趣旨。)
イところで,前記認定のとおり,本件指導に係る文書(以下「本件指導文
書というは控訴人の代表者宛てではなく事務局長宛てでありこれ」。),,
に対する回答も事務局長名義の書面でされており,かかる体裁が採られた
ことについては何らかの事情があったことが推認されるとともに,P4が
文化庁の関係者と何らかの折衝をした可能性もいちがいに排除しがたい点
がある。しかし,本件指導文書は,控訴人の所管官庁である文化庁の文化
財部美術学芸課長名義の文書番号が付され,同課長の職印も押捺された公
文書であって甲8文化庁においてこれに記載された内容どおりの指導(),
をする意図がなく,単に形式を取り繕ったにすぎないものとはおよそ解し
がたく,行政庁として文面どおりの意思があったものと認めざるを得ない
ものである。
控訴人において,前記回答後にその改善措置の周知徹底が図られたとは認
められないが,むしろ,それは,公益法人としての控訴人内部の問題であ
るといわざるを得ず,周知徹底が図られず,その内容を知る者がなく,ま
た,文化庁が前記回答後に特段の事後検証をしなかったとしても,それら
の点をもって何ら本件指導が放置されたことが正当化等されるものではな
い。仮に,本件指導に盛り込まれた内容が控訴人の組織や業務の実体に適
合せず,およそ遵守しがたいものであったとすれば,それを踏まえた対処
をすべきものである。
この点は前記認定に係る平成18年5月以降の文化庁による指示要請,,
等についても同様に当てはまるものというべきである。
,,,,そして前記認定事実からすれば一連の文化庁による指示要請等は
公益法人である控訴人の所管官庁としての立場でされたものであることは
明らかであって,これらに至るきっかけや経緯がどのようなものであるに
しろ,かかる行政庁の指導に対し,速やかに対応しないことは公益法人と
しての存在の適否に関わるものであり,少なくとも平成18年以降は,専
務理事であったP8において責任を持って検討及び処理をすべき事柄であ
ったというべきである(同年6月まではP12会長が存命であったが,弁
論の全趣旨によれば,会長は,要所の判断,最終的決裁等に任ずべきもの
であり,具体的問題の検討処理は専務理事において処理することが想定さ
れていたものと認められる。。)
したがって被控訴人P1の前記のような対処方針自体は客観的には非,,
難されるべきものとはいいがたいとともに,前記のとおりのP8専務理事
の認識や行動は,むしろ,被控訴人らに対する制御又は指揮監督に関する
部分を含め専務理事としての善管注意義務に反するものであったといわざ
るを得ない。
ウ次に,前記認定のとおり,P8専務理事及び被控訴人P1は,平成18
年5月31日に文化庁のヒアリングを受けた後,同年6月5日,同月29
,,日及び同年7月20日被控訴人P3とともに文化庁のP11室長を訪ね
それぞれの日に本件指導に係る調査結果,対処方針等を記載したP8と被
控訴人P1の連名の書面(乙23の2から4)を提出したものであるとこ
ろ,P8は,会長職を代行していた専務理事であって控訴人を代表するも
のであり,文化庁を訪問するについて対処方針はもとより,説明内容,提
出資料等について事前に打合せを全くしないということは,特段の事情の
ない限り,控訴人の組織体系の在り方などに徴するとき,想定しがたく,
上記特段の事情をうかがわせるに足りる的確な証拠はない。
なお,P8の陳述書(乙37)には,P8が平成18年6月29日に文
化庁を訪ねた際,訪問の趣旨を知らず,文書が提出されたが,事前に見て
いないためその内容は分からなかったとする記載部分があるが,証拠(甲
25)及び弁論の全趣旨によれば,①P8は,本件指導に関し,平成1
5年以降に就任した理事は,本件指導を知らない旨述べた上,爾後本件指
導の内容を徹底することを言明するとともに,前記P11室長が控訴人の
刀剣等の審査に関する規程中に本件指導の内容を定める条文を設けること
を打診したのに対し,同規程の改正と広報を約束したこと,②被控訴人
P1がP11室長に対し,前掲の同日に提出した書面(乙23の3)に基
づき,その内容を説明したことが認められ,この点からすれば,P8の上
記記載部分は採用することはできず,少なくともP8が同日より前の時点
で本件指導の存在及びそれが遵守されていないことについての控訴人の所
管省庁としての文化庁の考え方を認識していたとともに,同日までには上
記書面の内容も認識したものと認められ,他にこの認定を左右するに足り
る的確な証拠はない。
,,仮にP8がこれらの書面の具体的内容を認識していなかったとすれば
それは,その作成を被控訴人P1らにゆだねたことの徴表であるか,又は
P8の職務懈怠又は善管注意義務違反の現れであるとみるほかない。
また,平成18年7月20日付けの「刀剣審査に係る申請等の調査結果
及び改善方策について報告と題する書面には控訴人の公印の印影があ()」
るが,前記認定のとおり所管省庁との間で数回のやりとりがされたような
場合には,所管省庁において最終的に受理が可能であると判断した上で,
その内容を記載した控訴人の所定の手続を経て作成した文書の提出を求め
るのが通常であると認められるから弁論の全趣旨その間にやりとりさ(),
,,れる文書はすべて案文としての性格を有するものにとどまるのであって
これに控訴人の公印が用いられたことについては事務処理として適切であ
ったとはいいがたいものの,上記のような案文に押捺したことについては
いわゆる行使の意思・目的があったとみるにはなお疑問があるというべき
であり,上記の公印の使用をもってしては公印の冒用,文書の偽造等がさ
れたものと認めるには至らないというべきである乙44の247枚目。(,
から52枚目まで)
エこの点に関し,控訴人は,控訴理由として,被控訴人P1の前記一連の
行動は,自己が70歳を超えたために退職せざるを得ないことを阻止する
ため,本件指導を口実に控訴人を混乱させ,また,一部の役員を陥れるた
,,,めの策謀によるものである旨主張するところたしかに被控訴人P1は
P12会長(当時)に対し,平成18年3月及び4月に内部告発に類する
書簡を送付したことが認められるが,本件全証拠を精査しても,控訴人の
上記主張を裏付けるに足りる的確な証拠を見出し得ない本件においては,
同主張は,採用できないものといわざるを得ない。
オ以上からすれば,控訴人と被控訴人らとの雇用契約に関し,信義則に照
らし,被控訴人らの前記行動を退職又は雇止めの合理性を基礎づける非違
行為として位置づけることは,相当ではないと解すべきである。
5争点3についてその2被控訴人P2及び被控訴人P3の業務命令違反行()(
為)
(1)平成18年8月14日に開催された理事会について
前記争いのない事実証拠甲15から17乙31証人P8被控訴人,(,,,
P1被控訴人P2被控訴人P3及び弁論の全趣旨によれば次の事実が,,),
認められる。
ア平成18年8月14日のP8と被控訴人P1及び被控訴人P3とのやり
とりについては原判決24頁8行目冒頭のP8専務理事はから20,「,」
行目末尾までに記載のとおりであるから,これを引用する。
イP8専務理事は,同月9日,同月14日に控訴人の緊急理事会を開催す
る旨記載した同専務理事名義の招集通知書面(以下「本件招集通知」とい
う)を作成しこれを控訴人の各理事に送付した同通知は翌日各理。,。,,
事に到達した。
ウ同月10日,控訴人の理事数人から,控訴人の事務局に対し,本件招集
通知が自宅に郵送されているとの連絡があった。
従前控訴人の理事会開催についてはその通知書面の作成及び送付につ,,
いては,事務局長において決裁し,被控訴人P3が担当職員にその発送を
指示する扱いによってきたものであるところ,本件開催通知は,かかる手
順が踏まれていないものであった。
エ被控訴人P1は,P8専務理事と連絡が取れなかったため,被控訴人P
2及び被控訴人P3と協議した上,被控訴人P3に対し,控訴人の各理事
に本件招集通知に関する連絡をするよう指示した。
被控訴人P3は,同日,各理事に対し,電話により,又はファクシミリ
を利用して書面を送付し,本件招集通知が決裁を受けて発送する通常の手
続を踏んでいないものである旨などを連絡した。
なお,上記の連絡のため,同月14日には理事会が開催されることはな
いと判断し,委任状も提出せずにこれを欠席した理事もいた。
オP8専務理事は,P13常務理事とともに,被控訴人P3に対し,同月
14日,同日に開催される理事会開催のため机及び椅子を整え,出席者の
ために飲み物を準備するよう指示した。しかし,被控訴人P3は,本件招
集通知の発送の指示を受けておらず,理事会開催の正規の手続を経ていな
いため準備作業はできない旨述べ,上記の指示に応じなかった。
カ同日,P8専務理事ほか9人の理事が出席して(うち1人は委任状の提
。)(「」。),出によるものである理事会以下本件理事会というが開催され
会長としてP14(以下「P14新会長」という)が選出された。。
キP14新会長は,被控訴人P2に対し,上記理事会が終了した後,自分
が新たに控訴人の会長に選出されたとした上,経理の引継ぎのためである
として,控訴人の帳簿,通帳等を引き渡すよう指示した。しかし,被控訴
人P2は,上記理事会が正当に開催されたものであるかどうかについて疑
問がある上,被控訴人P1からの許可がないことを理由としてその引渡し
を拒んだ。
(2)判断
ア控訴人の理事会の招集権限は,会長にあり(平成17年7月26日に施
行された改正寄附行為26条乙1の2前記認定のとおり平成18年。),,
,。,8月当時P8専務理事が会長代行を務めていたものであるしたがって
P8がした本件招集通知は有効にされ,委任状を提出した者を含め9人の
理事が出席した本件理事会も有効に開催されたものというべきである(寄
附行為30条。)
しかるところ,前記認定のとおり,被控訴人P1及び被控訴人P3は,
P8から,同月9日に本件理事会の開催について相談を受けており,本件
招集通知がP8専務理事がしたものであり,又はその意思に基づいてされ
たものであることは容易に推量することができたものと解される。
また,被控訴人P3は,同月10日に本件招集通知の有効性に疑問があ
る等とする連絡を控訴人の理事に行った上,本件理事会の当日にもP8専
務理事から受けた指示にも従わなかったものである。
,,以上の点からすれば被控訴人P1及び被控訴人P3の上記の各所為は
会長代行であったP8専務理事の指示に従わず,もって,本件理事会の開
催を妨害したものと認められる。
,,イもっとも公益法人その他相応の組織及び人員を備える団体等において
その意思決定機関(控訴人にあっては評議員会及び理事会)の会議の開催
について,その招集権者が直接に個々の招集通知書面の作成及び発送まで
行う例があるとは想定しがたく,議案又は議題の実質的な選定は別として
も,日程調整,開催通知書面の作成及び送付,出席者の確認(控訴人にあ
っては委任状提出者の有無を含む,会議用資料の調製その他の準備作業。)
及び会議当日の庶務作業は,格別の事情のない限り,いわゆる事務方が担
うのが通常であると認められ弁論の全趣旨控訴人についてこのような(),
事務処理体制と別異のものが構築され,それに従った運用がされていたこ
とその他格別の事情をうかがわせる証拠はない。
また,P8は,被控訴人P1又は被控訴人P3に対し,その開催を示唆
した本件理事会について,そこでの議案を具体的に開示したことをうかが
わせる証拠もないことはもちろん,上記のような手続的準備作業の実施を
指示したとも認められないのであり,また,前記認定事実からすれば,当
時は,すでに被控訴人らとP8とは不和の状態にあり,P8は,被控訴人
P1らの対処方針を改めさせることなく,同人らの行動を放置し,本件理
事会の議案及び議決の内容をも併せ考えれば,被控訴人P1らの関与なし
に本件指導に係る諸問題を処理しようとした様子がうかがえるのである。
さらに,P8は,本件理事会の開催について通常の手続的準備作業の実施
を含めて指示をしなければ,被控訴人P1らがこれを履践しないこともま
た予想し得ていた可能性を排除しがたいところである。この点に関し,P
8は,会長代行として,本件招集通知について事務方を通さない格別の理
由についても説明したとは認められないのであり,むしろ,事務方を通さ
ずに招集通知を発したのであれば,その旨を事務方に伝達した上で,服務
規律に従い上司の命令を誠実に履行すべく,本件理事会の開催に向けた残
りの準備作業をあらかじめ指示するのが本来の事務処理であり,事務の遅
滞等を防止するところである。
ウそうすると,P8による本件理事会開催をめぐる前記打診は,被控訴人
P1らがこれに従った対応をすることを予期し,かつ,そのようにさせる
意思の下にされたものとは認めがたく,本件のような経緯の下に,被控訴
人P1らがこれに従わなかったことをもって雇止めの合理性を基礎づける
ものとは認められず,また,前記のような業務違反行為が客観的には存す
るとしても,それが会長代行であったP8において上記のような事務方を
通さずに招集通知を行うなどの所為に及んだ状況において発生したもので
あることにかんがみると,これを理由とする解雇又は雇止めに合理性を認
めることはできない。
6争点3についてその3被控訴人P1及び被控訴人P2による所定の手続()(
によらない控訴人の資産運用等について)
原判決26頁1行目冒頭の1から同27頁2行目末尾までに記載のとお「()」
りであるから,これを引用する。
ただし原判決26頁24行目の上記のとおりから同27頁2行目末尾,「,」
までを以下のとおり改める。
「この点について,控訴人は,被控訴人P1及び被控訴人P2には事務手続の
違背がある旨主張するが,たしかに,会長在任時はP8専務理事は会計事務に
ついて決裁権を有する者ではなく,国債等の買換等についてはP8専務理事ど
まりの事務手続を行なうなど正規の決裁手続を省略している点のあることは控
訴人指摘のとおりである。しかし,それらの手続上の違背は,シャッター修理
費の支出については緊急の必要が認められること,国債等についても,慣行的
にP8専務理事の承諾だけで処理したことは不都合であるが,ことさらに不適
切な内容を隠すなどの意図に基づくものとは認められないこと,さらに,稟議
書の形式については上記不都合が認められるが,その内容において不当とすべ
き事柄をうかがわせる的確な証拠はないこと,以上の点を併せ考えると,前記
認定のとおり,被控訴人P1と控訴人間においては期間の定めのない雇用契約
が締結されたものと認められ,被控訴人P2と控訴人間においては70歳まで
の間1年ごとの更新の形で雇用契約上の雇用継続の合理的な期待があるものと
認められる本件においては,上記のような事務方の手続違背の責任を被控訴人
らにのみ帰するように考慮することは相当とはいえない。
したがって,これらの所定の手続によらない資産運用等が被控訴人P1につ
いては解雇事由として合理性がある旨,被控訴人P2については上記した雇用
継続の合理的な期待がある雇用契約の雇止めをする合理性がある旨の控訴人の
主張は採用することができない」。
7争点3(その4)について(被控訴人らによる専横的な給与額の引上げにつ
いて)
原判決27頁4行目冒頭から同頁14行目末尾までに記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
ただし原判決27頁11行目冒頭に3を加え同行の被告が主張す,「,」,「
る上記の点は」から同頁14行目末尾までを以下のとおり改める。,
「この点について,控訴人は,被控訴人らはその報酬増額に係る事務手続に違
背のないようにすべきところ,単純な過失とはいえない意図的な手続違背があ
る旨主張するが,被控訴人P1の平成16年報酬額改訂及び同17年給与見直
しに係る各稟議書(甲23,乙46)並びに被控訴人P2及び被控訴人P3の
平成16年職員給与体系の見直しに係る稟議書(甲22)には内容それ自体に
金額の算出根拠の説明はあること,これらはP8専務理事を始め職員全般に関
する給与増額などを含むことに加えて,いずれも会長,P8専務理事の捺印が
あり,その決裁を受けていることが認められ,前記認定を左右するに足りる的
確な証拠はない。したがって,上記稟議書だけで処理し得る案件ではないこと
はもちろん,同稟議書には手続上の違背箇所があり,また,職員給与規程の改
定やその後の辞令上に記載された給与規程条項の問題点は指摘し得るものの,
ことさらに意図的な手続違背があったとまでは認めがたく,他にこれをうかが
わせる的確な証拠も見出されない。
したがって,被控訴人らの給与増額の点は,これを実質的な規定違反がある
意図的なものとまでは断定しがたく,その手続違背の責任を被控訴人らだけに
帰せしめ,解雇又は雇止めをする合理性がある旨の控訴人の主張は採用するこ
とができない」。
8争点3について(その5(その1からその4までの小括))
(1)前示の各検討からすれば①被控訴人P1及び被控訴人P3が架空の,,
平成13年の本件指導をことさらに持ち出して控訴人の事務を一方的に混乱さ
せたことは認められずまた控訴人主張に係る文書偽造及び行使又は控訴人,,
の公印の冒用に当たる行為であるとまでは認められないこと,②平成18年
8月14日の本件理事会の開催に当たり,その前後の状況並びに被控訴人P
1,被控訴人P2及び被控訴人P3が積極的に妨害をした事実までは認められ
ないこと,③理事会当日に被控訴人P2及び被控訴人P3がP8やP14新
会長の指示に従わなかったことは適切ではなく業務命令違反ではあるが,なお
前記した本件事実関係の下においてはやむを得ない事情もうかがえることな
ど,なお信義則上雇止めの合理性を基礎づけるに足りる事由があるとまでは認
められず④被控訴人らの国債の買換等工事費用の支出や給与改定に係る,,
資産運用上又は給与引上げの件における手続違背の諸事由についても,いまだ
信義則上解雇又は雇止めを行なう合理性を基礎づけるに足りる事由があるもの
とはいえない。
(2)被控訴人P1については前記2争点1についてで認定説示したとお,()
り,控訴人との間において雇用期間を定めない雇用契約を締結したものと認
められるところ,前に検討した事由だけでは解雇することは合理性を欠き相
当ではないことは前示のとおりであるから,その解雇は無効である。
してみれば,被控訴人P1についての地位確認,賃金及び賞与の支払請求
。,(),は理由があるそして証拠甲18の1から5及び弁論の全趣旨によれば
同被控訴人主張に係る賃金及び賞与の額並びに支給日はこれを認めることがで
きる控訴人は個別的な査定が必要であるところその主張立証はされてい(,,
ない旨主張するが,控訴人において各職員の賞与に付き具体的な査定をした上
でこれを支給してきたことを具体的に示す証拠が見出されない本件において
は,上記各証拠及び弁論の全趣旨により上記のとおり賞与の額及び支給日を認
定することは妨げられないものというべきであり,他にこれを左右すべき的確
な証拠は見出しがたい。。)
(3)被控訴人P2及び被控訴人P3については前記3争点2についてで,()
認定説示したとおり,控訴人との間における雇用契約は70歳までの間1年
ごとに更新されその雇用が継続することに対する期待に合理性が認められる
場合であるところ,前に検討した事由が雇止めをする合理性があるとは認め
,。られないことは前示のとおりであるからその雇止めはいずれも無効である
してみれば,被控訴人P2及び被控訴人P3についての地位確認,賃金及
び賞与の支払請求は理由がある。そして,証拠(甲19の1から4,甲20
の1から5)及び弁論の全趣旨によれば,同被控訴人ら主張に係る賃金及び
賞与の額並びに支給日はこれを認めることができる(賞与の額及び支給日の
認定については,前示したのと同様である。。)
9被控訴人らの請求について
控訴人は,本案前の主張として,①被控訴人らの求める地位が不特定であ
ること,②債務名義が残存する事態を招来する余地のあること,将来分を請
求する利益はないことを主張する。①については,従前と同様の労働契約上の
地位にあることの確認を求める点において特定があり,②については,前示し
た内容の雇用契約における解雇又は雇止めが無効とされた本件のような場合に
おいては,原判決主文のような形で,その地位の確認を認めるとともに,金員
の支払を命ずることが相当であると解される。その上で,債務名義が残存する
場合については別途の解決を図るべきことはいうまでもない。
したがって,控訴人の本案前の主張は理由がない。
第4結論
以上の次第で,被控訴人らの請求を認容した原判決は相当であり,本件控訴
は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第4民事部
裁判長裁判官稲田龍樹
裁判官内堀宏達
裁判官足立謙三は,転補のため署名押印することができない。
裁判長裁判官稲田龍樹

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