弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小野清一郎、同池田克、同馬場秀郎、同磯部保の上告趣意のうち、憲法三
四条前段、三七条二項違反をいう点は、刑訴法二二八条二項が、同条の証人尋問に
あたり弁護人の立会を任意にしているからといつて、憲法の所論条項に違反するも
のでないことは、昭和二五年(あ)第七九七号同二七年六月一八日大法廷判決(刑
集六巻六号八〇〇頁)およびその趣旨によつて明らかであり、また、記録によれば、
所論証人Aは第一審公判廷において共同被告人として供述し、かつ被告人側の求め
に応じて所論証人尋問調書についての供述をもしているのであつて、かかる場合に、
刑訴法二二七条、二二八条により弁護人に立会の機会を与えることなく作成された
証人尋問調書を証拠としても憲法の所論条項に違反するものでないことは、昭和二
五年(し)第一六号同年一〇月四日大法廷決定(刑集四巻一〇号一八六六頁)およ
びその趣旨により明らかであるから、論旨は理由がない。また、判例違反をいう点
は、原判決はなんら所論判例に相反する法律判断を示している点は認められず、論
旨は、採るを得ない。その余の論旨は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主
張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
 よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
  昭和四五年三月二六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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