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平成16年(ワ)第12860号 特許権侵害差止等請求事件
口頭弁論終結の日 平成17年7月7日
          判         決
     原      告    株式会社日新
     訴訟代理人弁護士    藤本徹
     同           近藤幸夫
     訴訟代理人弁理士    東尾正博
     同           鳥居和久
     同           田川孝由
     同           北川政徳
     被      告    株式会社ジャストコーポレーション
     訴訟代理人弁護士    安原正之
     同           佐藤治隆
     同           小林郁夫
     同           鷹見雅和
     補佐人弁理士      平崎彦治
          主         文
   原告の請求をいずれも棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
          事実及び理由
第1 請求
 1 被告は、別紙物件目録(1)記載の物件を製造し、販売し、又は販売の申し
出をしてはならない。
 2 被告は、その占有に係る別紙物件目録(1)記載の物件を廃棄せよ。
 3 被告は、原告に対し、7350万円及びこれに対する平成16年12月2日
(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
   本件は、ケースに関する特許権を有する原告が、被告によるDVD貸出用ケ
ースの製造販売等が、上記特許権を侵害すると主張して、その差止め等と損害賠償
を請求した事案である。
 1 前提となる事実(当事者間に争いがない。)
 (1) 原告は、ビデオ、DVD等のレンタルショップで使用する貸出用のケー
ス等の製造販売を業とする株式会社である。
     被告は、ビデオ、CDショップ向け業務用設備の販売等を業とする株式
会社である。
 (2) 原告は、下記の特許権を有している(以下、この特許権を「本件特許
権」という。
      発明の名称    ケース
      出願日      平成11年6月21日
      登録日      平成15年1月31日
      特許番号     第3394728号
     特許請求の範囲請求項1は、次のとおりである(以下、この発明を「本
件発明」という。)。
  側面に商品の出し入れ用の開口を有する箱体と、この箱体の下縁側
に適宜のヒンジを介し前記開口を開閉するように設けた蓋体と、この蓋体と前記箱
体とのそれぞれの側壁の上縁から連なって上方に突出すると共に、延長を内方に7
字状に屈曲した屈曲壁によって設けた並列係合溝とからなるケース。
 (3) 構成要件の分説
     本件発明の構成要件は、以下のとおり分説される。
     A 側面に商品の出し入れ用の開口を有する箱体と、この箱体の下縁側
に適宜のヒンジを介し前記開口を開閉するように設けた蓋体と、この蓋体と前記箱
体とのそれぞれの側壁の上縁から連なって上方に突出すると共に、延長を内方に7
字状に屈曲した屈曲壁によって設けた並列係合溝と
     D からなるケース。
 (4) 被告は、別紙物件目録(1)の商品名(DVDクイックレンタルロック
ケースVer.Ⅲ)で、同目録添付の各図(ただし、付された番号部分を除く)記
載のとおりの製品(以下「被告製品」という。)を製造販売し、販売の申し出を
し、また、現に占有している(被告製品の構造の説明については後記のとおり当事
者間に争いがある。)。
 2 争点
 (1)被告製品が、本件発明の技術的範囲に属するか
  (原告の主張)
   ア 被告製品の構成は、別紙物件目録(1)記載のとおりであって、構成要
件A、Dを充足する(なお、本項において、被告製品の部材の番号及び名称は、別
紙物件目録(1)記載のものを用いる。)。
   イ 被告製品が、構成要件Aを充足することは、原告が、被告に対し、被告
製品が本件特許の請求項4に係る発明の特許権を侵害するとして、その製造販売差
止等と損害賠償を請求した訴訟(以下「前訴」という。)の一審(当庁平成15年
(ワ)第10882号特許権侵害差止等請求事件)判決(平成16年9月6日言渡
し)において、次のように認定されているとおりである。
     「被告製品の、原告が主張するところの壁面114、111a、111
bから構成される本体1は、構成要件Aにいう『側面に商品の出し入れ用の開口を
有する箱体』に該当し、継手部4は、構成要件Aにいう『箱体の下縁側』の『ヒン
ジ』に該当し、壁面115、113a、113bから構成される蓋2は、構成要件
Aにいう『開口を開閉するように設けた蓋体』に該当すると認められる。したがっ
て、被告製品において、『箱体』に該当する本体1の『側壁』に該当するのは原告
が主張するところの壁面114であり、『蓋体』に該当する蓋2の『側壁』に該当
するのは壁面115であると解すべきである。被告製品において、構成要件Aにい
う『蓋体と箱体とのそれぞれの側壁の上縁から連なって上方に突出する』『壁』に
は、原告が主張するところの壁面118及び壁面120がそれぞれ該当する。」
     「被告製品において、原告が主張するところの壁面118及び壁面12
0は、構成要件Aにいう『延長を内方に7字状に屈曲した屈曲壁』に該当し、これ
によって設けられた上記7字状を形成した部分が、構成要件Aにいう『並列係合
溝』に該当するということができる。」
    「被告製品において、DVDを出し入れする開口を有しDVDを収容する
ための空間7を備える本体1は、構成要件Aの『側面に商品の出し入れ用の開口を
有する箱体』に該当し、本体1の下縁に継手部4を介して本体1の開口を開閉可能
に被う蓋2は、構成要件Aの『箱体の下縁側に適宜のヒンジを介し前記開口を開閉
するように設けた蓋体』に該当し、本体1の壁面114と蓋2の壁面115は、構
成要件Aの『蓋体と箱体のそれぞれの側壁』に該当し、壁面114の上方には壁面
118が、壁面115の上方には壁面120が、それぞれ連続して設けられてお
り、これらは構成要件Aにいう『側壁の上縁から連なって上方に突出する』もので
ある。
     被告製品の壁面118と、この上方に内向きに設けられた壁面110
と、壁面110の前後両端部、その中間部に壁面118に対し平行に設けられた下
向きのガイド片108aは、構成要件Aの『7字状に屈曲した屈曲壁』に該当し、
これらは溝形状を呈している。同様に、被告製品の壁面120と、この上方に内向
きに設けられた壁面112と、壁面112の前後両端部、その中間部に壁面120
に対し平行に設けられた下向きのガイド片108bも、構成要件Aの『7字状に屈
曲した屈曲壁』に該当し、これらは溝形状を呈している。これらの7字状に屈曲し
た壁面の溝形状部分は、互いに対面し、この溝形状部分に、ロック板10の上縁部
26aとロック板10の壁面26bとが差し入れられて、本体1と蓋2とが閉鎖状
態に維持されるから、これらの溝形状部分は構成要件Aの『延長を内方に7字状に
屈曲した屈曲壁によって設けた並列係合溝』に該当する。したがって、被告製品は
構成要件Aを充足する。」
  (被告の主張)
   ア 被告製品の構成は、別紙物件目録(2)記載のとおりであって、被告製
品は、構成要件Aを有しない(なお、本項において、被告製品の部材の番号及び名
称は、別紙物件目録(2)記載のものを用いる。)。
   イ(ア) 被告製品において、本体ケース1が「箱体」に、蓋2が「蓋体」
に該当するとしても、被告製品にはそれぞれの「上縁に設けた並列係合溝」が存在
しない。
      本件発明では、「箱体」と「蓋体」という直方体形状をした容器本体
部分が存在し、その「側壁の上縁から」上方に突出して「並列係合溝」が形成され
ているもの、言い換えれば、「箱体」と「蓋体」というケース本体部分の外側に
「並列係合溝」を形成したものである。
 しかし、被告製品では、本体1及び蓋2を有する以外、本体部分の外
側には何ら構成部材を有しない。直方体状の本体部分の内側に設けられているロッ
ク板嵌入空間8にロック板が収納される構成となっているのである。
      また、被告製品のガイド片108は本体ケース上面110及び蓋上面
112の内側部分のごく一部分から内方に僅かに突出しているにすぎないものであ
るから、このようなガイド片108によっては、「溝」の構造を有しないから、
「係合溝」は存在しない。
    (イ) 被告製品は、このような部分的なガイド片108しか有しないか
ら、「並列係合溝」を構成するような「7字状に屈曲した屈曲壁」も存在しない。
      さらに、ガイド片108の断面が「7字状」を呈したとしても、それ
はごく僅かの部分であり、大部分は単なる蓋と本体との噛み合わせ形状である。
 (2) 本件発明に係る特許権についての無効理由の有無
  (被告の主張)
ア 記載不備又は発明未完成
(ア)本件特許権の明細書(以下「本件明細書」という。)に、「発明の効
果」として、「この発明の係るケース及びスライダは」「スライダを介しケースの
開放が阻止されてケースに収納してある商品の盗難を防止することができる」とさ
れているとおり、本件明細書に係る発明は、ケースのみではその効果を発揮するこ
とができず、ケースとスライダを組み合わせることによって初めて「発明の効果」
記載の作用効果を得るものである。ところが、本件発明は、ケースだけしか特定さ
れておらず、スライダに関しては何も特定がない。したがって、本件発明は、開閉
が自由自在に行えるケースのみを構成要素とするものであるから、本件明細書の
「発明の効果」記載の作用効果、特に盗難防止という作用効果を奏することがな
い。
 このように、本件明細書の効果として記載されている事項と、本件発
明の作用効果には齟齬があり、請求項1の記載は、発明として明確性を欠き、又は
効果を奏さないものである。
(イ)本件明細書では、「第1の実施形態のケースA」が本件発明の構成例
を説明し、「第2の実施形態のケースB」が請求項3の構成例を説明し、「第3の
実施形態」が請求項4の構成例を説明し、「第4の実施形態」が請求項5のタグの
例をそれぞれ説明しているのに対し、「発明の効果」では、本件発明、請求項2の
ケース、請求項3のスライダ、請求項4のケースとスライダと係止具の要素を総合
して、解除具も加えた上で効果を説明している。このことからすると、被告は、こ
れらの請求項を総合して一つの発明として成り立つものとして説明したものであっ
て、実施例の記載との整合性が取れていない。
 したがって、発明の詳細な説明の記載は、実施することができる程度
に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法36条4項1号に違反する。
イ 新規性又は進歩性欠如
(ア)本件発明は、1949年6月7日登録の米国特許公報(登録番号24
72486、以下「引用例」という。)に記載された発明であるから、新規性がな
い。
(イ)実開平7-29692号公報(平成7年6月2日公開、以下「乙第2
号証刊行物」という。)記載の発明は、「並列係合溝」の形状を除いて、本件発明
の構成要件をすべて備えている。
 実公昭47-21126号公報(昭和47年7月13日公告、以下
「乙第3号証刊行物」という。)、実公昭49-38560号公報(昭和49年1
0月22日公告、以下「乙第4号証刊行物」という。)、実開昭49-50397
号公報及び願書に添付した明細書及び図面(実願昭47-91662)(昭和49
年5月2日公開。以下、まとめて「乙第5号証刊行物」という。)、実開昭51-
56398号公報及び願書に添付した明細書及び図面(実願昭49-12877
7)(昭和51年5月1日公開。以下、まとめて「乙第6号証刊行物」とい
う。)、特開昭54-138420号公報(昭和54年10月26日公開、以下
「乙第7号証刊行物」という。)、実開昭60-104553号公報(昭和60年
7月17日公開、以下「乙第8号証刊行物」という。)、実開昭63-54650
号公報(昭和63年4月12日公開、以下「乙第9号証刊行物」という。)には、
ケースであって、嵌合スライドないしスライド方式で蓋の係止及び開放を行う発明
が記載されている。
 他方、特開平9-112131号公報(平成9年4月28日公開、以
下「乙第11号証刊行物」という。)、実公昭36-29728号公報(昭和36
年11月13日公告、以下「乙第12号証刊行物」という。)、実公昭50-29
607号公報(昭和50年9月1日公告、以下「乙第13号証刊行物」とい
う。)、特開昭54-17460号公報(昭和54年2月8日公開、以下「乙第1
4号証刊行物」という。)には、部材の結合・連結技術に係るものとして、2つの
部材を結合させる際に、双方の部材から上方に突出すると共にその延長を内方に7
字状に屈曲した屈曲壁によって並列係合溝を設け、その係合溝に対し係合させる部
材を使用して上記2つの部材の結合状態を維持させる技術が記載され、上記技術
は、本件発明の出願前に公知ないし慣用技術であった。
 したがって、乙第2ないし第9号証刊行物記載の発明のケースにつ
き、その蓋の開放阻止のために、引用例及び乙第11ないし第14号証刊行物で示
される公知ないし慣用技術を適用することは、当業者が容易になし得たことであ
る。
(ウ)特開昭53-146883号公報(昭和53年12月21日公開、以
下「乙第10号証刊行物」という。)には、ケースの発明が記載されているが、そ
のケースは、「蓋21」をケース本体とし、「台部材10」をスライダとしてみれ
ば、延長を内方に7字状に屈曲した屈曲壁によって形成された「並列係合溝」及び
「スライダ」の構成を備えている。「蓋21」は一体として形成されており、箱体
及び蓋体というようには分割できないが、これを中央から分割してヒンジによって
開閉する構造とすることは、当業者が容易になし得たことである。
  (原告の主張)
ア 記載不備又は発明未完成は争う。
イ 新規性又は進歩性欠如
(ア)引用例記載の発明は、ケース本体4のスライドバー10の挿入部がケ
ース本体4の底壁から突出するものではないから、「蓋体と前記箱体とのそれぞれ
の側壁の上縁から連なって上方に突出すると共に、延長を内方に7字状に屈曲した
屈曲壁によって設けた並列係合溝」との構成を備えていない。したがって、引用例
記載の発明は、本件発明と同一ではない。
(イ)乙第2ないし第9号証記載の発明は、いずれもケースの外面にロック
部材を被せてケースの開放を阻止する物ばかりであるから、「蓋体と前記箱体との
それぞれの側壁の上縁から連なって上方に突出すると共に、延長を内方に7字状に
屈曲した屈曲壁によって設けた並列係合溝」との構成を備えていない。
 また、乙第11ないし第14号証刊行物記載の発明は、いずれも、建
築金物に関する技術であって、本件発明であるケースとは全く技術分野が異なる。
 乙第10号証刊行物は、台部材と両側辺の溝に透明蓋の両側辺を嵌め
入れて互いに結合する構造であり、蓋体と箱体の並列係合溝間にケースの開放を阻
止する部材を挿入可能とする構成を開示するものではない。
 (6)損害
  (原告の主張)
    被告による被告製品の売上は、平均で1か月当たり1750万円を下らな
いから、本件特許権が設定登録された平成15年1月31日以降の被告製品の総売
上は、3億6750万円を下らない。
    被告の利益率は、売上高の20パーセントを下らないから、特許法102
条2項により原告の損害と推定される、被告製品の販売により被告が受けた利益
は、7350万円を下らない。
  (被告の主張)
    否認ないし争う。
第3 当裁判所の判断
1 争点(2)(本件発明に係る特許権についての無効理由の有無)について
(1)乙第1号証によれば、引用例には、「図面について述べると、4は、ケー
ス本体を示すもので、上面1面を除き他面は全て閉じられており、当該上面は蓋5
によって開閉される。蓋5は、通常の構造を有する旋回継手6によって、ケース本
体4に連結される。」「突出部8は、ケース本体4の必須構成部分を形成し又は適
宜の方法を用いて本体に付加されるものであり、突出部9は、同様に蓋5に形成さ
れる。突出部8及び9の長さは、水平方向に十分な長さを有する。突出部8の上面
は、突出部9の下面と接する位置関係にある。むしろ、突出部9の上面は蓋5の上
面と同一平面を構成し、かつ突出部は継手6が設けられた側と反対側に形成され
る。2つの突出部は、・・・スライドバーによって同時に嵌め合わされるようにな
っている。・・・これらの面(以下「挟持面」という。)は、水平、長手方向に並
行に形成される。・・・例えば、スライドバーの10の断面形状はC字状をしてい
るが、これは、ケース本体4及び蓋5の側面から連接する突出部8及び9によって
形成される空間に適合するようになっている。突出部の内方突部11及び12は、
C字状断面の内部に差し込まれるため、挟持面13及び14を形成する。」とし
て、延長が断面7字状となっている屈曲した形状の壁を持つ突出部8、9を有する
ケースの図面が記載されていることが認められる。
 上記記載に基づいて、引用例記載の発明のケースの旋回継手6側を下、突
出部8、9側を上としてみると、突出部8は、ケース本体4の上面から上方に突出
しているが、上記上面は、ケース本体4の側面の上縁から連なっているから、結局
突出部8は、ケース本体4の側面の上縁から連なって上方に突出しているというこ
とができ、また、突出部9は、蓋5の側面の上縁から連なって上方に突出している
ということができる。また、突出部の断面7字状となっている屈曲した形状の壁に
よって形成される溝は、突出部8の溝と突出部9の溝が並行に列んでおり、スライ
ドバー10で係合されるから「並列係合溝」というべきものである。
 そうだとすると、引用例には、「側面に商品の出し入れ用の開口を有する
ケース本体4と、ケース本体4の下縁側に旋回継手6を介してケース本体4の開口
を開閉する蓋5と、この蓋5とケース本体4のそれぞれの側壁の上縁から連なって
上方に突出すると共に、延長を7字状に屈曲した形状の壁によって設けた並列係合
溝とからなるケース」が記載されているものと認められる。
 そして、ケース本体4は「箱体」、旋回継手6は「ヒンジ」、蓋5は「蓋
体」、突出部8、9の屈曲した形状の壁は「屈曲壁」に相当するから、結局、引用
例には、「側面に商品の出し入れ用の開口を有する箱体と、この箱体の下縁側に適
宜のヒンジを介し前記開口を開閉するように設けた蓋体と、この蓋体と前記箱体と
のそれぞれの側壁の上縁から連なって上方に突出すると共に、延長を内方に7字状
に屈曲した屈曲壁によって設けた並列係合溝とからなるケース。」が記載されてい
るものであって、本件発明は、引用例に記載された発明と認められる。したがっ
て、本件発明に係る特許は、特許法29条1項3号に該当するものとして、特許無
効審判により無効とされるべきものである。
 (2)原告は、引用例記載の発明は、ケース本体4のスライドバー10の挿入部
がケース本体4の底壁(旋回継手6側を下、突出部8、9側を上としてみたときの
側壁)から突出するものではないと主張する。しかし、本件発明の屈曲壁は、「蓋
体と前記箱体とのそれぞれの側壁の上縁から『連なって』上方に突出する」もので
あって、側壁自体から直接突出するものに限定されるとは解されないから、引用例
記載の発明のスライドバー10の挿入部が、ケース本体4の底壁から直接突出して
いるか否かは、前記(1)の認定を左右するものではない。
 2 結論
   以上の次第で、その余について判断するまでもなく、原告の請求は理由がな
いから棄却することとして、主文のとおり判決する。
      大阪地方裁判所第26民事部
           裁判長裁判官     山  田  知  司
              裁判官     高  松  宏  之
              裁判官     守  山  修  生
(別紙)
物件目録(1)図1図2図3図4図5図6、図7図8物件目録(2)図1図2図3
図4図5図6

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