弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人横田隼雄の上告趣意について。
 しかしAに対する司法警察官の聴取書には論旨摘録の如き記載はあるが右記載は
所論の如く準強盗の事実を供述したものと認めることはできない。暴行脅迫を用い
て財物を奪取する犯意の下に先づ財物を奪取し、次いで被害者に暴行を加えてその
奪取を確保した場合は強盗罪を構成するのであつて、窃盗がその財物の取還を拒い
で暴行をする場合の準強盗ではないのである。それゆえ原判決が前記聴取書の記載
をもつて原判示に符合する被害顛末の記載と認め、これを他の証拠と綜合して原判
示の強盗の事実を認定したのは正当である。然らば原判決には何等所論の如き違法
なく論旨は理由なきものである。
 仍つて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文の如く判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 岡本梅次郎関与
  昭和二四年二月一五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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