弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     第一審判決中徳島県名西郡a村大字b字cd番畑四反二畝一二歩の内八
畝二六歩及び同所同番同畑の内八畝一六歩、同所e番畑一反三畝一六歩の内六畝一
六歩に対し被上告人B1農地委員会が昭和二三年一一月一日樹立した買収計画を取
り消した部分及び右買収計画に関し被上告人B2農地委員会がした訴願棄却の裁決
を取り消した部分(第一審判決主文第一、二項)を除き、その余の部分を取り消す。
     徳島県名西郡a村大字f字gh番畑一反二畝一九歩及び同村大字b字i
j番畑一反一三歩に対し被上告人B1農地委員会が昭和二三年一一月一日樹立した
買収計画及び右買収計画に関し被上告人B2農地委員会がした訴願棄却の裁決を取
り消す。被上告人らの控訴を棄却する。
     訴訟の総費用は被上告人らの負担とする。
         理    由
 上告理由第二点について。
 論旨は、原判決が自作農創設特別措置法(以下自創法と略称する。)六条の五の
農地買収計画を定めるに当り、本件小作地の保有面積の算定は遡及買収基準日によ
るべきものと判示したのに対し、右算定は買収計画時によるべきものであつて、従
つて、原判決には自創法の解釈を誤つた違法あり、破棄を免れないと主張する。し
かし、自創法六条の二及び五は、当該農地の条件が基準日以後変動した農地につい
て「基準日現在における事実に基いて」農地買収計画を定めると規定しながら、そ
の場合の小作地保有面積の計算については何等の規定をしていないのみならず、同
条二項はかゝる変動があつても一定の事由に該当する場合は遡及買収をしない旨を
規定しているのであるから、遡及基準日に小作地であつてもその後買収計画樹立ま
でに賃貸借契約等が適法かつ正当に解約され、右二項第一号に該当する農地は保有
面積計算の場合にも小作地に算入しない趣旨と解するを相当とする。従つて、買収
計画樹立当時すでに自作地となつている場合には、その農地の面積を保有小作地の
算定にあたり小作地として計算することは許されないと解すべきであるところ、原
判決の確定するところによれば、第一審判決記載の第二目録の農地の中徳島県名西
郡a村大字b字ck番畑四畝二八歩及び同所l番のm畑五畝歩は、同法六条の二、
二項一号に該当し買収計画当時すでに自作地となつているのであるから、上告人の
小作地の保有面積を計算するについては、これを上告人の小作地として計算するこ
とは許されないものといわなければならない。しかるに、原判決は、「現在適法に
返還を受けた自作地であつても、昭和二〇年一一月二三日当時小作地であつたもの
を加えて地主の同日現在の所有小作地の面積を算定」すべき旨を判示しているから、
この点において原判決は、法令の解釈を誤つた違法があり、また本件買収計画が、
かかる算定のものに行われたものであることは原判決の確定するところであるから、
結局本件買収計画及びこれを是認した本件訴願裁決は共に違法であつて、その取消
を求める上告人の本訴請求は理由があり、これを棄却した原判決は、この点におい
て、他の論点につき判断するまでもなく、破棄せられなければならない。そして上
述の理由により保有小作地に算入することを許されない農地以外の部分については、
先ず小作地として保有せしむべき農地を除き、その余の部分につき遡及買収計画を
樹立すべきであるところ、どの農地を小作地として保有せしめるかというような買
収計画の内容に亘る事柄は、農業委員会において決定すべきであり、裁判所におい
て判断すべき事項ではないから、結局本件買収計画は全部に亘り取消を免れないの
である。しかし、第一審判決が徳島県名西郡a村大字b字ck番地畑四反二畝一二
歩の内八畝二六歩及び同所同番同畑の内八畝一六歩、同所n番畑一反三畝一六歩の
内六畝一六歩につき買収計画及び訴願裁決の一部を取消したのは、その理由は上述
したところと異るけれども、結局正当に帰するから、その取消を求める被上告人ら
の控訴は棄却することとし、また、徳島県名西郡a村大字f字gh番畑一反二畝一
九歩及び同村大字b字ij番畑一反一三歩に対する買収計画及び訴願裁決につき、
第一審判決が上告人の請求を容れなかつたのは、上述の理由により違法であり上告
人の控訴は理由があるから、第一審判決中この部分はこれを取り消して、上告人の
請求を容認することとする。
 よつて、民訴四〇八条、九六条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛