弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の理由とするところは、被告人Aに対する恐喝被告事件について同被告
人は保釈中のところ、昭和二六年二月一四日東京高等裁判所において保釈取消、保
証金没取の決定をうけ、この決定は同月一六日東京拘置所拘禁中の同被告人に送達
された、しかし取消の理由たる「住居の制限に違反した」ことはなく、被告人が制
限住居を離れたのは別事件で勾留されたためであつて、被告人の自由意思によるも
のではないし、又取消の理由として掲げられている「逃亡の虞」もありえないとい
うのである。
 しかし、最高裁判所に対しては刑訴応急措置法第一八条のように特に最高裁判所
に抗告を申立てることを許された場合のほか抗告をすることができないことは当裁
判所の判例とするところである(昭和二二年(つ)第七号、同年一二月八日第一小
法廷決定参照)。
 本件抗告が右のような抗告でないことは抗告申立書自体によつて明かである。よ
つて刑訴施行法第二条、旧刑訴法第四六六条第一項により主文のとおり決定する。
この決定は裁判官全員一致の意見である。
  昭和二六年八月一七日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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