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平成25年(う)第1744号危険運転致死傷被告事件
平成26年3月26日東京高等裁判所第1刑事部判決
主文
本件控訴を棄却する。
理由
本件控訴の趣意は,弁護人渡邊隼人作成の控訴趣意書記載のとおりであ
り,これに対する答弁は,検察官北英知作成の答弁書記載のとおりである
が,論旨は,事実誤認,法令適用の誤り及び量刑不当の主張である。
1事実誤認ないし法令適用の誤りの主張について
原判決は,被告人が信号機により交通整理の行われている交差点(以下
「本件交差点」という。)を直進するに当たり,同交差点の北側停止線
(以下「本件停止線」という。)手前約41メートルの地点において,対
面信号機の赤色信号表示を認めたのにこれを殊更に無視し,かつ重大な交
通の危険を生じさせる時速約60キロメートルの速度で大型貨物自動車
(以下「本件トラック」という。)を運転して同交差点に進入し,同交差
点南側出口の横断歩道上を横断中の被害者2名(いずれも当時7歳)に自
車を衝突させ,1名を轢過して脳挫傷により死亡させ,1名に全治約7日
間を要する頭部打撲,顔面打撲・擦過傷等の傷害を負わせたとの事実を認
定し,危険運転致死傷罪の成立を肯定した。これに対して,論旨は,要す
るに,本件トラックの停止距離は82.273メートルであるのに43.
64メートルとした点には事実の誤認があり,またこれを前提として,被
告人が赤色信号に気付いた時点でブレーキを踏んでも本件停止線の手前で
安全に停止することはできなかったから,赤色信号を「殊更に無視」した
とはいえないのに,その旨認定して危険運転致死傷罪の成立を肯定した原
判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認ないし法令適用の
誤りがあるというのである。
そこで検討すると,原判決がその挙示する証拠により原判示事実を認定
したことは正当であり,その理由として事実認定の補足説明の項で説示す
るところも概ねこれを是認することができる。以下,所論に鑑み,補足し
て説明する。
原判決は,被告人が本件トラックを運転し,本件停止線の手前約41.
48メートル地点で対面信号機が黄色から赤色に変わるのを見たが,ブレ
ーキを踏むことなく時速約60キロメートル(秒速約16.67メートル)
で本件交差点に進入した事実を認定した上で,①空走時間が1.1秒程度
(空走距離約18.34メートル)になる可能性を否定できず,制動実験
の結果得られた数値のうち被告人に最も有利な摩擦係数0.56を用いて
算定した制動距離が約25.3メートルであることからすると,被告人が
赤色信号を認識した時点ですぐブレーキを踏んでも停止距離は約43.6
4メートルとなるから,本件停止線手前で停止することが十分に可能だっ
たとはいえない,②刑法208条の2第2項にいう「赤色信号(中略)を
殊更に無視し」たと認められるのは,赤色信号であることについて確定的
な認識があり,停止位置で停止することが十分可能であるのにこれを無視
して進行するのが典型例であるが,これに限らず,赤色信号を認識した時
点ですぐにブレーキを踏めば,仮に停止位置を越えても安全な位置に停止
することが可能であるのにあえて進行する場合をも含む,③本件交差点が
被告人の進行方向右側のみに交差道路が接続する丁字路交差点で,本件交
差点北側入口に横断歩道等は設置されておらず,本件停止線から更に約4
6.3メートル先の本件交差点南側出口に自転車横断帯及び横断歩道が設
置されているという交差点の形状や,被告人が本件交差点に進入した際の
信号状況に照らせば,本件停止線を越えて本件交差点の中程辺りまで進行
して停止しても,横断歩行者等に衝突したり,他の車両の通行を妨げたり
するおそれはないから,本件停止線を越えて本件交差点の中程に至るまで
に停止できれば安全に停止することができたといえるところ,被告人はそ
のような態様での停止が十分可能であった,④被告人は,対面信号が黄色
から赤色に変わるのを見たのにブレーキを踏むことなくそのまま進行して
本件交差点に進入したのであるから,赤色信号を確定的に認識しながらこ
れを無視して進行したことは明らかである,⑤被告人が本件交差点の規模
や構造,本件トラックの制動性能について十分認識・理解していたと認め
られることからすれば,赤色信号を認識した時点ですぐにブレーキを踏め
ば,本件停止線を越えても大幅に越えることはなく,安全な位置で停止で
きることが分かっていたものと認められる,⑥以上によれば,被告人は,
赤色信号を確定的に認識し,その時点ですぐにブレーキを踏めば,他の交
通を妨げない安全な位置で停止することができ,かつ,そのような認識が
あったのに,赤色信号を無視して進行し,本件交差点内に進入したのであ
るから,およそ赤色信号に従う意思がなく,これを殊更に無視したと認め
られるとした。原判決の各証拠の評価は相当であり,その認定及び判断も
論理則,経験則等に沿う合理的なものである。
原判決の事実認定に関して,所論は,被告人が赤色信号を認識した時点
ですぐにブレーキを踏めば,本件停止線を越えても大幅に越えることはな
く,安全な位置で停止することができ,また被告人はそのことが当然分か
っていたとする原判決の認定は,以下のとおり誤っていると主張する。す
なわち,(1)ア原判決は,空走時間が1.1秒(空走距離約18.34メ
ートル)程度になる可能性を否定できないとし,その根拠として被告人が
被害者に気付いた時点の後輪タイヤの位置と後輪タイヤのスリップ痕の開
始地点までの大まかな距離を挙げるが,被害者を認識してブレーキを踏む
時間と赤色信号を認識してブレーキを踏む時間とを同視できず,赤色信号
を認識した場合に停止線で停止できるか否か即時に判断できずに迷うこと
があり,被害者を認識してからブレーキを踏む場合よりも空走時間(距離)
が長くなるから,空走時間は1.1秒に留まらず1.9秒(空走距離約3
1.67メートル)になる可能性がある,イ原判決は,制動距離算出に
際し,検察官が実施した制動実験に依拠しているが,同実験は急ブレーキ
をかけた場合の距離を算出しているところ,急ブレーキの際にタイヤロッ
クの危険があることなどから,実際の制動距離は同実験による理論値より
も長くなるはずで,原判決が採用する距離の2倍(約50.6メートル)
ほどになることが考えられる,ウ以上によれば停止距離は約82.27
メートルとなり,本件停止線を約40.79メートル越えて停止すること
になるというのである。これに関連して所論は,(2)被告人は本件交差点
に至るまで赤色信号を遵守して進行していたもので,本件事故時において
もこれに従わない動機はないから,赤色信号を認識した時点ですぐにブレ
ーキを踏めば,本件停止線を越えるにしても,大幅に越えることはなく,
安全な位置で停止できることが当然に分かっていたとはいえないと主張す
る。
まず(1)アの点について検討するに,一般的な空走時間は約0.8秒と
されており,被告人は本件当時職業的にトラックを運転していた34歳の
男性で,証拠上知覚・運動能力に特段の問題があることも窺われないから,
上記の一般的な空走時間を前提とすることも考えられるところであるが,
原判決は,念のために被告人により有利な数値をもって検討しており,こ
の点に問題はない。他方,原審弁護人や所論が主張する空走時間1.8な
いし1.9秒は,公刊された文献に基づく実験値であるが,いずれも最大
値に近いものであり,そもそも本件と前提条件を異にする実験によるもの
であるから,本件における停止距離の検討に適当な数値ではない。かえっ
て上記文献には,条件を異にする実験によるものではあるが,1.1秒前
後の数値も挙げられており,原判決が空走時間を1.1秒程度としたこと
に誤りはない。次に,(1)イの点につき,所論は,一般運転者の制動距離
の95パーセンタイル値が理想制動距離の2倍となる点を指摘するが,9
5パーセンタイル値が2であるというのは,2以下のデータがデータ全体
の95パーセント以上を占めるということであるから,2倍という数値が
直ちに本件に妥当するものではないし,その他の指摘も制動距離に有意的
な影響を与えるものではない。原判決が,可能な限り本件と同様の条件の
下で行った3回の実験結果から被告人に最も有利な値を用いて制動距離を
算出したことに誤りはない。所論(1)は採用できない。
(2)の点については,被告人の赤色信号に従う意思の有無は本件交差点
においてどうだったかの問題であり,それ以前の赤色信号に対する態度は
無関係である。そして,現に被告人は本件交差点で赤色信号を認識しなが
らこれを無視して進行しており,その際被告人が直ちにブレーキを踏めば
本件停止線を越えても安全な位置で停止できると分かっていたはずである
ことは,被告人の運転経験等を指摘しつつ原判決が適切に説示するとおり
である。所論(2)も採用できない。
次に所論は,危険運転致死傷罪の成否に関して,(3)原判決は,被告人
が赤色信号を認識した時点でブレーキを踏んでも本件停止線の手前で停止
することが十分に可能であったとは認め難いとしながら,他の交通を妨げ
ない安全な位置で停止することができ,かつ,そのような認識があったの
に,赤色信号を無視して進行し,交差点に進入しているから,およそ赤色
信号に従う意思がなく,赤色信号を殊更に無視したものとして危険運転致
死傷罪の成立を認めたが,赤色信号を認めた時点でブレーキをかけても本
件停止線を越えてしまう場合には,赤色信号を殊更に無視したとはいえず
同罪は成立しないから,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法
令の適用の誤りがあると主張する。
そこで検討すると,「赤色信号を殊更に無視する」とは,故意に赤色信
号に従わない行為のうち,およそ赤色信号に従う意思のないものをいい,
赤色信号であることについて確定的な認識があり,停止位置(本件では本
件停止線)で停止することが十分可能であるにもかかわらず,これを無視
して進行する行為がその典型的なものであるが,ここで停止位置で停止す
る可能性が問題とされるのは,赤色信号の意味として車両等が停止位置を
越えて進行してはならない旨定められていること(道路交通法施行令2条
1項)による。しかし,停止位置で停止できず,それを越えて進行する車
両に対し,赤色信号が何も規制しないということではなく,停止位置を越
えて進行することを禁じる赤色信号の意味は,単に停止位置を越えること
を禁じるのみならず,停止位置を越えた場合にもなお進行を禁じ,その停
止を義務付けるものである。黄色信号が同じように停止位置を越えて進行
してはならないものとされながら,当該停止位置に近接しているため安全
に停止することができない場合を除く旨の例外が定められているのに対し,
赤色信号についてそのような例外の定めがないことはそれを示している。
そうすると,「殊更無視」の解釈に当たり,本件停止線で停止可能か否か
が決定的な意味を持つものではなく,本件停止線で停止できないことから
直ちに赤色信号の「殊更無視」が否定されるものではない。
ところで本件交差点は,その北側入口には横断歩道等がなく,本件停止
線から約46.3メートル先の南側出口に横断歩道及び自転車横断帯が設
置されているところ,被告人が対面信号機が赤色信号に変わるのを見た地
点から,本件交差点南側出口の横断歩道等までの距離は約87.3メート
ルだったのだから,停止距離に関する原判決の認定ではもちろん,所論が
主張する数値を前提にしても本件横断歩道の手前で停止できることになる。
この場合,本件交差点内で停止してしまうことになるが,交差点内での停
車は原則として禁止されているものの,危険を防止するため一時停止する
場合は例外とされている上(道交法44条柱書き本文〔1号〕),原判決
が説示するとおり,本件当時本件交差点内で停止することになっても他の
車両の通行を妨げるおそれはなく(なお,原判決は本件交差点中程での停
止について述べているが,本件横断歩道手前辺りで停止したとしても状況
は変わらないと考えられる。),安全に停止することができたのである。
そして,関係証拠によれば,被告人は,かかる状況の下で,本件停止線手
前約51.1メートル地点で黄色信号を認識して,一度アクセルから足を
離し排気ブレーキが作動する状況になったが,すぐ赤色信号に変わったの
で止まれないと思い,再びアクセルに1ミリぐらい足を乗せて排気ブレー
キを解除して進行したところ,その頃の速度は時速約59.2キロメート
ル,被害者らが本件横断歩道を渡り始めたときの速度は時速約58.8キ
ロメートルであって,ほとんど変わらない速度で進行しており,減速の措
置などはとっていなかったと認められる。そうすると被告人は,本件横断
歩道等から約97.4メートル手前の地点で黄色信号を,同じく約87.
3メートル手前の地点で赤色信号をそれぞれ認識し,同地点で直ちにブレ
ーキをかければ,本件停止線を越えたとしても本件交差点内の本件横断歩
道等の手前で停止することができ,これによって本件交差点内での事故発
生などの危険が生じる可能性はまずなく,かつ本件交差点での衝突事故を
回避できる状況にあり,さらにそもそも対面信号が赤色であるから本件ト
ラックを進行させることが絶対的に禁じられているのに,黄色信号を認識
した時点でいったんアクセルから足を離したものの,赤色信号を認識して
排気ブレーキを解除し,減速することもなくあえて従前の速度のまま進行
したのであり,およそ赤色信号に従う意思がなく,赤色信号を殊更に無視
したものと評価すべきであるから,危険運転致死傷罪の成立を肯定した原
判決の判断に誤りはない。所論(3)は採用できない。
事実誤認ないし法令適用の誤りの各論旨は理由がない。
2量刑不当の主張について
論旨は,被告人を懲役6年に処した原判決の量刑は重すぎて不当である
というのである。
そこで検討すると,本件は前記のとおり本件トラックを運転する被告人
が赤色信号を殊更に無視して小学生2名と衝突して死傷させた危険運転致
死傷の事案であるが,本件の量刑について,原判決が量刑の理由の項にお
いて説示するところは,当裁判所も概ねこれを是認することができる。
すなわち,被告人は,制限速度を約20キロメートル越える速度で進行
し,赤色信号を殊更に無視して交差点内に進入し,青色信号に従って横断
歩道を横断していた全く落ち度のない当時7歳の児童2名に衝突し,1名
を死亡させ,1名に全治約7日間の傷害を負わせたものであって,悪質な
犯行態様により取り返しのつかない重大な被害を生じさせた被告人の刑事
責任は重く,被告人には若干の交通違反があるほかは前科前歴がなく,本
件まで一社会人として真面目に働いてきたこと,本件事故について謝罪と
反省の言葉を述べていることなど,被告人にとって酌むべき事情を考慮し
ても,被告人を懲役6年に処した原判決の量刑は相当であって,これが重
すぎて不当であるとはいえない。
所論は,(1)被告人が本件当時の勤務先を懲戒解雇になり,離婚により
妻子と離ればなれになるなど社会的制裁を受けていることや,保険による
被害弁償が見込まれることを考慮すべきであり,(2)原判決が本件交差点
の信号サイクルに問題があること,すなわち制限速度及び信号規制を守っ
て走行しても,本件交差点を通過する前に本件横断歩道の歩行者用信号が
青色に変わってしまうことを被告人の量刑に影響しないとしたことは誤り
であると主張する。
しかしながら,被告人が懲戒解雇や離婚等の不利益を受けていることや,
被害弁償の見込みがあることは,本件が児童2名を死傷に至らせた重大悪
質な犯行であることに鑑みれば,その量刑要素としての重要性は相対的に
低いといわざるを得ず,本件の量刑を有意的に左右するものではない。ま
た信号サイクルの点は,制限速度及び信号規制を守って本件交差点を通過
しようとする運転者であれば考慮の余地があろうが,本件はそのような事
案ではないから,これをもって被告人の量刑に特に影響しないとした原判
決に誤りはない。所論(1),(2)は採用できない。
その他所論が前提事実の誤認や法的評価の誤りを主張して量刑不当をい
う点は,前提を欠く主張であって採用できない。
量刑不当の論旨は理由がない。
よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却し,当審における訴訟費
用は,同法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないことと
して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官角田正紀裁判官伊藤敏孝裁判官鎌倉正和)

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