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平成13年(行ケ)第423号 審決取消請求事件
平成16年3月30日判決言渡,平成16年3月16日口頭弁論終結
         判      決
     原      告   三菱電機株式会社
     訴訟代理人弁護士   近藤惠嗣
     同          窪田英一郎
     被      告   サンディスク株式会社
     訴訟代理人弁護士   永島孝明
     同          飯島紀昭
     同          山本光太郎
     同          丸山裕一
     同復代理人弁護士   伊藤春國
     訴訟代理人弁理士   伊藤高英
     同          井ノ口壽
         主      文 
   原告の請求を棄却する。
   訴訟費用は原告の負担とする。
         事実及び理由
第1 原告の求めた裁判
  特許庁が無効2000-35339号事件について平成13年8月16日にし
 た審決を取り消す,との判決。 
第2 事案の概要
 1 特許庁における手続の経緯等
   本件は特許を無効とした審決の取消しを求める事件であり,原告は下記(1)の
特許(本件特許)の特許権者,被告は下記(2)の無効審判の請求人である。
  (1) 本件特許  
発明の名称   「ICカード」
登録番号    特許第2129071号
    特許出願    昭和60年7月31日
    設定登録    平成9年5月2日
  (2) 無効審判
審判請求    平成12年6月26日
    事件番号    無効2000-35339号事件
審決      平成13年8月16日
    結論      「特許第2129071号の請求項1に係る発明につい
ての特許を無効とする。」
審決謄本送達  平成13年8月28日(原告につき)
2 本件特許の特許請求の範囲
  (請求項1に係る発明を「本件発明」という。)
  【請求項1】
    ICとこれに電気的に接続される導体パターンとを有するカード本体と,
    前記カード本体と別に構成される,読取装置側の電極端子を受け入れる受
け入れ部を有し,該受け入れ部の内部に電極端子を有するコネクタと,
    前記コネクタの電極端子と前記カード本体の導体パターンとが電気的に接
続されていることを特徴とするICカード。 
【請求項2ないし7】(記載略)
3 審決の理由の要旨
   審決は,別紙審決書の理由欄記載のとおり,本件発明は,甲第5号証(実願
昭57-85022号(実開昭58-187858号)のマイクロフィルム,審判
甲5)に記載された発明及び甲第4号証(実願昭57-148702号(実開昭5
8-170097号)のマイクロフィルム,審判甲3)に記載された発明に基づい
て当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明の特許は特許
法29条2項の規定に違反してされたものであり,同法123条1項2号に該当す
る,と判断した。  
第3 原告主張の審決取消事由の要点
  本件発明の進歩性について,審決が甲第5号証記載の発明に甲第4号証記載の
 発明を組み合わせて本件発明に至ることが当業者には容易なことであるとした判
 断は,以下の理由により,誤りである。
 1 本件発明と甲第4号証記載の発明との技術分野の相違
   本件発明は,「ICカード」に関する発明であり,従来のカードエッジ型と
いわれるICカードにおいて,電極が剥き出しとなっていることから生じる静電破
壊の問題及びカードの着脱に伴う電気接触の不確実性を解決することを目的とした
ものである(本件明細書(甲2)の3欄14~23行)。従来のICカードにおい
て,上記の問題に当面した技術者が,甲第4号証記載の発明にたどり着いて容易に
これを甲第5号証記載の発明に適用し得たということはできない。
  (1) ICカードは,特定の装置と一体となって意味を持つものではなく,多く
の異なる装置に使用されることを前提とする。ICカードは,挿抜が繰り返される
ため,容易に挿抜ができることが必要であり,また,読取装置も簡易な構造で読取
りが可能なものであることが必要であった。ICカードに記録された情報を読み出
すときには,カードを読取機に挿入することが当然の前提となっていた。その結
果,カード側の端子が「おす」型であって,読取機側の「めす」型の端子に挿入さ
れることも暗黙の前提となった。したがって,当時,ICカードの静電破壊の問題
が意識されていたにもかかわらず,その対策は,保護回路を設けることや電極部分
にシャッターを設けて電極を覆うこと等に終始し,「おす」と「めす」を逆転する
ことには誰も想到しなかった。カードが読取機に挿入されるという常識の下で,コ
ネクタ部分では,カードに読取機側の「おす」端子が挿入されるという逆転の発想
は,極めて困難であったのである。
    一方,甲第4号証記載の発明は,「シーケンス制御装置のメモリユニッ
ト」であり,プラントや工場の生産工程において用いられるシーケンス制御装置に
使用されるものである。このようなメモリユニットには,工場の生産ライン等を制
御するためのプログラムが書き込まれているため,メモリユニットと制御装置本体
との間に信頼性の高い強い接合が要求されており,その着脱も頻繁に行われるもの
ではない。また,メモリユニットの相手方となる制御装置本体は通常1つに限られ
る。
    甲第4号証のメモリユニットと本件発明のICカードとは,本件特許出願
当時,1)使用される場所が工場のラインか,店舗,事務所,家庭等か,2)使用する
主体が工場の技術者か個人か,3)挿抜を繰り返すかどうか,4)異なる装置に使用さ
れるものか否か,5)読取装置の構成,の各点においてまったく異なるものであっ
た。このような用途の相違から,メモリユニットとICカードでは,開発担当者,
研究者も全く異なった者になり,ICカードの静電破壊及び着脱に伴う電気的接触
の不確実性の問題に直面した技術者が,甲第4号証記載の発明を参考にすること
は,通常,考えられない。この意味において,本件発明と甲第4号証記載の発明と
では技術分野が異なり,当業者が甲第4号証記載の発明に基づいて本件発明を容易
に想到し得たとは到底いえない。
 (2) 上記(1)の1)ないし5)の理由を挙げて本件発明と甲第4号証記載の発明と
では技術分野が異なるとした原告の主張に対し,審決は,①ICカードもシーケン
ス制御装置のメモリユニットも,情報処理用の外付け機器であること,②静電破壊
の防止という課題を共通にしていること,③産業用の技術と民生用の技術とは相互
に転用されることが多いこと,を理由に,両者の間には技術分野の関連性があると
するが,これだけの理由で技術的分野の関連性を見いだすことは到底できない。
    出願当時の当業者の認識のレベルでは,ICカードは,「情報処理用の外
付け機器」とは考えられておらず,ICカードそのものが情報を携帯するための主
たる機器であった。ICカードとシーケンス制御装置のメモリユニットに共通して
いるのは,静電破壊の防止という課題の共通性だけであり,家庭や事務所等で使用
されるICカードの技術者が,工場で使用され,形状も使用目的も全く異なるメモ
リユニットを参考にするというのは極めて不自然であり,甲第4号証記載の発明を
参考にする動機付けは全くない。
    このことは,電気的接触を確実にしたいという課題に直面した場合も同じ
であって,挿抜の頻度が格段に多い(少なくとも5000回以上)ICカードの電
気的接触を確実にするための参考として,挿抜を繰り返すことを前提にしていない
メモリユニット(外す時のための「つまみ用つば」が必要なほど,がっちりとコネ
クタが結合されている。)を参照するはずがない。
    審決は,「挿抜の頻度が異なるといえども程度の問題であり,しかも,本
件発明は甲第4号証記載の発明と比較して頻度に応じた特段の技術的工夫があると
もいえない。」とするが,的外れな判断である。本件発明は,挿抜回数を増加させ
るための技術的工夫を内容とするものでない。問題は,甲第4号証記載の発明のコ
ネクタが挿抜を繰り返すような用途に適するものと考えられていたか否かである。
    「シーケンス制御装置のメモリユニット」は,作動中に脱落したりするこ
とのないように確実に装着し,電気的接触を確実に維持できることが必要であり,
ICカードのコネクタとは,コネクタとしての性格が全く異なる。すなわち,IC
カードは,簡単に挿抜ができ,小型であることが重要な性能であり,このような要
求からすれば,当時の当業者がカードエッジ型を当然の前提としたことも無理はな
いのである。ところが,本件発明では,ICカード側がツー・ピース・コネクタの
「めす」側であり,電気的接触は,「めす」側の端子の弾力で「おす」側の端子で
あるピンに圧力を加えて維持され,何千回という挿抜を繰り返しても確実に確保さ
れる。「頻度に応じた特段の技術的工夫」がないのに,挿抜を繰り返しても電気的
接触が確実に確保されるからこそ,本件発明は大変な発明なのである。甲第4号証
のメモリユニットでは,取り外すためのつばが必要なほど,がっちりとコネクタが
結合されており,本件発明の出願前に当業者が甲第4号証をみれば,このようなも
のを挿抜が容易であることを必要とするICカードに使用することは思いつくはず
がない。ICカードにツーピースコネクタの「めす」側を付けるということは,誰
も思いつかなかったのである。
  (3) 技術分野の関連性について審決がした判断には,2つの基本的な誤りが含
まれている。
    その1は,出願時の技術水準についての認識の誤りである。審決は,本件
発明の容易性を判断するに当たって,本件特許の出願時の技術的水準に立つことを
忘れ,本件発明以降,本件発明の貢献によって普及したICカードの現状を前提と
して,ICカードを「情報処理用の外付け機器」として位置づけるという誤りをお
かしている。
    その2は,着想の困難と製造の困難性との混同である。本件発明は,いわ
ゆるツー・ピース・コネクタをICカードに使用することを内容とするものである
が,本件発明の困難性は,ツー・ピース・コネクタをICカードに使用するという
着想の困難性にある。この着想が得られれば,特段の技術的工夫は不要である。審
決は,技術的工夫が不要であることを本件発明の容易性の根拠としている節がある
が,課題解決の必要性が長らく認識されていたにもかかわらず,それまで本件発明
の組合せが存在しなかったという事実,さらには,本件発明後,本件発明を実施し
たICカードが飛躍的に普及し,それまであったカードエッジ型のICカードをほ
とんど駆逐してしまったという事実と合わせて考えれば,特段の技術的工夫が不要
であったことは,かえって,本件発明の着想が困難であったことを証明している。
  (4) 以上のとおり,審決は,技術分野の異なる甲第4号証記載の発明を基礎と
して進歩性を判断した点において明らかな誤りを犯している。
 2 本件発明の顕著な効果
   仮に本件発明が一種の転用だと考えたとしても,本件発明には当業者が予測
し得なかったような格別顕著な効果があり,この点からも進歩性が認められるべき
である。
  (1) ICカードにおける静電破壊の問題は,種々の解決手段が試みられたが,
成功したことはなく(後記3),本件発明の商業的成功(後記4)は,本件発明の
効果が格別顕著なものであったことを示すものである。
    また,ICカードに関する接触不良の問題を解決した点も本件発明の重要
な効果である。本件発明では,ICカード型の電極端子11が読取機(リーダー)
側の雄形電極端子11bを受け入れる構成が取られており,このようなコネクタを
用いる構成では,ホコリ等のゴミが付着する可能性が少なく,仮に付着しても,雄
形電極端子の嵌入させる際にゴミが移動あるいは落とされてしまい,端子同士が接
触不良を起こす可能性は低い。また,端子同士は全体にわたって接触しており,接
触は安定するとともに,腐食の可能性も低い。
    本件発明は,ICカードにおける静電破壊の問題と接触不良の問題を同時
に解決したものであって,ICカードの信頼性を飛躍的に向上させた。このような
効果は当業者にとって予想外のことであり,進歩性の判断にあたって考慮されなけ
ればならない。
 (2) 審決は,静電破壊の問題と接触不良の問題は甲第4号証記載の発明でも同
じように解決されている(審決書6頁)というが,工場内で使用され,名刺入れや
財布等に入れて携帯されることのないメモリユニットにおける課題は,ICカード
における課題とは全く異なるのである。
 3 当業者による本件発明の長期間の不実施ないし不想到
   ICカードという名称ができる前のメモリ・カードにおいても静電破壊の問
題の解決が試みられ,以後,ICカードにおける静電破壊の問題を扱う出願は数多
く存在する。しかし,それらの中に本件発明のようなツーピースコネクタを採用し
ているものはない。その理由としては,コネクタは確固たる接触を維持するための
ものと考えられていたため,挿抜の容易なコネクタは想到し難かったということが
考えられる。
   審決は,本件特許出願前からコネクタが挿抜の容易性のために広く一般的に
用いられていたというが,これを裏付ける事実を何ら認定していない。
 4 本件発明を実施した商品の商業的成功
   本件発明には,上記3のような顕著な効果があるため,コネクタを用いたI
Cカード(ツーピース型ICカード)は,JEIDAの規格に採用された。現在販
売されているICカードのほとんどはツーピース型であり,カードエッジ型はほと
んど製造販売されていない。
   ツーピース型ICカードの高度の信頼性,挿抜頻度への耐用性から,ICカ
ード全体の市場も飛躍的に増加し,当初考えられていた磁気カードに代わる使用方
法だけでなく,パソコン向けへの需要が拡大した。本件発明を抜きにして,今日の
ICカードの隆盛は考えられなかった。
   審決は,このような本件発明の商業的成功を看過し,結果的に本件発明が進
歩性を有しないとした点で取消しを免れない。
第4 被告の反論の要点
 1 技術分野の相違の主張に対して
  (1) 用途以外の共通点に基づく技術分野の関連性
    原告は,メモリユニットとICカードの用途にのみ依拠して,技術分野の
関連性を議論しているが,技術分野の関連性は種々の観点から総合的に判断される
べきである。メモリユニットとICカードは,使用形態である用途以外に,構成部
品,機能,使用態様,課題及び国際特許分類において次のような共通点を有してお
り,これらの共通性によって,当業者は,ICカードにおける課題を解決するため
に,甲第4号証記載の発明を参考にすることは明白である。
   ① 主要な構成部品としてメモリICを使用すること(両発明ともE・P-
 ROMを使用することまで一致する。)。
   ②外部記録媒体としての機能を有すること。
   ③自らの端子を読取装置やシーケンス装置の端子に接触させて使用するこ
と。
   ④静電破壊の防止及び接触不良の回避という課題。
   ⑤ 両者は国際特許分類上も,記録担体一般を示すG11に関連付けられて
いること。
    本件発明の課題のうち,「静電気によって内部のICチップが破壊されて
しまう。」というICカードの問題点は,「端子は露出しているので静電破壊され
やすい。」というメモリユニットの問題点と一致する。また,「相互が当接されて
接触するつき当て方式であるため,すべての接触部分で確実な電気的接触が得られ
るとは限らない」という問題点は,甲第4号証には直接記載されていないが,従来
のメモリユニットの「ROMを装着したプリント板に金メッキ端子を設けシーケン
ス制御装置の本体の雌側コネクタで接続する」という接続構造が従来のICカード
の接続構造と同一であること(甲2の12図b,13図及び14図)からすれば,
メモリユニットにおいての確実な電気的接触が得られないという問題点は甲第4号
証記載の発明においても自明といえる。原告は,ICカードにおける静電破壊の問
題は,ICカードを名刺入れや財布に入れる等して,携帯することから起きるもの
であるのに対し,メモリユニットは工場で使用され,持ち歩くことはないから,両
者は課題が異なると主張するが,本件発明の問題点は「電極が外部に露出して設け
られており・・」という電極の構造に由来する問題点であり,甲第4号証に示され
る「端子は露出しているので静電破壊されやすい」というメモリユニットの課題と
正に一致するものである。
    また,本件発明の「電気的接触を確実にしたい」という課題は,従来技術
が相互に当接されて接触するつき当て方式であるために,「すべての接触部分で確
実な電気的接触が得られるとは限らないという問題」に端を発しており,挿抜の頻
度とは全く関係がない。メモリユニットは,従来の接続構造が「ROMを装着した
プリント板に金メッキ端子を設けシーケンス制御装置の本体の雌側コネクタで接続
する」という「つき当て方式」であったから,「電気的接触を確実にしたい」とい
う課題に接した当業者は,接続構造が「つき当て方式」を採用している技術分野を
参考とするのである。しかも,メモリユニットは,ファミリーコンピュータ用のゲ
ームカセットのように,頻繁に挿抜を繰り返す場合にも使用されるものであり,挿
抜の頻度という点でも参考にされるのである。
 (2) 用途における技術分野の関連性
    両者は,用途に関しても関連する。
    シーケンス制御は,本件特許出願当時,日常生活においても広範囲に利用
されていたのであり,甲第4号証記載の発明を,「プラントや工場の生産工程にお
いて用いられるシーケンス制御装置」に用いられるメモリユニットに限定しようと
する原告の主張は失当である。
    甲第4号証記載の発明にはコネクタを用いたメモリユニットが挿脱容易な
メモリユニットであることが明記されている。挿脱の容易性が求められるのは,メ
モリユニットの挿抜が頻繁に行われることを想定しているからである。メモリユニ
ット(例えば,ファミリーコンピュータ用のゲームカセットもこれに含まれる。)
が家庭において,頻繁に挿脱され,複数の接続端末に挿脱使用されたことは周知の
事実である。甲第4号証記載の発明におけるつまみ用のつば(22)は,単に持ち
やすさを改善しただけであり,コネクタの取り外しが困難であることを示すもので
はない。
    また,原告は,ICカードは携帯性のものであるというが,甲第7号証に
はICカードが「工場での工程管理や生産管理にも応用することができ(る)」こ
とが記載されており,ICカードの開発者,研究者が工程管理や生産管理において
使用される技術を参考とする動機付けはあったというべきである。
 2 効果の顕著性について
 原告が主張する作用効果は,甲第4号証記載の発明に十分に開示されてお
り,何ら格別のものではない。
 3 長期間の不想到について
   コネクタはそもそも挿抜操作を頻繁かつ容易に行うために設置される。甲第
4号証記載の発明にも,発明の目的及び効果として,挿脱容易性が明記されてい
る。本件特許出願当時,コネクタ自体は挿抜の容易性のために広く一般的に用いら
れてきた(甲3,6)。
   また,本件特許出願の5年前にメモリカードの静電破壊を防止するという課
題は既に提示されており(甲14),本件特許出願の3年前の甲第4号証記載の発
明によってICカードと技術的関連性を有するメモリユニットにおける静電破壊防
止の発明の目的,構成,作用効果が既に開示されている。したがって,本件発明の
出願時には,ICカードの静電破壊防止という課題は既に解決済みであったといえ
るのであり,「長期間の不想到」という主張は失当である。
   また,原告は,本件発明のような実例がないことは着想の非容易性を裏付け
るというが,着想の容易性は,出願時の技術水準を基に当業者が容易に想到し得た
か否かで判断されるべきで,現実に実例が存在していたか否かによって判断される
べきではない。
原告は,出願当時のICカードにおいては,カード側の端子が「おす」型,
読取機側の端子が「めす」型という先入観があったので,おす,めすを逆転させる
発想は着想困難であったというが,甲第4号証記載の発明も,メモリ側(おす)を
制御装置側の「めす」型端子に接続するという従来の接続構造を「逆転」させた構
造としており,原告の主張する逆転の発想は,甲第4号証記載の発明において既に
実現されていたものである。
 4 「商業的成功」について
 商業的成功のような二次的考慮要因(非技術的要因)は,あくまでも,進歩
性の一般的判断手法を補強し又は傍証的に利用することができるものにすぎず,技
術的事項の判断において「容易である」と判断された後は,二次的考慮要因を参酌
する必要はない。
   また,原告の主張する「商業的成功」なるものが発明の特徴(効果)に起因
することは何ら立証されていない。したがって,「商業的成功」の事実自体,認め
難いものである。
第5 当裁判所の判断
 1 本件発明と甲第5号証に記載された発明とが審決の認定したとおりの一致点
及び相違点を有すること,及び甲第4号証に記載されたシーケンス制御装置のメモ
リユニット(以下「甲第4号証のメモリユニット」ということがある。)のコネク
タが相違点に係る本件発明の構成を備えていることは争いがない。本件の争点は,
もっぱら,甲第4号証のメモリユニットにおけるコネクタの構成を,本件発明が対
象としているICカードに採用することが,当業者にとって想到容易か否かという
点に関わるものである。
 2 本件発明について,本件特許公報(甲2)には以下の記載がある。
  ①「〔従来の技術〕 ここでICカードとは,従来の磁気ストライプ付カード
等に代わって用いられるものであり,カードの基体内にメモリICやCPUその他
の半導体片を内蔵し,従来の磁気ストライプ付カードに比べて数桁以上の大容量の
記憶能力を持たせることができるほか任意の演算機能を持たせることができるもの
である。」
  ②「〔発明が解決しようとする問題点〕 上記のような従来のICカードにお
いては,電極が外部に露出して設けられており,そのため該電極が人体及び設備装
置などに直接接触し,それらから誘導される静電気によって内部のICチップが破
壊されてしまうという問題点があった。更に,カード側の電極端子と読取装置側の
電極端子とは,相互が当接されて接触するつき当て方式であるために,すべての接
触部で確実な電気的接触が得られるとは限らないという問題点があった。本発明は
上記のような問題点を解消するためになされたもので,簡単な構造で静電破壊を防
止でき,更に高い嵌合精度が得られICカード側の電極端子と読取装置側の電極端
子との確実な接触が実現できるICカードを提供することを目的とする。」
  ③「〔問題点を解決するための手段〕 この発明に係るICカードにおいて
は,カード本体に,ICとこれに電気的に接続される導体パターンとを有し,コネ
クタは,上記カード本体と別に構成され,読取装置側の電極端子を受け入れる受け
入れ部を有し,その受け入れ部の内部に電極端子を有し,上記コネクタの電極端子
と上記カード本体の導体パターンとが電気的に接続されている」
  ④「〔作用〕上記のように構成されたICカードにおいては,人体又は設備装
置とICカード側の電極端子とが直接接触することがなく,更に,ICカード側の
電極端子と読取装置側の電極端子とが的確に電気的接続される。」
  ⑤「〔発明の効果〕本発明は,以上説明したように構成されており,コネクタ
の受け入れ部の内部に電極端子を設けることにより,カード側の電極端子と人体又
は設備装置が直接触れることなく,内部に実装されたICを静電気破壊から防ぐこ
とができる。また,本発明は,コネクタをカード本体とは別に構成し,コネクタに
読取装置側の電極端子を受け入れる受け入れ部と受け入れ部の内部に電極端子とを
有するように構成したので,読取装置側の電極端子コネクタの電極端子とが圧入し
て電気的に接触でき,読取装置側の電極端子部の寸法にあわせて精度高くカード側
の電極端子等を成形でき,挿入精度を高め,確実な電気的接続を可能とし,誤作動
がなく,高信頼性のICカードを提供することができるものである。」
   上記各記載によれば,本件発明は,従来技術のICカードにおいて,電極端
子が外部に露出して設けられていることに起因して生ずる静電破壊の問題を解決す
ること,及びカード側の電極端子と読取装置側の電極端子とが相互に当接されて接
触する「付き当て方式」であるために生ずる電気的接触の不確実性の問題を解決す
ることを課題とするものであると認められる。
 3 他方,審決が,本件発明と甲第5号証記載の発明との相違点に係る構成を備
えるものとして引用した甲第4号証(実開昭58-170097号公報)には,以
下の記載が認められる。
  ①「本考案は,シーケンス制御装置のメモリユニットに関し,その目的とする
ところは,静電気によるメモリの破壊を防止するとともに,ユニットの状態でメモ
リのプログラムの書き込み,消去,再書き込みが容易に行え,しかも装置本体に対
する挿脱が容易なメモリユニットを提供することにある。」
  ②「従来におけるシーケンス制御装置のメモリユニットは,予めプログラムし
たROMを差し換えることにより別のプログラムのシーケンス動作をさせるように
してあり,ROMの端子は変形しやすいので取扱いが面倒でしかもその端子は露出
しているので静電破壊されやすいものであった。
    またROMをスプリング端子にしてシーケンス制御装置本体のプリント板
に弾発接続させるものや,或はROMを装着したプリント板に金メッキ端子を設け
シーケンス制御装置の本体の雌側コネクタで接続するものもあったが,いずれも静
電破壊に弱いものであった。
    本考案は上記従来の事情に着目してなされたものである。」
  ③「シーケンス制御装置は,第4図に示すように,装置本体Aにコントロール
ユニットとして,・・・入力端子(1),出力端子(6),入,出力回路(2),
(4),両回路の動作表示灯Dと雄側のコネクタ(3)で構成したものであ
り,・・・このコネクタ(3)は装置本体Aと一体の囲壁中に収納されており,そ
の接続ピンは突設されているが囲壁により保護され変形しない。」
  ④「(10)はメモリユニットで,ROMの一種であるE・P-ROM(1
1)・・・をメモリとしており,・・・ROMライタで新たなプログラムを書き込
める。
    コネクタ(3)は雌側なので装置本体Aの接続ピンを受ける刃受けばねが
絶縁器体中に収納され外部から接触されないようになされ静電破壊から保護されて
いる。・・・ケース(20)は,コネクタ(3)の挿脱時に扱いやすいようにつま
み用のつば(22)が設けてあり,・・・メモリユニット(10)は囲壁にガイド
されて接続ピンを変形させることなくコネクトできる。」
  ⑤「本考案はROMのようなメモリと雌側コネクタとをケースに収納しケース
に設けた開口部にメモリの上面と,コネクタの挿着口とを対応させたので,静電破
壊を防止しかつ,ケースに収納したメモリがE・P-ROMのようなROMであれ
ばケースに収納したままでメモリの消去・再書き込みが容易に行えるものであり,
更にケース外側面には挿脱時のつまみ用のつばを突設してあるので,メモリユニッ
トを装置本体に対して挿脱する際につばを手でつまむことによって挿脱操作が容易
となるという効果を奏する。」
   また,第1ないし第3図及び第5図には,メモリユニットの構造及び要部回
路が,第4図には,シーケンス制御装置のコントロールユニットが示されている。
 4 以上の各記載及び図面によれば,甲第4号証のメモリユニットは,装置本体
Aのコントロールユニットに雄側のコネクタを,メモリユニットに雌側のコネクタ
を,それぞれ形成し,雄側コネクタの接続ピンを雌側コネクタの刃受バネに受ける
ことによって,装置本体のコントロールユニットとメモリユニットとが接続され,
情報のやり取りが行われるようにしたものであって,その雌側コネクタは,接続ピ
ンを受け入れる刃受けバネが絶縁器体中に収納され,外部から接触されない構造と
なっているものと認められる。
   そして,同メモリユニットは,メモリIC(実施例では,メモリの消去,再
書き込みが可能なE・P-ROM)を主要な構成部品とし,装置本体のコントロー
ルユニットに接続されて,コントロールユニットとの間で情報のやりとりをするこ
とができる記録媒体として機能するものであって,これらの点で本件発明と共通す
るということができる。
   また,従来のメモリユニットに関する「シーケンス制御装置のメモリユニッ
トは,予めプログラムしたROMを差し換えることにより別のプログラムのシーケ
ンス動作をさせるようにしてあり,ROMの端子は変形しやすいので取扱いが面
倒」との記述(上記3②)及び甲第4号証記載の考案の目的及びについての「ユニ
ットの状態で書き込み,消去,再書き込みが容易に行え,しかも装置本体に対する
挿脱が容易なメモリ」(同①),「コネクタ(3)の挿脱時に扱いやすいようにつ
まみようのつば(22)を設けてあり」(同④),「メモリユニットを装置本体に
対して挿脱する際につばを手でつまむことによって挿脱操作が容易となる。」(同
⑤)との記載によれば,甲第4号証記載のメモリユニットは,別のプログラムのシ
ーケンス動作をさせる必要が生じる都度,差し換えて使用するもので,装置本体へ
の挿脱操作をある程度の頻度で行うことを予定したものであるということができ,
この点でも本件発明と共通する(なお,原告は,甲第4号証のメモリユニットは,
取り外すのに「つば」が必要なほど,装置に確実に結合されるというが,「つば」
が挿抜時の操作性,すなわち,挿抜時に単にメモリユニットをつまみやすくするた
めに設けられていることは,甲第4号証中の上記説明から明らかである。「つば」
の存在は,コネクタの取り外しが困難であることを示唆するものではない。)。
   さらに,「その目的とするところは,静電気によるメモリの破壊を防止する
とともに,・・・装置本体に対する挿脱が容易なメモリユニットを提供することに
ある。」(同①)との記載及び「コネクタ(3)は雌側なので・・・静電破壊から
保護されている。」(前記③)との記載によれば,甲第4号証のメモリユニット
は,端子が露出していることからくる静電破壊の問題を解決し,挿脱操作の容易性
を実現することを課題とするものであって,この課題は,ICカードにおいて,電
極端子がICカード側に設けられ外部に露出していることによって生じる静電破壊
の問題を解決するという本件発明の課題と共通するものである。
   以上のような,主要な構成部品,機能,使用態様,課題の共通性を考慮する
と,甲第4号証記載のICメモリを備えたメモリユニットと本件発明のICメモリ
を備えた携帯型カードとは,互いに関連する技術的分野に属するものというべきで
ある。
 5 原告は,本件発明のICカードと甲第4号証記載のメモリユニットとでは,
用途ないし使用方法が全く異なるから,ICカードにおける課題を解決するために
当業者が甲第4号証記載の発明を参考にするということは通常考えられず,その意
味で,両者は,技術分野が異なる旨主張する。
   しかし,審決が主引用例とした甲第5号証(本件特許出願前の昭和57年に
出願されたICカードの考案に係る公開実用新案公報)には,「従来情報カードと
しては磁気カードが主体であったが,近年ICメモリを内蔵する電子式情報カード
が提案されており,メモリ容量が大きいことや気密性の点で磁気カードに比べ用途
が広く,将来の実用化が期待されている。」と記載され,また,甲第7号証(「’
86集積回路ICガイドブック」。本件特許出願後の昭和61年に発行されたもの
であるが,本件特許出願時におけるICカードの一般的状況を示すものと認めるこ
とができる。)には,「近年ICの拡張された応用製品として注目を浴びているも
のの一つにICカードがある。キャッシュカード,クレジットカード等,普及のめ
ざましい磁気カードに比して,さらにメモリ容量が大きく,またCPUを搭載して
いることからインテリジェンス機能をもっており,・・・メモリ容量が大きいこと
から,定期券・・・等多くの機能を盛り込むことができ,工場での工程管理や生産
管理にも応用することができよう。」と記載されており,これらの記載に照らす
と,ICカードは,当初は,キャッシュカードやクレジットカード等の携帯用の磁
気カードに代わるものとして登場したものであるとしても,本件特許出願時には,
既に,磁気カードにない広い用途に適用しうるものとして,携帯用カード以外の種
々の用途への応用が検討されていた状況にあったことが明らかである。そうする
と,ICカードと甲第4号証の考案が対象としているシーケンス制御装置のメモリ
ユニットとの間に,技術分野の共通性がないということはできない。
   しかも,甲第5号証には,「ICメモリを内蔵する電子式情報カード」につ
いて,「カードの入出力端子部分はカード面に露出しているため,よごれもしくは
チリ,粉等による接触不良等が起こりやすく信頼性の面で大きな問題として提起さ
れている。」として,ICカードの入出力端子がカード面に露出していることに起
因する問題が指摘され,甲第14号証(特開昭56-157590号公報)には,
集積回路の形の電子回路を備えた「メモリ・カード」(ICカード)について,
「カードを構成するプラスチック材の表面とその内部に静電荷が発生し,また,こ
の局所電荷は,・・・電子回路そのものにとっても有害な静電ポテンシャルを生
じ,特にこの電子回路がMOS技術によって半導体で作られている場合には破壊さ
れるおそれがある。故に本発明の目的は,このような静電ポテンシャルの出現と発
展を防止する手段を備えた上述の種類のメモリ・カードである。」として,ICカ
ードについて,静電破壊の問題が解決すべき課題として指摘されている。このよう
に,携帯用カード以外の種々の用途への応用の途にあったICカードについて,端
末が外部に露出していることに起因する接触不良の問題や,静電荷をもったICカ
ードの端子が外部に触れたときに生じる静電破壊の問題が,ICカードの信頼性と
いう観点から実用上問題視され,解決すべき課題として意識されていた状況の下
で,当業者が,同じくメモリICを使用し,装置に挿入(接続)した状態では装置
との間で情報のやり取りを行い,装置から抜き取った状態では持ち運びが可能なメ
モリユニットの技術を参照し,そこにICカードにおける上記課題の解決手段につ
いて着想を得ようと試みることは,自然なことというべきである。
   したがって,甲第4号証に記載されたメモリユニットは,ICカードとは技
術分野が異なり,本件発明の課題を解決するために甲第4号証を参考にして,そこ
に記載された解決手段を採用することはあり得ないという原告の主張は,採用する
ことができない。
 6 また,以上に検討したところによれば,甲第5号証記載のメモリカードに,
甲第4号証記載のメモリユニットにおけるコネクタの構成,すなわち,「装置本体
Aの接続ピンを受ける刃受けバネが絶縁器体中に収納され外部から接触されないよ
うなされている」構成を採用して,相違点に係る本件発明の構成とすることも,当
業者であれば容易に想到し得たことというべきである。
   原告は,挿抜が頻繁に行われるICカードにコネクタを採用するという発想
の困難性,さらには,カードが読取装置に挿入されるという常識の下で,コネクタ
の部分では,カード側の端子を「めす」型とし,そこに読取機側の「おす」型端子
を挿入するという「逆転の発想」を得ることの困難性を主張する。しかし,ICカ
ードも読取装置と接続され,装置との間で情報のやりとりをするものである以上,
その接続手段としてコネクタを採用するという着想自体に困難があるとはいえな
い。原告は,ICカードは,異なる多くの機器に挿抜されて使用され,挿抜の頻度
もメモリユニットに比べて格段に多いことを強調するが,甲第4号証のメモリユニ
ットも,そのコネクタ自体の構造は,共通するコネクタ構造を持つ多くの機器に挿
抜して使用することが可能で,しかも,挿抜が容易な構造と認められるから,これ
をICカードにおいて採用しようとすることを妨げる要因があるとはいえない。そ
して,ICカードにコネクタを採用しようとした場合に,カード側の端子を「め
す」,「おす」のいずれとするかは,当業者が適宜決定し得る事項にすぎないとい
うべきである。
   原告は,さらに,ICカードにおける静電破壊の問題は,長期間にわたり解
決すべき課題として意識されていたのに,本件発明のようにツーピースコネクタを
採用することによって上記問題を解決したものがなかったこと(長期間にわたる不
想到),及び本件発明の商業的成功等の事実を指摘し,これらの事実は,本件発明
が当業者に想到容易なものでなかったことを示すものであると主張する。しかし,
甲第4号証が本件発明と技術的分野の関連性を有することについては,既に示した
とおりであるところ,同号証には,メモリユニット側にツーピースコネクタのメス
側の端子を形成し,その端子を外部に露出させない構造とすることにより,静電破
壊の問題を解決するという解決手段が示されており,その構成をICカードに採用
することに,格別の支障や技術的困難があったとすべき事情も認められない。した
がって,原告が主張する「長期間にわたる不想到」や商業的成功の事実は,その真
否を問うまでもなく,本件発明の想到容易性についての上記判断を左右するもので
はない。
   また,相違点に係る本件発明の効果は,甲第5,第4号証記載の技術から予
測される程度のことというべきである。
 7 以上のとおりであるから,本件発明は,甲第5号証及び甲第4号証に記載さ
れた発明に基づいて当業者が発明をすることができたものであるとした審決の判断
に誤りがあるとはいえず,原告主張の取消事由は理由がない。
   よって,原告の請求は棄却されるべきである。
    東京高等裁判所第18民事部
           裁判長裁判官      塚   原   朋   一
 
    裁判官      古   城   春   実
              裁判官      田   中   昌   利

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