弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負担とする。
         理    由
 上告代理人草光義質の上告理由は末尾添付のとおりであり、これに対する当裁判
所の判断は次のとおりである。
 上告理由第一点について
 原判決は、被上告人がDに対し、本件家屋を明渡すのは困るから、売却するのを
昭和二二年二月一五日頃まで待つて貰らい度い旨述べた事実を認定したに止まり、
被上告人において上告人等先代亡Eの所有権取得を認める意味で本件売買契約の承
認をした事実を認定した趣旨でないことは判文上明らかである。されば、かかる承
認のあつたことを前提とする所論は、原判示に副わない事実を前提とするものであ
つて採用し得ない。(論旨引用の大審院判例は本件の場合に適切でない。)
 また、上告人等が原審において、被上告人は本件家屋に賃料なしに居住しており
且その明渡を承諾していた者であるから、上告人等先代亡Eに対する関係において
も不法占拠者であつて、登記の欠缺を主張し得ない旨再抗弁を提出したことは、原
判決事実摘示に照し明らかであるが、被上告人が右登記欠缺を主張する権利を抛棄
した旨の主張をした形跡は記録に徴してもこれを認め得ないから、原判決がこの点
につき何等判断をしなかつたのは当然であつて、所論のような釈明権不行使若くは
審理不尽の違法はない。
 されば、論旨はすべて理由がない。
 同第二点について
 上告人等の本訴請求は、D(原審控訴人)に対する関係では、本件売買契約及び
その際の特約にもとずき、本件家屋につき所有権保存登記をした上、上告人等に所
有権移転登記をなし且畳、建具、竈並に戸棚附のまま本件家屋の明渡をなすべきこ
とを求め、また被上告人に対する関係では、第一次的には前記売買契約当時におけ
る特約にもとずき、予備的には賃貸借関係の終了を理由として本件家屋を前記物件
附のまま明渡すべきことを求めるにあるから、本訴がD及被上告人に対する関係で
合一にのみ確定すベき性質を有する訴訟に属しないことは多言を要しない。
 されば、原審が、上告人等の本訴請求中Dに対する請求を認容しながら被上告人
に対する請求を排斥したからといつて、それだけでは何等違法とするに足りない。
 論旨は独自の見解に立脚して、被上告人に対する本訴請求が認容されない限り、
原判決中Dに対する請求を認容した部分は不能の給付を命じたに帰するとし、或は
原判示に副わない事実を前提として右部分には執行不可能なものがあるとし、その
故に原判決中本件上告の対象たる部分(被上告人に対する請求を排斥した部分)が
破毀を免れないと主張するものであつて、採用し得ないことは自ら明かである。(
Dに対する判決が執行不能に帰すると仮定しても、これを以て被上告人に対する判
決破毀の理由とならないことはいうまでもない。)
 同第三点について
 論旨は、原判決中本件上告の対象となつていない部分に対する非難にすぎないか
ら上告適法の理由とならない。
 同第四点について
 原判決の挙示する証拠によれば、論旨引用のような事実を認定することができる
し、このような認定をしても条理又は実験則に反することはない。
 論旨は結局、原審が適法にした事実の認定を非難するに帰着するから、採用の限
りでない。
 よつて民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見
で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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