弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人寺井俊正の上告理由について。
 原判決が確定した事実によると、訴外Dが被上告人に対し工事残代金八五一、八
〇五円の債権を有していたところ、右Dの債権者である上告人が右同額の債権に基
づき昭和三四年七月二八日債権仮差押命令を得てDの右債権につき仮差押をし、そ
の執行後同年九月三〇日訴外EがDに対する債権一、七五〇、〇〇〇円に基づきD
の被上告人に対する前記債権につき差押ならびに取立命令を得て同年一二月二日こ
れが取立を了し、その間、右Eの執行手続につきDの他の債権者二名の配当要求が
なされ、かくてEは、昭和三六年六月八日所定の手続に従つて上告人のため配当額
として九一、八〇一円を供託したというのである。
 このように、仮差押中の債権に対し他の債権者が差押および取立命令を得たよう
なときは、右仮差押が後の差押に優先するというような特段の規定のないわが法制
のもとにおいては、右仮差押は後の強制執行に対して配当要求をしたと同一の効力
を有するとともに、当該債権につき取立命令を得た差押債権者は、執行裁判所の授
権に基づく一種の取立機関として、仮差押債権者を含む競合して配当に与かるべき
全債権者のために第三債務者から取立をなすべきものと解すべきである。したがつ
て、この取立に応じてなした第三債務者の弁済は、当然右債権者全員に対してその
効力を生ずるものであり、当該被差押債権は、仮差押債権者に対する関係において
も、その目的を達して消滅するものと解すべきである。この場合、取立債権者は、
その取立金を全員のために保管し、配当に与かる債権者の範囲が確定されれば、各
債権者にその各配当額を交付すべく(仮差押債権者への配当金は、民訴法六三〇条
三項によつて供託し、本案勝訴により本差押に移行したとき右供託金から配当され
ることになる。)、もし配当額について当事者間の協議が整わないときは、取立債
権者において取立金を供託し配当手続に移すこともできるが、そうしないかぎり、
各債権者は取立債権者に対し訴をもつて自己の配当額に相当する金額を請求しうる
ものと解される。
 されば、本件において、仮差押債権者たる上告人が、本件被差押債権につき、差
押債権者たるEにおいて第三債務者たる被上告人から取立を完了した後の昭和三六
年三月二〇日にいたり、所論のようにDに対する債権額六三一、九一六円の支払を
命ずる本案判決に基づく差押ならびに転付命令を得たとしても、すでに被差押債権
がEの取立により消滅している以上、被上告人に対して右転付債権の取立請求をな
しえないことは明らかといわなければならない。前記のとおり、本件において、E
が取立金中から上告人に対する配当額として九一、八〇一円を供託しているという
のであるから、この金額が適正額であるかぎりにおいては、上告人としては、これ
を受け取れば足りるわけである。
 第三債務者たる被上告人は、前記Eの取立に際し、その債務額を民訴法六二一条
により供託することもできるが、法律上当然に供託義務があるわけではなく、しか
も、本件において上告人が被上告人に対してその供託を請求したことの主張立証も
ないのみならず(これらの点に関する立法上の不備についてはしばらく措く。)、
本件のような場合には、所論民法四八一条の適用はないものと解すべきであるから、
被上告人が前記弁済をもつて上告人に対抗できないとする所論は、なんらの根拠も
見出しがたく、したがつて、上告人において前記転付債権額相当の損害を受けたも
のとして被上告人に対しさらにその支払を求めることはできないものといわなけれ
ばならない。
 右と同趣旨により、上告人の本訴請求を排斥した原審の判断は正当であり、所論
援用の大審院判例の見解は、当裁判所の採らないところである。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

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