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平成14年(ワ)第8940号 損害賠償請求事件
平成17年8月30日口頭弁論終結 
判         決
原        告     アルゼ株式会社
原告訴訟代理人弁護士      熊倉禎男
同               尾崎英男
同             松本司
同       美勢克彦
同               嶋末和秀
同       岩坪哲
同               渡辺光
原告補佐人弁理士  上杉浩
被告      山佐株式会社
被告訴訟代理人弁護士      山崎優 
同       三好邦幸
同       川下清
同      河村利行
同       加藤清和
同               石橋志乃
同               沢田篤志
同               伴城宏
同               池垣彰彦
同               塩田勲
同               前川直輝
被告補佐人弁理士  梁瀬右司
被告補助参加人  日本電動式遊技機特許株式会社
被告補助参加人訴訟代理人弁護士 島田康男
被告補助参加人補佐人弁理士  紺野正幸
主         文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 原告の請求
  被告は,原告に対し,6億円及びこれに対する平成14年5月8日から支払
済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 本件は,スロットマシンに関する特許権(特許第1855980号。以下,
「本件特許権」といい,本件特許権に係る特許発明を「本件特許発明」という。)
を訴外ユニバーサル販売株式会社(以下「ユニバーサル」という。)から承継し,
移転登録を得た原告が,被告において,平成11年4月15日ころからパチスロ機
「ピンクパンサー3」(以下「被告製品」という。)を少なくとも3200台製造
販売し,被告製品の構成が本件特許発明の技術的範囲に属しており,本件特許権を
侵害するとして,被告に対し,損害賠償金6億円の支払を求めた事案である。これ
に対し,被告は,被告製品が本件特許発明の技術的範囲に属することを争うと共
に,本件特許権を無効にすべき旨の審決が確定したため,原告の請求は理由がない
と主張して争っている。
2 前提となる事実(争いのない事実及び末尾掲記の証拠により認められる事
実)
(1)ユニバーサルは,平成6年7月7日,本件特許権の登録を得た。原告は,
ユニバーサルを吸収合併したことにより本件特許権を承継し,平成11年1月11
日,その移転登録を受けた(甲1,弁論の全趣旨)。
(2)特許庁は,平成14年12月25日,本件特許権に関する無効審判請求事
件(無効2001-35267号)において,「訂正を認める。特許第18559
80号の請求項1及び2に係る発明についての特許を無効とする。」との審決をし
た。原告は,同審決について東京高等裁判所に審決取消訴訟を提起したが
(平成15年(行ケ)第36号審決取消請求事件),東京高等裁判所は,平成17
年2月21日,原告の請求を棄却する旨の判決を言い渡した(乙23)。
原告は,同判決について,最高裁判所に上告及び上告受理の申立をしたが
(平成17年(行ツ)第165号,平成17年(行ヒ)第177号),最高裁判所
は,同年7月14日,「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない。」
との決定をした(乙24)。
第3 当裁判所の判断
 上記認定の各事実によれば,本件特許権を無効にすべき旨の審決が確定した
ことが認められ,本件特許権は,初めから存在しなかったものとみなされる。
よって,原告の本訴請求は,その余の点について判断するまでもな
く,理由がないことが明らかであるから,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官      設  樂  隆  一
裁判官      杉  浦  正  典
裁判官      吉  川     泉

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