弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
(1) 被告が昭和四一年四月三〇日付でなした原告の昭和三八年五月一日から同
三九年四月三〇日までの事業年度分の法人税につき、その所得金額を一、一〇〇、
八四九円とし法人税を三一二、八七〇円とする決定および過少申告加算税八、六〇
〇円を課するとの決定中、それぞれ所得金額九七四、〇四九円法人税二七二、九二
〇円および過少申告加算税六、六〇〇円を超える部分をいずれも取消す。
(2) 原告のその余の請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は二分し、その一を原告、その余を被告の負担とする。
       事   実
第一、当事者の求める裁判
原告
一、被告が昭和四一年四月三〇日付でなした原告の(一)昭和三八年五月一日から
同三九年四月三〇日までの事業年度分の法人税につき、その所得金額を一、一〇
〇、八四九円とし、法人税を三一二、八二〇円とする決定および過少申告加算税
八、六〇〇円を課する決定中、それぞれ所得金額九七四、〇四九円法人税額二七
二、九二〇円および加算税六、六〇〇円を超える部分ならびに(二)昭和三九年五
月一日から同四〇年四月三〇日までの事業年度分の法人税につきその所得金額を二
二七、〇七三円とし、法人税額を四六、〇二〇円とする決定中所得金額八三、一六
四円、法人税額一四、三六〇円を超える部分はいずれもこれを取消す。
二、訴訟費用は被告の負担とする。
被告
一、原告の請求を棄却する。
二、訴訟費用は原告の負担とする。
第二、原告の請求の原因
一、原告は、自動車の修理業を営む有限会社であるところ、会社設立以来引き続き
法人税法の規定に基づいて、青色確定申告書を所轄税務署に提出している。ところ
で、原告は当時原告の従業員であつたAに賞与として第一三事業年度(昭和三八年
五月一日から同三九年四月三〇日まで)一二八、八〇〇円、第一四事業年度(昭和
三九年五月一日から同四〇年四月三〇日まで)一五七、〇〇〇円を支給したが、原
告がこれを損金として申告したところ、被告は昭和四一年四月三〇日付でAを監査
役として認定した上、損金算入を否認して第一三事業年度につき所得金額一、一〇
〇、八四九円、法人税額三一二、八七〇円とする法定および過少申告加算税八、六
〇〇円を課する決定ならびに第一四事業年度につき所得金額二二七、〇七三円、法
人税額四六、〇二〇円とする決定の各更正処分を通知してきた。そこで、原告は、
昭和四一年五月三〇日付をもつて、東京国税局長に対し各審査の請求をしたのであ
るが、同局長は昭和四二年一〇月二六日付各裁決書をもつていずれも審査請求を棄
却する旨通知してきた。しかして、原告は、それら通知を翌二七日受領した。
二、しかし、被告のなした右各更正処分には次のような違法がある。
(一) Aは係争事業年度においては、原告会社の監査役の地位にはなかつた。
 すなわちAは、昭和三五年六月二七日原告会社の監査役に就任したが、昭和三七
年六月二七日任期満了により退任した(登記簿謄本参照)。しかしてAが再任され
て監査役に就任するためには、社員総会における選任の議決を要することは、原告
の定款一八条に明定してあるところであつて、原告がA監査役再任の選任決議をし
た事実のない以上、Aは任期満了により当然退任したもので、以後同人が法律上監
査役でなかつたことは明白な事実である。
 かりに同人が事実上は監査役の地位にあつたとしても法人税法上の監査役という
ことはできない。
(二) 原告はAに役員の報酬賞与等は一切支給した事実がない。すなわち、同人
は昭和二六年六月一日原告会社の設立に際し、修理工として雇傭されたものである
が、以来引き続き自動車の修理整備に従事してきたものである。この間同人は昭和
二九年七月一九日から昭和三一年七月一九日まで、及び昭和三五年六月二七日から
昭和三七年六月二七日までの前後二期原告会社の監査役に就任したことがあるが、
同人は監査役として原告会社の会計を監査する能力は全くなく、名目的存在にすぎ
なかつたばかりか、この間も実質的には依然として修理工としての仕事をしていた
ものである。従つて原告がAに支給したのはすべて、使用人としての報酬賞与であ
る。
(三) 有限会社法上監査役が従業員を兼ねることは違法であるから、Aの監査役
就任はそれ自体無効である。
(四) 原告は、本係争事業年度の直前事業年度(昭和三七年五月一日から昭和三
八年四月三〇日まで)、および直々前事業年度(昭和三六年五月一日から昭和三七
年四月三〇日まで)についても、本係争事業年度と同様、Aに賞与を支給した旨を
記載した書類、および同人を監査役と記載した書類を、法人税確定申告書に添付し
て被告に提出した。しかるに、被告は、それら事業年度の法人税申告について、原
告の会計帳簿および関係書類等を調査した上、原告がAに支給した賞与の損金算入
処理を認めたばかりでなく、その他の全部にわたり、何れも原告の申告を適正なも
のとして、法人税額等の申告是認通知書を原告に送付してきた。
 この間、Aが昭和三五年六月二七日から昭和三七年六月二七日まで、原告の法律
上の形式的監査役であつたことを除けば、その余は同人の身分関係に変更もなく、
また、法人税法上も賞与の取扱いを異にする改正は行われていない。
 にもかかわらず、本係事業年度において、原告が、Aに従来どおりの方法で支給
した賞与の損金算入を、特別の理由もなく突如否認して、更正処分をしたのは、禁
反言の法理ないし信義誠実の原則に違背するもので不当である。
第三、被告の答弁および主張
一、請求の原因一の事実は認める。同二の(一)の事実のうち監査役の就任につい
て原告会社の定款一八条に原告主張のとおりの規定があること、Aが昭和三五年六
月二七日監査役に就任し、昭和三七年六月二七日退任した旨の登記がなされている
ことは認めるが、その余の主張は争う。同(二)の事実のうちAが原告の監査役に
就任していたことは認めるがその余の主張は争う。同(三)(四)の主張はいずれ
も争う。
二、Aに対する役員賞与の損金算入を否認した理由は次のとおりである。
(一) Aは右両年度において監査役の地位にあつたものである。すなわち、原告
は昭和三五年六月二七日社員総会において代表取締役B、取締役C、監査役Aの選
任を決議し、同年七月八日その旨の登記をなしたが、右役員らの任期満了(原告の
定款による任期は、取締役は三年、監査役は二年である。)後も次期役員らの選任
を行わず、昭和四一年二月二七日に至つて右役員らの任期満了による退任および次
期役員の選任決議をなし、同年三月一一日付でその旨登記をなしたのである。
 したがつて、係争事業年度(自昭和三八、五、一至四〇、四、三〇)において、
原告主張によれば、原告には取締役、監査役が法上いずれも存在しないこととなる
が、原告が確定した決算に基づいて提出した右係争各事業年度分法人税申告書には
代表取締役Bの自署押印がなされており、また、同申告書添付の決算報告書には取
締役全員が記名押印し、A監査役も監査確認の記名押印をなし、適法に決算報告書
が作成されている事実、および、右決算報告書勘定科目内訳明細書の人件費欄に
は、Aに監査役報酬賞与を支給した旨記載申告しており、同人が当初の任期満了後
も引き続き事実上監査役の職にあつたことは明らかである。
 また原告の定款一七条によれば定員二名以内の監査役をおく旨定めており、有限
会社法三四条商法二五八条二八〇条によれば法律または定款に定めた取締役、監査
役の員数を欠くときには、退任した取締役、監査役はなお新たに取締役、監査役が
就職するまではその権利・義務を有するのであるから、本件係争事業年度において
はAは法律上も監査役の職にあつたものである。
(二) 原告がAに支給した本件賞与は、法人税法九条、同施行規則一〇条の四
(第一三事業年度分)および四〇年改正後の同法三五条(第一四事業年度)によ
り、各事業年度の所得計算上損金の額に算入されないものであるのに原告はこれを
損金に算入したので被告はこれを否認し、原告の申告所得に加算したのである。
 原告はAは原告と雇傭関係にあり、監査役は単なる名目のみで実質は使用人にす
ぎないと主張する。しかし適法に法人の役員たる地位にあるものは、その者が実質
的に法人の経営に参画すると否とを問わず、会社の利益の分配、会社の経営に直接
参加する機会やその可能性があるのであるから、たまたまその機会を利用しなかつ
たからといつてこれに支給した賞与を法人税法上使用人に支給した賞与とみること
はできない。
(三) 従業員を監査役に選任することは何ら違法ではなく、選任された監査役は
従業員たる身分を失い、爾後、従業員としての職務を行うのが違法となるにすぎな
い。
(四) 本件係争事業年度の直前事業年度および直々前事業年度について被告が原
告の申告是認の通知をしたことは認める。原告は、被告が、右通知をしたにかかわ
らず、その後、右Aに対する賞与の損金算入の従来の取扱いを否認したのは禁反言
の法理ないし信義則に違背し違法ないし不当であると主張する。
 しかし、法律の根拠なしに租税を減免する権限を与えられていない税務署長の行
為に、もともと債権法ことに契約法上の原理として発展してきたいわゆる信義誠実
の原則ないしは禁反言の法理を適用し得るかは極めて疑問であり、かりにその適用
を認めるとしても、それは当然厳格な要件のもとで、しかもごく限られた場合に適
用されるべきものと考える。
 そもそも、申告を是認する旨の通知行為は法律上の要請に基づくものではなくも
つぱら税務当局の事務の便宜あるいは納税者に対する好意的な取扱という事実上の
行為であつて、これによつて納税者に直ちに、法律上の効果を生ぜしめるような行
政処分ではない。従つて、申告是認の通知はもともと相手方に対して将来とも更正
等の処分をしないことを約束する趣旨のものではなく、その通知のときまでに調査
したところによれば、その申告が正当と認められる旨を事実上通知するにすぎない
ものであり、将来再調査の結果、納税申告書に記載された課税標準等が正当な額で
ないことが判明した場合には、更正等の処分を行なうことがあることをあきらかに
留保して行なわれているものである。従つて、本件係争事業年度の直前および直々
前の各事業年度においても本来は損金算入の処理を否認すべきものであつた監査役
Aに対する賞与を本件係争事業年度においてその取扱を是正し役員賞与として益金
に認定したことは何ら法的に非難さるべきいわれがなく、またその措置は正当であ
つたというべきであり、原告の主張するような違法ないし不当は存しない。
第四、証拠(省略)
       理   由
一、請求原因第一項の事実は当事者間に争いがない。
二、そこで被告のなした本件各更正処分が適法なものであるかどうかについて判断
する。
(一) まず、Aが本件係争事業年度において監査役の地位にあつたかどうかにつ
いて検討する。
 原告会社においては、昭和三五年六月二七日の社員総会で監査役Aの選任を決議
し、同年七月八日その旨の登記をなしたが、その任期満了(昭和三七年六月二七
日)後は再任の決議を改めて行わず、昭和四一年三月一一日付で右任期満了による
退任の登記をなしたこと、原告の定款一八条によれば、Aが再任されて監査役に就
任するためには、社員総会における選任の議決を要することはいずれも当事者間に
争いがない。
 そうすると、本件係争事業年度中Aは監査役の地位になかつたようであるが、い
ずれも成立に争いのない乙第一、二号証の各一ないし四および弁論の全趣旨によれ
ば、原告が確定した決算に基づいて提出した係争事業年度分「所得金額法人税額の
確定申告書」添付の決算報告書には監査役としてその適正なることを確認する旨の
Aの記名押印があり、同添付の「法人の事業概況説明書」にもAが監査役として掲
げられているのみならず、右決算報告書勘定科目内訳明細書の人件費欄にはAに監
査役報酬賞与を支給した旨の記載のあることが看取され、また成立に争いのない甲
第五号証によれば当時の原告会社の定款一七条には二名以内の監査役をおく旨定め
ていることが認められるところ、有限会社法三四条商法二五八条によれば定款に定
めた監査役の員数を欠くときは、退任した監査役はなお新たに監査役が就職するま
ではその権利・義務を有するのであるから、以上を総合して考えると本件係争事業
年度においてAは依然として監査役の職にあつたものというべきである。なるほど
有限会社にあつては、監査役は任意機関であつて必須機関ではない(有限会社法三
三条一項)けれども、定款で前記のように定めた以上、少なくとも、一名の監査役
は必要であり、従つてまた一名(これが法定員数)もいなくなつたときには、前記
有限会社法三四条商法二五八条が適用になるというべきである。そして、また、右
規定によつて監査役の職務を行う退任監査役も、法律上適法にその地位にある監査
役と解すべきであるから、法人税法上の監査役として扱われるのは当然であり、退
任監査役についてのみ別異に取り扱う特別の理由を見出すことはできない。
 よつて、Aは係争事業年度において監査役の地位にあつたものというべきであ
る。
(二) 次に、Aに支給された賞与を損金に算入することの当否について考察する
に、証人A、同Dの各証言および原告会社代表者本人尋問の結果を総合すると次の
事実が認められる。
(1) Aは、原告会社の成立後間もなく昭和二六年七月自動車修理工として雇傭
されたもので、以来今日まで一貫して自動車の修理整備作業に従事して来た。
(2) Aは昭和二九年七月一九日から二年間、昭和三五年六月二七日からやはり
二年間監査役の肩書を有していたが、この間も監査役としての職務は殆んど行わ
ず、決算報告書を閲覧するようなこともなく、被告に提出する右報告書等に監査役
としての記名押印をするについても事務員Dが給与支給の便宜上あづかつていたA
の印を適宜使用してなされていた。
(3) 原告会社はAに対し年二回(六月又は七月と一二月)賞与を支給していた
が、それは他の従業員に対して支給するものと比較しても同様の時期、支給基準に
もとづいてなされ、とくに多いということはなかつた。
(4) 原告会社は、Bの個人経営から出発して間もなく昭和二六年六月に会社組
織にしたものであるが、事実上右B一人によつて経営される個人会社というべきも
のであり、会計事務はBがすべて独裁的に行つていた。
 以上の事実が認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。
 以上認定の事実によれば、Aは監査役とはいえ会社の業務執行に参画する程度は
極めて少なくほとんど使用人として自動車修理の業務に従事していたものというべ
きであり、従つて使用人としての地位を有する監査役で、同人に対する賞与の支給
も役員ならびに使用人としてその職務に従事したことに対する賞与と見るのが相当
である。
(三) そこで進んで第一三事業年度分の更正決定について検討する。法人の所得
金額を算定するに当つては役員に対する賞与は益金として計算され、使用人に対す
るそれは損金として計算されるべきものであるから、まず右益金および損金を確定
しなければならないものと解する。本件についてみると、Aに支給された賞与一二
六、八〇〇円は監査役としての賞与と使用人としての賞与を共に包含していること
は前記認定のとおりであるから右金額のうちどれだけが役員賞与に当りどれだけが
使用人賞与であるかを確定しなければ所得金額は算定できないわけである。そして
法人税額算定の基準となる金額についてこれを主張立証する責任は被告側にあると
考えられるところ、被告はこの点について右金額全部を監査役としての賞与である
と主張し、右金額のうち監査役の賞与となる部分については何ら主張立証をしな
い。そうすると、原告の所得額算出上第一三事業年度分に関し一二六、八〇〇円全
額につき原告のなした損金処分を否認し、所得金額を一、一〇〇、八四九円、法人
税額を三一二、八二〇円とする更正決定中右損金処分否認額の部分すなわち所得金
額九七四、〇四九円、法人税額二七二、九二〇円を超える部分、ならびに過少申告
加算税八、六〇〇円を課する決定中右損金処分否認額に対応する部分すなわち六、
六〇〇円を超える部分は違法というほかない。なおこの事業年度について適用され
る同法人税法(昭和二二年三月三一日法律第二八号)九条八項は、「前六項および
九条の二ないし九に規定するものの外、第一項の所得の計算に関し必要な事項は命
令でこれを定める。」と規定し、右委任に基づく右規定一〇条の三、六項三号に
は、監査役の賞与について後記現行施行令と同旨の定めがなされているけれども、
右規定は、その内容において法律の委任の範囲を超えるものと解されるから適用で
きない。
(四) 次に、第一四事業年度について判断する。
 この事業年度については、昭和四〇年四月一日施行の改正法人税法(昭和四〇年
三月三一日法律第三四号)が適用になるものと解する。けだし、本事業年度が同法
の施行日である昭和四〇年四月一日以後の同年同月三〇日に終了する(これについ
ては当事者間に争いがない)以上、同法附則二条の趣旨に照らして右新法が適用に
なるからである。原告は本件賞与は同法施行前に支給されているから租税法律の不
遡及の原則により新法は適用されないと主張するけれども前記附則二条は新法は、
施行日以後に終了する事業年度の所得に対する法人税について適用する旨明定する
ので、原告の主張は採用できない。ところで法人税法三五条によれば役員に対する
賞与については原則として損金不算入とすべきであるが、例外として兼務役員につ
いては一定の要件のもとに損金算入が許されている(一、二項)。
 そこで、監査役についてはどうかというに、同法同条五項、同法施行令(昭和四
〇年三月三一日政令第九七号)七一条二項三号によれば、監査役は右兼務役員から
は社長、理事長その他の者と共に除かれることになつているので、結局、監査役
は、これに支給すべき賞与を法律上損金算入の対象とされる役員に当たらないとい
うことになる。
 してみれば、第一四事業年度については監査役である限り使用人としての職務を
常時行なうものであつても同人に支給された賞与は、損金に算入されるべきもので
はないと解せざるを得ない。従つて第一四事業年度分についての原告の損金算入の
主張はこれを認めるに由ない。
三、Aの監査役就任はそれ自体無効であるとの原告の主張について
なるほど有限会社法三四条商法二七六条により有限会社において監査役の使用人兼
任は禁じられているけれども、これは、監査役と使用人がその役割の性質上相容れ
ないものであることより設けられた規定であつて、これに違反しても兼務監査役が
監査役としてなした行為の効力には影響を与えるものではなく、法人税法上は、課
税の適否という観点からその行為を別途に評価しなければならないと解するので、
原告のこの点の主張は理由がない。
四、被告の本件損金算入否認行為が禁反言の法理ないし信義則に違背するとの原告
の主張について
 証人Eの証言および弁論の全趣旨によれば、原告は本件係争事業年度の直前事業
年度(昭和三七年五月一日から昭和三八年四月三〇日まで)および直々前事業年度
(昭和三六年五月一日から昭和三七年四月三〇日まで)についても本係争事業年度
と同様、Aに賞与を支給したところ、被告は右賞与の損金算入を認め何ら異議な
く、原告の法人税確定申告を適正なものとして、法人税額等の申告是認通知書を送
付したこと、しかるに本係争事業年度については、Aには第一一、第一二各事業年
度と何ら身分関係に変更がないのに従来の取扱いを変えてAに対する賞与を損金に
算入した原告の行為を否認して更正処分をしたことが認められる。
 しかし、被告のなした申告是認の通知書には「現在までの調査したところによれ
ば」(甲第七、八号証)とあつて、将来更正等の処分をしないことまでも約束する
趣旨のものではないし、まして異なる事業年度についてまで、是認通知の対象とな
つた事業年度と同様の処置をとることを明らかにしたものとはとうてい考えられ
ず、同じ事実についてもその評価が、税法上の解釈や裁判例の動き等に照らして変
化することは当然予想されるところであり、本件のような兼務監査役に対する賞与
の損金算入についてはその是非について従来争いが存し、昭和四〇年四月一日には
法人税法が改正されこの点についての条項が整備されたことは当裁判所に顕著な事
実であるから以上諸般の事情を勘案したとき本係争事業年度における被告の損金算
入否認の行為を目して禁反言ないし信義則に反して無効な行為であるということは
できない。
五、以上の次第であるから、本件更正処分中、原告が第一三事業年度においてAに
対する賞与の支給を損金算入した点を否認した部分は違法であるからこれを取消す
べきであるが第一四事業年度については、何ら違法の点はないというべきである。
 よつて、原告の本訴請求は右の限度で理由があるから認容し、その余の請求は棄
却することとし、訴訟費用の負担については民事訴訟法九二条本文を適用して主文
のとおり判決する。
(裁判官 大島斐雄 田中弘 東條宏)

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