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平成31年2月19日判決言渡
平成30年(行ケ)第10129号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成30年12月12日
判決
原告ディプティックエス.アー.エス.
訴訟代理人弁護士加藤一真
訴訟代理人弁理士津国肇
同山村大介
被告株式会社コンフィアンス
訴訟代理人弁護士岩波修
訴訟代理人弁理士秋元輝雄
同吉澤大輔
同秋元正哉
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
3この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30
日と定める。
事実及び理由
第1請求
特許庁が無効2017-890034号事件について平成30年5月1日
にした審決を取り消す。
第2事案の概要
1特許庁における手続の経緯等
(1)被告は,以下の商標(登録第5498434号。以下「本件商標」という。)
の商標権者である(甲1の1,3)。
商標別紙1のとおり
登録出願日平成22年9月27日
登録査定日平成24年4月20日
設定登録日平成24年6月1日
指定商品第3類「化粧品,せっけん類」
(2)原告は,平成29年6月1日,本件商標について商標登録無効審判を請求
した。
特許庁は,上記請求を無効2017-890034号事件として審理を行
い,平成30年5月1日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決
(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同月11日,原告に送達
された。
(3)原告は,平成30年9月7日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起
した。
2本件審決の理由の要旨
本件審決の理由は,別紙審決書(写し)のとおりである。
その要旨は,本件商標は,以下のとおり,商標法4条1項10号,11号及
び15号のいずれにも該当しないから,本件商標の登録はこれらの規定に違反
してされたものとはいえず,同法46条1項1号の規定により無効とすること
はできないというものである。
⑴商標法4条1項10号該当性について
ア別紙2記載の1の商標(以下「引用商標1」という。)は,細線と太線
からなる二重線で描いた大きな縦長の楕円の内側に,二重の太線と細線で
描いた縦長の同心の楕円を配置し,両楕円の間に存する空間の上方に「d
iptyque」の文字,下方に「paris5e」の文字を配置すると
ともに,当該空間の右方及び左方にそれぞれ「34boulevard
saintgermain」の文字を配置してなるものである。
①原告が原告の業務に係る商品「香水,アロマキャンドル,化粧品,せ
っけん類」(以下「原告商品」という場合がある。)について使用する甲
号各証記載の商標(以下「原告使用商標」という場合がある。)は,引用
商標1と同一といえる標章の内側に,例えば,別紙2記載の3ないし6の
各登録商標(以下,同3記載の国際登録第953461号商標を「引用商
標3」,同4記載の国際登録第990558号商標を「引用商標4」,同
5記載の国際登録第990559号商標を「引用商標5」,同6記載の国
際登録第990560号商標を「引用商標6」という。)のように,商品
ごとに異なる文字や図形等を配した様々なものであり,我が国においては,
2006年(平成18年)ころから使用されていた,②原告使用商標の構
成において,引用商標1又はその構成中の楕円状リングの図形部分は,い
ずれもそれのみが特に強調された体裁で表されていないので,視覚的に強
い印象をもって看取,把握されるとはいい難いし,また,引用商標1又は
その構成中の楕円状リングの図形部分が原告商品に単独で使用されている
といった状況は見いだせないから,原告使用商標の使用により,引用商標
1又はその構成中の楕円状リングの図形部分のみが,独立して自他商品の
識別標識として機能し,取引に資されるとは認め難く,引用商標1は,本
件商標の登録出願時及び登録査定時において,原告の業務に係る原告商品
を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたものと認めるこ
とはできない。
イ別紙1記載の本件商標と引用商標1は,複数の線により描いた大きな縦
長の楕円の内側に,複数の線で描いた縦長の同心の楕円を配置するという
点においては近似するものの,それぞれの構成態様に照らせば,当該楕円
部分のみが独立して自他商品の識別標識として機能し,取引に資されると
は認め難い上,本件商標は,その構成中の「Dr.Linn」及び「Sa
kurai」の文字部分が要部であり,当該文字部分から「ドクターリン
サクライ」の称呼及び「LinnSakuraiという名前の医師」の
観念を生じるのに対し,引用商標1は,その構成中の「diptyque」
の文字部分が要部であり,当該文字部分から「ディプティック」の称呼を
生じ,特定の観念を生じないものである。
してみれば,本件商標と引用商標1とは,その構成全体における比較は
もとより,その構成中の要部たる文字部分の比較においても,外観,称呼
及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であ
る。
ウ前記ア及びイによれば,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示する
ものとして,需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標とはい
えないから,商標法4条1項10号に該当しない。
⑵商標法4条1項11号該当性について
ア別紙2記載の2の登録第4598993号商標(以下「引用商標2」と
いう。)の構成態様は,実質的に引用商標1の構成中のフランスのパリの
住所を表したものと看取,理解され得る「paris5e」の文字及び「3
4boulevardsaintgermain」の文字を除いた
ものといえるから,その構成中,要部たり得るのは,引用商標1と同様に,
その構成中の「diptyque」の文字部分である。
したがって,本件商標と引用商標2とは,本件商標と引用商標1との比
較の結果と同様に,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れる
おそれのない非類似の商標である。
イ引用商標3ないし6は,別紙2記載の3ないし6に示すとおり,その構
成中の内側に配置された楕円内に,引用商標3は「L’EAUdeN
EROLI」の文字及び植物等の図形を,引用商標4は「H」の文字及び
植物等の図形を,引用商標5は「C」の文字及び植物等の図形を,引用商
標6は「L’EAUdeTAROCCO」の文字及び植物等の図形を,
それぞれ配置してなるものである。
引用商標3ないし6の構成態様に照らせば,その構成中の楕円部分のみ
が独立して自他商品の識別標識として機能し,取引に資されるとは認め難
い上,引用商標3ないし6は,いずれも「diptyque」の文字部分
が,自他商品の識別標識として看者に強く支配的な印象を与えるから,要
部であり,これを要部として本件商標と比較するときは,本件商標と引用
商標1との比較の結果と同様,外観,称呼及び観念のいずれの点において
も相紛れるおそれのない非類似の商標である。
ウ前記ア及びイのとおり,本件商標と引用商標2ないし6とは,いずれも
相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,本件商標は,商標法4条
1項11号に該当しない。
⑶商標法4条1項15号該当性について
引用商標1は,前記⑴のとおり,原告の業務に係る原告商品を表示するも
のとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者の間に広
く認識されていたものと認めることはできない。
また,引用商標2ないし6については,本件商標の登録出願時及び登録査
定時において,引用商標2が,原告商品について単独で使用され,商品の出
所識別標識として需要者の間に広く認識されていたという状況は見いだせず,
引用商標3ないし6が,原告商品を表示するものとして,需要者の間に広く
認識されていたものと認めるに足りない。
さらに,前記⑴及び⑵のとおり,本件商標と引用商標1ないし6とは,い
ずれも相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると,本件商標をその指定商品に使用しても,取引者,需要者が,
原告又は引用商標を連想,想起することはなく,その商品が原告又は原告と
経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品である
かのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。
したがって,本件商標は,商標法4条1項15号に該当しない。
第3当事者の主張
1取消事由1(商標法4条1項10号該当性の判断の誤り)について
⑴原告の主張
ア引用商標1又はその構成中の楕円状リングの図形部分の識別力の判断の
誤り
(ア)楕円状リングの図形部分及び「diptyque34boul
evardsaintgermainparis5e34b
oulevardsaintgermain」の文字からなる引用
商標1は,楕円状リングの図形部分の内側の商品ごとに異なる文字や図
形等とともにではあるが,1963年以降(日本においては遅くとも平
成14年以降)長年にわたり,原告の本国であるフランス及び日本を含
む諸外国において,原告商品に使用された結果,引用商標1の構成中の
楕円状リングの図形部分は,原告の出所であることを表示・発信し,需
要者をして原告商品であることを認識させるに至っている。
すなわち,引用商標3ないし6その他の原告使用商標において,その
構成中の楕円状リングの図形部分の内側の文字や図形等は商品ごとに異
なる一方で,楕円状リングの図形部分は,ほとんどの原告商品の本体や
容器に使用されてきたこと,原告商品の需要者は,原告商品を初めて知
り,それらに接する初期の段階では,原告使用商標の構成中の楕円状リ
ングの図形部分及び「diptyque34boulevard
saintgermainparis5e34bouleva
rdsaintgermain」の文字部分(引用商標1の構成に
相当する部分)を見て原告商品と認識するかもしれない。
しかし,原告の店舗内(甲4,45)の商品陳列形態及び原告の商品
カタログ(甲46)を見ると,原告使用商標の構成中の「diptyq
ue34boulevardsaintgermainpa
ris5e34boulevardsaintgermai
n」の文字は小さく,かつ,楕円状リングの図形部分の内側の文字や図
形等は商品ごとにそれぞれ異なることから,上記商品陳列形態において
至る所に配置され,否が応でも目に入る楕円状リングの図形部分のみが
共通印象として需要者の記憶に残り,やがて「diptyque34
boulevardsaintgermainparis5e
34boulevardsaintgermain」の文字又は
楕円状リングの図形部分の内側の文字や図形等をいちいち見なくとも,
楕円状リングの図形部分を一瞥することにより,原告商品であると認識
するものといえる。
この点に関し被告は,乙1ないし19を挙げて,引用商標1の構成中
の楕円状リングの図形部分はありふれた形状である旨主張するが,化粧
品,香水等の分野において適切なものは乙15のみであり,当該一例を
もって,楕円状リングの図形部分が化粧品,香水等の分野におけるあり
ふれた形状又はデザインの趨勢であるとはいえない。
(イ)引用商標1は,日本を含む世界各国において,原告商品の90%超
に使用されている(甲49の1,2)。例えば,平成20年度の日本に
おける原告商品の売上高2億6590万円のうち,2億3931万円超
(合計販売数量2万1962個。甲50),平成22年度の日本におけ
る原告商品の売上高2億3245万円のうち,2億0921万円超に引
用商標1が使用されている。
このように,引用商標1の構成中の楕円状リングの図形部分は,「d
iptyque34boulevardsaintgerma
inparis5e34boulevardsaintge
rmain」の文字又は楕円状リングの図形部分の内側の文字や図形等
とともにではあるが,原告の店舗やウェブサイト,あるいは多数の小売
業者の店舗(甲6)において,長年かつ大量に使用された結果,楕円状
リングの図形部分のみで識別力(商品の出所識別機能。以下同じ。)を
獲得したものといえる。
また,原告が2008年(平成20年)5月に挙行した原告商品の新
商品発売パーティーに,女性向け雑誌である「25ans(ヴァンサン
カン)」,「anan(アンアン)」,「美的(ビテキ)」,「Can
Cam(キャンキャン)」やファッション雑誌である「FIGARO(フ
ィガロ)」,「VOGUE(ヴォーグ)」の編集長や編集者など149
名が参加し,これらの雑誌に原告商品が掲載されており(甲51),こ
のことは,平成20年当時既に原告商品及び引用商標1が周知であった
ことを裏付けるものである。
(ウ)以上によれば,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部
分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用による識別
力を獲得し,原告の業務に係る原告商品を表示するものとして,需要者
の間に広く認識されていた。
したがって,引用商標1又はその構成中の楕円状リングの図形部分の
みが,独立して自他商品の識別標識として機能し,取引に資されるとは
認め難いとして,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部分
の識別力及び周知性を否定した本件審決の判断は誤りである。
イ本件商標と引用商標1の類否判断の誤り
(ア)前記ア(ウ)のとおり,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの
図形部分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,原告の業
務に係る原告商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されて
いたことに照らすと,引用商標1の要部及び本件商標の要部は,それぞ
れの構成中の楕円状リングの図形部分である。
したがって,本件商標の要部は「Dr.Linn」及び「Sakur
ai」の文字部分,引用商標1の要部は「diptyque」の文字部
分であるとした本件審決の認定は誤りである。
(イ)前記ア(ア)及び(イ)のとおり,楕円状リングの図形部分が,「di
ptyque34boulevardsaintgermai
nparis5e34boulevardsaintger
main」の文字又は楕円状リングの図形部分の内側の文字や図形等と
ともに,原告の店舗やウェブサイト,あるいは多数の小売業者の店舗に
おいて,長年かつ大量に使用された結果,楕円状リングの図形部分のみ
においても識別力を獲得したこと,「diptyque34bou
levardsaintgermainparis5e34
boulevardsaintgermain」の文字は小さく,
かつ,楕円状リングの図形部分の内側の文字や図形等は商品ごとにそれ
ぞれ異なることから,楕円状リングの図形部分のみが共通印象として需
要者の記憶に残り,認識されることなどの取引の実情を考慮すれば,本
件商標と引用商標1が本件商標の指定商品に使用された場合,需要者に
おいて,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるから,本件商
標と引用商標1は類似する。
したがって,本件商標と引用商標1とは非類似の商標であるとした本
件審決の判断は誤りである。
ウ小括
以上によれば,本件商標は,原告の業務に係る原告商品を表示するもの
として需要者の間に広く認識されている引用商標1に類似する商標であっ
て,原告商品と同一又は類似する指定商品に使用をするものであるから,
商標法4条1項10号に該当する。
したがって,本件商標は同号に該当しないとした本件審決の判断は誤り
である。
⑵被告の主張
ア引用商標1又はその構成中の楕円状リングの図形部分の識別力の判断の
誤りの主張に対し
(ア)楕円状リングの図形は,昔から容器に付するラベルの形状として広
く使用されている,ありふれた形状である。楕円状リングの図形の外径
等に沿うように文字が配置されたり,その図形の内部に他の図形や文字
が施された原告使用商標のような構成は,古くから商標として用いられ
ている(乙1~14)。化粧品,香水等の分野においても,楕円状リン
グ及びこれに類する図形を構成に含む商標が多数使用されている(乙1
5~19)。
そして,引用商標1を構成する楕円状リングの図形部分は,形状があ
りふれている上に,それのみが特に強調された体裁で表されておらず,
看者に対し視覚的に強い印象を与えるものとはいえない。
(イ)原告が原告商品に使用する原告使用商標は,引用商標1自体ではな
く,引用商標3ないし6のように,引用商標1と同一といえる標章の内
側に商品ごとに異なる文字や図形等を配した様々な商標であり,いずれ
も「diptyque」の文字が構成として含まれており,楕円状リン
グの図形部分のみを単独で原告商品の商標として使用した実績はない。
また,原告使用商標が原告商品に長年かつ大量に使用された実績はな
く,使用による識別力を獲得したものとはいえないし,原告使用商標が
付された原告商品が雑誌等に掲載され始めたのは,平成20年以降であ
り(甲18~22),雑誌等に掲載されている原告商品中の相当数が,
本件商標の指定商品と非類似の商品である「アロマキャンドル」により
占められており,原告使用商標中の楕円状リングの図形部分自体に注
目・言及しているものはない。
(ウ)したがって,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部分
の識別力及び周知性を否定した本件審決の判断に誤りはない。
イ本件商標と引用商標1の類否判断の誤りの主張に対し
(ア)「diptyque」の文字は,特定の意味合いを想起させること
のない造語であり,その文字自体が標章としての強い識別力を有する上
に,原告商品の需要者は,商品の外観,香り,成分等を観察・確認する
ために,陳列棚に配置された商品に近寄り,手にとって,間近で観察す
るのが通常であるという取引の実情を考慮すると,需要者は,原告商品
の購入選択の際に,原告商品に付された原告使用商標を構成する楕円状
リングの図形部分の上部中央に表示された「diptyque」の文字
部分が目に入る。
これに対し楕円状リングの図形部分は,前記アのとおり,顕著な特徴
を有しないありふれた図形であり,使用による識別力を獲得したものと
はいえない。
このような「diptyque」の文字部分及び楕円状リングの図形
部分の表示ないし使用態様に鑑みれば,引用商標1においては,「di
ptyque」の文字部分のみが,強い識別力を有する標章として看者
に強く支配的な印象を与えるものといえるから,要部に当たる。
したがって,本件審決における引用商標1の要部認定に誤りはなく,
また,本件商標と引用商標1とは非類似の商標であるとした判断にも誤
りはない。
(イ)仮に原告が主張するように引用商標1の要部及び本件商標の要部は,
それぞれの構成中の楕円状リングの図形部分であるとしても,①引用商
標1の楕円状リングの図形部分は,4本の線から構成され,内側2本の
線を太線としているのに対し,本件商標の楕円状リングの図形部分は,
5本の線から構成され,最外側から2番目の線のみを太線としているこ
と,②引用商標1の楕円状リングの図形部分を構成する線同士の間隔の
広さは,太線間の間隔が最も広く,続いて,最外側の細線と隣の太線と
の間隔,最内側の細線とその隣の太線との間隔の順になっており,いず
れも一定間隔(幅)ではなく,楕円状リングの図形部分を構成する各線
が全体的に中心に偏倚したような印象を需要者に与えるのに対し,本件
商標の楕円状リングの図形部分を構成する線同士の間隔は,「197
0・YOURSKINCANBEYOURFORTUNE」
の文字配置部分以外は,いずれも一定間隔(幅)であり,特段需要者の
目を引くような特徴を備えるような構成及び配置にはなっていないこと
から,両者には外観上の顕著な相違が存在する。
したがって,本件商標と引用商標1とは非類似の商標である。
ウ小括
前記ア及びイによれば,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示する
ものとして,需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標とはい
えないから,商標法4条1項10号に該当しない。
したがって,本件商標が同号に該当しないとした本件審決の判断に誤り
はなく,原告主張の取消事由1は理由がない。
2取消事由2(商標法4条1項11号該当性の判断の誤り)について
⑴原告の主張
本件審決は,引用商標2ないし6は,いずれも「diptyque」の文
字部分が自他商品の識別標識として看者に強く支配的な印象を与えるもので
あり,要部に当たる旨認定した。
しかし,引用商標2ないし6は,全体として,楕円状リングの図形及び
その内側の文字や図形等の模様・デザインからなる図形商標又はデザイン商
標であって,「diptyque」の文字部分のみが特に強調された体裁で
表されたものとはいえず,視覚的に強い印象をもって看取,把握されるとは
言い難いから,本件審決の上記認定は誤りである。
そして,本件商標と引用商標2ないし6のそれぞれが本件商標の指定商品
に使用された場合,本件商標と引用商標2ないし6における構成要素として
共通かつ類似する楕円状リングの図形部分によって,相応数の需要者におい
て,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるから,本件商標と引用
商標2ないし6は類似する。
したがって,本件商標は,商標法4条1項11号に該当するから,これと
異なる本件審決の判断は誤りである。
⑵被告の主張
前記1(2)で述べたのと同様の理由により,引用商標2ないし6における
「diptyque」の文字部分及び楕円状リングの図形部分の表示ないし
使用態様に鑑みれば,引用商標2ないし6においては,「diptyque」
の文字部分のみが,強い識別力を有する標章として看者に強く支配的な印象
を与えるものといえるから,要部に当たる。
したがって,本件審決における引用商標2ないし6の要部認定に誤りはな
く,本件商標と引用商標2ないし6とは非類似の商標であるとした判断にも
誤りはないから,原告主張の取消事由2は理由がない。
3取消事由3(商標法4条1項15号該当性の判断の誤り)について
⑴原告の主張
ア(ア)前記1(1)のとおり,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図
形部分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用による
識別力を獲得し,原告の業務に係る原告商品を表示するものとして,需
要者の間に広く認識されていたものであり,引用商標2ないし6及びそ
の構成中の楕円状リングの図形部分も,これと同様である。
そして,本件商標がその指定商品に使用された場合,本件商標と引用
商標1ないし6における構成要素として共通かつ類似する楕円状リング
の図形部分によって,取引者,需要者をして,原告を連想,想起させ,
その商品が原告又は原告と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者
の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生
ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法4条1項15号に該当する。
(イ)この点に関し被告は,原告商品と被告商品は,その用途,種類,価
格帯等を異にする商品であり,同種商品として並んで販売されることは
考えにくい旨主張する。
しかし,化粧品,香水等あるいはアロマキャンドルといった商品の専
らの需要者である,店舗やウェブサイトで原告商品及び原告使用商標の
楕円状リングの図形部分に慣れ親しんだ女性購買層が,他の店舗やウェ
ブサイトで被告の商品に付された本件商標の楕円状リングの図形部分に
接したときは,物理的に両者を並べて比較できないがゆえに,その記憶・
印象によって,原告を連想,想起させるおそれがあり,かつ,その商
品が原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する
者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混
同を生ずるおそれがあるというべきである。
イしたがって,本件商標は商標法4条1項15号に該当しないとした本件
審決の判断は誤りである。
⑵被告の主張
前記1⑵のとおり,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部分
が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用による識別力を獲
得したといえないし,原告の業務に係る原告商品を表示するものとして,需
要者の間に広く認識されていたものともいえない。引用商標2ないし6及び
その構成中の楕円状リングの図形部分も,これと同様である。
また,原告商品と被告商品は,その用途,種類,価格帯等を異にする商品
であり,同種商品として並んで販売されることは考えにくい。
そして,本件商標中に,楕円状リングの図形部分の内側に,「Dr.Li
nn」及び「Sakurai」の二段書きの文字部分が大きく表示され,か
つ,本件商標中に,原告が楕円状リングの図形と常に併せて使用する「di
ptyque」の文字部分と同一又は類似の文字部分が存在しないことを併
せ考えれば,仮に楕円状リングの図形部分を,原告商品と被告商品に付され
る各商標の構成として使用したとしても,原告商品と被告商品の各需要者が
両商品を誤認混同するおそれはない。
したがって,本件商標は,原告の業務に係る原告商品と混同を生ずるおそ
れがある商標(商標法4条1項15号)に該当しないから,原告主張の取消
事由3は理由がない。
第4当裁判所の判断
1取消事由1(商標法4条1項10号該当性の判断の誤り)について
⑴認定事実
証拠(甲2~9,13,14,16~27,45~47,49~51(枝
番号のあるものは,枝番号を含む。特に断りのない限り,以下同じ。))及
び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア(ア)原告は,1961年(昭和36年)に設立された,アロマキャンド
ル,香水,化粧品,せっけん類等の製造及び販売等を業とするフランス
法人である。原告は,1963年(昭和38年)にフランスで「dip
tyque」のブランド名でアロマキャンドルの販売を開始して以来,
「diptyque」は,アロマキャンドルないしフレグランスキャン
ドルのブランドとして,フランスの国内及び国外で知られるようになっ
た。
(イ)原告は,引用商標2ないし6の商標権者である。
イ原告は,平成14年ころから,日本において,原告の製造に係るアロマ
キャンドル,香水,化粧品,せっけん類等の商品(原告商品)の販売を輸
入販売代理店を通じて開始した。原告は,2009年(平成21年)2月
に,日本現地法人の「DiptyqueJapan株式会社」を設立後,
2013年(平成25年)12月に東京都内に直営店をオープンし(甲5
の1~4),現在では,直営店3店舗を含む,百貨店,アパレルショップ
等の全国76店舗(甲6)で原告商品を取り扱っている。
日本における原告商品の年間売上高は,平成20年が約2億7000万
円,平成21年が約1億8000万円,平成22年が約2億3000万円,
平成23年が約3億2000万円,平成24年が約4億5000万円であ
る。
ウ原告が販売する原告商品の容器には,引用商標1(別紙2記載の1)と
同一の楕円状リングの図形部分とその内側の楕円内に商品ごとに異なる文
字,図形等を配した原告使用商標(例えば,引用商標3ないし6(別紙2
記載の3ないし6))が付されていた。
エ2008年(平成20年)以降,原告使用商標を付した原告商品の写真
等を掲載した記事が,全国規模の雑誌やウェブサイトに多数回掲載された。
⑵引用商標1の周知性について
原告は,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部分は,楕円状
リングの図形部分の内側の商品ごとに異なる文字や図形等とともにではある
が,長年にわたり,原告商品に使用された結果,本件商標の登録出願時及び
登録査定時において,使用による識別力を獲得し,原告の業務に係る原告商
品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたから,引用商標
1及びその構成中の楕円状リングの図形部分の識別力及び周知性を否定した
本件審決の判断は誤りである旨主張するので,以下において判断する。
ア引用商標1は,別紙2記載の1のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(以下「外側の楕円部分」という場合がある。)
の内側に,二重の太線と細線で描いた縦長の同心の楕円(以下「内側の楕
円部分」という場合がある。)を配置した図形部分(楕円状リングの図形
部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「diptyqu
e」の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の文字部分と,
右方及び左方にそれぞれ配置された「34boulevardsai
ntgermain」の文字部分とから構成された結合商標である。
引用商標1においては,「diptyque」の文字部分から「ディプ
ティック」,「paris5e」の文字部分から「パリゴイー」,「3
4boulevardsaintgermain」の文字部分から
「サンジュウシブールバールサンジェルマン」との称呼が生じるもの
と認められる。
「diptyque」の語は,「二連板(蝶番でつないだ2枚折りの書
板,装飾された2枚折りの作品)」,「(文学などの対照的,相互補完的)
2部作」などを意味するフランス語であるが(小学館「ロベール仏和大辞
典」1988年(昭和63年)12月初版発行),この語が,我が国にお
いて一般的に知られた語であるとまでは認められない。
「paris5e」の文字部分及び「34boulevardsa
intgermain」の文字部分からは,全体としてフランスのパリ
の住所を表したものと理解することができる。
イ原告が販売する原告商品には,その容器に,引用商標1と同一の楕円状
リングの図形部分の内側の楕円部分内に,商品ごとに異なる文字,図形等
を配した原告使用商標(例えば,引用商標3ないし6)が付されていたこ
とは,前記(1)ウ認定のとおりである。
しかし,本件商標の登録出願前(登録出願日平成22年9月27日)に,
原告商品(その容器を含む。以下同じ。)に引用商標1のみが単独で付さ
れていた事実を認めるに足りる証拠はない。
そこで,原告による原告使用商標を付した原告商品の販売が引用商標1
の使用に当たるかどうかについて検討する。
(ア)原告使用商標(例えば,引用商標3(別紙2記載の3))は,引用
商標1と同一の楕円状リングの図形部分と,そのうちの外側の楕円部分
と内側の楕円部分の間の空間の上方に配置された「diptyque」
の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の文字部分と,右
方及び左方にそれぞれ配置された「34boulevardsai
ntgermain」の文字部分と,内側の楕円部分内に配置された
文字部分及び図形部分(例えば,引用商標3では,「L’EAUde
NEROLI」の文字部分及び樹木等の図形部分)とから構成された結
合商標である。
この内側の楕円部分は,原告使用商標の中央部に位置し,原告使用商
標の半分程度の面積を占めており,内側の楕円部分内全体にわたり上記
文字部分及び図形部分が表されている。
原告使用商標においては,楕円状リングの図形部分によって,外側の
楕円部分と内側の楕円部分の間の空間に配置された文字部分と,内側の
楕円部分内に配置された文字部分及び図形部分とがまとまりよく配置さ
れている。
(イ)しかるところ,複数の線により描いた大きな縦長の楕円の内側に,
複数の線で描いた縦長の同心の楕円を配置し,その両楕円の間の空間に
文字を配置する構成自体は,本件商標の登録出願前から,容器等に付す
るラベルの形状として使用されてきたものであって(乙1,2,5,6,
13),ありふれたものと認められる。
そして,原告使用商標のうちの楕円状リングの図形部分(細線と太線
からなる二重線で描いた大きな縦長の楕円の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円を配置した図形部分)の構成態様自体に独創
性は認められないから,楕円状リングの図形部分は,原告使用商標の構
成の中で特に目につくものとはいえない。
したがって,原告使用商標のうちの楕円状リングの図形部分の識別力
は微弱である。
(ウ)次に,原告使用商標のうちの「diptyque」の文字部分につ
いてみると,楕円状リングの図形部分を構成する外側の楕円部分と内側
の楕円部分の間の空間の上方の看者の目につきやすい位置に配置されて
いる。
「diptyque」の語は,我が国において一般的に知られた語で
あるとはいえないものの,前記(1)認定のとおり,「diptyque」
は,アロマキャンドルないしフレグランスキャンドルのブランドとして,
フランスの国内及び国外で知られるようになっていたこと,原告は,平
成14年ころから,日本において,原告使用商標を付した原告商品の販
売を開始し,原告商品の売上高は平成20年が約2億7000万円,平
成21年が約1億8000万円,平成22年が約2億3000万円であ
ったこと,原告使用商標を付した原告商品の写真等を掲載した記事が,
平成20年以降,全国規模の雑誌やウェブサイトに多数回掲載されてい
たことに照らすと,相当数の需要者において,原告使用商標のうちの「d
iptyque」の語から,アロマキャンドルないしフレグランスキャ
ンドル,香水,化粧品等のブランドを連想,想起するものと認められる。
また,楕円状リングの図形部分を構成する外側の楕円部分と内側の楕
円部分の間の空間に「diptyque」の文字部分を頂点として時計
回りに「diptyque34boulevardsaint
germainparis5e34boulevardsai
ntgermain」の文字がまとまりよく配置されていることに照
らすと,上記需要者においては,原告使用商標のうちの「paris5
e」の文字部分及び「34boulevardsaintger
main」の文字部分は,「diptyque」がフランスのパリのブ
ランドであることを連想,想起するものと認められる。
(エ)原告使用商標のうちの楕円状リングの図形部分の内側の楕円部分内
に配置された文字部分及び図形部分(例えば,引用商標3では,「L’
EAUdeNEROLI」の文字部分及び樹木等の図形部分)は,
原告使用商標の中央部に位置している。
そして,上記文字部分及び図形部分の近接した位置に上記文字部分及
び図形部分を取り囲むように「diptyque34boulev
ardsaintgermainparis5e34bou
levardsaintgermain」の文字(「diptyq
ue」の文字部分,「paris5e」の文字部分及び「34bou
levardsaintgermain」の文字部分)が配置され
ていることから,これらの文字部分及び図形部分はひとまとまりのもの
として看取されるものと認められる。
(オ)以上のとおり,原告使用商標においては,楕円状リングの図形部分
によって,外側の楕円部分と内側の楕円部分の間の空間に配置された文
字部分と,内側の楕円部分内に配置された文字部分及び図形部分とがま
とまりよく配置されており,これらの文字部分及び図形部分はひとまと
まりのものとして看取されることに照らすと,原告使用商標に接した需
要者においては,原告使用商標は,ひとまとまりの文字部分及び図形部
分からなる結合商標として認識されるものであって,原告使用商標のう
ちの引用商標1の構成に相当する部分(楕円状リングの図形部分,「d
iptyque」の文字部分,「paris5e」の文字部分及び「3
4boulevardsaintgermain」の各文字部分)
が,独立の商標として認識されるものと認めることはできない。
したがって,原告による原告使用商標を付した原告商品の販売が引用
商標1の使用に当たるものと認めることはできない。
ウ以上によれば,原告が原告商品に引用商標1を独立の商標として使用し
た事実は認められないから,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの
図形部分が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使用による
識別力を獲得し,原告の業務に係る原告商品を表示するものとして需要者
の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
エ(ア)これに対し原告は,原告が2008年(平成20年)5月に挙行し
た原告商品の新商品発売パーティーに,女性向け雑誌又はファッション
雑誌の編集長や編集者など149名が参加し,これらの雑誌に原告商品
が掲載されたことは,平成20年当時既に原告商品及び引用商標1が周
知であったことを裏付けるものである旨主張する。
しかしながら,上記新商品発売パーティーに女性向け雑誌又はファッ
ション雑誌の編集長や編集者が参加した事実から直ちに引用商標1が周
知であったことを裏付けることはできないし,また,原告商品の雑誌へ
の掲載についても,引用商標1が単独で付された原告商品が掲載された
というものではないから,引用商標1が周知であったことを裏付けるこ
とはできない。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(イ)また,原告は,原告商品の需要者は,原告商品を初めて知り,それ
らに接する初期の段階では,原告商品に付された原告使用商標の構成中
の楕円状リングの図形部分及び「diptyque34boule
vardsaintgermainparis5e34bo
ulevardsaintgermain」の文字部分(引用商標
1の構成に相当する部分)を見て原告商品と認識するかもしれないが,
原告使用商標の構成中の上記文字部分の文字は小さく,かつ,楕円状リ
ングの図形部分の内側の文字や図形等は商品ごとにそれぞれ異なること
から,やがて上記文字部分又は楕円状リングの図形部分の内側の文字や
図形等をいちいち見なくとも,楕円状リングの図形部分を一瞥すること
により,原告商品であると認識するといえるから,引用商標1の構成中
の楕円状リングの図形部分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時に
おいて,使用による識別力を獲得した旨主張する。
しかしながら,原告使用商標のうちの楕円状リングの図形部分の識別
力は微弱である上(前記イ(イ)),原告が原告商品に引用商標1を独立
の商標として使用した事実は認められないから(前記ウ),ましてや引
用商標1の構成要素である楕円状リングの図形部分のみを独立の商標と
して使用された事実も認められない。
したがって,原告の上記主張は,理由がない。
(3)小括
以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,本件商標は,他
人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されてい
る商標に類似する商標(商標法4条1項10号)に該当するものとは認めら
れない。
したがって,これと同旨の本件審決の判断に誤りはないから,原告主張の
取消事由1は理由がない。
2取消事由2(商標法4条1項11号該当性の判断の誤り)について
(1)本件商標について
ア本件商標は,別紙1記載のとおり,細線と太線からなる二重線で描いた
大きな縦長の楕円の内側に,三重の細線で描いた縦長の同心の楕円を配置
した図形部分と,両楕円の間に存する空間に,「YOURSKINC
ANBEYOURFORTUNE・1970・YOURSKIN
CANBEYOURFORTUNE・1970・」の文字を時計回
りに配置した文字部分と,三重の細線の楕円の内側に,円状に配置した「Y
OURSKINCANBEYOURFORTUNE・YOUR
SKINCANBEYOURFORTUNE・」の文字部分で囲
んだ,「1970」の文字部分及び花のシルエット様の図形部分と,「D
r.Linn」及び「Sakurai」の二段書きの文字部分とから構成
された結合商標である。
そして,本件商標中の構成中の「Dr.Linn」及び「Sakura
i」の二段書きの文字部分は,中央の目立つ位置に太字の大きな文字で表
示されており,上記文字部分から,「ドクターリンサクライ」の称呼が自
然に生じるとともに,全体として,「LinnSakurai」という
医師の名前を表したものと理解されることからすると,本件商標がその指
定商品である「化粧品,せっけん類」に使用された場合には,本件商標の
上記文字部分は,取引者,需要者に対し,上記商品の出所識別標識として
強く支配的な印象を与えるものと認められる。
以上によれば,本件商標から「Dr.Linn」及び「Sakurai」
の二段書きの文字部分を要部として抽出し,これと引用商標2ないし6と
を比較して商標そのものの類否を判断することも,許されるというべきで
ある。
イこれに対し原告は,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部
分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,原告の業務に係る
原告商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたことに
照らすと,本件商標の要部は,楕円状リングの図形部分(細線と太線から
なる二重線で描いた大きな縦長の楕円の内側に,三重の細線で描いた縦長
の同心の楕円を配置した図形部分)である旨主張する。
しかしながら,前記1⑵ウのとおり,引用商標1及びその構成中の楕円
状リングの図形部分が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,
原告の業務に係る使用商品を表示するものとして需要者の間に広く認識さ
れていたものと認めることはできないから,原告の上記主張は採用するこ
とができない。
(2)本件商標と引用商標2との類否について
ア引用商標2は,別紙2記載の2のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(外側の楕円部分)の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円(内側の楕円部分)を配置した図形部分(楕円
状リングの図形部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「d
iptyque」の文字部分とから構成された結合商標である。
引用商標2のうちの「diptyque」の文字部分から,「ディプテ
ィック」の称呼が生じるとともに,相当数の需要者において,アロマキャ
ンドルないしフレグランスキャンドル,香水,化粧品等のブランドを連想,
想起するものと認められる。
加えて,引用商標2のうちの楕円状リングの図形部分の識別力は微弱で
あること(前記1⑵イ(イ))を考慮すると,引用商標2が本件商標の指定
商品である「化粧品,せっけん類」に使用された場合には,引用商標2の
うちの「diptyque」の文字部分は,取引者,需要者に対し,上記
商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
したがって,引用商標2のうちの「diptyque」の文字部分は,
引用商標2の要部に当たるものと認められる。
イ本件商標の要部である「Dr.Linn」及び「Sakurai」の二
段書きの文字部分と引用商標2の要部である「diptyque」の文字
部分とを対比すると,外観,称呼及び観念のいずれにおいても明らかに相
違するから,本件商標及び引用商標2が本件商標の指定商品である「化粧
品,せっけん類」に使用された場合,取引者,需要者において,その商品の
出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
したがって,本件商標は,全体として引用商標2と非類似の商標である。
ウこれに対し原告は,本件商標と引用商標2が本件商標の指定商品に使用
された場合,本件商標と引用商標2における構成要素として共通かつ類似
する楕円状リングの図形部分によって,相応数の需要者において,商品の
出所につき誤認混同を生じさせるおそれがあるから,本件商標と引用商標
2は類似する旨主張する。
しかしながら,前記(1)イと同様の理由により,引用商標2の構成中の楕
円状リングの図形部分は要部に当たるものと認められないから,原告の上
記主張は理由がない。
(3)本件商標と引用商標3との類否について
ア引用商標3は,別紙2記載の3のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(外側の楕円部分)の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円(内側の楕円部分)を配置した図形部分(楕円
状リングの図形部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「d
iptyque」の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の
文字部分と,右方及び左方にそれぞれ配置された「34bouleva
rdsaintgermain」の文字部分と,内側の楕円部分内に
配置された「L’EAUdeNEROLI」の文字部分及びハンモッ
クの上に裸で横たわり背を向けている女性が,前方の樹木や建造物などの
風景を眺めている図形部分とから構成された結合商標である。
引用商標3のうちの「diptyque」の文字部分は,楕円状リング
の図形部分を構成する外側の楕円部分と内側の楕円部分の間の空間の上方
の看者の目につきやすい位置に配置されており,当該文字部分から,「デ
ィプティック」の称呼が生じるとともに,相当数の需要者において,アロ
マキャンドルないしフレグランスキャンドル,香水,化粧品等のブランド
を連想,想起するものと認められる。
加えて,「L’EAUdeNEROLI」の語は,フランス語であ
るところ,我が国において一般的に知られた語であるとはいえないから,
「L’EAUdeNEROLI」の文字部分からは特段の観念が生じ
ないこと,内側の楕円部分内の図形部分は上記文字部分の背景の図柄と認
識されることを考慮すると,引用商標3が本件商標の指定商品である「化
粧品,せっけん類」に使用された場合には,引用商標3のうちの「dip
tyque」の文字部分は,取引者,需要者に対し,上記商品の出所識別
標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
したがって,引用商標3のうちの「diptyque」の文字部分は,
引用商標3の要部に当たるものと認められる。
イ本件商標の要部である「Dr.Linn」及び「Sakurai」の二
段書きの文字部分と引用商標3の要部である「diptyque」の文字
部分とを対比すると,外観,称呼及び観念のいずれにおいても明らかに相
違するから,前記(2)イと同様の理由により,本件商標は,全体として引用
商標3と非類似の商標である。
これに反する原告の主張が理由がないことは,前記(2)ウのとおりである。
(4)本件商標と引用商標4との類否について
ア引用商標4は,別紙2記載の4のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(外側の楕円部分)の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円(内側の楕円部分)を配置した図形部分(楕円
状リングの図形部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「d
iptyque」の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の
文字部分と,右方及び左方にそれぞれ配置された「34bouleva
rdsaintgermain」の文字部分と,内側の楕円部分内に
配置されたデザイン化した「H」の文字部分とアイリスの花の図形部分と
から構成された結合商標である。
引用商標4のうちの「diptyque」の文字部分は,楕円状リング
の図形部分を構成する外側の楕円部分と内側の楕円部分の間の空間の上方
の看者の目につきやすい位置に配置されており,当該文字部分から,「デ
ィプティック」の称呼が生じるとともに,相当数の需要者において,アロ
マキャンドルないしフレグランスキャンドル,香水,化粧品等のブランド
を連想,想起するものと認められる。
加えて,「H」の文字部分から,商品の記号又は符号を連想,想起させ
るが,特段の観念は生じないこと,内側の楕円部分内の図形部分は上記文
字部分の背景の図柄と認識されることを考慮すると,引用商標4が本件商
標の指定商品である「化粧品,せっけん類」に使用された場合には,引用
商標4のうちの「diptyque」の文字部分は,取引者,需要者に対
し,上記商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認め
られる。
したがって,引用商標4のうちの「diptyque」の文字部分は,
引用商標4の要部に当たるものと認められる。
イ本件商標の要部である「Dr.Linn」及び「Sakurai」の二
段書きの文字部分と引用商標4の要部である「diptyque」の文字
部分とを対比すると,外観,称呼及び観念のいずれにおいても明らかに相
違するから,前記(2)イと同様の理由により,本件商標は,全体として引用
商標4と非類似の商標である。
これに反する原告の主張が理由がないことは,前記(2)ウのとおりである。
(5)本件商標と引用商標5との類否について
ア引用商標5は,別紙2記載の5のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(外側の楕円部分)の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円(内側の楕円部分)を配置した図形部分(楕円
状リングの図形部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「d
iptyque」の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の
文字部分と,右方及び左方にそれぞれ配置された「34bouleva
rdsaintgermain」の文字部分と,内側の楕円部分内に
配置されたデザイン化した「C」の文字部分とバラの花の図形部分とから
構成された結合商標である。
引用商標5のうちの「diptyque」の文字部分は,楕円状リング
の図形部分を構成する外側の楕円部分と内側の楕円部分の間の空間の上方
の看者の目につきやすい位置に配置されており,当該文字部分から,「デ
ィプティック」の称呼が生じるとともに,相当数の需要者において,アロ
マキャンドルないしフレグランスキャンドル,香水,化粧品等のブランド
を連想,想起するものと認められる。
加えて,「C」の文字部分から,商品の記号又は符号を連想,想起させ
るが,特段の観念は生じないこと,内側の楕円部分内の図形部分は上記文
字部分の背景の図柄と認識されることを考慮すると,引用商標5が本件商
標の指定商品である「化粧品,せっけん類」に使用された場合には,引用
商標5のうちの「diptyque」の文字部分は,取引者,需要者に対
し,上記商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認め
られる。
したがって,引用商標5のうちの「diptyque」の文字部分は,
引用商標5の要部に当たるものと認められる。
イ本件商標の要部である「Dr.Linn」及び「Sakurai」の二
段書きの文字部分と引用商標5の要部である「diptyque」の文字
部分とを対比すると,外観,称呼及び観念のいずれにおいても明らかに相
違するから,前記(2)イと同様の理由により,本件商標は,全体として引用
商標5と非類似の商標である。
これに反する原告の主張が理由がないことは,前記(2)ウのとおりである。
(6)本件商標と引用商標6との類否について
ア引用商標6は,別紙2記載の6のとおり,細線と太線からなる二重線で
描いた大きな縦長の楕円(外側の楕円部分)の内側に,二重の太線と細線
で描いた縦長の同心の楕円(内側の楕円部分)を配置した図形部分(楕円
状リングの図形部分)と,両楕円の間に存する空間の上方に配置された「d
iptyque」の文字部分と,下方に配置された「paris5e」の
文字部分と,右方及び左方にそれぞれ配置された「34bouleva
rdsaintgermain」の文字部分と,内側の楕円部分内に
配置された「L’EAUdeTAROCCO」の文字部分と樹木の奥
に見える山脈の麓をラクダに乗って進む隊商を表した図形部分から構成さ
れた結合商標である。
引用商標6のうちの「diptyque」の文字部分は,楕円状リング
の図形部分を構成する外側の楕円部分と内側の楕円部分の間の空間の上方
の看者の目につきやすい位置に配置されており,当該文字部分から,「デ
ィプティック」の称呼が生じるとともに,相当数の需要者において,アロ
マキャンドルないしフレグランスキャンドル,香水,化粧品等のブランド
を連想,想起するものと認められる。
加えて,「L’EAUdeTAROCCO」の語は,フランス語で
あるところ,我が国において一般的に知られた語であるとはいえないから,
「L’EAUdeTAROCCO」の文字部分からは特段の観念が生
じないこと,内側の楕円部分内の図形部分は上記文字部分の背景の図柄と
認識されることを考慮すると,引用商標6が本件商標の指定商品である「化
粧品,せっけん類」に使用された場合には,引用商標6のうちの「dip
tyque」の文字部分は,取引者,需要者に対し,上記商品の出所識別
標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
したがって,引用商標6のうちの「diptyque」の文字部分は,
引用商標6の要部に当たるものと認められる。
イ本件商標の要部である「Dr.Linn」及び「Sakurai」の二
段書きの文字部分と引用商標6の要部である「diptyque」の文字
部分とを対比すると,外観,称呼及び観念のいずれにおいても明らかに相
違するから,前記(2)イと同様の理由により,本件商標は,全体として引用
商標6と非類似の商標である。
これに反する原告の主張が理由がないことは,前記(2)ウのとおりである。
(7)小括
以上によれば,本件商標は,引用商標2ないし6に類似する商標(商標法
4条1項11号)に該当するものとは認められない。
したがって,これと同旨の本件審決の判断に誤りはないから,原告主張の
取消事由2は理由がない。
3取消事由3(商標法4条1項15号該当性の判断の誤り)について
原告は,引用商標1及びその構成中の楕円状リングの図形部分は,本件商標
の登録出願時及び登録査定時において,使用による識別力を獲得し,原告の業務
に係る原告商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたもので
あること,引用商標2ないし6及びその構成中の楕円状リングの図形部分も,こ
れと同様であることからすると,本件商標がその指定商品に使用された場合には,
本件商標と引用商標1ないし6における構成要素として共通かつ類似する楕円
状リングの図形部分によって,取引者,需要者をして,原告を連想,想起させ,
その商品が原告又は原告と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務
に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあ
るから,本件商標は,商標法4条1項15号に該当するものであり,これを否定
した本件審決の判断は誤りである旨主張する。
しかしながら,前記1(2)ウで説示したとおり,引用商標1及びその構成中の
楕円状リングの図形部分は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,使
用による識別力を獲得し,原告の業務に係る原告商品を表示するものとして,需
要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないから,原告の上記主
張は,その前提を欠くものであり,理由がない。
したがって,本件商標は同号に該当しないとした本件審決の判断に誤りはない
から,原告主張の取消事由3は理由がない。
4結論
以上のとおり,原告主張の取消事由はいずれも理由がなく,本件審決にこれ
を取り消すべき違法は認められない。
したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官大鷹一郎
裁判官古河謙一
裁判官山門優
(別紙1)本件商標目録
(別紙2)引用商標目録

2登録第4598993号
登録出願日平成13年9月20日
設定登録日平成14年8月23日
指定商品
第3類「せっけん類,部屋用芳香剤その他の香料類,オーデコロンその他の
化粧水,その他の化粧品」
第4類「芳香性を有するろうそく,その他のろうそく」
3国際登録第953461号
国際登録日平成20年2月5日
設定登録日平成21年5月22日
指定商品
Class3「Bleachingpreparationsandothersubstancesforlaundryuse;
cleaning,polishing,scouringandabrasivepreparations;non-medicate
dtoiletpreparations;preparationsandsubstancesfortheconditionin
g,careandappearanceoftheskin,body,face,eyes,hair,scalp,tee
thandnails;soaps,personalcleansingpreparations,showergels,bat
hgelsandbathcosmeticpreparations;perfumery,eaudeparfum,colog
nesandtoiletwaters;deodorantpreparationsforpersonaluse,anti-p
erspirants,cosmetics,haircolourants,eyecosmetics,nailcosmetics,
lipcosmetics,makeupremovers,tissuesimpregnatedwithcosmeticpr
eparations;shampoos,hairconditioners,preparationsforthehair,ha
irlotions;dentifrices;suntanningpreparations,sun-screeningprepa
rations;shavingpreparations,aftershaveandpreshavelotionsando
ils,depilatorypreparations;essentialoils,oilsfortoiletpurpose
s;pomanders,potpourris,fragrancedsachetsfordrawers,roomfragran
ce,incense,plantextractsforuseasaromaticsincosmetics.」
(訳文・第3類「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤
を除く。),つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤,医療用でない化粧品,皮膚・
身体・顔・目・毛髪・頭皮・歯及びつめのコンディショニング用・ケア用及び
外観を整えるための化粧品,せっけん,身体用洗浄剤,シャワー用ゲル状洗浄
剤,浴用ジェル及び浴用化粧品,香料類及び香水類,オードパルファム,オー
デコロン及び化粧水,身体用防臭剤,制汗用化粧品,化粧品,毛髪用着色剤,
目用化粧品,つめ用化粧品,唇用化粧品,化粧落とし,ティッシュに浸み込ま
せた化粧剤,シャンプー,ヘアーコンディショナー,毛髪用剤(医療用でない
もの),ヘアーローション,歯磨き,日焼け用化粧品,日焼け止め用化粧品,
ひげそり用剤,アフターシェーブ用及びプレシェーブ用のローション及び油,
脱毛剤,精油,化粧用油,ポマード,ポプリ,引き出し用におい袋,室内用芳
香剤,香,化粧品用香料として使用するための植物エキス」)
4国際登録第990558号
国際登録日平成20年12月16日
設定登録日平成22年5月28日
指定商品
Class3「Bleachingpreparationsandothersubstancesforlaundryuse;
cleaning,polishing,scouringandabrasivepreparations;non-medicate
dtoiletpreparations;preparationsandsubstancesfortheconditionin
g,careandappearanceoftheskin,body,face,eyes,hair,scalp,tee
thandnails;soaps,personalcleansingpreparations,showergels,bat
hgelsandbathcosmeticpreparations;perfumery,eaudeparfum,colog
nesandtoiletwaters;deodorantpreparationsforpersonaluse,anti-p
erspirants,cosmetics,haircolourants,eyecosmetics,nailcosmetics,
lipcosmetics,makeupremovers,tissuesimpregnatedwithcosmeticpr
eparations;shampoos,hairconditioners,preparationsforthehair,ha
irlotions;dentifrices;suntanningpreparations,sun-screeningprepa
rations;shavingpreparations,aftershaveandpreshavelotionsando
ils,depilatorypreparations;essentialoils,oilsfortoiletpurpose
s;pomanders,potpourris,fragrancedsachetsfordrawers,roomfragran
ce,incense,plantextractsforuseasaromaticsincosmetics.」
(訳文・第3類「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤
を除く。),つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤,医療用でない化粧品,皮膚・
身体・顔・目・毛髪・頭皮・歯及びつめのコンディショニング用・ケア用及び
外観を整えるための化粧品,せっけん,身体用洗浄剤,シャワー用ゲル状洗浄
剤,浴用ゲル状洗浄剤・化粧品及び浴用化粧品,香料類及び香水類,オードパ
ルファム,オーデコロン及び化粧水,身体用防臭剤,制汗用化粧品,化粧品,
毛髪用着色剤,目用化粧品,つめ用化粧品,唇用化粧品,化粧落とし,ティッ
シュに浸み込ませた化粧剤,シャンプー,ヘアーコンディショナー,毛髪用剤
(医療用でないもの),ヘアーローション,歯磨き,日焼け用化粧品,日焼け
止め用化粧品,ひげそり用剤,アフターシェーブ用及びプレシェーブ用のロー
ション及び油,脱毛剤,精油,化粧用油,ポマード,ポプリ,引き出し用にお
い袋,室内用芳香剤,香,化粧品用香料として使用するための植物エキス」)
5国際登録第990559号
国際登録日平成20年12月16日
設定登録日平成22年5月28日
指定商品
Class3「Bleachingpreparationsandothersubstancesforlaundryuse;
cleaning,polishing,scouringandabrasivepreparations;non-medicate
dtoiletpreparations;preparationsandsubstancesfortheconditionin
g,careandappearanceoftheskin,body,face,eyes,hair,scalp,tee
thandnails;soaps,personalcleansingpreparations,showergels,bat
hgelsandbathcosmeticpreparations;perfumery,eaudeparfum,colog
nesandtoiletwaters;deodorantpreparationsforpersonaluse,anti-p
erspirants,cosmetics,haircolourants,eyecosmetics,nailcosmetics,
lipcosmetics,makeupremovers,tissuesimpregnatedwithcosmeticpr
eparations;shampoos,hairconditioners,preparationsforthehair,ha
irlotions;dentifrices;suntanningpreparations,sun-screeningprepa
rations;shavingpreparations,aftershaveandpreshavelotionsando
ils,depilatorypreparations;essentialoils,oilsfortoiletpurpose
s;pomanders,potpourris,fragrancedsachetsfordrawers,roomfragran
ce,incense,plantextractsforuseasaromaticsincosmetics.」
(訳文・第3類「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤
を除く。),つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤,医療用でない化粧品,皮膚・
身体・顔・目・毛髪・頭皮・歯及びつめのコンディショニング用・ケア用及び
外観を整えるための化粧品,せっけん,身体用洗浄剤,シャワー用ゲル状洗浄
剤,浴用ジェル及び浴用化粧品,香料類及び香水類,オードパルファム,オー
デコロン及び化粧水,身体用防臭剤,制汗用化粧品,化粧品,毛髪用着色剤,
目用化粧品,つめ用化粧品,唇用化粧品,化粧落とし,ティッシュに浸み込ま
せた化粧剤,シャンプー,ヘアーコンディショナー,毛髪用剤(医療用でない
もの),ヘアーローション,歯磨き,日焼け用化粧品,日焼け止め用化粧品,
ひげそり用剤,アフターシェーブ用及びプレシェーブ用のローション及び油,
脱毛剤,精油,化粧用油,ポマード,ポプリ,引き出し用におい袋,室内用芳
香剤,香,化粧品用香料として使用するための植物エキス」)
6国際登録第990560号
国際登録日平成20年12月16日
設定登録日平成22年5月28日
指定商品
Class3「Bleachingpreparationsandothersubstancesforlaundryuse;
cleaning,polishing,scouringandabrasivepreparations;non-medicate
dtoiletpreparations;preparationsandsubstancesfortheconditionin
g,careandappearanceoftheskin,body,face,eyes,hair,scalp,tee
thandnails;soaps,personalcleansingpreparations,showergels,bat
hgelsandbathcosmeticpreparations;perfumery,eaudeparfum,colog
nesandtoiletwaters;deodorantpreparationsforpersonaluse,anti-p
erspirants,cosmetics,haircolourants,eyecosmetics,nailcosmetics,
lipcosmetics,makeupremovers,tissuesimpregnatedwithcosmeticpr
eparations;shampoos,hairconditioners,preparationsforthehair,ha
irlotions;dentifrices;suntanningpreparations,sun-screeningprepa
rations;shavingpreparations,aftershaveandpreshavelotionsando
ils,depilatorypreparations;essentialoils,oilsfortoiletpurpose
s;pomanders,potpourris,fragrancedsachetsfordrawers,roomfragran
ce,incense,plantextractsforuseasaromaticsincosmetics.」
(訳文・第3類「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤
を除く。),つや出し剤,擦り磨き剤及び研磨剤,医療用でない化粧品,皮膚・
身体・顔・目・毛髪・頭皮・歯及びつめのコンディショニング用・ケア用及び
外観を整えるための化粧品,せっけん,身体用洗浄剤,シャワー用ゲル状洗浄
剤,浴用ジェル及び浴用化粧品,香料類及び香水類,オードパルファム,オー
デコロン及び化粧水,身体用防臭剤,制汗用化粧品,化粧品,毛髪用着色剤,
目用化粧品,つめ用化粧品,唇用化粧品,化粧落とし,ティッシュに浸み込ま
せた化粧剤,シャンプー,ヘアーコンディショナー,毛髪用剤(医療用でない
もの),ヘアーローション,歯磨き,日焼け用化粧品,日焼け止め用化粧品,
ひげそり用剤,アフターシェーブ用及びプレシェーブ用のローション及び油,
脱毛剤,精油,化粧用油,ポマード,ポプリ,引き出し用におい袋,室内用芳
香剤,香,化粧品用香料として使用するための植物エキス」)

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採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
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ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

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