弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点について。
 被上告人が本件家屋の売買代金残額として上告人に送付した金二〇〇〇円が上告
人の手許に存することを上告人において争わなかつたことは弁論の経過に徴してこ
れを肯認しえられるのであつて、所論の原判示は右の趣旨に外ならない。されば原
判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 私文書は、本人又はその代理人の署名又は捺印あるときは、之を真正なるものと
推定せらるべきものであるから(民訴三二六条)、上告人の署名捺印の成立に争な
く他に別段の反証もない所論甲第八号証の一、二を真正に成立したものと認定判示
した原判決には所論のような違法なく、論旨は理由がない。
 よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判
決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

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