弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人橋田政雄の上告理由について。
 被上告人の母である訴外Dが昭和二元年頃訴外Eよりその所有にかかる本件土地
の南側半分を賃借したこと、その後更にDは、右Eの死亡によりその相続人として
本件土地に対する三分の二の割合の持分権を取得した訴外Fより、本件土地の北側
半分を賃借した旨の原判決の事実認定は、その挙示する証拠により首肯できないこ
とはない。そして、右過半数の持分権者であるFの承諾によつて、F外二名の本件
土地共有者とD間の本件賃貸借契約が有効に成立した旨の原判決の判断は、民法二
五二条の法意に照らして正当である。しからば、原判決には所論違法のかどは認め
られず、所論は、原審の専権に属する事実認定を非難するか、又は右と異つた見解
に立つて原判決を攻撃するものであつて、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   朔   郎

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