弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人三代英昭、同岡田基志の上告理由について
 原審が認定した事実の要旨は、(1) 上告人A1、同A2が出生した昭和四四年
四月以前においても、未熟児網膜症(以下「本症」という。)の先駆的研究家から
本症の早期発見及び治療法についての研究が発表されたことがあつたが、本邦にお
いて未熟児保育が進歩したのは、欧米において多発していた本症が酸素投与を制限
することによつて影をひそめた後のことであつたので、医療界では未熟児の酸素療
法にあたりその濃度さえ制限すれば本症発生の危険はないとの知見が一般的であつ
た、(2) 本症の早期発見の方法である眼底検査は、その対象が未熟児であるため
特殊な技術の習得を要する等その実施には人的物的な整備期間を必要とし、右上告
人ら出生の当時は、本症を早期に発見してこれに有効な治療方法を施すことを目的
とする眼底検査の実施は、一流の診療機関においても期待しうべくもなかつた、(
3) また、かねてから提唱されていた薬物療法はその後顧みられなくなつており、
右の当時は、本症の治療法として発表された光凝固法も未だ追試早々の段階にあつ
て、一般の臨床医家の間では勿論、眼科学界においても本症に対する有効な治療法
であると認識されたものはなかつた、というのであり、右事実認定は、原判決挙示
の証拠関係に照らして肯認することができる。
 思うに、人の生命及び健康を管理すべき業務に従事する者は、その業務の性質に
照らし、危険防止のために実験上必要とされる最善の注意義務を要求されるが(最
高裁昭和三一年(オ)第一〇六五号同三六年二月一六日第一小法廷判決・民集一五
巻二号二四四頁参照)、右注意義務の基準となるべきものは、診療当時のいわゆる
臨床医学の実践における医療水準であるから、前記事実関係のもとにおいて、被上
告人の経営する総合病院D病院の小児科医であるE医師が、上告人A1らの入院中
及びその第一回健康相談時において、眼底検査の必要性を認識せず、転医の指示等
を含む格別の措置をとらなかつたこと及び被上告人が産科、小児科と眼科の協同診
療体制の指示等をしなかつたことに所論の注意義務の違反はなく、被上告人の債務
不履行責任は認められないとした原審の判断は正当であつて、その過程に所論の違
法はない。論旨は、ひつきよう、原審の認定しない事実を前提とし、又は独自の見
解に立つて原判決を論難するものであつて、いずれも採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    寺   田   治   郎
            裁判官    横   井   大   三
            裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    木 戸 口   久   治

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