弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人佐藤雪得の上告趣意第一点について
 論旨は事実誤認の主張であるから適法の上告理由にあたらない。
 同第二点について
 論旨は法令違反の主張であるから適法の上告理由にあたらない。犯罪の実行を教
唆したところが被教唆者自ら実行せず更らに第三者を教唆して実行せしめた場合に
は犯罪は第一の教唆行為に基因するものでこの教唆なかりせば犯罪は実行せられな
かつた関係にあるのであるから、第一の教唆行為と犯罪の実行との間には因果関係
があり、その間第二の教唆行為が介在してもこれがために因果関係は中断せられる
ものとはいえない。従つて原判決には所論の如き違法も存在しないのである。
 同第三点について
 論旨は量刑不当の主張であるから適法の上告理由にあたらない。
 弁護人清瀬一郎、同内山弘の上告趣意第一点について
 被告人Aに対する本件起訴状には論旨引用のとおり記載されているのであるが、
しかし相被告人B及び同Cに対する起訴状記載の各公訴事実と右被告人Aに対する
起訴状記載の公訴事実とを対照し、更らに起訴状に掲げられている罪名、罰条等か
らみて被告人Aに対する公訴事実は本件放火を教唆した事実であると解すべきであ
り、右起訴状記載の公訴事実の末段の被告人宅において放火に用いたボロ切と瓶入
ガソリン約二合程を被告人Bに与えた旨の記載があるからといつて所論のように被
告人Aが放火の実行に参劃した共同正犯の事実が起訴されているものと解すべきで
はない。そして論旨引用の福岡高等裁判所の判例は本件に適切でないから論旨は採
用できない。
 同第二点について
 原判決が「被告人AがBに対しあの工場に火をつけてくれ、焼けたら礼金をやる
からと申向けてBをして放火を決意実行せしめる意思をもつて示唆したときは教唆
行為は完了する」と説示したのは、単に事実上の教唆行為が終了することを示した
ものであることは判文上明らかであり、所論のように被教唆者が犯罪の実行をしな
いときにも教唆罪が成立する趣旨を示したものと解することはできない。それゆえ
原判決は論旨引用の大審院判例と相反する判断をしたものと認めることはできない
のであるから、論旨は採るを得ない。
 なお本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
  昭和二八年六月一二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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