弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人水崎幸蔵の上告理由第一点について。
 論旨は、取締法規の違反があれば特別の理由がない限り過失の推定を受けるべき
であると主張して、原判決が被上告会社に過失がないとしたことの違法をいうが、
本件事故が取締法規の違反に起因したとは、原判決の認定判示しないところである
から、右所論は、原審認定にそわないことを前提とするものであつて採るをえない。
 本件採掘地域にもガス蓄積の危険のある古洞が存在することを本件事故発生当時
被上告会社の代表者およびその被用者が予測していたとの所論は、原審認定に反す
ることをいうにすぎない。また、本件採掘現場附近には古洞は存在しないものと信
じられていた旨の原審認定は、原判決挙示の証拠関係に徴して肯認できる。この点
に関し原判決が証拠に基づくことなく事実認定をした違法は存しない。
 従つて、被上告会社代表者およびその被用者が本件古洞の存在ないしガス蓄積の
危険を予測していたことを前提としてガス突出防止義務を云々する所論は、前提を
欠き、採るに足りない。
 原判決は、所論追加施業案によつても本件採掘現場ならびにその附近は古洞より
の出水事故防止のための先進ボーリング施行地域には包含されておらず、かつ、一
般に出水事故防止のための先進ボーリングはガス事故防止の目的をもつてする場合
とは実施の方法、程度を異にし、掘進に際し坑道の延長線に沿つてするほか必要が
あればその他の方向に対してすれば足りるものであつて、採掘の段階においてまで
これを実施する必要がなかつたため、仮りに被上告会社において所論追加施業案ど
おり天神坑において先進ボーリングを実施したとしても、これによつては本件事故
の一原因となつた古洞の存在を発見することは不可能とみられる関係にあつた、と
の事実を認定し、さらに、その他被上告会社において相当の注意をすれば右古洞の
存在を確知しえたとの事実を認めるべき証拠はないと判示しているのであるから、
右事実関係のもとで被上告会社に上告人主張の過失があつたとすることはできない
とした原判決の判断は首肯できる。その点に採証法則上の違法、判断遺脱または理
由不備の違法は存しない。
 従つて、所論はすべて採用できない。
 同第二点について。
 原判決は、本件事故が監督官庁の所論採掘禁止措置に違反したことに因つて発生
したとは認定判示していないのであるから、右禁止違反と本件事故との間に因果関
係があることを前提とする所論は、採用できない。
 原判決がその認定事実関係のもとで被上告会社の不法行為責任を否定したことに
所論違法はないから、所論はすべて採用できない。よつて、民訴法四〇一条、九五
条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    下   村   三   郎

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