弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人清水賀一の上告理由について
一 上告人の請求は、水産業協同組合法に基づき設立された水産加工業協同組合で
ある上告人が、冷凍さんま等の買付けによって被ったという所論の損失(一億四四
三〇万三二六九円)を補てんするため、組合員から特別賦課金として一人当たり四
九七万五九七五円の金員(以下「本件賦課金」という。)を徴収する旨の総会決議
に基づき、上告人の組合員である被上告人に対し、本件賦課金支払を求めるもので
あるが、水産加工業協同組合の組合員の責任は、定款の定めるところにより、経費
を負担することがあるほか、その出資額を限度とするものであるところ(同法九六
条二項、一九条四項、二二条一項)、本件賦課金が上告人の定款に定める経費に該
当しないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして、正当として
是認することができ、原判決に所論の違法はない。
二 水産加工業協同組合の組合員は、前記のとおり、定款所定の経費を負担するほ
か、その出資額を限度とする有限責任を負担するにとどまるものであるから、組合
が出資額を超えて経費以外の金員を組合員から徴収することは、右金員が組合の損
失を補てんし組合の存続を図るのに必要なものであったとしても、右のいわゆる組
合員有限責任の原則に反するものといわなければならず、その負担に同意した組合
員以外の組合員から右金員を徴収することは許されないと解すべきである。
 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定した事実関係によれば、上告人
は、昭和五三年二月一〇日に開催された臨時総会、同年五月二七日に開催された通
常総会を経て、昭和五四年五月二六日に開催された通常総会において、組合員から
本件賦課金を徴収する旨の決議をしたが、被上告人は、当該決議に反対した、とい
うのである。被上告人が本件賦課金の負担に同意していないことは明らかであって、
被上告人の上告人に対する本件賦課金の支払義務を否定した原審の判断は正当とし
て是認することができる。所論引用の最高裁昭和五二年(オ)第六五二号同年一二
月一九日第二小法廷判決・民集三一巻七号一〇九三頁は、所論の趣旨を判示したも
のではなく(なお、同判決は、農事組合法人の組合員が、総会における全員一致の
決議によって、出資額を超える金員の支払義務の負担に同意している場合に関する
ものである。)、原判決に所論の違法はない。
 論旨は、すべて採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    佐   藤   庄 市 郎
            裁判官    坂   上   壽   夫
            裁判官    貞   家   克   己
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄

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