弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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 右の者に対する詐欺被告事件(昭和六〇年(あ)第八〇七号)について、昭和六
〇年一二月一六日当裁判所がした上告棄却決定(同月一八日被告人に送達)に対し、
異議申立期間の最終日である同月二一日弁護士藤本英介から異議の申立があつたが、
申立当時、同弁護士について弁護人選任届が提出されておらず、したがつてその申
立は不適法であるところ、異議申立期間経過後の同月二三日にその弁護人選任届が
提出されたが、異議申立期間経過後に弁護人選任届が追加提出されたとしても、こ
れによつて右の異議申立が適法有効なものとなるものではないから(最高裁昭和四
五年(し)第五一号同年九月二四日第一小法廷決定・刑集二四巻一〇号一三九九頁
参照)、本件申立は不適法である。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条二項、三八五条二項、四二六条一項により、
裁判官全員一致の意見で、次のとおり決定する。
         主    文
     本件申立を棄却する。
  昭和六一年一月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    大   橋       進
            裁判官    牧       圭   次
            裁判官    藤   島       昭

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