弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負担とする。
         理    由
 上告代理人鍛治利一の上告理由第一点について。
 所論公職選挙法の一部を改正する法律により新たに設けられた第二〇九条の二の
規定は、当選の効力に関する異議、訴願及び訴訟等において、いわゆる潜在的無効
投票のあつた場合につき、当選人を決すべき各候補者の得票数の計算方法を明確な
らしめたものに過ぎないのであるから、右改正法附則二項が右規定を既に裁判所に
繋属していた事件にまで適用すべきものとしたからとて憲法三一条違反の問題を生
ずるものではない。さればこの点に関する原判決の判示は、その理由を異にするけ
れども結局正当であつて論旨は採用の限りでない。
 同第二点について。
 論旨は、原判決が上告人主張にかかる潜在的無効投票の存在は上告人等の証拠に
よつてはいまだこれを認めるに十分でないと判示したことを違法であると主張する。
しかし、原判決は右の判示に続いてかりにかかる無効投票が存在していたとしても、
前掲公職選挙法二〇九条の二の規定に従い、その無効投票数を各候補者の得票数に
按分して計算すれば、本件当選人の当選の効力には何等影響するところはない旨判
示しているのであり、しかもこの点に関する原判旨は首肯し得る。それ故かりに原
判決に所論のような違法があるとしても原判決の主文を左右するに足りない。論旨
は採るを得ない。
 同第三点について。
 原判決が所論検甲第二五七号の投票をCに対する有効投票と認めたことは論旨の
指摘するとおりである。しかし、論旨は右の投票にはその表面にCとの記載があり、
ただその裏面にDなる記載を一本棒を引いて抹消してあるというに過ぎないのであ
るから、原判決がこれを書損した文字を抹消したに止まり意識的な他事記載とは認
め難いとしてCに対する有効投票に算入したのは正当であつて、論旨は理由がない。
 同第四点について。
 記録によれば、本件訴は昭和二六年九月八日原審に提起されたものであり、原判
決は同年一〇月二〇日の第一回口頭弁論期日以来同二八年四月二八日の最終口頭弁
論期日に至るまで前後一二回の弁論期日を経て審理をなした上、同年六月一三日に
言渡されたものであるところ、所論検証の申請は右最終口頭弁論期日においてなさ
れたものであり、その立証せんとする事項も同日はじめて主張せられたものである
ことが窺われる。そして右訴訟の経緯に徴すれば、原審は時機におくれた攻撃方法
として該申請を却下し弁論を終結したものと認めるのを相当とすべく、しかも時機
におくれた攻撃方法である以上、たとえ一定の要証事項に対する唯一の証拠方法で
あつても、これを却下し得べきことは勿論であるから、右原審のなした措置は首肯
し得る。それ故原判決には所論のような違法はなく論旨は採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり判決する。
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    池   田       克

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛