弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人八木下繁一、同原秀男並びに被告人の各上告趣意はそれぞれ末尾添附の書
面記載のとおりであつてこれに対する当裁判所の判断は次のとおりである。
 弁護人八木下繁一の上告趣意第一点について。
 死刑が憲法第三六条にいわゆる残虐な刑罰に当らないことは既に当裁判所の判例
とするところであつて、(昭和二四年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷
判決昭和二四年(れ)五六〇号同年八月一八日第一小法廷判決)論旨を精読しても
右判例を変更する必要を認めないから論旨は理由がない。
 同第二点について。
 然し、原審は被告人の原審公判廷の供述及びその態度並びに訴訟記録その他諸般
の情況に照らし被告人の精神状態に所論のような異常がないと判断しているのであ
る。そうして事実審裁判所が被告人の犯行当時における精神状態について疑のない
程度にその認識を得た場合にはわぎわざ専門家に鑑定させてその結果を判断の資料
に供する必要はないのである。(昭和二三年(れ)第一四二二号同二四年二月八日
第二小法廷判決参照)そうして原審の右認定が経験則に反するものとは認められな
いから論旨は理由がない。
 弁護人原秀男の上告趣意第一点について。
 記録を調べてみると、原審第四回公判廷において八木下弁護人は坂本弁護人作成
提出に係る昭和二三年一二月二〇日附証拠調の請求と題する書面に基き証拠調並び
に鑑定を申請し、右証拠調の請求と題する書面には検証の申請としては本件犯行の
現場、a池附近被害者A方居宅並びに証拠物たる鋸の発見された場所等の記載があ
り、原審は右申請は鑑定を除く外全部許容し、右証拠調の施行は六月一九日午後一
時から本件現場たる土浦市大字bc番地松林内(被害者Aの屍体を発見した場所)、
同市内大字de番地B方及び同市内f町g番地(鋸の発見された場所)を受命判事
により検証し云々する旨の決定をしていること所論のとおりである。然し、右a池
附近の検証の申請はその申請の趣旨に徴し本件犯行の現場に関聯する場所としての
検証の申請であり原審が特に右a池附近の検証申請を除外せず前記検証の申請全部
を許容し、その証拠調の施行について本件犯行現場その他の検証日時の決定をした
のは右a池附近を含めて本件犯行の現場及びこれに関聯する場所についての検証日
時をも決定したものと解される。この趣旨は原審検証調書及びその添附図面の記載
によれば原審受命判事はその指定の日時、坂本弁護人及び原弁護人立会の上前記施
行の現場及びa池等について検証をしていること及び当日は勿論その後最後迄この
点につき弁護人からも被告人からも何等の異議の無かつたことからも亦窺知できる
のである。されば原審の訴訟手続には所論の証拠調の施行について決定をせず若く
は証拠調の請求について決定をしなかつた違法があるということはでき次い。論旨
は理由がない。
 同等二点について。
 論旨は原審が前記a池の検証を施行しなかつたことを前提とするものであるが、
その前提の採用できないこと前記説明のとおりであり、かつ又原審第六回公判調書
によれば(七五〇丁裏)裁判長は前記検証調書及び添附図面について適法な証拠調
をしていること明らかであるから論旨は理由がない。
 同第三点について。
 死刑が憲法第三六条にいわゆる残虐な刑罰に当らないこと前記八木下弁護人論旨
第一点について説明したところであつて論旨は理由がない。
 被告人の上告趣意について。
 原判決が被告人に対する判示犯罪事実を認定したことはその挙示引用の証拠に徴
し十分肯認できるのであり右認定が実験則に違背するものとは認められないから論
旨は理由がない。
 よつて旧刑訴法四四六条に従い全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。
 検察官 十藏寺宗雄関与
  昭和二六年四月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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