弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
一原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。
二被控訴人の請求を棄却する。
三訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
事実
第一当事者の求める裁判
一控訴人
主文同旨。
二被控訴人
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
第二当事者の主張
一原判決の引用、補正
当事者双方の主張は、次の二、三のとおり附加するほかは、原判決事実摘示記
載のとおりであるから、これを引用する。
二控訴人の当審附加主張
1「適正な時価」の意義
地方税法(以下、法という)は、具体的な土地の評価方法について「市町村、
長は、三八八条一項の固定資産評価基準によって、固定資産の価格を決定しな
ければならない四〇三条一項と定めているそして右価格とは適。」()。、「」、「
正な時価」をいう(三四一条五号。)
したがって、右「適正な時価」とは、評価基準に従って評定された価格でな
ければならない。評価基準に定める具体的評価要素が、具体的な土地の特殊性
に照らして適切さを欠くとみえる場合があるとしても、法は評価基準による評
価が客観的時価との不一致程度の個別的差異を許容している。
ところが、原判決は「評価基準はそれ自体が絶対的な評価ではなく『適正、、
な時価』を算出するための一手段に過ぎない」という。その上で「本件にお。、
いては、鑑定人P1の鑑定結果が存するのであるから、評価基準による必要は
ない」と判断しており、誤っている。。
2「適正な時価」額
原判決は、前示のとおり「評価基準はそれ自体が絶対的な評価でなく『適、、
正な時価』を算出するための一手段に過ぎない」という。それならば、P1鑑
定による評価額も「適正な時価」を算出するための一手段に過ぎない。、
そもそも、本件では、本件土地の一平方メートル当たりの価格は、次の五通
りのものが出されている。
㈠評価基準による評価(控訴人の評価)五八九万六八〇〇円。
㈡平成六年の地価公示価格を基礎に、評価基準に従って評価された価格
六一八万〇三〇〇円。
㈢P1鑑定による評価額四六六万二〇〇〇円。
㈣P2意見書による評価(乙二五)七一〇万三九〇〇円。
㈤P3評価書による評価(乙三二)六二二万〇〇〇〇円。
以上は、いずれも「適正な時価」を算出するための一手段であり「適正な時、
価」への接近手法により導かれた価格である。本件では、評価基準適用の違法
性がないから、前示㈠の評価も「適正な時価」である。前示㈠ないし㈤の平均
値をとるならば六〇一万二六〇〇円である。絶対的な時価というものがない以
上、前示㈠の評価も「適正な時価」の範囲内にある。
3P1鑑定の誤り
㈠P1鑑定は、現在の利用を固定化した方式での「階層別・位置別効用比格
差」を鑑定評価の前提とし、これを二〇・六パーセントとした(一二頁。)
しかし、この効用比格差は、鑑定人の主観が大きく入り込むものである。
そこで、P3評価書は、本件土地は接道義務を充たすことにより再建築可能
であり、現在の利用を固定化した方法で効用比格差という個性率を査定する
ことは極めて妥当性を欠くとして、これを排除している(乙三二−一四頁。)
このように効用比格差を鑑定の評価とすること自体が不適切である。
仮に、効用比格差を鑑定評価の前提とするにしても、P2意見書の効用比
格差五三・二パーセント(乙二五−三頁)によるべきである。
、「」()㈡P1鑑定は表地の全面買収コストに着目する試算をしている一四頁
が、本件土地が極めて繁華性の高い高度商業地であることから、表地全面買
収の可能性は極めて低い。また、一般的にも、部分買取よりも全面買取の方
が買い増し率が高くなる。
このような試算を「適正な時価」を算定する手法として用いることは不適
切である。この点につき、P3評価書は、進入路部分を買収することを想定
して判定している(乙三二−一四頁、一五頁。)
㈢P1鑑定の「表地の全面買収コストに着目する試算(一四、一五頁、同」)
「表地の進入路拡幅コストに着目する試算(一五、一六頁)の計算式には、」
分母に四八・五五平方メートル、四・五七平方メートルを加算しなければな
らない。そうすると、個性率は〇・六四四、〇・六九五となる。
三被控訴人の当審附加主張
1評価基準不適用の違法
本件土地は、京都市内でも最も繁華街の商業地区内にありながら、建築基準
法上の接道義務を充たさない袋地である。そのため、著しく利用制限のある土
地であり、評価基準の「画地計算法」の適用に当たっては「所要の補正」をし、
て評価しなければならない。その「所要の補正」は、専門家による鑑定理論評
価に従った個別鑑定の結果により補正すべきである。
ところが控訴人は右著しい利用制限による減価について評価基準の所、、、「
要の補正」として、袋地奥行価格逓減率〇・九、袋地均衡補正率〇・七、特別
事情による補正率〇・九の補正(減価率累計〇・五六七の補正)をしたに過ぎ
ない。右補正では、評価基準による「所要の補正」をしたことにはならず、控
訴人の本件決定は違法である。
P1鑑定は、本件土地の袋地としての個性率(減価率)を四二パーセントと
評価している(二一頁。控訴人は、P1鑑定の鑑定価格一〇億四五〇〇万円ま)
で「所要の補正」をして、本件土地価格を決定すべきであった。
2「適正な時価」の意義
評価基準は、それ自体が絶対的な評価ではなく「適正な時価」を算出するた、
めの一手段に過ぎない。
評価基準の個別規定による価格評価が「適正な時価(客観的時価)と食い違」
うことは、評価基準の性質上当然あることである。評価基準による価格評価が
「適正な時価(客観的時価)を上回った場合は、その限度で評価基準による価」
格評価は違法となる。
「適正な時価(客観的時価)の算定は、鑑定評価理論に従って、個々の土地」
について、個別的、具体的に鑑定評価をすることが最も正確な方法である。
3「適正な時価」額
、、本件では裁判所によって選任された不動産鑑定士であるP1鑑定人により
鑑定評価理論に従って、本件土地について個別的、具体的に鑑定評価された鑑
定結果が出ている。
P1鑑定は、本件土地の個性率について、a階層別、位置別効用比格差に着
目する試算法、b表地の全面買収コストに着目する試算法、c表地の進入路拡
幅コストに着目する試算法を用いて、詳細に検討を加えている(一二頁ないし
一七頁。その上で、本件土地の袋地としての個性率を算定し、本件土地の評価)
額を算出している(一九頁ないし二一頁。)
このP1鑑定の評価額である一〇億四五〇〇万円が、本件土地の「適正な時
価(客観的時価)である(当審予備的主張。本件決定中、右金額を超える部」)
分について取消を命じた原判決は正当であり、維持されるべきである。
4P1鑑定の批判に対する反論
㈠控訴人は、P2意見書、P3評価書に基づき、P1鑑定を批判する。しか
し、これらは私的な意見書、評価書であり、その中立性、公平性の担保がな
。、、、、い他方P1鑑定は裁判所選任の鑑定人による中立公平な鑑定であり
十分に信用できる。
㈡控訴人は、P1鑑定が効用比格差に基づく個性率を認定していることを批
判する。しかし、現在の使用価値を全く考慮しない控訴人の主張は、鑑定理
論としては不適切であり、とり得ないものである。
P3評価書ですら「不動産の経済価値は現在の利用は勿論であるが、将来、
の可能性に価値がある」として、現在の利用についても評価すべきことを認
めている。この考えからすれば、当然に、現在の使用価値からの評価である
効用比格差の個性率をその鑑定評価の手法に加えるべきことになる。P2意
見書は、効用比格差の鑑定手法自体を批判していない。
㈢控訴人は、P1鑑定が表地の全面買取コストに着目する試算をしているこ
とを批判する。しかし、進入路買収の蓋然性と全面買収の蓋然性に、全面買
収を全く排斥するほど蓋然性の差があるとは考えられない。専門的な鑑定な
ら、全面買収と部分買収の両方の手法を検討すべきである。
㈣控訴人は、P1鑑定の「表地の全面買収コストに着目する試算「表地の」、
進入路拡幅コストに着目する試算」の分母に、四八・五五平方メートル、四
・五七平方メートルを加算すべきであるという。
しかし、右控訴人の主張に従うと、分母については本件土地+表地の価額
となり、分子については本件土地のみの価額となってしまい、本件土地の個
性率は算定できない。この主張では、本件土地に買収する表地を加えた土地
についての個性率を算定することになり、相当でない。
理由
第一判断の大要
当裁判所は、大要次のとおり判断する。その理由について、次の第二以下で順次
説示する。
一被控訴人は、本件土地の共有持分権者であり、平成六年度の固定資産税の納税
義務者である。京都市長は、本件土地の平成六年度の固定資産税の課税標準を一
四億八四四八万六六〇〇円と決定し、これを固定資産課税台帳に登録した。
被控訴人は、これを不服として、控訴人に対し、固定資産課税台帳の登録事項
に関する審査の申出をした。すると、控訴人は、右課税標準を一三億三六〇三万
七九〇〇円に減額修正する決定(本件決定)をした。
二本件土地は、京都市内の屈指の商業立地性のあるα交差点付近にあるが、袋地
。。であったβ通りとは間口一・三四メートルの南北通路部分によって通じている
三本件土地の平成六年度の固定資産税の課税標準、すなわち、本件土地の平成六
年一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)は、控訴人主張のとおり評価基」
。準に根拠を有する要領に従い算出した一三億三六〇三万七九〇〇円と認められる
原審裁判所が選任したP1鑑定人は、右「適正な時価(客観的時価)を一〇億」
四五〇〇万円と鑑定しているが、本件土地の個性率(袋地減価率等による個性的
価格算定率)を不当に低く評価しており、妥当性を欠く。
本件決定には、被控訴人主張の基準日の違法、評価基準不適用の違法「適正な、
時価(客観的時価)を超える評価額認定の違法があるとは認められない。」
四原判決は、これと異なり、本件土地の平成六年度の課税標準は、P1鑑定の評
価額一〇億四五〇〇万円と同額と認定し、本件決定中、同金額を超える部分を取
り消している。これは相当でない。
原判決中控訴人敗訴部分を取り消し、被控訴人の請求を全部棄却する。
第二前提事実
控訴人が本件決定をするに至った経過、本件土地の立地状況、形状等は、原判決
二四頁三行目から二七頁八行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
第三土地評価に関する法の規定等の検討
一法の規定等
1固定資産に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は、当該固定資産
の基準年度に係る賦課期日における価格、すなわち「適正な時価」で土地課税、
台帳等に登録されたものである(法三四一条五号、三四九条一項。右賦課期日)
は、当該年度の初日の属する年の一月一日であり(法三五九条、本件では平成)
六年一月一日である。
2登録価格の決定に際しての固定資産の評価については、自治大臣が、評価の
基準並びに評価の実施の方法及び手続を定め、これを告示しなければならない
(法三八八条一項。右規定に基づき、固定資産評価基準(昭和三八年一二月二)
五日自治省告示第一五八号(以下、評価基準という)が告示されている。)
3市町村長は評価基準によって固定資産の価格を決定しなければならない法、(
四〇三条一項。右価格決定が評価基準によって行われていないと認められると)
きは、道府県知事は市町村長に対し、固定資産の登録価格を修正して登録する
よう勧告するものとし、自治大臣は右勧告をするよう指示するものとしている
(法四一九条一項、四二二条の二第一項。)
4評価基準の取扱いに関しては自治事務次官の依命通達である「固定資産評価
」()(、基準の取扱いについて昭和三八年一二月二五日自治乙固発第三〇号以下
取扱通達という)が発せられている。
5京都市においては、評価基準に基づいて、京都市固定資産評価要綱(以下、
要綱という)及び同要領(以下、要領という)を定めており、これにより固定
資産の評価を行っている。
二評価基準が定める評価方法
評価基準が定める宅地の評価方法の概要は、次のとおりである(乙一五、評価
基準第1章第3節。)
1宅地の評価
地目の現況が宅地である場合の土地の評価は、各筆の宅地について評点数を
付設し、当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求め
る方法による。
2評点数の付設
主として市街地的形態を形成する地域における宅地の評点数については「市、
街地宅地評価法」によって付設する。
3市街地宅地評価法
市街地宅地評価法による宅地の評価手続の概要は、以下のとおりである。
㈠地区区分と標準宅地の選定
宅地を商業地区、住宅地区、工業地区、観光地区等に区分する。各地区に
ついて、状況が相当相違する地域ごとに、その主要な街路に沿接する宅地の
うちから奥行、間口、形状等の状況が当該地域において標準的なものと認め
られる標準宅地を選定する。
㈡路線価の付設
標準宅地について、売買実例価額から正常な条件下での価格を求め、この
価格から適正な時価を求める。その単位地積当たりの適正な時価に基づいて
当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設する。
主要な街路以外のその他の街路については、近傍の主要な街路の路線価を
基礎とし、主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地と
の間における宅地利用上の便等の相違を総合的に考慮して、その単位地積当
たりの路線価を付設する。
㈢各宅地の評価
各筆の宅地の評点数は、その沿接する路線価を基礎とし、各筆について評
価の対象とすべき画地を認定する。そして、奥行のある土地、正面と側面あ
るいは裏面等に路線がある土地、三角地又は不整形地、無道路地もしくは袋
地等の状況に従って、所定の補正を加える方式(画地計算法)を適用して決
定する。各筆の宅地の価格は、この評点数に評点一点当たりの価額を乗じて
算出する。
なお、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、画地計算法に
おける評価基準別表第3の付表等について、所要の補正をして、適用するも
のとされている。
三平成六年度の評価替えに関する通達等
1七割評価通達
自治事務次官は、平成六年度の評価替えに当たり、取扱通達を一部改正する
旨の通知(平成四年一月二二日自治固第三号、乙一九(以下、七割評価通達と)
いう)を各都道府県知事宛に発した。七割評価通達は、次の㈠の従前の取扱通
達に、次の㈡を付け加えたものである。
㈠取扱通達
土地の評価は、売買実例価額から求める正常売買価格に基づいて適正な時
価を評定する方法による。
㈡付け加えた内容
宅地の評価に当たっては、地価公示法による地価公示価格、国土利用計画
法施行令による都道府県地価調査価格及び不動産鑑定士等による鑑定評価か
ら求められた価格を活用することとし、これらの価格の一定割合(当分の間
この割合を七割程度とする)を目途とする。
2時点修正通知
また、自治省税務局資産評価室長は、平成六年度の評価替えに当たり「平成、
六年度評価替え(土地)に伴う取扱いについて」と題する通知(平成四年一一
月二六日自治評第二八号、乙八の2(以下、時点修正通知という)を各都道府)
県総務部長等あてに発した。その内容は次のとおりである。
平成六年度の評価替えは、平成四年七月一日を価格調査基準日として標準宅
地について鑑定評価価格を求め、その価格の七割程度を目標に評価の均衡化、
適正化を図ることとしているが、最近の地価の下落傾向に鑑み、平成五年一月
一日時点における地価動向も勘案し、地価変動に伴う修正を行うこととする。
第四「適正な時価」の意義、解釈等の検討
一「適正な時価」の意義
固定資産税は、固定資産の所有者に対して(法三四三条一項、土地等の資産価)
値に着目し、その所有という事実に担税力を認めて課税される財産税である。資
産から生ずる現実の収益に着目して課税される収益税ではない(最判昭和五九・
一二・七民集三八巻一二号一二八七頁参照。)
したがって、資産が土地の場合には、資産価値のある土地の所有という事実に
担税力を認めて課税されるのであって、個々の所有者が現実に土地から収益を得
ているか否か、その収益の多寡、土地が用益権又は担保権の目的となっているか
否か、収益の帰属が何人にあるかを問わず、賦課期日における所有者を納税義務
者として、その土地の価格に着目して課税されるのである。
一般的には、土地の「適正な時価」とは、正常な条件の下に成立する当該土地
の取引価格、すなわち、客観的な交換価値というだけでよい。しかし、地方税法
三四一条五号にいう「適正な時価」は、使用収益される状態における固定資産の
価値に着目して課税される固定資産税の課税標準となる価格である。そうである
から、その土地を使用収益するためにこれを取得するとして、その取得の際に付
せられるべき更地の売買価格(調整価格(以下、客観的時価という)を指す。)
二「適正な時価」の算定基準日
1土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は、当該土地の基準年
度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳等に登録された価格である法、(
三四九条一項。そして、固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年)
の一月一日である(法三五九条一項。)
したがって、本件でも、平成六年一月一日時点における本件土地の「適正な
時価(客観的時価)をもって、本件土地の登録価格とすべきであり、これが本」
件土地の固定資産税の課税標準となる。
評価基準の定めもこれを前提とするものであり、他の時点をもって登録価格
の算定基準日とする規定はない。
2もっとも、法四一〇条は、市町村長の価格決定を賦課期日の約二か月後に当
たる二月末日までに行うべきものとしている。しかし、大量に存在する固定資
産につき「適正な時価(客観的時価)を算定する諸手続を考慮すると、約二か」
月間のうちに評価事務のすべてを行うことは実際上極めて困難である。
これを考えると、賦課期日における価格算定の資料とするための固定資産の
価格評定については、賦課期日からこれらの評価事務に要する相当な期間を遡
った時点を価格評価の基準日とすることを、法も許容しているものといえる。
3しかし、このことから、右価格調査の基準日における価格から算定した価格
をもって、賦課期日における価格とみなすことまで、法が許容しているものと
解することはできない。そのように解すると、課税標準を賦課期日の適正な時
価と定める前示法三四九条一項、三五九条一項、三四一条五号に、明らかに抵
触するからである。
価格調査の基準日における価格を基礎として算定した価格が、賦課期日にお
ける「適正な時価(客観的時価)を上回ると見込まれる場合には、予め推定さ」
、れる適正な価格下落率によりこれを修正して固定資産の価格評定事務を遂行し
これにより賦課期日の適正な時価を算出することを、法あるいは評価基準が許
容したものといえる。
4本件では、賦課期日が平成六年一月一日(前示1、価格調査の基準日が平成)
五年一月一日であり、七割評価通達により予め価格下落率をも考慮にいれて評
価基準に従い設定している価格は、平成五年一月一日時点の適正な時価の七割
である(前示第三の三2。)
そうすると、本件土地の平成六年一月一日時点での「適正な時価(客観的時」
価)が、平成五年一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)の七割以上の」
場合にのみ、平成五年一月一日を価格算定の基準日とすることの適法性が認め
られるに過ぎないといえる。
前示第三の三2で考察した時点修正通知は、もとより、平成六年度の土地の
固定資産税の課税標準額を算定するに当たり、平成五年一月一日から平成六年
一月一日までの地価の下落を無視してよいという趣旨ではない。
三「適正な時価」と評価基準による評価との関係
1「適正な時価」を前示一のとおり土地の客観的時価と解すると、土地の「適
正な時価(客観的時価)の算定は、鑑定評価理論に従って個々の土地について」
個別的、具体的に鑑定評価することが最も正確な方法といえるかもしれない。
しかし、課税対象となる土地は全国に大量に存在する。これら全ての土地につ
いて、一定の時間的制約の中で、しかも限られた財政的負担の下で、個別的、
具体的な鑑定評価をすることは、事実上不可能である。そのうえ、個別的な鑑
定評価では、評価人の資質やその鑑定理論の差異により、納税者間の平等を保
つことができない。
そこで、法は、固定資産税の課税標準となる適正な時価の評価方法を一定の
。、、評価基準によることとしているこれによって大量の固定資産について反復
継続的に実施される評価を円滑に行うとともに、各市町村の評価の均衡を確保
し、評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均衡を解消することにしてい
るのである(前示第三の一2、3、最判平成二・一・一八民集四四巻一号二五
三頁参照。)
2ところで、法四〇三条一項は、固定資産の評価については評価基準によるこ
とを求めているから、法三四一条五号にいう「適正な時価」は、評価基準に従
って評定すべきであって、別段の規定(法三八九条、七四三条)がない限り、
評価基準によらないで直接個別的な鑑定などにより固定資産の価格を決定する
ことはできない。
しかし、評価基準により算定された価格がすべて「適正な時価」であるとは
限らない。すなわち、評価基準は、評価の専門家でない市町村の固定資産税事
務担当者が、短期間内に大量かつ画一的に処理できるように、経験的なデータ
によりまとめられたものである。もとより、土地の評価に影響を及ぼす全ての
。、事項を網羅するものではないこの評価基準の個別的規定の機械的適用により
全ての土地について「適正な時価(客観的時価)を正確に算定できるものでは」
ない。
したがって、評価基準に基づく土地の価格算出の過程に過誤がなくとも、評
価基準による評価と「適正な時価(客観的時価)とが一致しない場合が生ずる」
ことも避けられず、不一致は当然あり得ることである。
3もっとも、近年のバブル崩壊までは、評価基準による評価が適正な時価を上
回ることはなかった。それまでは、土地価格がほぼ一貫して上昇していたのに
、。、対し土地の価格調査の基準日が賦課期日よりも前に設定されていたしかも
政策的な配慮から、評価基準による土地評価額が土地の「適正な時価(客観的」
時価)を大幅に下回るように設定されていたからである。こうして、評価基準
による評価と「適正な時価(客観的時価)とが一致しない場合にも納税者を害」
することがなく、この問題が顕在化しなかった。
ところが、平成六年度の土地の固定資産税課税標準額の評価替えに際して、
自治省から七割評価通達、時点修正通知が出され(前示第三の三1、2、固定)
、。資産税課税標準額が一挙に増額評価されて調査基準日の時価に相当接近した
しかも、主として都心部では、平成五年一月一日から平成六年一月一日にかけ
ても、引き続き地価が下落している。そのため、極端な場合には、評価基準に
よる評価額が「適正な時価(客観的時価)を上回る事例も生じる可能性がでて」
きた。このようなことから、この問題が一気に顕在化するに至ったのである。
4そもそも、土地の評価基準自体からしても、このような乖離(不一致)が生
ずる要因を内包している。
本来、土地の基準年度の固定資産税の課税標準は、賦課期日、すなわち、当
該土地の基準年度の一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)である。と」
ころが、七割評価通達では、前示のとおり、土地の価格調査期日は賦課期日よ
りも前に設定されている。そのため、評価基準による土地評価額が、土地の基
準年度の一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)を上回ることも生じう」
る。この場合には、その限度において、評価基準による土地評価額は違法なも
のといわざるを得ない。
このように、評価基準による土地評価額も、それ自体が絶対的な評価ではな
く、土地の「適正な時価(客観的時価)を算出するための手段にすぎないもの」
というべきである。
5以上によれば、次の㈠㈡の場合は、いずれも土地の登録価格が違法になると
いわざるを得ない。
㈠法四〇三条一項は、固定資産の評価については評価基準によることを求め
ている。したがって、評価基準に基づく土地の価格算出の過程に誤りがあれ
ば、土地の登録価格は違法となる。
㈡固定資産の基準年度の固定資産税の課税標準は、賦課期日である当該固定
資産の基準年度の一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)である(法」
三四九条一項、三五九条、三四一条五号。したがって、何らかの理由で、評)
価基準による土地の評価額よりも土地の「適正な時価(客観的時価)の方が」
低い場合には、納税者を害するもので、評価基準に基づく土地の価格算出の
過程に過誤がなくとも、土地の登録価格は違法となる。
第五評価基準、要領による本件土地の評価額の検討
一要領等の制定、控訴人の本件土地評価額の算出根拠
、、、、、1評価基準は画地計算法を適用する場合には当該宅地の間口奥行形状
街路との状況等を把握し、評価基準に定める画地計算法の付表等を用いて評点
数を付設するものとされている(乙一六。)
そして、評価基準は、各筆の評価額がより均衡を保つように、宅地の状況に
応じ必要があるときは、市町村長が当該市町村の実状に適合するように、画地
計算法の付表等について、所要の補正をして適用することを認めている(前示
第三の二3㈢、乙一六の八頁4参照。)
京都市長は、これを受けて、評価基準に所要の補正を加えたものを要綱及び
要領(乙一五)において規定している。
2控訴人主張の本件土地評価額の算出根拠は、原判決事実摘示の「被告の主張
2、4(原判決一一頁六行目から一六頁七行目まで、同一七頁末行目から二〇」
頁一行目まで)記載のとおりである。
、()()この算出過程は京都市が評価基準乙一六に根拠を有する要領乙一五
に基づき、所定の算式により、本件土地の平成六年度の固定資産課税標準額を
算出したものである。
控訴人は、評価基準、要領に基づき、本件土地の平成六年度の固定資産税課
税標準額を算出し、その金額は、一平方メートル当たり五八九万六八〇〇円、
本件土地全体で一三億三六〇三万七九〇〇円と主張している。
二評価額算出過程の検討
控訴人が、評価基準、要領に基づき本件土地評価額(平成六年分固定資産税課
税標準額)を一三億三六〇三万七九〇〇円と算定したことに、誤りはない。その
理由は、以下のとおりである。
1地目、地積、用途区分
本件土地の平成六年一月一日時点での地目は宅地で、登記簿面積は二二六・
五七平方メートルである(甲二、甲五。本件土地は高度商業地区に属する(P)
1鑑定。)
2主要な街路の路線価の付設
㈠京都市長が、本件土地に係る標準宅地を、地価公示法に基づく標準地(地
)、(、価公示地点である京都市γ×番外と選定したことに誤りはない乙二二
P1鑑定。)
㈡前示標準宅地の平成四年度の地価公示価格は、一平方メートル当たり二五
〇〇万円である(乙二二。)
、、㈢京都市長が当該宅地に係る個別要因の標準化補正率を一一〇分の一〇〇
、平成四年一月一日から同年七月一日までの時点修正率を一〇〇〇分の八〇二
同年七月一日から平成五年一月一日までの時点修正率を一〇〇〇分の八七九
と評価したことに、誤りはない(乙一七、乙一八。)
㈣前示㈡の二五〇〇万円に、前示㈢の標準化補正率一一〇分の一〇〇、時点
修正率一〇〇〇分の八〇二、時点修正率一〇〇〇分の八七九を乗じ、その七
割程度を求めると(前示第三の三1、2、本件土地に係る主要な街路の路線)
価は、一平方メートル当たり一一二〇万点(万点台以下切り捨て)となる。
3街路の路線価の付設
㈠京都市長が、本件土地に係る街路の路線価が、本件土地に係る主要な街路
の路線価に比べて七パーセント劣ると評価したことに、誤りはない(乙八の
6。)
㈡本件土地に係る主要な街路の路線価一一二〇万点(前示2㈣)に、右3㈠
の格差率〇・九三を乗じると、本件土地に係る街路の路線価は、一平方メー
トル当たり一〇四〇万点(万点台以下切り捨て)となる。
4評点数の付設
㈠評価基準、要領の規定
⑴評価基準は、各筆の宅地の評点数の付設について、次のとおり定めてい
る(乙一六−八頁4。)
イ各筆の宅地の評点数は、路線価を基礎とし「画地計算法」を付設する、
ものとする。
ロこの場合において、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるとき
は、画地計算法の付表等について、所要の補正をして、これを適用する
ものとする。
⑵右評価基準に基づき、要領(乙一五)は、第2節8の画地計算法におい
て、袋地奥行価格逓減率、袋地均衡補正率、特別事情による補正率を定め
ている。
㈡本件土地の袋地減価等
⑴本件土地について、京都市長は、袋地奥行価格逓減率を〇・九、袋地均
衡補正率を〇・七と認定している。控訴人は、京都市長が認めなかった特
別事情による補正率〇・九を認定している。
⑵本件土地は、逆旗竿状(・・)の袋地である。β通との接道部である南
北通路部分は、間口(南端)一・三四メートル、北端一・〇七メートル、
奥行四・五七メートルである。北側の長方形部分は、間口(東西)約一一
メートル、奥行(南北)約二〇メートルである(前示第二で原判決引用に
よる認定、原判決添付図面参照。)
本件土地は高度商業地区に所在する(前示1)袋地である。合地の奥行
距離が二四・七一メートル、表地の奥行距離が四・五七メートルであるか
ら(鑑定人P4の鑑定結果、要領に定める袋地評点算出法(乙一五−五六)
頁)に係る付表5(その1(乙一五−六七頁)により、袋地奥行価格逓減)
率は〇・九となる。
⑶次に、本件土地は、高度商業地区に所在する袋地であるから、要領に定
める袋地評点算出法(乙一五−五六頁イ(ア))により、袋地均衡補正率は〇
・七となる。
⑷さらに、本件土地は、建築基準法上の接道義務を充たさない袋地である
ため、本件土地単独では、本件土地上の建物について、建築確認申請を必
要とする新築、増築、大規模な修繕等ができない。
そこで、控訴人は、要領第2節8画地計算法⒅の⑷「その他特別の事情
により著しい利用価値の減少が認められるもの(乙一五−六二頁)を適用」
(補正率〇・九)して、京都市の決定した本件土地の課税標準額を減額修
正している。
㈢本件土地の評点数
本件土地に係る街路の路線価一〇四〇万点(前示3㈡)に、袋地奥行価格
逓減率〇・九(前示4㈡⑵、袋地均衡補正率〇・七(前示4㈡⑶、特別事))
情による補正率〇・九(前示4㈡⑷)を乗じると、本件土地の評点数は一平
方メートル当たり五八九万六八〇〇点となる。これに本件土地の地積二二六
・五七平方メートル(登記簿面積)を乗じると、評点数は一三億三六〇三万
七九七六点となる。
なお、評価基準、要綱は、土地の地積について、実測面積ではなく登記簿
面積によるべき旨を定める(乙一六−二頁二、乙一五−一一頁。)
5評価基準、要領による評価額
要綱第2節2(乙一五−二頁2)は、評点一点当たりの価額を一円と定めて
いる。したがって、本件土地の評価額は、前示4㈢の評点数一三億三六〇三万
七九七六点に、評点一点当たりの価額である一円を乗じ、一〇〇円未満を切り
捨てた一三億三六〇三万七九〇〇円となる。
三被控訴人主張の検討
1被控訴人の主張
㈠本件土地は、建築基準法上の接道義務を充たさない袋地であるため、本件
、、、土地単独では本件土地上の建物について建築確認申請を必要とする新築
増築、大規模な修繕等ができない。
、、、㈡ところが本件決定では本件土地の著しい利用制限による減価について
評価基準の「所要の補正」として、袋地奥行価格逓減率〇・九、袋地均衡補
正率〇・七、特別事情による補正率〇・九の補正(減価率累計〇・五六七の
補正)をしているに過ぎない。
㈢右補正は過小で、これでは、評価基準による「所要の補正」をしたことに
はならず、本件決定は違法である。
2検討
㈠評価基準に基づく補正率との比較
⑴本件土地は、高度商業地区に所在し、間口距離が一・三四メートル、奥
行距離が二四・七一メートルであるから(P1鑑定、P4鑑定、奥行距離)
の間口距離に対する比が一八・四四となる。
⑵したがって、本件土地の評価基準に基づく補正率は、次の〇・九五、〇
・八、〇・九を連乗した〇・六八四となる。
イ付表1により奥行価格逓減率が〇・九五(乙一六−一九頁、二四頁。)
ロ付表5により間口狭小補正率が〇・八(乙一六−二三頁、二五頁。)
ハ付表6により奥行長大補正率が〇・九(乙一六−二三頁、二五頁。)
⑶他方、控訴人が要領に基づき本件土地を評価した際の補正率(本件決定
の補正率)は、前示二4のとおり、〇・九、〇・七、〇・九を連乗した〇
・五六七である。
ちなみに、京都市長が本件土地の要領に基づき評価していた補正率(本
件決定により修正される前の補正率)は、前示二4のとおり、〇・九に〇
・七を乗じた〇・六三である。
⑷要領に基づく本件土地の補正率(本件決定の補正率)は、評価基準に基
づく本件土地の補正率よりもはるかに低い。本件土地の平成六年度の課税
標準は、評価基準に基づくものの方が要領に基づくものよりもはるかに高
くなるのである。
㈡無道路地の補正率との比較
⑴評価基準は、無道路地均衡補正率の上限を三割と定めている(評価基準
別表第3の8⑵、乙一六−二三頁。要領は、無道路地均衡補正率の上限を)
一律に三割と定めている(要領第2節8⑽、乙一五−五五頁。要領は、袋)
地均衡補正率について、商業地区等は三割、その他の地区は二割と定めて
いる(要領第2節8⑾、乙一五−五六頁イ(ア)(イ)。)
⑵ところで、当然のことではあるが、一般的には無道路地の方が袋地より
も減価率が大である。
ところが、要領では、無道路地均衡補正率が一律三割であるのに、商業
地区内の袋地均衡補正率も同じく三割である。さらに、評価基準では、無
道路地均衡補正率の上限を三割と定めているに過ぎない。
、、、このように見てくると要領は商業地区内の袋地均衡補正率について
要領の無道路地均衡補正率や、評価基準の無道路地均衡補正率と対比して
も、その上限と同率の最大限の減点補正をしているものと評価できる。
⑶被控訴人は、控訴人が袋地均衡補正率の三割減額しか認めず、評価基準
が定める所要の補正をしておらず、違法であると主張する。
しかし、評価基準が無道路地の均衡補正率の上限を三割と定めているの
に、京都市長が、直接道路に接している袋地の均衡補正率について、要領
、、。の中で三割を超える減額を設けることはもともとできないものである
被控訴人の前示主張は採用できない。
四まとめ
1控訴人は、京都市が評価基準を根拠として定めた要領に基づき、本件土地の
平成六年度の固定資産税課税標準額を一三億三六〇三万七九〇〇円と算定して
いる。右算定過程は、評価基準、要領に従った適正なものであり、本件土地の
袋地減価についても同様で、評価基準が定める「所要の補正」をしていない違
法があるとは認められない。
2そして、評価基準、要領に基づく土地評価額も、土地の「適正な時価(客観」
的時価)を算出するための手段である(前示第四の三1ないし4。そして、前)
示評価基準、要領がその設定過程に一応の合理性を有すると認められるから、
本件土地の固定資産税課税標準額、すなわち、平成六年一月一日時点での「適
正な時価(客観的時価)は、特段の事情がない限り、一三億三六〇三万七九〇」
〇円であると推認するのが相当である。
第六本件土地の「適正な時価」額の検討
一三人の不動産鑑定士の評価額
、、、、本訴では三人の不動産鑑定士がいずれも形式的には鑑定評価理論に従い
本件土地の平成六年一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)ないし正常価」
格について、個別的、具体的に鑑定評価している。その評価額は以下のとおりで
ある。
1P1鑑定一〇億四五〇〇万円。
㈠不動産鑑定士P1は、原審裁判所により鑑定人として選任され、本件土地
の評価額を鑑定している。
㈡その際、P1鑑定は、本件土地の実測面積二二四・一六平方メートルによ
。、()、()っているこれに対し評価基準乙一六−二頁二要綱乙一五−一頁3
は、登記されている土地については、登記簿面積によるものとしている。し
たがって、本件土地の評価額を算出するにあたっても、本件土地の登記簿面
積によるべきであるとの考えもあり得る。
しかし、前示のとおり、土地の固定資産税が土地の資産価値に着目して課
税されるものである以上、実測面積をもって積算するのが相当である。なぜ
なら、土地の時価は、登記簿上の面積ではなく、実測面積を念頭にいれて決
定されるのが通例だからである。
㈢P1鑑定は、本件土地の平成六年一月一日時点での評価額を、以下のとお
り一〇億四五〇〇万円と算定している。
(計算式)
一五〇〇万円(A)×〇・七四(B)×〇・四二(C)
×二二四・一六(D)=一〇億四五〇〇万円(E)
〔注〕
A平成五年一月一日時点での標準画地更地価格(一m当たり)2
B時点修正
C個性率(袋地減価等)
D本件土地の実測面積
E万円代以下は切り捨て
2P2意見書一五億九二四〇万円。
㈠不動産鑑定士P2は、乙二五号証の意見書の中で、P1鑑定が本件土地の
個性率(袋地減価等)を〇・四二と評価していることを批判し、〇・六四と
評価すべきであるという。
㈡右P2意見書に従い個性率を〇・六四とし、実測面積二二四・一六平方メ
ートルによると、本件土地の平成六年一月一日時点での評価額は、以下のと
おり一五億九二四三万二六〇〇円となる。
(計算式)
一五〇〇万円(A)×〇・七四(B)×〇・六四(C)
×二二四・一六(D)=一五億九二四〇万円(E)
〔注〕
A平成五年一月一日時点での標準画地更地価格
(P1鑑定、一m当たり)2
B時点修正(P1鑑定)
C個性率(P2意見書)
D本件土地の実測面積
E万円代以下は切り捨て
3P3評価書一三億九四二七万五二〇〇円。
㈠不動産鑑定士P3は、乙三二号証の鑑定評価書の中で、P1鑑定が本件土
地の個性率(袋地減価等)を〇・四二と評価していることを批判し、〇・五
八と評価すべきであるという。
㈡P3評価書は、本件土地の平成六年一月一日時点での評価額を、以下のと
おり一三億九四二七万五二〇〇円と評価している。
(計算式)
一四五〇万円(A)×〇・七四(B)×〇・五八(C)
×二二四・一六(D)=一三億九四二七万五二〇〇円(E)
〔注〕
A平成五年一月一日時点での標準画地更地価格(一m当たり)2
B時点修正
C個性率(袋地減価等)
D本件土地の実測面積
E計算の過程で何度か端数を切捨て処理しているので、連続計算
をしてもこの金額と完全に一致しない。
二P1鑑定の正当性の検討
1全般的考察
㈠P1鑑定とP2意見書、P3評価書との間の差異は、主として標準画地の
更地価格に対する個性率(袋地減価等)をいくらに評価するかの相違に由来
する。P1鑑定は〇・四二と評価するのに対し、P2意見書は〇・六四、P
3評価書は〇・五八と評価している。
㈡控訴人は、本件土地に係る街路の路線価を一平方メートル当たり一〇四〇
万円と主張している(前示第五の二3㈡。他方、P1鑑定の平成六年一月一)
日時点での標準画地の更地価格は、一平方メートル当たり一一一〇万円(一
五〇〇万円×〇・七四=一一一〇万円)である。
P1鑑定の標準画地更地価格の方が、本件土地に係る街路の路線価よりも
高いのである。そのためか、被控訴人は、京都市長(控訴人も同様)が本件
土地に係る街路の路線価を一平方メートル当たり一〇四〇万点と評価してい
ることについて、直接には何も批判していない。
㈢京都市長は、本件土地の個性率(袋地減価等)を〇・九に〇・七を乗じた
〇・六三と決定している。控訴人は、これを〇・九、〇・七、〇・九を連乗
した〇・五六七と修正している。
㈣結局、P1鑑定の正当性を検討するに当たっては、P1鑑定の個性率(袋
地減価等)〇・四二の算定過程の当否にかかっている。
2P1鑑定の個性率の算定過程
P1鑑定は、以下の理由により、本件土地の個性率(袋地減価等)を〇・四
二と認定している。
㈠階層別・位置別効用比格差に着目する試算法
本件土地の容積率七〇〇パーセントを完全に充足した想定上の建物の効用
比と、本件土地上の現況建物の効用比との格差を比較して、個性率(袋地減
価等)を〇・二〇六と試算する(P1鑑定一二頁、一三頁。)
想定上の建物は、一階当たりの床面積が各一九六・一四平方メートルで、
。、、八階建建物である現況建物は一階の床面積が一三八・一八平方メートル
二階の床面積が七九・六六平方メートルの二階建建物である(一三頁、一四
頁、甲五。)
想定上の建物の一階部分の効用比を一〇〇とすると、同建物二階部分の効
用比を五〇、同建物三階から八階までの効用比を各三五、現況建物一階部分
の効用比を五〇、同建物二階部分の効用比を三五と評価する(一三頁、一四
頁。)
㈡表地の全面買収コストに着目する試算法
本件土地の袋地状態を解消する手段を、表地(×番二、四八・五五平方メ
ートル)全部を買収することであるとし、そのためには時価より相当高額で
なければ買収できないコストに着目する。そのデメリットを控除することに
より、本件土地の個性率(袋地減価等)を〇・七八三と試算する(一四頁、
一五頁。)
㈢表地の進入路拡幅コストに着目する試算法
本件土地の建築基準法上の接道要件を充たす手段として、進入路部分の表
地を幅一メートル、面積四・五七平方メートル買収するものとみなし、その
ためには時価より相当高額でなければ買収できないコストに着目する。その
デメリットを控除することにより、本件土地の個性率(袋地減価等)を〇・
七一と試算する(一五頁ないし一七頁。)
㈣個性率の決定
前示㈠の試算法に基づく個性率と前示㈡㈢の試算法に基づく個性率の各平
均値を六対四の比率でウエイト付けし、本件土地の個性率(袋地減価等)を
〇・四二と評価する(一九ないし二一頁。)
3検討
㈠全般的な問題点
⑴本件土地は、南側の公道と一・三四メートルしか接しておらず、建築基
準法上の接道義務を充たさない袋地である。
しかし、本件土地の進入路付近の隣地(地番×番二の土地、×番二と×
番の合地)を幅員一メートル、奥行四・五七メートル、面積四・五七平方
メートル買収しさえすれば、接道義務を充たすようになる(P4鑑定、P
1鑑定(別紙図面㈠参照。))
⑵また、本件土地(二階建建物の敷地)と、①×番二の土地(二階建建物
の敷地)か、②×番二と×番の合地(二階建建物の敷地)かのいずれかと
一体として利用すれば、本件土地を完全な土地として最大限活用すること
ができる(P1鑑定、乙二五(別紙図面㈠参照。))
それ故、右①②のいずれかの土地所有者から、将来、被控訴人に対し、
好条件での本件土地買収の申出があるかも知れないし、共有建物建築の申
出があるかも知れない。反対に、被控訴人の方から前示①②の土地所有者
に対し、前示メリットを説いて、本件土地の売却、共有建物建築の申出を
すれば、本件土地の高値売却、共有建物建築の了解が得られるかも知れな
い。
⑶本件土地は現在二階建建物の敷地として使用されているが、前示⑴の方
法により接道義務を充たすことにより、地上建物の再建築が可能となる。
、、。さらに前示⑵の方法により本件土地の高度利用を見込むことができる
そもそも、土地の評価額は、土地の交換価値を中心として形成されるも
のであり、土地の固定的な現状の使用価値のみに依拠して求めるべきもの
ではない。土地の経済的価値は、現在の利用状況も無視することはできな
いが、将来の利用可能性により多くの価値を見いだしているのである。
ところが、P1鑑定は、本件土地の現在の使用状況を固定的に捉え、個
性率を二〇・六パーセントと極めて低く評価し、表地の買収コストに着目
する方式のウエイトを軽視するなど、本件土地の現在の使用状況を固定化
して重視しすぎており、妥当性を欠く。
㈡階層別・位置別効用比格差の問題点−その1
⑴乙二五によると、次の事実が認められる。
イ本件土地が存在するβ通の北側で、δ通からε通までの東西約一五〇
メートルには、現在一七棟の建物が建っている。
ロ当該地区は、容積率七〇〇パーセント、高度制限四五メートルである
が、容積率七〇〇パーセントに近い建物は一棟(九階建)しかない。他
は、六階建が二棟、四・五階建が一棟、四階建が二棟、三階建が一棟、
二・五階建が一棟、二階建が八棟、一階建が一棟である(別紙図面㈡参
照。)
ハこのように二階建建物以下が九棟に達し、全体(一七棟)の過半数を
占める。一棟当たり平均階数は三・三階に過ぎない。
⑵ところが、P1鑑定は、本件土地の容積率七〇〇パーセントを完全に充
足した想定上の建物と、現況建物(二階建)との効用比との格差を比較す
る方法により、個性率を二〇・六パーセントと算定している。
⑶現在でも、本件土地の近隣地域は、土地の最有効使用とはほど遠い利用
状況である。それにもかかわらず、土地取引市場において、高度商業地域
の地価水準が形成され、一平方メートル当たり一五〇〇万円(P1鑑定が
認める本件土地の標準画地更地価格)もの値が付けられているのである。
これは、土地利用の現状によるのではなく、高層建物建築による高度利
用の可能性を考慮にいれた価格が形成されているといわねばならない。し
たがって、土地に現存する建物の高低などその利用の現状に力点をおくの
、、。ではなく高度利用の可能性にも着目してその価格を判定すべきである
⑷本件土地の近隣では、二階以下の建物が全体の過半数を占めている現状
、、()でもその高度利用の潜在的可能性に鑑み前示のような標準画地更地
の価格形成がされているのである。
P1鑑定は、本件土地について、表地全面買収、表地進入路拡幅のない
限り、高度利用の潜在的可能性を否定している。しかし、接道義務を充た
す隣地所有者等に本件土地を売却することも可能であるから、これを全く
度外視して、階層別位置別比格差を過大に捉えるのも相当でない。
P1鑑定は、本件土地の容積率七〇〇パーセントを完全に充足した想定
上の建物と、本件土地上の現況建物(二階建)との効用比のみに力点をお
いて、その格差を比較する方法により、個性率を二〇・六パーセントと不
当に低く算定している。このようなP1鑑定の鑑定手法は是認できない。
㈢階層別・位置別効用比格差の問題点−その2
⑴P1鑑定は、β通に面した想定上の建物の一階効用比一〇〇に対し、同
建物の二階効用比を五〇現況建物の一階効用比を五〇と認定している一、(
三頁。)
確かに、公道から細い通路部分を入っていかなければならない袋地に建
てられた建物の一階が、公道に面した土地に建てられた建物の一階に比べ
て、効用が劣ることは異論のないところである。
⑵しかし、現況建物一階の効用が、想定上建物一階の効用のわずか半分で
あり、想定上建物二階の効用と同じというのは妥当でない。袋地に建てら
れた建物一階の効用が、常にそんなに低いものとは考えられないからであ
る。
京都の古い町並みには袋地(路地状画地)が多く見られる。こうした袋
地には、通常の画地が持つ効率とは次元の異なる静けさ、安らぎ、落ち着
きといった効用も認められている本件土地上で営まれている京料理店P。「
5」では、これらの効用が建物の効用の上でかけがえのない価値となって
いることが認められる(乙二五、乙二八ないし三一、検証の結果。)
⑶P1鑑定が、β通に面した想定上の建物の一階効用一〇〇に対し、本件
土地上の現況建物の一階効用を五〇と認定しているのは、低きにすぎて妥
当でない。
三まとめ
P1鑑定の本件土地評価額一〇億四五〇〇万円は、個性率(袋地減価等)が低
すぎる。その結果、適正な地価水準よりも評価額が低くなりすぎており、採用で
きない。
他方、P2意見書の評価額一五億九二四〇万円、P3評価書の評価額一三億九
四二七万五二〇〇円は、いずれも本件決定の一三億三六〇三万七九〇〇円を超え
る金額である。
ところが、P1鑑定の外には、本件土地の平成六年一月一日時点での「適正な
時価(客観的評価額)について、一三億三六〇三万七九〇〇円未満の金額である」
ことを認めるに足る的確な証拠がない。
第七総括
一基準日の違法
1被控訴人の主張
㈠平成六年度の固定資産税について、その課税標準となる「適正な時価」の
、、、。算定基準日は法三四九条一項三五九条により平成六年一月一日である
㈡ところが、本件決定は、本件土地の実質的な評価額算定の基準日を平成五
年一月一日としている。
㈢したがって、本件決定は、地方税法三四九条一項、三五九条に違反し、違
法である。
2検討
㈠平成六年度の固定資産税について、その課税標準となる「適正な時価(客」
観的時価)の算定基準日は、法三四九条一項、三五九条により、平成六年一
月一日である(前示第四の二1。ところが、本件決定は、価格調査の基準日)
を平成五年一月一日としている。しかし、本件土地の平成六年一月一日時点
での「適正な時価(客観的時価)が、平成五年一月一日時点での「適正な時」
価(客観的時価)の七割以上であれば、平成五年一月一日を価格算定の基準」
日であっても評価基準に即したもので、手続上も違法はない(前示第四の二
4。)
㈡本件土地の標準宅地は、京都市γ×番外(地価公示地点)である(前示第
五の二2㈠。その時価(地価公示価格)は、一平方メートル当たり、平成四)
年一月一日時点で二五〇〇万円、平成六年一月一日時点で一三〇〇万円であ
(、)。、る乙二二乙二三右地価公示価格を基礎にして算出した街路の路線価は
一平方メートル当たり、以下のとおりである。次の⑴は既に前示第五の二3
で検討したところである。
⑴平成四年一月一日時点での公示価格を基礎とする場合
二五〇〇万円(A1)×一一〇分の一〇〇(B)
×一〇〇〇分の八〇二(C)×一〇〇〇分の八七九(D)
×〇・七(E)×一〇〇分の九三(F)=一〇四〇万円(G)
〔注〕A1平成四年一月一日時点での公示価格
B標準化補正率
C平成四年一月一日から同年七月一日までの修正率
D平成四年七月一日から平成五年一月一日までの修正率
E七割評価通達に基づく減額率
F格差率
G計算の過程で端数を切捨て処理しているので、連続計算を
してもこの金額と完全に一致しない。
⑵平成六年一月一日時点での公示価格を基礎とする場合
一三〇〇万円(A2)×一一〇分の一〇〇(B)
×一〇〇分の九三(F)=一〇九〇万円(G)
〔注〕A2平成六年一月一日時点での公示価格
B標準化補正率
F格差率
G計算の過程で端数を切捨て処理しているので、連続計算を
してもこの金額と完全に一致しない。
㈢平成四年一月一日時点での公示価格を基礎にして算出した街路の路線価は
一〇四〇万円(前示㈡⑴、平成六年一月一日時点での公示価格を基礎にして)
算出した街路の路線価は一〇九〇万円(前示㈡⑵)である。右一〇四〇万円
は価格調査の基準日が平成五年一月一日である。基準日を平成五年一月一日
とした価格は、価格の変動に備えた七割評価通達に従い七割の評価しかされ
ていないので、基準日を平成六年一月一日とする価格(これは一〇割の評価
である)よりも、一平方メートル当たり五〇万円低くなっている。
㈣したがって、本件は、平成六年一月一日時点での「適正な時価」が、平成
五年一月一日時点での「適正な時価」の七割以上であり、平成五年一月一日
を価格算定の基準日としても、評価基準による算定上の違法はない。
二評価基準不適用の違法
控訴人は、京都市が評価基準に根拠を有する要領に基づき、本件土地の平成六
年度の固定資産税課税標準額を一三億三六〇三万七九〇〇円と算定している。右
算定過程は、評価基準、要領に従ったものであり、本件土地の袋地減価等につい
ても、評価基準が定める「所要の補正」をした適法なものである(前示第五の四
1。したがって、被控訴人が主張する評価基準不適用の違法は理由がない。)
三「適正な時価」を超える評価額認定の違法
1評価基準、要領に従い、本件土地の平成六年度の固定資産税課税標準額を算
定すると、一三億三六〇三万七九〇〇円となる。前示のとおり、この金額は、
本件土地の平成六年一月一日時点での「適正な時価(客観的時価)と推認する」
ことができる(前示第五の四2。)
「」()、2本件土地の平成六年一月一日時点での適正な時価客観的時価について
P1鑑定の評価額一〇億四五〇〇万円は、低きに失して妥当性を欠き採用でき
。、「」()ない他に本件土地の平成六年一月一日時点での適正な時価客観的時価
につき、一三億三六〇三万七九〇〇円未満であることを認めるに足る的確な証
拠がない(前示第六の三。)
3そうすると、本件土地の平成六年一月一日時点での「適正な時価(客観的時」
価)は、一三億三六〇三万七九〇〇円と認めることができる。したがって、被
控訴人が主張する「適正な時価(客観的時価)を超える評価額認定の違法も理」
由がない。
第八結論
一以上によると、本件土地の平成六年度の課税標準は一三億三六〇三万七九〇〇
円であり、本件決定には被控訴人主張の違法はなく適法なものであることが認め
られる。
二したがって、本件決定中、課税標準額一〇億三七二三万七四〇〇円(当審で予
備的に一〇億四五〇〇万円と主張)を超える部分は違法であるとして、その取消
を求める本訴請求は理由がない。
三よって、これと異なる原判決中控訴人敗訴部分は相当でないので、同敗訴部分
を取り消し被控訴人の請求を棄却することとし、主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第一〇民事部
裁判長裁判官吉川義春
裁判官小田耕治
裁判官紙浦健二

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