弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 職権をもつて調査するに、
 本件は第一審裁判所が被告人に対し本件公訴事実第一乃至第三の犯罪については、
いずれもその証明不十分であるとして、無罪の言渡をしたのに対し、検察官が原裁
判所に控訴の申立を為し、原裁判所は右の事実はすべてこれを認める証拠十分であ
るとして第一審判決を破棄して、刑訴四〇〇条但書に基き被告人に対し有罪の判決
をしたのである。
 しかしながら、記録によつて、原審における審理の経過を検討するに、原審は、
第一、第二の公訴事実については、みづから事実の取調を行うことなく、第一審判
決を破棄し、専ら、第一審裁判所の取調べた証拠のみによつて犯罪事実の存在を確
定し、有罪の判決をしたものであることはあきらかである。かくのごときことは、
刑訴四〇〇条但書の許さないところであることは、すでに当裁判所の判例の示して
いるところであるから(昭和二六年(あ)第二四三六号、同三一年七月一八日大法
廷判決)、弁護人小風一太郎の上告趣意に対する判断をするまでもなく原判決は破
棄を免れない。
 よつて、刑訴四一一条一号、四一三条に則り主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官藤田八郎の補足意見があるほか全裁判官一致の意見によるも
のである。
 裁判官藤田八郎の補足意見は左のとおりである。
 本件において第一審は、本件各公訴事実については、その証明がないとして、被
告人に対し無罪の判決をしたのに対し、検察官は、控訴の申立をした。そこで、第
一審は右検察官からの控訴申立通知書を高崎市a町A及び同市b町。B宛をもつて、
被告人に郵便に付して送達したのであるが、右通知書が被告人に到達したことは記
録上認められないまた、原審は、被告人に対し、訴訟記録受領通知書、弁護人選任
に関する通知書、控訴趣意書謄本、各公判期日召喚状、証拠調決定謄本、をいずれ
も前記A方に郵便に付して送達したのであるが、右各郵便はいずれも送達不能で返
戻された。尚原審では、被告人のために弁護人を選任し、同弁護人は原審に答弁書
を提出した上、原審公判に出頭し証人尋問及び検証(第一審判決第三事実に関し)
に立ち会つているのであるが、原審は、被告人不関与のまま、審理をつづけ、遂に
被告人を有罪とする原判決をするに至つたものであることは記録上明らかである。
 しかして、本件において、被告人が刑訴規則六二条所定の届出をしていないこと
は記録上明白であるから、被告人が一審の無罪判決言渡によつて、刑務所を釈放さ
れた以後においては、同規則六三条の規定するところに従つて、被告人に対する書
類は書留郵便に付して送達することができるとの解釈が正しいとしても、(無罪判
決によつて釈放された被告人も判決の確定に至るまでは同規則六二条による届出の
義務があると解すべきか、また、被告人無罪の言渡を受けた場合検察官の控訴申立
通知書は、同規則六三条一項但書所定の起訴状と同視し、同条の例外をなすものと
解するのが妥当でないか等の問題はあると思うが)書留郵便に付する送達といえど
も、被告人の住所、居所、営業所又は事務所に宛てて発送しなければならないこと
は民訴一七〇条二項、一六九条一項、刑訴五四条の規定するところであるにかかわ
らず、一審が検察官の控訴申立通知書を送達した場所ならびに原審が前記各書類を
送達した場所が被告人の住所居所等に該当することはこれを知るべき何等の資料も
ないのである。して見れば、右各書類の送達は、違法であるというの外なく、結局、
被告人は、適法に控訴申立のあつたことを知らされることなく、控訴審における審
理判決を受けたことに帰着するのであつて、かくては控訴審の手続はすべて違法に
帰するものと断ぜざるを得ない。
 自分はこの点からも原判決は破棄せらるべきものと思料する。
 検察官 安平政吉公判出席
  昭和三二年一二月二七日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛