弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各抗告を棄却する。
         理    由
 本件各抗告の趣意は、申立人ら作成名義の「抗告申立書」及び被告人A作成名義
の「上申書」に記載されているとおりであるから、ここにこれらを引用する。
 所論は、要するに、原裁判所は、昭和五一年七月一九日被告人らに対し保釈許可
決定をし、昭和五四年三月二九日に至つて、「東京都立川市a町b番地所在のBの
店舗付近でスピーカーで放送するなど、右店舗の営業を妨害する行為をしてはなら
ない」旨の保釈條件を追加したのであるが、元来保釈條件は保釈許可決定と同時に
付すべきであり、このように保釈許可決定の二年八ケ月以上も後に新たな保釈條件
を付加することは違法であり、かりに條件の追加を條件の変更と解したとしても、
変更すべき正当な理由がなくなされた違法なものであり、その内容も再犯防止を目
的とした違法な條件であつて、かかる保釈條件を追加した原決定は違法である、と
いうのである。
 <要旨第一>そこで、まず、いわゆる任意的保釈條件の追加、変更の適否について
判断すると、任意的保釈條件は、保釈保証金と異なり、保釈の裁判の本
質的内容ではなく、保釈後の将来を律するための合目的見地より設定されるもので
あるから、保釈後制限住居に変更があつた場合に見られるように、その追加、変更
が所論のように許されないものではなく、これと同様に、裁判所が適当と認めて保
釈を許した被告人についてまたはその影響下に事情が変更され、従前の任意的保釈
條件ではこれに対処することができなくなつた場合には、保釈制度を、勾留に代る
ものとして、合目的的に適切有効に運用するため、右事情変更に即応して、任意的
保釈條件の追加、更が必要かつ相当とされる場合に限り、その追加、変更を認める
のが保釈制度の運用上有効適切であり、合目的的であるから、かかる場合の任意的
保釈條件の追加、変更は正当として許容されるのであつて、所論のようにこれを違
法とするものではない。
 <要旨第二>そこで、一件記録により調査検討すると、被告人Cは建造物侵入、強
要未遂、傷害、威力業務妨害、暴力行為等処罰に関する法律違反、同D
は建造物侵入、強要未遂、同Aは建造物侵入、傷害、威力業務妨害、暴力行為等処
罰に関する法律違反、同Eは、建造物侵入、傷害、威力業務妨害、暴力行為等処罰
に関する法律違反各被疑事件についていずれも罪証隠滅のおそれがあることを理由
として勾留され、頭書各被告事件につき起訴された後、「証拠隠滅と思われるよう
な行為をしてはならない」こと、そのほかの保釈條件を付されて保釈を許されたに
もかかわらず、同被告人らは、その支援者ら多数の者と共に、本件公訴事実(住居
侵入、威力業務妨害、傷害等)における被害者Fの検察官申請にかかる証人尋問終
了後、昭和五二年三月から昭和五三年末までの間、多数回にわたり、同人経営のB
(同公訴事実における犯行場所でもある)付近に赴き、スピーカーあるいはハンド
マイク等で、「Bの経営者Fは刑事事件をでつち上げた。」「我々は総力をあげて
Fを追いつめる。」「我々を支援して下さい。」なとと同店店員及び付近住民にし
つように呼びかけ、「Fに怒りの声を!」なとと題するビラを通行人に配付し、G
を同店前に立て、同人につきまとうなどの所為に出たため、同店の顧客がいやがつ
て寄りつかなくなり、営業に支障を来たしたことがうかがわれ、これに困惑した右
Fは何度か警察、検察庁に対し苦ちゆうを訴えて取締りを要望したこと、他方、原
裁判所は、昭和五四年二月二〇日第一六回公判期日において、弁護人側申請の証人
として次回公判期日に右Fの証人尋問を行なう旨決定したことが認められる。以上
の事実によれば、被告人らが、右Fの証人尋問の前後に、右店舗付近でスピーカー
で放送するなと前認定の所為にでて、同店の営業を妨害する行為に出るおそれがあ
り、更に、そのような事態が起つた場合には同人の真実の証言を期待し得ないおそ
れのあることが推認されるから、このような事態の発生を防止するため、右証人尋
問を控えて、右「店舗付近でスピーカーで放送するなど、右店舗の営業を妨害する
行為をしてはならない」旨の保釈條件を付加することは、被告人らの保釈後同人ら
によつて惹起された事情変更に即応するため必要かつ相当な措置であつて、正当と
してこれを許容しうるところであり、その保釈條件は明確であり、所論指摘の点を
考慮しても、何ら違憲、違法とはいえない。要するに、原決定は、所論のごとく専
ら再犯防止を條件としたものではなく、刑訴法九六条一項四号にいわゆる産に害を
加え若しくは加えようとする行為を未然に防止する措置であると解されるばかりで
なく、「証拠隠滅と思われるような行為」の現段階における具体的特殊形態とし
て、前記営業妨害行為(必ずしも刑法上の業務妨害行為と同一ではない)という形
態による証人への不当な影響の防止をはかつたものであり、この意味において、全
く新たな保釈條件の追加というよりは、むしろ当初に付された証拠隠滅防止の保釈
條件を事情変更に即応させるため具体化してこれを付加したに過ぎないものとも解
されるのであつて、これを違法、不当視すべきものではなく、所論指摘の判例は本
件と事案を異にするから、それをそのまま本件に適用するのは適切でない。論旨は
理由がない。
 よつて、本件各抗告は理由がないので、刑訴法四二六条一項後段により本件各抗
告を棄却することとし、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 金子仙太郎 裁判官 下村幸雄 裁判官 小林隆夫)

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