弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴はこれを棄却する。
     当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は末尾添附の弁護人高橋正雄提出の控訴趣意書記載のとおりであ
るからここにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は左のとおりである。
 控訴趣意第一、二点について。
 <要旨第一>憲法第二九条は一般に財産権の不可侵を認めつつ、しかもこれを絶対
的のものとせず、公共の福祉のためには制限を受けるものであることを
認め、更にこれを公共のために用いる場合には正当な補償をもつてしなければなら
ないことを保障した規定であり、関税法第一一八条第二項は同条第一項と相俟つて
同法第一〇九条から第一一一条までの犯罪に係る貨物を没収し、又は没収すること
のできない場合においてその物の犯罪の行われた時の価格に相当する金額を追徴す
る旨を規定しているもので、その趣旨は、国が同法第一〇九条乃至第一一一条の犯
罪に係る貨物又はこれに代るべき価格が犯人の手に存在することを禁止し、もつて
右各法条による取締を励行しようとするに出たものであるから、同法第一一八条第
二項の規定するところは憲法第二九条の保障<要旨第二>する範囲外の事項に関する
ものであり、なんら同条に違反するものではない、又関税法第一一八条第二項の
定する没収しないものの犯罪が行われた時の価格とは、そのものの犯
罪が行われた当時における国内卸売価格をいうものと解すべきであるから、没収し
ない犯罪貨物が物品税法所定の課税物件であり、しかも物品税法に違反して物品税
を免がれているものであるときは、その物品税相当額をも加算してその犯罪が行わ
れた時の価格を算定すべきことは当然であつて、原判決が被告人の判示一、の所為
はいずれも関税法第一一〇条第一項第一号(関税を免かれる罪)同法第一一一条第
一項(許可を受けないで輸入する罪)及び物品税法第一八条第一項第二号前段(物
品税を免かれる罪)の各罪の想像的競合の関係にある所為であると認め、右関税法
違反の罪の犯罪貨物の価格を追徴するにあたり、そのものの物品税相当額をも加算
した金額によつて追徴金額を算定しているのは、関税法第一一八条第二項の規定の
趣旨とするところに従つて追徴を科しているものというべく、なんら、その趣旨を
逸脱しているもの認められないから、原判決は憲法第二九条に違反するものではな
く、又関税法、物品税法の解釈適用を誤つたものでもない。しからば原判決には所
論のような違法はなく論旨は理由がない。
 同第四点について。
 関税法第一一八条第二項の規定する没収しないものの犯罪が行われた時の価格と
は前記のようにそのものの犯罪が行われた当時における国内卸売価格をいうものと
解すべきであるから、その犯罪貨物が許可を受けないで輸入した貨物である場合に
おけるそのものの犯罪が行われた時の価格は、その貨物の到着価格に関税及び物品
税を合算した額にその一定の割合による利潤を加算して算定するを相当とし、単に
その貨物の到着価格、関税、及び物品税の合計額によるべきものではない。そして
原判決は判示事実を認定する証拠として大蔵事務官作成の鑑定表を挙示しており、
この鑑定表には被告人が所定の許可なくして譲受けた原判示一、の貨物の国内卸売
価格として、その貨物の到着価格関税、及び物品税を合算した額に更に利潤として
その二割を加算した額を相当額として鑑定する旨の記載があることが認められるの
で、原判決の被告人に科した追徴金額はこの鑑定表によつたものとみることができ
るのであるが、原審第二回公判調書によれば、右鑑定表は同公判期日において被告
人並びに弁護人がこれを証拠とすることに同意した書面であることが認められるの
みならず、鑑定の対象となつた原判示一、の貨物の品質、性能、国内需要度、国内
に対する供給量等からみて二割の利潤を加算することは、適正利潤の範囲を超えな
いものと認められるのであるから、原判決が右鑑定表により原判示一、の貨物の犯
罪が行われた時の価格を認定し、これに相当する金額を被告人に対する追徴金額と
しているのは、相当であるといわねばならない。そこでこの原判決の引用した右鑑
定表による原判示一、の貨物の国内卸売価格を合算するにその合計額は金一五万一
七四〇円となること算数上明らかであるから、原判決が関税法第一一八条第二項に
より、被告人に対し、右金額に相当する金額の追徴を言渡していることは正当であ
り、原判決にはなんら所論のような理由のくいちがいはなく、論旨は理由がない。
 (その余の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 加納駿平 判事 吉田作穂 判事 山岸薫一)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛