弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破毀する。
     本件を東京高等裁判所に差戻す。
         理    由
 各弁護人の上告趣旨は末尾添附別紙記載の通りでありこれに対する当裁判所の判
断は次ぎの如くである。
 弁護人所龍璽の上告趣旨について。
 所論の調書を見ると原審第四回期日(判決言渡期日)に立会つた判事は裁判長判
事A、判事B、判事Cである旨の記載がある、しかるに同調書に裁判長として署名
捺印して居るのは判事Dであること所論の通りであるかかる調書では果して判決言
渡が適法に為されたかどうかを証明することが出来ない。即ち適法な判決言渡があ
つたかどうかわからないから原判決を破毀して事件を原審に差戻す外はない。
 よつて旧刑事訴訟法第四四七条、第四四八条の二に従つて主文の如く判決する。
 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二四年八月九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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