弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
各原決定を取り消す。
各事件を高松高等裁判所に差し戻す。
理由
本件各抗告の趣意は,いずれも,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違
反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
しかしながら,職権により調査すると,各原決定は,以下の理由により取消しを
免れない。
1各原決定が是認する各原々決定及び記録によれば,次の事実が認められる。
申立人は,(1)平成26年1月28日,窃盗罪により,懲役2年,3年間執行猶
予を言い渡され,この判決が同年2月13日に確定し,(2)平成27年5月14
日,窃盗未遂罪により,懲役1年,4年間執行猶予,付保護観察を言い渡され,こ
の判決が同月29日に確定していたところ,(3)平成28年6月18日から同年7
月23日までの間,3件にわたる窃盗に及び,これにつき同年11月21日,懲役
6月に処する有罪判決を宣告され,控訴を申し立て,控訴審係属中である。
検察官は,前記(1)(2)の各刑の執行猶予の言渡し取消しを請求したところ,原々
審は,前記(3)の窃盗3件と同一の事実を認定し,保護観察に付せられた者が遵守
すべき事項を遵守せず,その情状が重いと認め,刑法26条の2第2号,刑訴法3
49条の2第1項により前記(2)の刑の執行猶予の言渡しを取り消し,刑法26条
平成29年(し)第8号各刑の執行猶予の言渡し取消し決定に対する各即時抗
告棄却決定に対する特別抗告事件
平成29年1月16日第二小法廷決定
の3,刑訴法349条の2第1項により前記(1)の刑の執行猶予の言渡しを取り消
す各原々決定をしたが,各原々決定の謄本を,いずれも検察官と原々審で申立人が
選任した弁護人2名のうち主任弁護人に対して送達したものの,申立人に対して送
達しなかった。
申立人は,前記弁護人2名を原審の弁護人として改めて選任し,各原々決定に対
してそれぞれ即時抗告を申し立てたが,原審は,本件各即時抗告をいずれも棄却し
た。
なお,前記弁護人2名は,刑訴規則62条1項の送達受取人には選任されていな
かった。
2刑訴規則34条は,「裁判の告知は,公判廷においては,宣告によつてこれ
をし,その他の場合には,裁判書の謄本を送達してこれをしなければならない。但
し,特別の定のある場合は,この限りでない。」と規定しているところ,刑の執行
猶予の言渡し取消し請求において,同条により刑の執行猶予の言渡し取消し決定
(刑訴法349条の2第1項)の謄本の送達を受けるべき者は,検察官及び猶予の
言渡しを受けた者(被請求人)であり,また,同謄本が,被請求人の選任した弁護
人に対して送達されたからといって,被請求人に対する送達が行われたものと同じ
法的な効果は生じないと解するのが相当である。
そうすると,本件において,原々審は,各原々決定の謄本を,本件各刑の執行猶
予の言渡し取消し請求の被請求人であった申立人の選任した弁護人に対して送達す
るにとどまり,申立人に対して送達していないから,各原々決定の告知の手続に刑
訴規則34条の解釈適用を誤った違法があり,これらを是正せずに各即時抗告を棄
却した各原決定も同様の違法があるものといわざるを得ず,これらの誤りは,各原
決定に影響を及ぼし,各原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認め
られる。
よって,刑訴法411条1号を準用し,同法434条,426条2項により,各
原決定を取り消し,各原々決定の謄本が申立人に対して送達された後各即時抗告に
対する判断が行われるのが相当であるから,各事件を原裁判所である高松高等裁判
所に差し戻すこととし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官鬼丸かおる裁判官小貫芳信裁判官山本庸幸裁判官
菅野博之)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛