弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人定塚道雄の上告趣意は、末尾に添えた別紙記載の通りである。
 (一) 論旨は第一点から第九点にわたるが、本件上告は旧刑訴法第四一六条の
規定によるいわゆる飛躍上告であるから、その上告理由は同条第一号または第二号
(本件にあつては第一号)に該当する主張でなくてはならない。しかるに論旨第二
点はいわゆる期待可能性の議論であり、同第三点は原審の訴訟手続に関する非難で
あり、同第四点は原判決の証拠説明に対する攻撃であり、同第五点は原審の訴訟手
続上の瑕疵の批判であり、同第七点は原判決には判断遺脱があり且つ原判決の判示
事実と証拠説明とにくいちがいがあるとの主張であり、同第八点は原判決の採証上
の違法の指摘であるから、これらの論旨はいずれも飛躍上告の適法な理由と言えな
い。
 (二) 論旨第九点は、原判決の擬律錯誤を主張するが、原判決の確定した昭和
二二年一二月四日頃における押麦の売買の基準価格は昭和二二年一一月一日物価庁
告示第九六一号によつて規制されたものであり、その告示による統制価額の指定は
物価統制令第四条の規定に基くものであつて食糧管理法に基き指定された価額は存
しないのであるから、本件価格違反行為は物価統制令違反の問題であつて、所論の
ごとく食糧管理法違反を以て論ずべきでなく、論旨は理由がない。
 (三) 本件は、A紡績株式会社の用度係なる被告人Bが押麦を統制価格超過の
価額で買入れた、という事件であるが、論旨第一点は、本件押麦の買受は工場宿舎
用の食料に供せんがためであつたのに、原判決は「A紡績株式会社の業務に関して」
と判断したのであつて、この判断は物価統制令第一一条但書の解釈を誤つたもので
ある、と主張し、また論旨第六点は、被告人の買受行為はA紡績株式会社の営利目
的に出たものでないのに、原判決は物価統制令第一一条の消費者除外の趣旨を理解
せずして同条を不当に適用した、と非難する。右二点は共通の論旨であつて、これ
は飛躍上告の理由になり得る。しかし物価統制令第一一条が「契約ヲ為スコトガ自
己ノ業務ニ属スル」場合を「営利ノ目的ヲ以テ契約ヲ為ス」場合と同様処罰する所
以は両者共に多量の物について何回も反覆して行われる傾向があり物価秩序を紊す
危険が多いからである。この趣旨に鑑みれば同条但書にいわゆる「当該契約ヲ為ス
コトガ自己ノ業務ニ属スル」とは自己本来の業務として該契約をする場合だけに限
らず自己本来の業務の遂行上必要であつて通常附随的に行われる契約のようなもの
をも包含すると解すべきである。そして本件において、被告人が原判決判示の押麦
三〇俵(一俵五〇瓩人)を買受ける契約をしたのは、被告人がA紡績株式会社の用
度係として、同会社工場寄宿舎の工員の食料に供するためであつたというのである
が、現今紡績業を営む会社が工員の為め寄宿舍を設けることは殆必要欠くべからざ
るものであるからその寄宿舍に収容する工員の食糧を購入することはその紡績業を
遂行するため必要であつて通常これに附随して行われるものと解するを相当とする
から、原判決が被告人が右押麦買受契約をしたことを以て右会社の業務に属するも
のとしたことは正当であり又右契約をすることが業務に属するときは営利の目的に
出たことを必要としないから被告人を物価統制令第三条違反に間擬した原判決は何
等所論のような違法はなく論旨は理由がない。
 よつて、旧刑訴法四四六条に従い、主文のとおり判決する。
 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。
 検察官 田中巳代治関与
  昭和二六年九月四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
 裁判官穂積重遠は差支えのため署名捺印することができない。
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎

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