弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人武藤運十郎同高橋正雄の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりである。
 第一点について。
 司法警察員作成の被告人の供述調書中の署名捺印が所論のように強制、脅迫によ
るものであるとの事実は被告人の主張しないところであり、供述内容が強制、脅迫
によるものであるとの主張が必ずしも供述調書中の署名捺印までも強制、脅迫に基
くものであるとの主張を含むものと解しなければならないものでもない。従て原判
決が右署名捺印は自分がしたものに相違ない旨の被告人の第一審公判廷の供述を以
てその供述内容が強制、脅迫によるものでないと認定するための一資料としても経
験則に違背するものとはいえない。次に所論の証人Aが被告人に対し自白をしなけ
れば被害者の死体を一〇日も一五日も座敷に置いておく等告げて取調を行つたとい
うことは被告人がただそのように主張するだけであつて、所論は結局右A証人の証
言の証明力を争う主張に過ぎないもので、原判決が司法警察員作成の被告人の供述
調書について強制、脅迫の事実は認められないとしたことが経験則に反するものと
はいえない。所論は独自の見解の下に右認定を非難するに帰し、論旨は既にその前
提において失当であつて理由のないこと明らかである。
 次に憲法三八条三項違反の主張の点について考えると、第一審公判廷における証
人B同Cの各証言その他第一審判決引用の所論各証拠を以て被告人の自白の補強証
拠となし得ること当然であるから原判決のこの点の判断はもとより相当である。所
論は独自の見解の下に原審の証拠判断を争うものであつて論旨は既にその前提にお
いて失当であつて理由のないこと明らかである。しかも殺意のごとく犯罪の主観的
構成要素について補強証拠を必要としないこと当裁判所屡次の判例の示すところで
あるから論旨はこの点からも採るを得ない。
 同第二点について。
 論旨は「自首減軽しなかつたときは自首の事実を判示する必要がない」というこ
とゝ「刑の減軽が裁判所の自由裁量に委ねられた場合には判示する必要がない」と
いうこととは相反するというが、両者は別個の事項に関する判断であるから、原判
決が当裁判所の判例に反する判断をしたとの非難は既にその前提において失当であ
る。なお刑の減軽が裁判所の自由裁量に委ねられている場合にはその理由となる事
実の主張があつても判決に之に対する判断を示す必要のないこと当裁判所の判例と
するところであつて論旨はいずれにしても採るを得ない。
 その余の論旨は結局量刑不当の主張であつて適法な上告理由とならない。
 なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。
 よつて同四〇八条に従い裁判官全員一致の意見を以て主文のとおり判決する。
  昭和二七年四月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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