弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人B、同C、同A弁護人菊地養之輔上告趣旨第一点乃至第三点について。
 原判決の判示は、所論摘示のとおりである。されば、原判決は、窃盗共謀の事実
を判示しているのみならず、犯罪の日時、場所並びに被害物件の保管者及び所有者
が被告人等以外の他人であること等を特定し得る程度に具体的に判示しているもの
といわねばならぬ。そして、「犯罪の日時、場所は罪となるべき事実ではないから、
原判示のごとく犯行の同一性を特定し、相当法条を適用し得る程度の判示あれば足
りるものであるこというまでもない。また、共謀の日時、場所はこれを判示する必
要のないものであるから、原判決が判示のごとく共謀したと判示した以上判示に欠
くるところはない。また、判示のように「国鉄当局係員の保管に係る列車の積荷」
と判示した以上被害物件の保管者並びに所有者が被告人及び共犯者以外の「他人」
であることまことに明白であるから、窃盗罪の客体の判示として欠くるところはな
い。それ故に、所論第一乃至第三点は採ることができない。
 同第四点について。
 原判決が判示第十一事実として所論摘示のように判示したことは、所論のとおり
である。しかし、同判示就中「突落し以て窃取し」との判示とその挙示の証拠殊に
原審公判廷における被告人Aの突落した後同被告人等両名は間もなく突落した現場
に行き品物をAの家に持ち帰つた旨の供述とを対照すれば、原判示は、積荷を列車
外に突落し拾う計画を実行して拾つた趣旨をも含むものと解することができる。し
かのみならず、鉄道線路の地理現場の事情に精通していると認められる鉄道機関士
である被告人等が判示のごとく共謀計画して判示のごとく定められた目的の地点で
積荷を列車外に突落した本件においては、特別の事情の認められない限り、その目
的の地点に積荷を突落したときその物件は他人の支配を脱して被告人等共謀者の実
力支配内に置かれたものと見ることができる。されば、原判決の窃盗既遂の判示は
違法なものとして原判決を破棄しなければならない欠点があるものとはいえない。
それ故、所論は、結局採ることはできない。
 被告人A弁護人菊地養之助追加上告趣意第五点について。
 しかし、原判決は、被告人Aの原審公判廷における判示同趣旨の供述の外検事の
山元己佐男に対する訊問調書中判示の日時場所等と異る部分を除いた同人の窃盗に
関する供述記載及び同人に対する逮捕状中の記載(両者の間に所論の矛盾を認めな
いように解し得られる)を補強証拠として認定した趣旨であること明白であるから、
原判決にはすべて所論の違法はない。論旨は、それ故に、採ることはできない。
 被告人D弁護人保田久夫の上告趣意について。
 所論は、要するに被告人Dに対する刑の量定重きに失し妥当でないというのであ
るから、上告適法の理由として採ることができない。
 同被告人弁護人滝川三郎上告趣意第一点乃至第三点について。
 しかし、犯罪の日時は、法律上別段の定めのない限り、旧刑訴三六〇条にいわゆ
る罪となるべき事実ではないから、必ずしも証拠によつて、これを認めた理由を示
す必要はなく、犯行の同一性を特定し、相当法条を適用し得る程度に判示し、一件
記録上これを認めるに足る証拠あるを以て足りるものである。そして、所論原判決
摘示の日時については、原審における相被告人Eの冒頭における供述により、これ
を認めるに難くないから所論第一乃至第三点は、すべて採ることができない。
 同第四点について。
 しかし、共同被告人の供述は、互にいわゆる補強証拠たり得るのであるから、所
論第三及び第六の事実について原判決は、被告人Dの原審における供述のみを唯一
の証拠としてこれを認定したものではない。されば、所論は既にその前提において
採ることができない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二四年一二月二二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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