弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役六月に処する。
     被告人に対する第一審における未決勾留日数中一二〇日を本刑に算入す
る。
     訴訟費用中第一審証人Aに支給した分は第一審相被告人Bと被告人との
連帯負担、弁護人勝部良吉に支給した分の二分の一並に原審及び当審の訴訟費用は
被告人の負担とする。
         理    由
 被告人本人の上告趣意について。
 所論は事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 弁護人田中染吉の上告趣意第一点について。
 所論は単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由に当らない。(所論引用の
判例は事案を異にし本件に適切でない)。
 同第二点について。
 所論勾留状を発した当時未だ本件起訴がなかつたものであるから勾留状に所論の
脱字誤字ありということを得ず、所論は前提において失当であり、従つて引用の判
例も本件に適切でなく、適法な上告理由に当らない。
 同第三点について。
 所論は単なる法令違反ないし量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 職権により調査するに、被告人は始め窃盗罪によつて勾留され、窃盗、公務執行
妨害、傷害罪で起訴され、右窃盗罪による未決勾留のまゝ右窃盗、公務執行妨害、
傷害罪について併合審理がなされ、第一審判決において窃盗については無罪、公務
執行妨害傷害罪については有罪として懲役六月、未決勾留日数一二〇日通算の言渡
を受けたものであるところ、検察官の控訴により、原審は右勾留が無罪の言渡をな
した窃盗の事実についてのみなされている場合であるから、その未決勾留日数を前
記公務執行妨害、傷害罪の刑期に算入し得ないとして、第一審判決中被告人に関す
る有罪部分を破棄したことは記録上明らかである。
 しかし、本件の如く一つの公訴事実(この場合窃盗罪)による適法な勾留の効果
が被告人の身柄につき他の公訴事実(公務執行妨害、傷害罪)についても及ぶ場合
において裁判所が同一被告人に対する数個の公訴事実を併合して審理する場合には、
無罪とした公訴事実による適法な勾留日数は、他の有罪とした公訴事実の勾留日数
として計算できる(昭和二八年(あ)第五〇四七号同三〇年一二月二六日第三小法
廷判決参照)のであるから、原審が前記無罪となつた窃盗罪による未決勾留日数を
これと併合審理をした公務執行妨害、傷害罪による本刑に算入することが許されな
いとしたのは違法であつて、原判決は刑訴四一一条一号により破棄を免れない。
 よつて刑訴四一三条但書により直ちに判決する。
 原判決が援用している第一審判決が認定した事実を法令に照すと、被告人の所為
中公務執行妨害の点は刑法九五条、六〇条に傷害の点は同法二〇四条、六〇条、罰
金等臨時措置法二条、三条に該当するところ、右は一個の所為にして数個の罪名に
触れる場合であるから、刑法五四条一項前段一〇条に則り重い傷害罪の刑に従い、
所定刑中懲役刑を選択し、その刑期範囲内で被告人を懲役六月に処し、未決勾留の
通算につき同法二一条、訴訟費用の負担につき刑訴一八一条、一八二条を適用して
主文の如く判決する。
 検察官 高橋一郎公判出席
  昭和三三年四月二五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛