弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人上田誠吉の上告趣意は、第一、二点において違憲をいうが、旧地方税法三
六条において、「地方団体は、左に掲げる税目については、その徴収の便宜を有す
る者をして、これを徴収させることができる」と定め、その二号に「入場税、入場
税附加税」を挙げているので、所論県条例六八条は、この法律の委任に基き、「地
方税法七五条一項に定める催物又は設備の主催者又は経営者を徴収義務者」と定め
たのであり、また所論市条例二六条は、前記「本税の特別徴収義務者を徴収義務者」
と定めたものである。次に所論県条例二七条二項は、旧地方税法七五条の法律委任
に基き、「大衆に入場無料で公開するもので、寄附金又は花が入場料又は利用料の
性質を帯びていないと認められるもの」(同項但書)を除いて、「主催者若しくは
経営者が入場又は設備を利用する者から寄附金又は花を領収する場合は、その寄附
金品又は花は、税込の入場料又は利用料とみなす」と定めたものである。それ故、
所論の違憲はすべて前提を欠くものである。所論第三点は、事実認定の非難である。
論旨はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一
条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和二八年四月三〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    入   江   俊   郎

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